2020年06月08日

人身売買ネットワークの闇『ジェフリー・エプスタイン 権力と背徳の億万長者』

 先日、週刊文春で「死ぬこと以外はかすり傷」とかコイていた編集者が女性ライターにとんでもないセクハラをしていたことが暴かれ、その後も反省せず女性の側に問題があるかのような主張をして重傷を負っていました。女性ライターに「ヤラセロ!」と迫るLINEのやり取りは心底醜くキモイおっさんのあるがままの姿でみっともなく、見ていて吐き気を催しましたが、それすら可愛らしく思えるほどの話を聞きました。

 ネットフリックスで配信中のドキュメント・シリーズ『ジェフリー・エプスタイン 権力と背徳の億万長者』はアメリカの大富豪、ジェフリー・エプスタインが20年にも渡り未成年の女性を性的搾取していたというドキュメントだ。



 ジェフリーは高校を飛び級で卒業するほどの才人で、口のうまさを利用して次々とのし上がり20代の頃にヘッジファンドで莫大な財を成し、大富豪としてフロリダ州パームビーチに大邸宅をつくり、そこを人身売買で見つけた少女たちを招き入れ、性的搾取の城とする。
 ジェフリーの手口は巧妙で、身寄りのない孤児や親と離れて暮らすようなお金に困っている未成年に「200ドルあげる」と持ち掛け高級住宅街にある私邸に呼びつけ性的なマッ サージなどをさせる。ことが済んだ後は「他に友達を紹介してくれたら200ドルあげよう」と売春の仲介をさせるのだ。性的なことを要求された少女たちの中には驚いて「帰ります!」という子もいるのだが、そういう子にもやはり「じゃあ他の子を紹介して」といって200ドル渡す。身寄りのない子の中にはお金が欲しくてジェフリーの誘いを何度も受けてしまったり、また友人を紹介したことで罪の意識に苛まれて富豪であるジェフリーを告発することができない。にしてもこのロバ顔のオッサン、富豪のくせにたった200ドルってせこ過ぎだろ!

 2001年から2005年頃までの数年間で少女たちの勧誘ネッ トワークはネズミ算式に膨れ上がって米国内から果ては南米、欧州にまで広がっており、200人以上の被害者がいたという。

エプスタイン氏の邸宅には何人もの少女がやってくる

 という近所の住人の通報や、被害女性が訴えを起こしたことでついにフロリダ警察の手が伸び、2006年にエプスタインは売春勧誘、売春あっせんの容疑で逮捕、起訴される。最悪終身刑の可能性もあったがエプスタインは金と権力で罪から逃れる。司法取引の結果、下された罪はたった18か月の禁固刑。収監されながら一日12時間の外出が許されており(外で仕事をしなければならない、という理由で)、外に出られないのは週に一日だけだった。それ、禁固刑って言わないよ。

 フロリダ警察や被害者たち、世間はこの措置に疑問を抱くも、司法取引を下した連邦検事アレクサンダー・アコスタは当時も今もこの決定に問題はないと言い張った。彼はトランプ政権の労働長官だった・・・(後に解任される)

 禁固刑を終えて出所したエプスタインはこれまで以上に少女売春に励み、それは2019年まで続いた。性犯罪者として記録されている人物が約15年に渡って放置されていたのだ。
 なぜそんなことが許されていたのか?エプスタインの権力と金の力である。エプスタインはあらゆる業界に知人がおり、歴代大統領(クリントン、オバマ、トランプ)やルパート・マードック、マイケル・ブルームバーグといった実業家、英国のアンドリュー王子やトニー・ブレア首相、サウジアラビアの王太子といった政治家、国賓に及び、映画業界からはウディ・アレン、ケヴィン・スペイシー、ハーヴェイ・ワインスタインといったオールスター。彼らはみなエプスタインの邸宅で「サービス」を受けたという・・・
 著名人らと世界中で会うためにエプスタインは自家用ジェットで飛び回った。その名も「ロリータ・エクスプレス」!


