2017年08月03日

出オチ漫画の実写化は止めよう『東京喰種 トーキョーグール』



 僕は漫画の方を一切読んだことがないので、よくわからないのだがこんなツッコミどころだらけの漫画もないのではないか。人を喰う怪物「喰種」が人間社会に密かに溶け込んでいるという設定だが、喰種は人間の肉以外は水とコーヒーしか飲めないのだ。そんなのすぐバレるんじゃないの??

 ごく普通の大学生、カネキ(窪田正孝)は憧れの先輩、リゼ(蒼井優)とデートをし、深夜の公園でハグされるが、リゼの正体は喰種だった!リゼの攻撃で致命傷を負うも、工事現場で吊られたままの鉄骨の下敷きになってリゼは死亡。って誰もいないのに鉄骨吊ったままにしてる現場なんかないと思うんですけど…あ、ちなみにこの映画の面白いところ、ここまでです

 重傷のカネキは病院に担ぎ込まれ、誰の許可も得ていないのに死亡直後のリゼの臓器を移植され一命を取り留める。そのせいで半分人間、半分喰種の半喰種にされてしまったカネキは普通の食事が喉を通らず人間を食べたい欲望を持つようになり、モラルと生存の間で苛まれる。

 リゼと出会った喫茶店「あんていく」に逃げ込んだカネキは喫茶店の店長芳村(村井國夫)、店員トーカ(清水富美加)らに助けられる。「あんていく」は喰種たちの駆け込み寺だった。心底嫌そうにカネキを手助けするトーカ。清水富美加が本当に嫌そうにこの役を演じていて、こんなツッコミどころ満載の気持ち悪い映画は嫌になるよなあ。出家したくなるのもわかる気がする

 この漫画では喰種が主人公の側なんだけど、人間を喰わないと生きていけないから、どうしたって読者の感情移入を削ぐではないか。「あんていく」に潜む喰種たちは近所にある自殺の名所で飛び降り自殺する人間の肉を回収しているとかいうかなり無理のある設定でアンチモラル感を薄めようとしてるんだけど、完全に失敗してます。人肉を提供している父親を殺されてしまい、その後は「あんていく」に母親(なぜか相田翔子)ともども身を寄せてる子供(桜田ひより)が「人を狩る能力がないから」ということで人肉は「あんていく」が提供するんだけど、目玉をナイフとフォーク使って食ってるんだよ(かなりグルメ風に)。そんな連中にどう感情移入しろっていうんだ!


 喰種の方がこの調子なら、対する人間たちの方も粒ぞろいのどうかしてる連中で、赫子(かぐね)と呼ばれる触手のような器官により恐るべき戦闘能力を持つ喰種に対抗する喰種対策局というのが存在していて、所属する捜査官が喰種と対決するんだけどなぜか一対一の勝負を挑む。武器は喰種の死体から赫子を取り出して製作したガリアンソード。そんなもん使わないで、大勢で取り囲んでロケットランチャーぶち込むとか、火炎放射器でも使えよ。最後にはケバブの串(回転する)でどついたりしてるし、銃器使え!銃器!そんなんで勝てんのかよ!
 劇団EXILEの人(鈴木伸之)がトレーニングで鍛え上げてる体見せつけてましたけど(彼らは裸見せてナンボですからね)相手バケモンですよ。体を見せてバタンキューするのは腐女子だけです。


 「人を喰う怪物が存在していて、そいつに体の半分を支配される」って要するに『寄生獣』で、しかも『寄生獣』があえてやらなかった展開ばかりやっている。なぜ『寄生獣』がパラサイトに対して人間が本格的に対策を取り始めたところで終了したのか考えようよ。
 半分喰種になった主人公が喰種たちの隠れ家に匿われる、って時点で終了してる出オチ漫画なんだから。火星にいったらGがいた!っていう 『テラフォーマーズ』もそうだけど、漫画ではよくても実写にした時には実写ならではの説明や説得力のある描写が必要なんだから。
 もう出オチ漫画を実写化するのはやめよう。


  


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2017年05月19日

暁照夫の三味線ばりのなんでこんなにうまいんやろうか演技『スプリット』



 最近は大コケ映画ばかり撮ってたが前作『ヴィジット』をヒットさせ復活の狼煙を上げたM・ナイト・シャマラン監督の新作。
 退屈そうな顔をしてる女子高生ケイシー(アニャ・テイラー=ジョイ)はクレアの誕生日会に招かれ、その帰りにクレアとその友人マルシアとともに謎の男に拉致される。何処とも知れぬ部屋で目覚めた3人。自分たちを監禁した男、ケヴィン(ジェームズ・マカヴォイ)の隙をついて逃げ出そうとクレア、マルシアは相談を始めるがケイシーだけは「様子を見た方がいい」と冷静になるよう呼びかける。ケヴィンが外出先から帰ってくると、連れの女の声が聞こえてくる。クレアたちが助けを求めると監禁部屋の扉が空き、カーデガンを来てネックレスを首に飾ったさっきの男が姿を見せた!ケヴィンの正体は24人の人格を持つ多重人格者だったのだ…

 スキンヘッドにカーデガン、女声でしゃべりかけてくるパトリシアという人格になりきったマカヴォイの雑な女装を見た瞬間思ったね。「この映画、笑わせに来てる」と…!劇中では23人+“ビースト”と呼ばれる最後の人格、合わせて24人格というビリー・ミリガン状態を演じるマカヴォイ(実際は5人しか出てこないので24人はそもそも盛り過ぎだろう)。役者というものは多重人格者とか振り幅の大きい役を演じたがるものだろうか、神経質そうな男に温厚な若者、女に9歳の少年といった役を代わる代わる器用に演じていくマカヴォイを見る度に「どや!上手いやろう」と言われてるよう。まるで暁照夫の三味線ではないか。「なんでこんなにうまいんやろうかわたし~」
 こんな感じなのでショッキングなスリラー映画のはずがどうしても笑いが起きてしまう。マカヴォイが一生懸命になんでこんなに上手いんやろか演技をするほど笑えてくる!あまりに怖すぎて笑いが起きてしまうというのではなく、意図的に笑わせようとしてるな、これ。だって地下鉄でのビースト誕生シーン、完全にギャグだよ

 笑撃的な映画ではあるが、ラストでは本当に衝撃的な展開が待っていて、ここだけは本気で驚いた。そういうことだったのね!と納得のオチ。詳しくは書けないがシャマランの過去作に関係しているとだけはいっておく。


  


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2017年05月15日

96年のミニシアター

 20年ぶりに続編が公開されて話題の『トレインスポッティング』。20年前の96年という年はいわゆる単館系、ミニシアターブームの始まりだった。ミニシアターのムーブメント自体は88年の『ニュー・シネマ・パラダイス』に始まり、93年公開の『レザボア・ドッグス』、95年公開の『恋する惑星』というヒット作を経て「次のミニシアター系ブームは何か?」という状態であったことを考慮しても96年のミニシアター系映画のラインナップは凄まじかった