 金と権力でやりたい放題していたエプスタインだが、2019年、重い腰をあげたFBIの調査によって二度目の逮捕となる。今度は逃がさないという意思の元、邸宅の家宅捜索が行われ少女のヌード写真だらけの部屋からは売春の証拠となる未成年女性の写真を収めたCD-ROMなどが発見、押収された。2006年の際には警察の捜査を見越したようにパソコンなどを処分していたエプスタインもついにお縄。

 100人を越す被害者が訴え出、その中の10数名は顔と名前を出して告発。勇気を出した彼女たちだが、前回のように金と権力で逃げ切られてしまうのではと不安だったが、エプスタインの逮捕状を出したニューヨークの司法は家宅捜索の際にダイヤモンドや偽造パスポートを押収していて、「逃亡の恐れがある」という理由で保釈を認めなかった。
 これで彼は一生牢獄の中だ!被害者たちは安堵したが、そうはならなかった。なぜなら彼は裁判を受ける前に自殺してしまったから!


 エプスタインは保釈を認められなかったあと、ニューヨーク・マンハッタンの矯正施設に入れられていたが、ここは札付きの「治安の悪い」場所で、自殺をさせないために他の囚人がいる房に入れられ、30分毎に見回りが来るはずだったが、エプスタインが自殺したとき、房内にはなぜか誰もおらず見回りは居眠りしていて、2台ある監視カメラはどちらも故障していた・・・

「エプスタインが売春ネットワークに参加している著名人の名前を裁判で出すことを恐れた何者かによる謀殺だ」

 華麗過ぎる著名人との交際が知れ渡っているだけにこのような噂がネット上を駆け巡ったが証拠はどこにもない(残念ながら)。しかし中には2ショットが残っているクリントン元大統領などがおり、彼は逮捕の後「以前は知り合いだったがここ最近は会っていない」といけしゃあしゃあと言い張った。性的被害にあった女性から「数年前のパーティで会った!」と証言されてたけど。

 もっとも情けないのが英国のアンドリュー王子で、彼は17歳の未成年に性的サービスを強制されたと訴えられた!被害女性は「王子は汗っかきですごく嫌だった」と訴えたが、アンドリュー王子は「わたしは汗をかかない体質なんだ」と言い訳。しかし公開された女性との2ショット写真を見せられ「2階になんか行ってない」と聞かれてもいないことを答えて大恥をかいた。2019年末に王子は公務から退くことを発表し公の場に一切姿を見せなくなった。


 エグゼクティブ・プロデューサーは『ブレアウィッチ2』『テッド・バンディ』のジョー・バーリンジャー。謎めいたエプスタインがどうやって大富豪になったのか、その過程やどういう人生を送って希代の変態ロリコン野郎が誕生したかの真相や被害者以外の証言がなかなか取れないという厳しい条件の元(だからこそこの一件の問題の根深さがわかるようになっている)、衝撃的な内容になっているのはさすがか。

 陰謀論なんかで「世界中に張り巡らされたロリコンネッ トワークの存在」が囁かれるけど、こういう一件が明るみになると、あながち嘘八百とも思えないのな。性的搾取した側は誰も責任を取ってないという事実に頭が痛くなる。箕輪ナントカもそうだけど、卑劣な人間はどこまでも卑劣になれるというのがよくわかった。

  


2020年05月29日

宇宙へ飛び出せ!トム・クルーズ

『ミッション・インポッシブル』シリーズで飛行機に掴まったまま空を飛び、ビルからビルへと飛び移るジャンプを失敗し、膝を本当に折ってなお普通に歩いていた、不死身の男トム・クルーズがついにに宇宙へ飛び出すことに。

トム・クルーズが宇宙ロケに挑む野心作に「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のダグ・リーマン監督
https://eiga.com/news/20200529/7/

>タイトル未定の新作は、宇宙輸送を業務とするスペースXとアメリカ航空宇宙局(NASA)の協力を経て、宇宙で撮影を行うという前代未聞の意欲作だ

かつて『ボーン・アイデンティティー』でスタジオともめてミソをつけ、その後トムとのタッグ作『オール・ユー・ニード・イズ・キル』『バリー・シール』で大復活したダグ・リーマンと3度目のコンビとなる作品でトムは宇宙で撮影を行うという。この手の撮影は普通に考えたらトムの代役が宇宙空間で撮影するってことなんだろうけど、前記のように本気で撮影する男、トム・クルーズなので本人自ら宇宙空間に行く可能性は高い。なんなら男塾の江田島平八なみに生身で宇宙空間を泳いでくるかもしれない。そして・・・完




  


2020年04月13日

チェコでもけっこう!

 新型コロナウィルスの影響は世界各国に様々な被害を及ぼしているのです。

ヌーディストにマスク着用を指示、裸はOK チェコ警察
https://www.cnn.co.jp/travel/35152228.html?ref=rss

>東欧チェコで先月末、裸で日光浴を楽しんでいたヌーディストに対し、警察がマスク着用を指示する出来事があった。指定の場所で裸になるのは問題ないとはいえ、そこは新型コロナウイルスの流行のさなか、やはり口は覆う必要があった。

>警察は声明で「残念なことに、日光浴中の市民の多くは大人数で集まり、一部はマスク着用を怠っていた」と説明。「警察が到着すると、全員すぐに(屋外での顔面保護具の着用を義務づける)政府の規則を尊重してくれた」と明らかにした。



 裸はいいが、顔面保護具(要するにマスク)を着用を義務付ける、って瞬時に『けっこう仮面』を思い出したわ。






 チェコで「わ~っ!けっこう!!」やっていたのか(やってません)!

  


Posted by 縛りやトーマス at 02:07Comments(0)漫画世界のとんでもニュース

2020年03月03日

ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレットinフランス

♪今夜秘密のカジノにおいでよ たまに無謀な遊びに酔いしれ
落ちてゆくよな気分は 慣れたらこわいよ
クセになりそな エクスタシー


 を地で行く、漫画のような事件が発生。

女性の気を引こうとロシアンルーレット、1発目で死亡 仏パリ郊外
https://www.afpbb.com/articles/-/3270738




 とあるバーで女性客の気を引こうとした店主47歳が勇敢にも(愚かにも、とも言う)ロシアンルーレットに挑戦。一発だけ込めた弾が見事一発目で発射されてしまい、店主死亡。銃は357マグナムということで、まさに

♪鋭く光ったマグナム持つたび

 じゃないか。無謀な遊びに酔いしれてる場合か。命をかけてまで気を引きたかった女、相当いい女だったんだろうな~とも思うが、フランス女だろ。たまにフランス映画見てると、ものすごい女が出てきたりするからな。男の趣味嗜好は多種多様だなと思わされる。

  


Posted by 縛りやトーマス at 21:44Comments(0)世界のとんでもニュース

2020年02月02日

永遠に閉じ込められるミステリー『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』



 ダン・ブラウンのベストセラー、『インフェルノ』(『ダ・ヴィンチ・コード』のシリーズで映画にもなった)の原作小説が世界同時発売されたとき、出版社は海賊版や内容の流出を恐れて各国の翻訳者を一同に集め、翻訳作業が終わるまで外に出さない、軟禁状態に置いたという。
 そんな実話にインスピレーションを受けて作られたのが『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』だ。


 正体不明の作家、オスカル・ブラックの人気小説、『デダリュス』シリーズの最新作の独占出版権を獲得した出版社社長のアングストローム(ランベール・ウィルソン)はこの話題作を9か国で同事発売する計画を発表。そのために9人の翻訳家を郊外の洋館へ集め、翻訳が終わるまでの二か月間、閉じ込めてしまう。海賊版の流出を恐れての措置だ。
 9人の翻訳家には一日20ページ分が渡され、全員同じ一室でピストルを持った警備員に見張られながらの翻訳作業に戸惑いながらも彼らは次第に打ち解けあい、クリスマスにはアングストロームの助手ローズマリー(サラ・ジドロー)らを交えてパーティに酔いしれるほどに。その夜、アングストロームの携帯に謎の相手からメッセージが。「『デダリュス』の冒頭10ページをネットに公開した。残りのページを流出されたくなければ24時間以内に500万ユーロ(約6億円)を振り込め」と。
 確かに『デダリュス』の冒頭は流出していた。原稿を所有しているのは作者のブラックとアングストロームしかいない。作者が流出させるわけもない。となれば犯人はこの9人の中の誰か。個人所有のスマホやノートパソコンを取り上げられ、作業中は常に見張られている彼らは潔白を主張。だがアングストロームは9人を下着だけの格好にさせメールのタイムリミット24時間が経過するのを待つ。これで流出はできないはず。しかし24時間経過後に次の100ページも流出してしまう。犯人は一体誰なのか。

 レジス・ロワンサル監督(『タイピスト!』監督)によるクリスティ風のミステリーは正攻法の演出で物語を盛り上げる。画面の中には観客が必ず真犯人に到達できるヒントが散りばめられており、「そんなの、絶対予想できないだろ!」と声を荒げたくなる無理な展開やずるい謎はない。が、観客を誤誘導する仕掛けが巧みに配置されていて、この映画のキャッチコピーでもある