 若きレオナルド・ディカプリオが主演した『バスケットボール・ダイアリーズ』はドラッグにハマり、立ち直ろうとしてコーチにケツ犯されるディカプリオの姿に腐女子(当時はそんな言葉なかったから、ホモ好き女子とでもいうべきか)がワーキャー言ってましたな。『タイタニック』以前に目端の利く女子たちはミニシアターでレオ様に夢中になっていたのです。
 ラリー・クラーク、ハーモニー・コリンのコンビ作『KIDS/キッズ』ではニューヨークのストリートキッズたちの乱れた性の様子が(あえて)カッコよく描かれた。処女狩りが趣味のヤリチンに処女を奪われた上にエイズに感染させられた少女ジェニー(演じるは20代前半のクロエ・セヴィニー!)はヤリチンに事情を説明しようとするが、一箇所にとどまらないヤリチンはどこにいるのかわからない。映画のラストでようやく居場所を見つけるもヤッてる最中なので終わるまで待とうとしている間に寝てしまい、寝ている間にヤリチンの相棒君にパンツ下ろされてしまう。目が覚めた後で相棒君がビックリするというオチはまるで笑えなかった!その内容は当時アメリカ中で大騒動を巻き起こしたという。
 『恋する惑星』で一躍その名を知られたウォン・カーウァイの『天使の涙』『楽園の瑕』は日本で同じ96年に封切られたが『楽園の瑕』の理解不能な内容に『天使の涙』のちっとも可憐じゃなかったカレン・モクといい、作品としてはイマイチなものの、カーウァイブームの中、女性客が劇場に溢れかえっていた。

 ミニシアターには若い観客もいるが、年配の固定客も必ず居るもの。『午後の遺言状』(95)上映時にはそのような年配のお客さんが多く駆けつけたという。96年にもそういう人たちに支えられた『イル・ポスティーノ』という作品があり、長らくイタリア映画といえば『ニュー・シネマ・パラダイス』と『イル・ポスティーノ』と言われていたもの(その後『ライフ・イズ・ビューティフル』(97)にとって変わられるけれど)。もう一度見直そうと思って近所のレンタル屋にいったらどこにも『イル・ポスティーノ』が置いてなくて以前はどのレンタル屋にも置いてあったのに、あのブームは遠い昔のことになってしまった。



 一方日本でも北野武の『キッズ・リターン』や岩井俊二の『スワロウテイル』といったその後の日本映画を代表する監督の代表作が生み出されていた。そして『ロスト・チルドレン』『ケロッグ博士』(当時のキネ旬ベスト10で淀川長治先生がベスト1にただひとり選んでいた)といった珍作も。『ケロッグ博士』はコーンフレークのケロッグ社の創始者のひとりであった博士が提唱した独自の健康法を『ミッドナイト・エクスプレス』のアラン・パーカーがブラックに描いたコメディで、当時のみうらじゅんさんがシスコーンからケロッグ派に鞍替えをしたことでもお馴染みの映画。ケロッグ博士役は狂気の博士役を演じさせたら世界一のアンソニー・ホプキンス!DVDがとっくに廃盤なのが惜しまれる。


 みうらじゅんで思い出したけど、この年には水野晴郎先生の『シベリア超特急』も公開されており、同じくミステリー映画としてこの年の話題をさらった『ユージュアル・サスペクツ』に負けず劣らずのふたつのどんでん返しは目端の利く映画ファンの話題を今に至るまでさらいつづけているのだった!
 トレスポとシベ超が同じ年に公開されているってのは奇妙なリンクを感じさせる。日英で同じ鉄道映画(?)が話題になっていたのだから。どちらにも本当の鉄道は出てきませんが…



 こう考えると1996年というのはミニシアター系どころか映画ファンにとっても有意義な時代だった気がします。20年前にレントンのようなボンクラ野郎だった僕はこれらの映画をミニシアターで見ていて、20年経った今でも同じようなボンクラのための映画を追い続けているのです。

  


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2017年01月23日

いつもの「頭が弱い」綾瀬はるか『本能寺ホテル』



 去年末に『鴨川ホルモー』『偉大なるしゅららぼん』などで知られる作家・万城目学のツイッターアカウントで

「映画の製作のためオリジナル脚本を書いてほしいと依頼され、シナリオ学校に通ってまで書いた脚本は監督・プロデューサーと何度も打ち合わせをしたのに全ボツ。しかし全ボツの後も映画の企画は進行し、私が脚本に書いた非常に重要なフレーズが、映画で小ネタとして使われている。即座に抗議したが撮り直しはしない、公開は強行する、しかし謝罪はしたいというがお断りした。結局は泣き寝入り」

 といったツイートが投下。作品や相手の特定はごかんべん、ということだったが、作品タイトルはすぐに判明した。東宝の『本能寺ホテル』だ。なぜかというと作品の設定や物語がどっからどう見ても万城目学の匂いがするから(それにスタッフが万城目学作品の『プリンセストヨトミ』とかぶっている)。というか僕もこれ、万城目作品だと思いこんでました。えっ違うの?


 繭子(綾瀬はるか)は冬の京都を訪れていた。恋人の恭一(平山浩行)と結婚することを決意していた繭子は恭一の両親の金婚式に参加するはずだったが手違いで予約していたホテルに泊まれず、当て所なく京都をさまよううちに路地裏に佇む本能寺ホテルにたどり着く。無事に宿泊できたが、エレベーターに乗り込んで扉が開いた先は戦国時代!
 戦国時代にうとい繭子は出会った森蘭丸(濱田岳)に胃薬を勧めたり、織田信長(堤真一)が鳥井宗室に天下三肩衝のひとつ、楢柴肩衝の献上を申し入れているところに出くわす。献上というものの、結局は権力を嵩に脅し取ろうとするわけだが、それを見た繭子は憤慨。無理やり信長の手から茶器を奪い取って「ダメですよ!脅し取られちゃ!」と能天気にもほどがある行為にでる。もちろん、繭子は彼が信長であることなどまったく知らないのだが、それにしてもこんな頭空っぽの女子大生みたいなことするか?あわや手打ちになるところ、現代にいる本能寺ホテルの支配人(風間杜夫)がロビーのベルを鳴らしたので帰って来られた(ベルを鳴らすと過去にいった人間が現代に戻れるんだけど、なぜそうなのか説明は一切なし)。繭子は自分の身に起きたことを説明するが当然誰も信じてくれない。
 ようやく自分の行った先が1582年の本能寺であることを知った繭子は何度も戦国時代と現代を行き来し、「本能寺の変」から信長を救おうとするのだが…

 綾瀬はるかって一体いつまでこんな白痴の女子大生みたいな役をやってるんだろうね(劇中でもあまりにアーパーな行動を取る彼女を濱田岳が「こやつは頭が弱いのでございます」というセリフもある)あんた、もう31だよ!深田恭子に断れたから、綾瀬はるかに回ってきたのかな?(この二人ってお互い役を押し付けあってるようなイメージがある)
 戦国時代の中でもミステリー要素が高い「本能寺の変」をテーマにしてるから、その謎でも解き明かされるのか?と思ってたらそんなことはまったくなく、光秀もみんなのイメージ通りの悪役を演じて「敵は本能寺にあり!」って叫ぶだけ。演じたのは高嶋政宏だが、これが政伸だったら裏切り者を演じたけれど、あんた、嫁に裏切られたやん!って突っ込めるのに。繭子に自分の死を告げられても信長は死期を悟ったように振る舞うだけで天下統一という自分の夢を部下の秀吉に託して炎の中に消える。繭子は自分のやりたいことや夢というのが何もなくて、就職した会社が倒産、あとは流されるままに婚約、式の日取りや会場も全部婚約者に決めてもらって意見も言えない(自分の意見がない)。けれど自分の夢に向かってまっすぐ生きている信長を見て「私も頑張らなくっちゃ!」と決意するっていうのがこの映画の結末。なんだそれは。戦国時代のミステリーを解き明かすのではなく現代に生きる女性の夢を後押しする「お前も頑張れよ映画」だったなんて…
 