「あなたは、この結末を“誤訳”する」

 そのままにラストシーンではうっかり騙されてしまうだろう。
 最後には真犯人と謎がすべて明らかにされるが、ひょっとしたらそれは真相ではないのかも・・・というオチになっていて、2重3重に観客は頭をひねることになる。

 それにしても流出を恐れて翻訳家を軟禁状態に置いてしまうって、法律的に大丈夫なのかなと思う(『インフェルノ』のケースでは映画ほどにきつい拘束ではなかったようですが)。この映画の脚本は流出しなかったのかな?それを恐れ流出を防ぐために脚本家を閉じ込めて・・・って映画が完成するまでじゃないか!それじゃ役者もスタッフも閉じ込めないと!

  


Posted by 縛りやトーマス at 23:42Comments(0)映画世界のとんでもニュース

2020年01月06日

話盛りすぎですよ!『コンフェッション・キラー 疑惑の自供』



 米国史上最多の360人以上を殺しテキサス州で死刑判決を受けた連続殺人鬼、ヘンリー・リー・ルーカス。彼の犯した殺人はあまりに膨大で本人も思い出せないぐらいなので、犯行時の状況を思い出せた時には「ルーカス特別捜査班」のメンバーを呼び出して自供をはじめる。ヘンリーの自供によって未解決だった事件のいくつかが解決し、誤認逮捕されていた容疑者は釈放されていった。獄中の死刑囚に警察が捜査のために話を聞きに行くという、あの『羊たちの沈黙』に登場するドクターレクターのモデルになった人物だ。

 そのヘンリー・ルーカスのドキュメンタリー、『コンフェッション・キラー 疑惑の自供』がネットフリックスで配信されているので観た。
 僕がヘンリーを知ったのは『羊たちの沈黙』を観た時と、世界中の連続殺人鬼を取り扱った平山夢明の『異常快楽殺人』を読んだ時だ。この本では『厳戒棟の特別捜査官』という中でヘンリーが取り扱われている。



 幼いころから淫売の母親に虐待されて育ったヘンリーは精神と身体の両方に傷を負い、23歳のころに結婚を誓った女性と母親が口論の末に家を出て行ってしまい、さらに母親から罵られたことをきっかけにその場で母親を殺害、40年の刑を食らうが、ベトナム戦争の影響による国家の財政圧迫を理由に10年で仮釈放となる。釈放直後にバス停で女性を殺害、金品を奪って逃亡。その後はあちこちを転々とし、フロリダでオーティス・ツールという「同性愛者の美青年」と仲良くなり、週末は二人で出かけていった先々で暴行、強盗、殺人を繰り返す。オーティスから「死の腕」という組織を紹介してもらったヘンリーは入会テストに合格し、組織からの依頼で誘拐、殺人を引き受けるようになる。組織から証拠を残さない技術を叩き込まれ、全米中を遠征して殺人行脚をオーティスとともに続けたがまったく捕まらなかったという。彼を疑った保安官に嘘発見器にかけられたが、「死の腕」の教育によってそれもパスしてしまう。ただ一度ドジを踏んだことで逮捕されてしまったヘンリーは獄中で「神の声」を聞いたことでクリスチャンに目覚め、連続殺人の告白をはじめた・・・

 という風に紹介されていた。ネット上の記事なんかでもヘンリー・ルーカスが紹介されるときはこんな感じだった。ところがネットフリックスのドキュメンタリーを見てみると、まったく違う。なんとこのヘンリーの自供はすべて誘導尋問によるもので、彼は連続殺人鬼ではないというのだ。


 テキサスでオーティスのいとこの少女、ベッキーとヘンリーは恋仲になる。だがつまらない諍いからベッキーを殺害、証拠隠滅のためにベッキーの祖母も殺害し遺体を捨てる。この一件を保安官にかぎつけられついにヘンリーはお縄になる。最初はしらを切っていたヘンリーだが、やがて保安官にベッキーと祖母の殺害を告白する。
 裁判所で事件の判決が下されようとした時、ヘンリーは突然