 この作品は前述したように万城目学の全ボツ食らった脚本のアイデアを無許可で使用している、とのことだけどこんな中身空っぽ映画をパクってまで作りたかった土屋健プロデューサーに鈴木雅之監督のセンスを疑う。あんたら切腹な!パクるんなら、せめて面白そうなやつをパクろうよ…ジャック・ブラックの『スクール・オブ・ロック』がドキュメント映画の『ロック・スクール』をモデルにしたように…


  


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2017年01月08日

誰がカウンターで言えるんだこのタイトル『映画RANMARU(略)』



 あまりに低視聴率すぎて途中打ち切りとなったドラマ『神の舌を持つ男』の劇場映画化。テレビで失敗しているのになぜ映画化!?監督が堤幸彦なのであの大失敗作『銀幕版スシ王子!』の再来か?と散々な評価を受けている本作。本当に・・・なぜ映画にした?



 公開前には配給会社からこのような「堤監督からのお詫びの手紙」が送付されてきて、その時点で軽く引いた。作っておいてチマチマ言い訳するんじゃねえ!嘘でも「自信作です!ぜひご覧になってください!」となぜ言えない?さらにドラマを放送していたTBSが製作としてクレジットされていないことから、ドラマのあまりの不振ぶりに見放されたのでは、と余計な勘ぐりまでされてしまったのだった。

 試写状が届いたんだけど、そこには主人公の舌を模した切り取ると靴べらになるデザインが施されていて、どうしろっていうんだよ・・・と絶望的な気持ちに。



 あまりに長過ぎるタイトル
(『RANMARU 神の舌を持つ男 酒蔵若旦那怪死事件の影に潜むテキサス男とボヘミアン女将、そして美人村医者を追い詰める謎のかごめかごめ老婆軍団と三賢者の村の呪いに2サスマニアwithミヤケンとゴッドタン、ベロンチョアドベンチャー! 略して…蘭丸は二度死ぬ。鬼灯デスロード編』)
 といい、すべてが全力でダダ滑ってる。ダメなものをオブラートに包もうとしてさらにダメになっている堂々巡り。もう一度いうけど、なぜ映画にした!?

 ストーリーは寂れた温泉街を舞台に殺人事件の真相を暴くという金田一シリーズみたいな話で、金田一のパロディをやりたいというのはわかるんだけど、思いついたギャグのそのまま脈絡もなく並べてるだけで、時折登場人物の顔が巨大化するバブルヘッド人形状態になって不協和音が鳴り続けるのだが、それになんの意味があるのかもわからないし・・・もう、なんなの一体!?
 木村文乃のウザカワイイ演技以外は大して見るところもないのであった。主演の向井理の決め台詞は「この僕を舐めないでもらいたい!」だけど、堤!映画を舐めないでもらいたい!!


  


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2016年12月21日

ロックとポルノ、そして熊『変態だ』



 原作・みうらじゅん、監督・安齋肇という『勝手に観光協会』の2人が送り出す『変態だ』は前野健太演じる「その男」が三流大学に一浪の末なんとか入ってくるところから始まる。謎の巨漢・アフロ先輩(信江勇)に誘われて無理やり入れられたロック研究会で男は先輩の卒業後、残されたメンバーでバンド『不合格通知』を結成、そこそこ売れる。
 仲間たちが就職のため長い髪を切った時、男は音楽の夢を諦めきれずソロでやっていくことを決意。これもそこそこ売れて結婚し、子供を授かる。子供が寝ている間にやるやることやってしまう男と妻。妻役は恵比寿マスカッツ二期メンバーの白石茉莉奈!これはポルノ映画なのでエロいベッドシーンがあるのだが、彼女のカラミは違う作品で見ているものの、映画でヤッてるところを見るとそれはそれで興奮しますな。

 一件ごく普通の結婚生活を送っている男だが、実は妻に内緒で愛人を作っており、かゆくなるような甘いセッ クスをしている妻とは違い、愛人にペニスバンドでハメられている男。愛人役は『ウルトラマンX』の橘副隊長、月船さらら!怪獣対策している陰でSMプレイに耽っていたとは(違)ちなみに月船さららは元宝塚で男役だったから、男の役はお手の物だな!!

 雪山で行われるスノーロッヂフェスティバルに参加することが決まった男は愛人をマネージャーと偽って同行させる。「向こうでボロクソに犯してやるよ!」と言われなんかやだなあという顔をしながらも内心興奮しまくる男。実家のある街というから「ちょっと見に行こうかな」と言い出す妻を説得し、男と愛人は現地の雪山へ。すり鉢型の野外音楽堂には観客十数人しかいない。さすがに軽井沢のももクロライブとまでは言わんが、フェスの規模小さすぎ。しかも男の前にステージに立つのはウクレレえいじ。「それでは『フランケンシュタイン対地底怪獣』から・・・」って『大怪獣モノ』と同じことやってる(笑)
 そんな中でヒット曲の『ジェレミー』(みうらじゅん生涯のベストワン映画!)を歌う男。が、客席には内緒でやってきた妻の姿が…このまま鉢合わせするわけにはいかないと、ステージが終わるやいなや、愛人の手を取って山奥へ逃げ込む男。心中する気か、冗談じゃないと怒る愛人に男はそそくさとセルフ亀甲縛りを始めるのであった。やけっぱちになった愛人に攻められ、男は気を失う。目が覚めた男の前に現れたのは野生の熊であった…今、極寒の雪山で人と熊の死闘が始まる!


 何を言ってんだお前は、と思うかもしれないが、こういう映画なんだもん!人間は常日頃、日常から変態なのか、それとも極限の状況が変態を目覚めさせるのか。哲学めいたテーマを思わせるが単に驚かせたかっただけかもしれない。
 ミュージシャンが不倫してる話をみうらじゅんが書くっていうから、色々想像力を膨らませたのだが、さすがに恥ずかしかったのか、熊と人の戦いに逃げてしまったのは残念。
 何が変態なのかはわからなかったが、こんなものを金を出して観にいったあなたは確実に変態だ!



  


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2016年12月04日

そんなに何度もどんでん返しはいらない『疾風ロンド』




 医学研究所から持ち出された炭疽菌。その炭疽菌の隠し場所と引き換えに金銭を要求した男は死んでしまい、回収を依頼された男はわずかなヒントを頼りに隠し場所のスキー場を捜索するが、脚を怪我してしまう。気温10度を越えると容器が破裂し炭疽菌で多数の死亡者が出てしまう。スキー場のパトロール隊員とその友人のスノーボード選手を上手く騙して炭疽菌の容器を捜索させるのだが…

 という筋立ては面白そうな東野圭吾の小説を映画化した『疾風ロンド』は映像化の方向性を完全に間違えたためにただの下らないバラエティに成り下がった。なにしろ監督が『サラリーマンNEO』の吉田照幸だもんなあ。なぜコメディコントの人がやるのか?この映画がコメディだから!コメディじゃないよ!この話!
 医科学研究所の研究員・葛原(最近東映映画にばかり出ている戸次重幸。東宝における吉田羊的ポジション)は炭疽菌・K-55を偶然の産物として開発してしまい、所長の東郷(柄本明)から「こんなものを作ったのがバレたら会社は潰れてしまうぞ!」とオーバーリアクション(これがまた見ていられないレベル)で発狂。葛原をクビにしてしまう。逆恨みした葛原はK-55を盗み出し、隠し場所の目印となる木につけたテディベアの写真とともに3億円を要求。しかし葛原は直後交通事故を起こして死んでしまう。

「死んだやつに金は払わなくていい。ラッキーだ!あとはK-55を回収するだけ」
 とオーバーリアクションで部下の研究員・栗林(阿部寛)に命じる。テディベアには位置を知らせる発信機がつけられており、4日だけ電源が持つ。気温が10度を下がると炭疽菌の容器が破裂してしまうため、4日後の金曜日がタイムリミット。栗林は最近不仲に陥っている息子の秀人(濱田龍臣)をスキー旅行という名目で炭疽菌が埋められている野沢温泉スキー場に連れ出して(なぜひとりで行かない?)回収を目論む。原作では架空のスキー場なのになぜ野沢温泉スキー場という実際にあるスキー場でロケまでしてるかって?タイアップだから

 栗林は慣れないスキーで転びまくり、立入禁止区域で遭難しかけて救助を呼ばれたり、挙句は靭帯を切って歩くことすら困難に。スキーもロクに出来ないのにキツイコースや立入禁止区域に入ろうとする栗林を不審に思ったパトロール隊員の根津(大倉忠義)やその友人のスノーボード選手・瀬利(大島優子)に問い詰められ、栗林は「ある患者の治療に必要な新薬が盗まれてスキー場に埋められてしまった」と咄嗟の嘘をついて二人を捜索に巻き込むことに成功。しかし彼等の行動を物陰から見つめる不審な男・折口栄治(ムロツヨシ)がいた。彼は葛原がK-55を盗み出す手引をした協力者、折口真奈美(堀内敬子)の弟で、真奈美は気弱な女を演じながら葛原に強力することで大金をせしめようと考えていた狡猾な女だった。真奈美はスキーの上手い栄治にK-55の回収を任せたのだ。

 この弟が怪しげな悪党として登場するんだけど、それがムロツヨシってねえ…他にちゃんとした役者いなかったの?こいつが一生懸命「怪しげな男」を演じてるんだけど、善良な振りをして近づくとか、こっそり阿部寛の後ろを付け回したとか、車の座席の後ろにいたとか、全部コメディで演出していてムロも「俺、お笑い分かってますから」風に演技するのも何もかも寒い!スキー場だから寒いってか!?ハッカーでテロリストの役がユースケ・サンタマリアだったりとか、どうして最近の日本映画って悪役のキャストがイマイチなんだろう?おかげでサスペンスフルな展開や物語がまったく生きてこない。後半のクライマックスに容器を奪ったムロと大島優子がスキー場を滑走しながらストックでチャンバラを演じたりする日本映画にしては迫力とスケールのあるアクションシーンがあってそこは結構手に汗握る。でもムロだしなあ。大島優子にあまり演技させないで「スノボ選手」っていう役割だけさせたのも上手くいっているのに、とにかくムロが残念
 そして全体をつつむコメディ風演出も意味不明。きちんとシリアスな物語にしておけばよかったのに。二転三転するストーリーはさすが東野圭吾と唸らせられるが、クライマックスから延々と続くどんでん返しの連続、そんなに何度も返さなくていいよ!『シベリア超特急』じゃないんだから…


  


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2016年11月21日

地味目顔女優と乱歩ユニバース『屋根裏の散歩者』(2016)



 限定公開だったので劇場で見られずじまいだったがDVDレンタル開始したので借りてみた。コレ、2009年の『失恋殺人』から続く「江戸川乱歩エロティックシリーズ」(シリーズだったのか!)の第3弾という位置づけなの。シリーズ3作品すべて監督している窪田将治はよほどこのシリーズに思い入れがあるのか、前作『D坂の殺人事件』で本作の主人公である郷田三郎を先に出演させていて、明智小五郎とライバル的関係にしておくという仕掛けを見せた(演じているのも同じ河合龍之介)。その対決が本作で決着するのだ。明智役は『失恋殺人』から同じ草野康太が演じており、窪田将治による乱歩トリロジー、乱歩ユニバースな世界観があり、低予算映画の割に壮大なスケールを感じさせる。

 郷田三郎(河合龍之介)は人生に飽いており、満たされない変態的欲求を下宿の屋根裏を散歩するという奇行で満たそうとしていた。ある日同じ下宿に住む歯科医の遠藤(淵上泰史)が酔った勢いで「少量のモルヒネで人が殺せる」と口走ったのを聞いて以来、毒薬での殺人に興味を抱く。
 下宿に女子大生の大内照子(木嶋のりこ)が越してくる。遠藤の患者だという照子はうつむき加減に小声で話すような女だ。遠藤は助手をしている病院の令嬢・黒木直子(間宮夕貴)と婚約しているが、肝心な時に「勃たない」ので直子は不貞を疑いAKC探偵社に浮気調査を依頼。明智の助手で妻の文代(松本若菜)は遠藤が照子と逢引している証拠写真と調査資料を直子に手渡す。遠藤はかつてある女と情死を図ったが死にきれず、その際の性交に異常な興奮を覚え、それ以来異常な性交でしか勃たなくなってしまった!下宿で遠藤が照子を無理やり犯す様子を天井裏から覗き見る郷田。照子に恋慕していた郷田は遠藤への殺意をたぎらせる。うまく遠藤の部屋に隠してあったモルヒネの瓶を手に入れた郷田は天井の節穴から糸を垂らし、モルヒネを寝ている遠藤の口に垂らす…

 元グラドルにしては地味めのルックスだった木嶋のりこがオドオドして嗜虐心をそそる女子大生役にハマっており、頬を打たれ立ったまま後背から貫かれる場面などの屈辱の表情には変態趣味のない紳士でも興奮待ったなし。令嬢役の間宮夕貴は彼女と正反対で濡れ場の活き活きとしてる表情ったらないね!腰を反る時の快楽に溺れるような顔の淫靡さ、『甘い鞭』で壇蜜とエロさを競い合っただけのことはある。
 この二人によるエロスの競演に見惚れていると、血みどろのクライマックスが待ち受けているので気が抜けない。乱歩作品のエロとグロが上手くミックスされているし、昭和の匂いを感じさせる木嶋のりこと間宮夕貴の起用はベストだな。『失恋殺人』の宮地真緒もそうだけど窪田将治は派手目な顔じゃない女優を使うのが上手いね。次回作は『盲獣』あたりでお願いします。


のりこちゃんのオッパイ形がキレイ


  


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2016年11月17日

冗談が通用しない『ボクの妻と結婚してください。』



 タイトルからしてすでに「どうかしている」のではないか。『ボクと結婚してください。』ならわかる。しかし『ボクの妻と結婚してください。』って何?NTR??織田裕二が妻をNTRれて悶絶するのか?それとも「妻」は織田裕二なのか!?ボクの中の「妻」と結婚してください!もう何がなんだか。ディックのような不条理劇なのかこれは?