「残り100人の女性の殺人は?」

 と言い出し法廷は騒然となる。

 100人以上の連続殺人事件の容疑者となったヘンリーを捜査するため、全米の警察に犯人が捕まっていない女性の殺人事件について調査するよう通達が飛び、膨大な件数を処理するための「特別捜査班」が設けられ、テキサスのバウトウェル保安官がリーダーとなってヘンリーを尋問することに。バウトウェルはテキサス警備隊の伝説的な英雄で、あのテキサスタワー銃乱射事件の時に飛行機で現場上空を飛んで、機体に銃撃を受けながら犯人の位置を無線で知らせた男だ。バウトウェルは公安局長ジム・アダムスと交渉して専属の捜査班を組むよう、交渉しそれが認められる。アダムスは捜査班の窓口にテキサス警備隊のボブ・プリンスを指名した。

 特別捜査班の尽力によって全米中の未解決事件をヘンリーは自供していった。そんな中、ジャーナリストのエインズワースがヘンリーを取材をしたいと申し出る。エインズワースは殺人事件の容疑者を取材するジャーナリストで、30人以上の女性を殺したテッド・バンディとも直接面談したことがある。バンディを超える100人以上を殺した希代の殺人鬼!興味を惹かれないわけがない。

 バウトウェルはエインズワースの取材を歓迎した。ヘンリーに会いたいという人間はたくさんいたが、バウトウェルは「俺が会わせてやるよ」とまるでマネージメントしているタレントを会わせるような感覚でヘンリーを紹介する。なんと日本からもクルーがやってきているのだ。クルーは日本からおみやげを持ってきて渡すとヘンリーは大喜び。日本のクルーはさんづけでヘンリーを呼んで話を聞く。海外のスターに会っているみたいに。随分のんきだなあ。目の前の男は連続殺人鬼だぞ!
 と思うのだが、残されている記録映像では会談の様子はゆるゆる。なにしろヘンリーは手錠も腰縄もかけられていない。タバコだって吸い放題。

 日本のクルーを交えた会話の中で、ヘンリーは「日本にも行ったことがあるんだ」という。どうやって?と聞くと「車を運転してね」と笑う。え?車で?アメリカから日本へ車で行けるわけがない。この男、なんか変だぞ。
 その後部屋でエインズワースと二人きりになったヘンリーは「ここだけの話だけど、殺しは、全部作り話なんだ」と言い出す。


 ヘンリーの自供はバウトウェルらの誘導尋問によって行われたものだった。バウトウェルは全米の未解決事件の中から都合のいいものを選んで「〇月〇日、ここにいたよな?ここで女性が殺されているんだ」とヘンリーに告げて遺体のあった場所を地図や写真でそれとなく指し示して「ヘンリーが自白した」「犯人しか知らない情報を知っていた」といい、未解決事件の犯人をヘンリーにしていたのだった。

 これがなんで発覚したのかというと、バウトウェルの特別捜査班は未解決事件の犯行日をリストアップし、何月何日に犯行、そのあと移動して何日には犯行・・・という風にパズルを埋めるみたいにヘンリーの殺人行脚をつけていったのだが、それが明らかに不可能な日程なのだ。例えば10月2日にワシントンで犯行、そこから3200キロ移動して10月4日ヒューストンで誘拐未遂事件を起こす。960キロ先のアーカンソーで殺人、1530キロ移動して10月16日ニューメキシコでまた殺人、10月27日1600キロ先のネバダで殺人、2600キロ移動して10月29日ルイジアナで殺人、3400キロ移動したケベックで殺人、これが10月31日。11月2日に3200キロ移動した先のミズーリでまたまたまた殺人・・・
 一か月の間に1万7700キロを移動しての殺人行脚。時速80キロで車を飛ばして休息もなし、という条件でなければ達成できない。「巡航ミサイルでもなけりゃできない」と言われる。こんなことはありえない。するとバウトウェルは「彼は運転や車上生活が好きだったのです」・・・って何の説明にもなっていない!

 エインズワースらこの一件に疑問を持つ人はヘンリーを「話を盛るタイプ」として、自暴自棄になっていたヘンリーはバウトウェルら保安官たちを喜ばせたかったのだろうという。一件解決するごとにシェークをもらえるという条件でヘンリーは犯行を認める書類にサインし続ける。

「これは冤罪だ。とんでもないことになっている」

 特別捜査班の悪行を暴こうとする人が現れるのだが、公安局長のアダムスはそういった「余計な事をするやつら」を元FBI副長官だった権力を利用して陥れていく。盗聴、尾行、不法侵入、懇意にしているマスメディアを使って批判させる。それでも黙らなきゃ犯罪をでっちあげろ!ヘンリーを救おうとしたある検事は詐欺、賄賂の罪で手錠をかけられ人生を台無しにされてしまう。