 織田裕二演じる売れっ子放送作家・三村修治はある日癌を宣告され、余命は6ヶ月。「残された時間を家族と過ごして下さい」という医者の意見を無視する織田裕二は残された妻(また出た吉田羊!)と息子のことが心配でならない。自分の居ない後でも家族を支えてくれる、そんな人を見つけてあげたい…そう、それが俺の最後の企画だ!!と修治は妻の再婚相手を探すことにしたのだった!導入部分で…どうかしている!
 家族がそこまでしないといけない、ウサギみたいに1人だと死んじゃうような弱々しい妻子だというならまだしも、吉田羊は旦那の面倒も息子の世話も見た上で家事も軽くこなす専業主婦で、ライオンばりに家のことを守ってる強靭さがある。かつて修治が父親の保証人になって借金背負って「もう破産するしかない」とうなだれるのを見て「一緒に借金返していこうよ。私たち夫婦でしょ!」と旦那を励まし、二人はなんとか借金を返済するというエピソードがあり、立派過ぎる奥さんぶりにあんたが血眼になって再婚相手探さなくても、旦那が死んだ後で好きなように適当にそれなりの男を見繕うんじゃないの?と思わされる。吉田羊は明らかにミスキャストですな。

 さて思い込んだら一直線の修治は元同僚の知多かおりが今、結婚相談所の所長をやっているというので彼女を巻き込んで嫁の再婚相手を勝手に探そうとするのだ(同僚役は高島礼子。あんた、他人の相談に乗ってる場合じゃないでしょ!)。
 奥さんの資料を偽装してるのもスゴイけど、その前に一度は奥さんに相談しようよ!!しかし誰の意見にも耳を貸さない、思い込んだら一直線の織田裕二には突っ込めない。この悪事に加担した高島礼子が条件にピッタリあうといってインテリ会社社長の原田泰造を見つけてくる。彼は今は仕事を軌道に乗せないといけないので、結婚はまだ早いと思って…といってこの話を断ろうとするのだが(ならなぜ相談所に登録している)、織田裕二は夢の中で泰造と妻子が仲睦まじく暮らしている光景を見てしまう(??)。こうなったらなんとしてもこの話をまとめてやるぜ!と企画に意気込む。原田泰造だってこんな相手を押し付けられるの嫌だよ!この織田裕二演じる主人公の他人の気持ちを考えない無頓着で傍若無人ぶり、よくこれで放送作家ができるな…
 結局この計画は裕二の病気とともにあっさりと露見。妻には呆れられ、原田泰造には激怒される(そりゃそうだよ)。しかし、織田裕二は

「見ちゃったんだからしょうがない!ボクの妻子とあなたが仲良く笑い合ってる光景を見ちゃったんだからしょうがない!」

 と霊界について語る丹波哲郎ばりのスピリチュアルメッセージを泰造にぶつける。大体それ夢の話だろ!こんな具合の織田裕二の熱気に圧された結果吉田羊と泰造は見合いすることに、時間とともに癌に冒され車椅子生活になるまでやつれた死期を間近にした織田裕二の最後の願い通りに結婚式を挙げるのでした。
 こんなバカな話もないと思うし、企画の段階で誰か忠告する人間はいなかったのだろうか。しかしわかる気もするんだよ。織田裕二の誰の意見にも左右されない感というか、誰も意見できない雰囲気の前では「この話、そもそもおかしいでしょ」とか言えないんでしょうな。あの白すぎる歯をキラキラさせて「僕はこんな企画いいと思うんですよね!」と目の前でやられたら多分誰も意見できない。企画会議で押し切られた後、スタッフらが「織田さんにはホント困っちゃうよな~」やれやれ、しょうがないからいっちょやるかと結局みんな織田裕二のために頑張っちゃう、みたいな光景が容易に想像できる。怖くて意見できないとか、あいつは我儘だから、みたいな感じにはあまりならないような、そんな空気を織田裕二には感じてしまう。舞台、TVドラマ版のように内村光良だったら『LIFE!』の新ネタか、ぐらいで済んでしまうが織田裕二はどうも冗談が通用しない気がする。この映画もきっと冗談ではないのだろう。彼は本気で泣いているだろうから…そんな彼は所詮ピエロだった!というオチはちょっと酷すぎるんじゃないでしょうか。織田裕二が「今まで30年近くやってきた役者業の何かがリセットされるような、そんな作品になるんじゃないかと思っています」とまでいった作品なのに!って、しまった、いつの間にか僕も織田裕二のために頑張ってしまっていた。


  


Posted by 縛りやトーマス at 23:17Comments(0)トンデモ映画

2016年11月10日

なぜこんな恥ずかしい映画に出た『SCOOP!』



 都城静(福山雅治)はかつて伝説的なスクープをモノにした名カメラマンだったが、今は落ちぶれて借金まみれ、芸能人スキャンダル専門のパパラッチになっていた。都城は今日も今日とて出張ホテトル嬢を愛車の中でニャンニャン(死後)した後スクープを求めて夜の街に繰り出す。あるバーで芸能人の熱愛スキャンダルをカメラに収めようとするが、野球帽にブルゾンのもっさい格好の女が割り込んできてスキャンダルはパー。その女は行川 野火(二階堂ふみ)といって都城が仕事をしているゴシップ週刊誌『SCOOP!』の新人編集員だった。

「こんな素人、押し付けるんじゃねえよ!」

 SCOOP!の副編集長、横川(吉田羊)にねじ込む都城だが、一本のスクープにつきギャラ30万にする代わりに行川を預かることが条件だった。金のために渋々条件を飲む都城。ド素人にもほどがある行川は都城のいうがままにパパラッチの現場に放り込まれる。バーの個室でよろしくやってるタレントの現場を抑えろ!と無理やり命令されて捕まりそうになったり、張り込み中に賞味期限切れのパンを食わされたり、一日中車の中でシャワーも浴びられないし、「この仕事、最低ですね!」と愚痴ばかり。そんな行川に「最低だったらなんでこんな本が売れるんだ?みんなこういうのが見たいんだよ!」と露悪的なセリフを吐く都城。

「福山雅治、初の汚れ役!」というキャッチコピーの本作。福山は週刊誌のグラビアを見れば「うおっおっぱいスゲー!このおっぱい揉みてー!」とシンプソンズのホーマー親父ばりに鼻の下を伸ばし、ダジャレは全部野球に例える!もっさい格好の行川を見て「あいつ絶対処女だぜ!1万円賭けるか!?」と横川相手に下品な博打を持ちかける。前半はとにかくおっぱい!おっぱい!おっぱい!を連呼していてちょっとやりすぎ。またこれを見て福山ファンの女性がワーキャーいうんでしょ。やれやれ(笑)
 二人は若手の代議士(斎藤工)と女子アナ(護あさな!)のスキャンダルを狙う。代議士ゆえにガードが固くてスキがない。二人がしけこんでるホテルの隣の部屋にSPが待機しているので部屋にも近づけない。都城は向かいのビルの屋上からスクープを狙うが部屋にはカーテンが。そこでひねりだしたアイデアが花火を上げてひょっこり顔を出したところをフォーカスするのだ!この作戦は上手くいったがSPに居場所がバレてしまい、首都高でカーチェイスをやらかす羽目に。行川に「花火をぶつけろ!」とチャッカマンと花火を渡すが慌てた行川が袋の花火全部に火をつけちゃって大騒ぎ!幸い袋ごとSPの車に放り込んで見事逃げ切った。興奮した行川は思わず口走る「この仕事、最高っすね!」この一件をきっかけに水と油だった二人はSCOOP!誌のゴールデンコンビとして次々スクープをモノにしていくのだった。ここまでの展開はスピーディーであの手この手で芸能人のスクープを追い回す、都城の手練手管といった見どころもあり、面白い。だが残念ながら面白いのはここまで!!

 部数を伸ばすSCOOP!は「いつまでも芸能人スキャンダルばかりじゃだめだ!硬派な話題もやるんだ!」と横川の仕切りである連続殺人犯の顔写真を取ろう!という企画が立てられる。それは女性だけを狙った殺人犯で、逮捕されたものの誰も顔写真を撮っておらず、マスコミに顔が漏れていないのだ。今度警察による現場検証が行われるのでその隙を狙って写真を撮るんだ!というんだが、今時卒アルとかいくらでも出てくるんだから顔写真なんかいくらでも手に入りそうなのに。都城はある事件をきっかけに報道カメラマンの夢を捨てたこともあってこの企画に及び腰に。「そんなの都城さんらしくないです!」と急に馴れ馴れしくなってる行川はひとりで個性派俳優(久保田悠来)のスクープを抑えようと1人飛び出し、俳優と取り巻きの半グレ集団に拉致られて輪姦されそうに!貴虎兄さんなにしてんすか!!
 そこは都城の旧知で情報屋のリリー・フランキーが格闘技の達人で貴虎兄さんをボッコボコにして事なきを得るんだけど、助けにはいって返り討ちにあった都城を彼の部屋で気遣ってるうちになんかイイ感じに。と思ったらいかにも押しかけ女房的に吉田羊がやってきて、部屋を飛び出すのだった。実は吉田羊が元嫁だということが明らかに!結局20代も30代もメロメロにしている福山雅治のオレカッコイイ自慢かよっ!いくらなんでもやりすぎ。いいかげんにしろ!

 なんだかんだあって連続殺人犯のスクープを狙うことに。ところがこの現場検証の隙を狙って写真を撮る手口が、雑誌のグラビア班副編集長(滝藤賢一)が元ラグビー部なのを利用して彼がまず昔取った杵柄で現場検証の時に(ご丁寧にヘッドギアをかぶってラグビーボールまで持たせて)走り回らせれば警察はなんだあれは、と取り押さえようとするだろう。そうすれば青シートで犯人をカメラから守っている警察のガードが緩むだろう、そこを狙ってフォーカスだ!…ってまったく意味不明!そんなことで隙見せるわけないだろ!都城と行川は報道に割り当てられたカメラ位置を無視して車のスクラップ山に隠れてスクープを狙う。でもそこって警察のすぐ傍で二人の姿も丸見えなんですけど…こんなの警察にすぐバレちゃうよ!作戦は上手く行かず、代わりに都城が警察に向かって突っ込んでいって大騒ぎになったところを潜んでいた行川が見事写真を撮る…ってそんなことでいいんなら滝藤賢一は何のために暴れたんだよ…「風が吹けば桶屋が儲かる」ばりの意味不明展開で無事スクープを撮った二人は身も心も深く結ばれるのであった…もうここまで来ると気持ち悪いというしかない。

 結局のところ福山雅治が下ネタを喚こうが下品な生き様をしようが、どこまでもかっこよく、二階堂ふみも吉田羊もみんなメロメロ!最後は悲劇的な死を迎えるというオチまでついて「いくらなんでもやりすぎ、いいかげんにしろ!」と大事なことなので二回言いました。何が今までのイメージを覆した、だ!いつもの福山雅治じゃねえか!!これが結婚する前や30代なら通用したが今や福山雅治は既婚の中年オヤジにすぎないのだ。こんな欠点すら美点に見えてしまう完全無欠のヒーローなんて役どころはもう、無理なんですって!
 福山雅治よ、お前は早くそこに気づくべきだ。気づいていればこの映画の何もかもが恥ずかしくて原作のテレビ映画のごとく幻の作品にしようとしたはずだ!

 福山雅治といえば仕事選びといい、嫁選びといい、すべてにソツのないことで知られてきた。大体吹石一恵を嫁に選ぶあたりがもう、ソツがないというか計算高いというか。知名度はあるが熱狂的ファンがそれほどいるわけでもないという女を選ぶあたりがね、もう…(山本耕史なんかはそのへんがまったくわかってないので堀北真希ちゃんを嫁にした途端、世界中の男の反感を買ってましたな)なのに福山よなぜこんな恥ずかしい映画に出たんだ!


  


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2016年10月25日

君塚良一の大衆蔑視ショー『グッドモーニングショー』



 朝の帯番組『グッドモーニングショー』のメインキャスター・澄田真吾(中井貴一)はかつて報道番組のキャスターだったが、災害現場でのリポートでドジをやらかし降板、今はバラエティ番組に活動の場を移している。しかし『グッドモーニングショー』は視聴率の低下を理由に打ち切りが決まり、リニューアル後の番組からも澄田は外されることを番組プロデューサーにして同期入社の石山(時任三郎)から告げられる。さらに澄田の自宅では大学生の息子ができちゃった婚をすると言い出し、妻(フジテレビ製作の映画にばかり出ている吉田羊)とはケンカ。同番組に出演している女子アナの小川圭子(長澤まさみ)からは酔った勢いで彼女の部屋に一泊しただけなのを勘違いされて「いつ奥さんと別れてくれるのか」と迫られ、挙句「今日の番組中に二人の関係をばらす」と言い出す。プライベートと仕事、双方でトラブルを抱えて頭が爆発寸前の澄田の気持ちをヨソに今朝も番組はスタート。ところが生放送中にカフェでの立てこもり事件が発生、現場からのレポートが挟み込まれ番組内容は大幅に変更。さらに立てこもりの犯人が交渉役として澄田を現場に呼ぶよう要求。かつてのトラウマが蘇る澄田は現場行きを拒否したいのだが、現場に行って番組内容が変われば小川が余計なことを言い出す機会がないのではと考え、仕方なく立てこもり現場に向かう。重装備に隠しマイクをつけた澄田は犯人と対峙するのだがそこで意外な事件の真相が暴かれる。