 バウトウェルらは未解決事件を処理した英雄として扱われたかったのとテキサスでは保安官は偉大なヒーローでなくてはならない、という周囲からのプレッシャーがそうさせたのだろうとエインズワースらは分析する。
 しかしやってもいない犯罪をやったことにされたヘンリー、そして事件の犠牲者遺族はたまったものじゃない。ヘンリーの誘導された自供のせいで真犯人の多くは逃げおおせており、遺族らは「バウトウェルに騙された」と肩を落とす。

 とまあ、平山先生の『異常快楽殺人』と全然違うことになっていたのだった。当時、平山先生が入手できた資料にはここまで書かれてなかったんだろうなあ。彼もまたバウトウェルの被害者なのかもしれない。
 嘘つきとまではいわないけど、しかしいくらなんでもこりゃひどすぎでしょ!と思うのがヘンリーの相棒オーティスを『異常快楽殺人』の中では「同性愛者の美青年」としているところ。番組ではオーティスの映像もあるんだけど


右がヘンリー。左がオーティス。

 ・・・美青年て、どこがや、ど・こ・が!(いくらだいぶ年を経た後とはいえ!)

 平山先生、ヘンリーばりに話盛りすぎですよ!話盛りすぎて観てもいないビデオのレビューをでっちあげてた平山先生らしいけど!

  


2019年09月29日

大きい股間の疑惑

 チャールズ・ブロンソンの西部劇『正午から3時まで』でブロンソンは強盗団のひとりグラハム・ドーシーを演じている。銀行強盗を結構する直前に乗っている馬がダメになり、一軒の民家から馬を拝借しようとする。その民家にいた未亡人アマンダ(ブロンソンの嫁、ジル・アイアランドが演じている)に一目ぼれしたドーシーは馬がないと嘘をつき、家に留まる。亡き夫に操を誓うアマンダだったがやがて二人は惹かれあい、正午から3時までの3時間だけ愛し合う。
 仲間たちが強盗に失敗したと聞かされ、ドーシーは彼らを助けにいく。仲間が縛り首になると知ったドーシーは途中で出会った歯科医のフィンガーになりすまし、ドーシーと間違われた彼は射殺される。しかしフィンガーが詐欺師だったことからドーシーは刑務所に入れられてしまう。入れ替わりを知らないアマンダはドーシーが死んだと思い込む。警察にドーシーとの関係を話したことで彼女は町中から「ふしだらな女」と責められるが、「私たちは正午から3時までの間、確かに愛し合ったのです」と強く訴え、世間の同情を買うことに成功する。この話を本にしようとする作家に「ドーシーは長身のハンサムで・・・」と思いっきり美化したドーシー像を語るアマンダ。
 一方、塀の中のドーシーはアマンダが忘れられず脱獄する。外に出ると自分とアマンダのことを書いた本がベストセラーになり、二人のなれそめは『正午から3時まで』という舞台になり、アマンダの家は観光地化していた!しかしドーシーの姿は似ても似つかぬ「長身のイケメン」にされてしまっていた!憤慨したドーシーはかつての仲間たちに不満をぶちまけるが彼らはドーシーのことを観ても誰のことだかわからない。

「お前誰だ」
「俺だよ、ドーシーだよ」
「嘘をつけ、ドーシーは長身のハンサムだ。お前なんかとは似ても似つかない」

 本に書かれたドーシー像が定着してしまっていて、本物のドーシーを知っている仲間たちもそっちが本物だと思い込んでいるのだ(そんなアホな)。
 ドーシーはアマンダに会いにいくが、当然自分が美化したドーシー像が本物だと思っているのでブロンソンを見てもわからない。ドーシーは「証拠を見せてやる」と服を脱いで股間を見せつける!それでアマンダもようやく本物のドーシーだと気づくのだ(爆笑)。


「股間が大きすぎて怪しい」万引きを疑われた男性。無実を証明するために約25センチのイチモツを見せる(イギリス)
http://karapaia.com/archives/52282954.html



 と、そんなコメディ映画のことを思い出したこの事件。衣料用品店でイチモツがでか過ぎる男が、股間のふくらみを観て万引きを疑われ「だったら証拠を見せてやるぜ!」とパンツを脱いで潔白を証明した。侮辱された、と男は憤慨しており、店側は男の高圧的な態度や「パンツを脱げとは強制していない」というものの、衣服がパンツに入るわけはないんだし、店側の態度もどうかと思うよね。