 序盤は朝のワイドショーの制作現場が描かれる。まず番組開始最初のニュースを何にするか、これについてタレントの熱愛報道と政治家の汚職事件のどちらをトップにするかで芸能班スタッフと政治班スタッフが激しくやりあう。結果「朝から固いニュースはいらない」と芸能人熱愛報道がトップになって報道担当ディレクターの松岡(林遣都)は不満顔。
 そこからどのニュースにつないでいくかの話し合いとなり、その過程で予定だったスイーツ特集はカットされることになりグルメ担当・新垣(木南晴夏)は現場レポをやる予定の店には中継がなしになったと伝えるのだが、朝のテレビで紹介されることを見込んで大量にスイーツを作った店は「大損だよ!」とガックリ。
 他にもニュース原稿のカンペの向き、文字の大きさなどを決めていったりする様子があっという間にテンポよく描かれる。この部分は一般視聴者が知る良しもないワイドショーの製作の裏側をダイジェストかつハイスピードで見せていき、中々に面白い。放送作家としてテレビ製作の裏側を知る君塚良一ならではの「あるあるネタ」が楽しめる。

 しかし澄田の現場レポートになるあたりから「こんなの絶対ありえねえだろ!」とテレビの製作なんか知らない一観客でも容易にツッコミが入れられる展開が続出。防弾チョッキの中にこっそりマイクやカメラを仕込むなんて絶対できないだろう。
 立てこもり犯である濱田岳の立場を通じてブラックバイトの問題や「ワイドショーは好き勝手に世間の出来事や事件を断罪するけど、テレビや出演者にそもそもそんな資格があるのか?」というご指摘はもっともだが、犯人の動機や犯行に至るまでの流れがスッカスカの空論で稚拙すぎてまったく共感できない(共感を呼ぼうと思ってつくってるんだよね?)。
 長澤まさみが演じている女子アナウンサーは空気読めないとか痛い子のレベルを通り越してこんなのテレビに出したらダメだろう。長澤まさみのコメディを勘違いしている演技も見ていられない。小一時間説教だ!君塚良一の底の浅いネット批判、大衆蔑視が丸見えな犯人の処遇を巡るクライマックスはフィクションにしても許される限度を越えている
 この映画を見る前にABCホールプロデュース公演・後藤ひろひと作『だーてぃーびー~汚れたテレビ~』を見ており、『グッドモーニングショー』と同じようなワイドショーの裏側を描き、テレビの欺瞞を暴こうという公演を見たのだが、主張するテーマ、問題点に対する解答、その他において雲泥の差であった。テレビや視聴者について「信じたい」後藤ひろひとと「信じていない」君塚良一の差ではないだろうか。もう一度萩本欽一の下でやり直してこい!


  


Posted by 縛りやトーマス at 16:00Comments(0)テレビトンデモ映画

2016年10月23日

泣きたいのはこっちだよ『CUTIEHONEY-TEARS-』



 未来の日本は高い塔の高層階に住む一握りのエリートと低層階に暮らすことを余儀なくされる貧民層に二分されており、さらに高層階の住人が撒き散らす汚染されたスモッグによって低層階に酸性雨が降ってくるという『ブレードランナー』な世界観(もちろん屋台でなんか食ってるシーンもある)。新聞記者の早見(三浦貴大)は低層階を見張るロボット兵にレジスタンスの男が捕まっているところに出くわす。突然現れた謎の美女・如月瞳(西内まりや)はバトルスーツに変身してロボット兵を一瞬で蹴散らす。彼女こそ早見が追い続けた救世主だったのだ。

 瞳がバトルスーツに変身する場面はピンクの粒子がぶわっと湧き出て、一瞬で変身する。なんとこの映画、変身ポーズや変身シーンそのものがない。キューティーハニーの映画なんだから「ハニーフラッシュ!」の掛け声とともに服がビリビリっと破けて体のシルエットが見えるセクシーシーンを期待して観に行くのに、そりゃねえよ!変身シーンのないキューティーハニーって…別の意味で斬新すぎる
 あの庵野秀明の『キューティーハニー』(04)でもメイキングで庵野監督が主演の佐藤江梨子につきっきりで変身ポーズをきっちり教え込む場面があったではないか。

庵野「変身はこうだ。ハニーフラッシュ!」
佐藤「(こうですか)ハニーフラッシュ!」
庵野「違う!そうじゃない!ハニーフラッシュ!さあもう一度!」
佐藤「ハニーフラッシュ!」
庵野「ちがーう!」


 といった熱いやり取りが交わされた結果変身シーンだけはばっちり再現されていたわけだが、一体どうしてこんなことになったのか。一説には西内まりやの事務所が過剰なセクシー表現を嫌ったためにそうなったというが、じゃあ始めからキューティーハニーに出すなよ!バトルスーツも腰のあたりがフィットしておらずシワシワという有様。全然西内まりやのボディサイズに合わせてつくられてないみたい。そんなに体のラインを出すのが嫌だったのか…
 キューティーハニーを求めてやってくる観客は別に西内まりやを見たいわけでもなく、セクシーな場面であってそれさえあれば西内まりやじゃなくていいんだから、その辺きちんとしてくれないと。

 レジスタンスのリーダー浦木(高岡蒼甫)は高層階の住民が住む建物を破壊して有毒スモッグの排出を止めようとする。それじゃあ低層階の住民も巻き添えじゃねえか!さすが高岡蒼甫、他人の迷惑を考えてないといったところ。早見が建物を管理するAIをサーバールームからコントロールして有毒スモッグの排出を止めさせようとするが結局スモッグが街中にばら撒かれるのでお前ら何も考えてないだろ!
 監督はインテルの長友佑都をモデルにしたアニメ映画『劇場版 ゆうとくんがいく』のヒグチリョウと『攻殻機動隊S.A.C』のオープニングを製作したA.T. (Asai Takeshi)のなぜか二人表記。役割分担がまったくわからないんですが、勝手に想像するとどちらが「こんなの絶対ムリ!」と途中で逃げ出して、スタッフに入っていたもう一方がなんとか完成させたんじゃないかと。こんな仕事を押し付けられて可哀想に(決めつけ)。

 そんなことをしたらどうなるのか、何も考えてないスタッフと西内まりやの事務所と東映と負の方面にぶっちぎり爆走した結果、「変わるわよ♪」いや何も変わることなく何も生み出さない空中元素固定装置と化した『CUTIEHONEY-TEARS-』。観客が涙したことは間違いない。泣きたいのはこっちだよ!「サヨナラ。わたしのキューティーハニー」ってキャッチコピー、確かに邦画界からはサヨナラしてる。


  


Posted by 縛りやトーマス at 02:20Comments(2)アニメトンデモ映画

2016年09月18日

なんですずすぐ死んでしまうん?『四月は君の嘘』



 月刊少年マガジンにて連載され、ノイタミナ枠でアニメ化もされた人気漫画の実写映画化。幼少の頃、正確無比な演奏ゆえに「ヒューマンメトロノーム」と称され、数々のピアノコンクールで優勝する天才ピアニスト有馬公生(山崎賢人)。彼の才能は元ピアニストの母・早紀(檀れい)の厳しい指導によるものだった。少しでもリズムが違うと怒鳴られ打たれるという高嶋ちさ子ばりのバキバキぶりで、末期の病に冒され車椅子に乗りながら過酷な指導を続ける母を少しでも勇気づけようと公生はあるピアノコンクールの優勝をプレゼントするが、喜ぶどころか演奏のリズムが違うと公生を叱咤。