 ちなみにブロンソンの映画の続きは、今更本の内容は誇張したんだといえないアマンダは自殺して世間の夢を守る。アマンダ殺しの罪で捕まったドーシーは塀の中で「俺が本物のドーシーなんだよ!」と空しく叫ぶが誰にも信じてもらえない。異常者扱いされた彼は精神病院に収容されてしまい、そこの入院患者たちだけは彼が本物のグラハム・ドーシーだと信じてくれるのだ。怖いオチだな!


  


Posted by 縛りやトーマス at 23:49Comments(0)世界のとんでもニュース

2019年06月13日

114通りの未来を観た男

 いまだかつてない勢いのオープニング成績をたたき出したものの、結局失速して『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』、『アバター』の記録越えはならなかった『アベンジャーズ/エンドゲーム』の興行成績ですが、別のところで新たな記録が誕生してました。

米のマーベルファン、『アベンジャーズ/エンドゲーム』110回観賞しギネス記録破る

https://www.afpbb.com/articles/-/3229623?cx_part=top_focus&cx_position=1

 フロリダ在住の男性アグスティン・アラニスさんが『アベンジャーズ/エンドゲーム』を劇場で110回鑑賞し、去年、『アベンジャーズ/インフィニティ―・ウォー』を劇場103回観た、というほかのアンソニー・ミッチェルさんの記録を更新し、まだ未公認だがギネス記録を更新することになる模様。

https://twitter.com/SinarOnline/status/1138962054025400320

 ちなみに昨日(6月13日)の時点で114回目を観た様子。

https://twitter.com/agalanis17/status/1138996418285309952


 こういう観た回数自慢はあんまり大したことなくない?だってただ観るだけじゃないか・・・と思ったりもするが、このアラニスさんが

「僕は1日10時間働き、平日は少なくとも6時間かけて2回エンドゲームを見ている」


 という。1日10時間って、アメリカの社畜だったのか(何をしている人なんだろう?)。10時間も働いたら、僕なら食って風呂入って寝て終わりだね!その状況で記録達成とは、そら自慢してええわ。
 ひょっとしたら114回のうち1回ぐらいはサノスが勝利するターンもあったのかも知れないしな!ドクター・ストレンジの1400万通りの中にこの勝利への道はあったのだろうか?




  


Posted by 縛りやトーマス at 18:33Comments(0)映画オタク世界のとんでもニュース

2018年12月19日

バンビを月一回観る権利をやる

 アメリカ・ミズーリ州で鹿の密猟をした男が月一回、ディズニーの『バンビ』を鑑賞する刑を言い渡された。

判決は「バンビの刑」。シカの密猟者に、月1回の鑑賞を刑務所で

https://www.huffingtonpost.jp/2018/12/18/bambi-sentense_a_23621115/

 容疑者は家族とともに密猟をし、数百頭の鹿を殺害した容疑。裁判所は一年の禁固刑と毎月一回『バンビ』を鑑賞するように義務付けた
 ディズニーの『バンビ』は親鹿を猟師に殺されたバンビが力強く生きていく話だから、矯正目的ということか。しかし容疑者は鹿の頭部を切り取って持ち去ったというやつだよ。食べるためならまだしもねえ、変態でしょう。そんなやつがただバンビを見せるだけじゃあなんの反省もしないよ。見せるときは器具に固定して、瞼を閉じられない状態でルドヴィゴ療法みたいにしないと。『バンビ』を見せたら気持ち悪くなって吐き出すぐらいまで追い詰めないとダメだよ!



  


Posted by 縛りやトーマス at 21:03Comments(0)世界のとんでもニュース

2018年11月06日

なめくじチャレンジ

「食糧難に陥った時、虫は食料として代用可能か?」という本が出てたけど、カタツムリやナメクジは代用できるか?


豪、ナメクジ食べた男性死亡 寄生虫感染8年闘病

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018110601002818.html

 結果…できない!
 以前ごぼうを生で食ったことあったけど、腹を下すぐらいで全然大丈夫でしたね(それは大丈夫といわない)。なので生き物は警戒した方がよい。植物なら大丈夫。

  


Posted by 縛りやトーマス at 21:53Comments(0)世界のとんでもニュース