「せっかく母さんのために優勝したのに!母さんなんか大嫌いだ!死んじゃえばいいんだ!」

 といった直後に母親死亡。この一件が大トラウマになった公生は演奏の途中でピアノの音が聞こえなくなってしまい、ピアノから遠ざかる。
 高校3年生になった公生は幼馴染の澤部椿(石井杏奈)の紹介で公生の友人、渡亮太(中川大志)に好意を寄せる同い年のヴァイオリニスト、宮園かをり(広瀬すず)と出会う。かをりの誘いで彼女が出演するコンクールに付き合わされる公生はよくいえば個性的、譜面を無視して好き放題に演奏するかをりに魅せられる。かをりの出演するコンクールで強引に伴奏を命じられたりする中で公生はトラウマを克服してピアニストとして再生を目指し、かをりへの恋心を芽生えさせてゆく。しかし、かをりの肉体は病に冒されていたのだった。


 元天才ピアニストの青年が自由奔放なヴァイオリニストと出会って過去のトラウマを克服する…って『のだめカンタービレ』じゃねえか!違うのはヒロインが死ぬってだけ。ヒロインの死はストーリー上まったく必要に見えず、彼女が生き続けても問題ないのでは?この物語におけるヒロインの死は『のだめ』との差別化と、美少女が難病で死んだら悲しくて読者、観客は泣いちゃうだろうっていう泣かせの要素のためだけでしかない。ヒロインの病名がまったく記されない(原作・アニメ・実写共通)ということからも作者には難病について読者観客に考えさせようというつもりもないのだろう。いきなり広瀬すずがぶっ倒れて立てなくなって、「成功率わずか」の手術に挑む。だからなんなんだよ手術で治る難病って…これはもう最悪であり邦画の悪しき流行りに便乗しているだけではないか。

 そんなどうしようもない欠点を補って余りあるほどに広瀬すずの演技が魅力的。彼女がついた本当の嘘について語られる、不思議なタイトルの意味が判明する(この『四月は君の嘘』って希代のタイトルだと思う)クライマックスで見せる広瀬すずの変貌ぶりは誰もが彼女に恋してしまうのだ。なのになんですずすぐ死んでしまうん?これは広瀬すずのセカチューなのでどんなに話がくだらなくて最悪でも、どうでもいいの。すずさえ可愛ければ。


  


Posted by 縛りやトーマス at 12:27Comments(1)トンデモ映画

2016年08月28日

お前もお前もお前も死ぬのだ!『X-MEN: アポカリプス』



 『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』『X-MEN:フューチャー&パスト』に継ぐ三部作の完結編で原始のミュータントであり最強のヴィラン、アポカリプスとの戦いが描かれる。


 強大な能力で古代エジプト人の上に君臨していたエン・サバ・ヌール(後のアポカリプス)は他のミュータント能力を持つ者の肉体に魂を転移させて生きながらえてきたが、彼の能力を危険視する人々(なにしろアポカリプスはテレキネシスで石を浮かせて自分でピラミッドを作ってしまう!)が反乱を起こす。
 転移の儀式につかうピラミッドを崩壊させて殺そうとするのだが、石を滑落させてピラミッドの大黒柱(?)をへし折ってしまう、って大規模なドリフ大爆笑の崩壊オチを見せられて制作費100億以上の大作とは思えない!何の冗談?
 時が経ち1983年。『X-MEN:フューチャー&パスト』時の騒動でミュータントを神に等しい存在と崇める集団が出来ており、彼等が生き埋めになってしまったアポカリプス(オスカー・アイザック)を目覚めさせる。覚醒したアポカリプスは自分を崇めない、美しいこの星を我が物顔で歩きまわっている人間たちを見て、まるで『デビルマン』のサタンのごとく怒り世界を破滅させることを決意。「私は許せなかった!私が生命がけで守った地球を汚した人間を!」四人のミュータントを直属の配下『黙示録の四騎士』とする。
 アポカリプスの能力は"恵まれし子らの学園”にいるプロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)らにも届き、ジーン・グレイ(ソフィー・ターナー)を夜ごと見る悪夢に悩ませていた。
 その頃ポーランドで正体を知りながら自分を愛してくれる妻、そして娘とともに隠遁生活を送っていたマグニートー(マイケル・ファスベンダー)だったが、能力を知られた警察との争いで妻子は生命を落としマグニートーは姿を消す。
 セレブロでマグニートーに自分の元に来るよう呼びかけるプロフェッサーXだが、逆にアポカリプスに脳内に入り込まれ世界中の核兵器を大気圏外に放棄、プロフェッサーを誘拐する。
 プロフェッサーを利用して世界中の都市を破壊するアポカリプスは人類に宣戦布告。お前もお前もお前も死ぬのだ!(この映画、色んなシーンが『デビルマン』ぽくて黙示録感があるな)


 最強の敵と称されたアポカリプスがまったく最強に見えないのが問題点のひとつで、巨大なテレキネシスがあったらなんでも出来そうな割にはミュータントたちにあっさりやられてしまうし。この手の「最強の敵」描写って本当に難しくて、とにかく滅ぼすか支配するかの二択。理由は悪いやつだから滅ぼす、支配する!といった具合で描写がペラペラ。さっきもいった『デビルマン』のサタンみたいな内面の怒りがアポカリプスからはまったく伝わらない。単なる「悪いやつ」でしかない。アポカリプスによる人類支配にメリットでもあればわかるんだけど。
 敵ではなくミュータントを取り巻く状況自体が絶望的という風に描いた『X-MEN:フューチャー&パスト』は上手かったなあと。
 それに色んな能力があっても結局力でゴリ押しする方が勝ってしまうってのも短絡すぎ。もうクイックシルバーだけでいいんじゃないかな。

 この三部作シリーズは途中の展開とオチがいつも同じで喧嘩別れしたマグニートーが仲直りしようとするんだけど不貞腐れてどっか行く、の繰り返しで今回も同じだったのには呆れたわ。お前らいい加減にしろ。

 内容そのものが黙示録的大崩壊でズッコケ超大作!ジャンプ長期連載漫画の末期を見せられた気分。


宣伝の一環でサイロックのコスプレをした吉木りさはアリだと思います!俺の股間が黙示録!


  


Posted by 縛りやトーマス at 15:32Comments(0)漫画トンデモ映画

2016年08月18日

20年間何も進歩しなかったのか『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』



 20年前に公開された『インデペンデンス・デイ』は大変な話題になり、当時まだあった大阪・北野劇場(関西最大の1,016席を誇った)の先行ロードショーに駆けつけた私は2時間近く前から並び、最前席を取った。シンプルな中にエイリアンをゲンコツでぶん殴るといった野蛮さも併せ持ち、感動すら覚える独立宣言のシーンに拳を突き上げた。絶体絶命の危機を団結の力で乗り越えるというのも万国の人間が納得できる内容だし、日本だけでも100億超えのヒットとなったのも理解できた。
 その続編である『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』はあんなにドキドキワクワクした映画の続編なんだからと期待していったが、20年前に熱狂した自分をゲンコツでぶん殴ってやりたい衝動にかられた。

 前作で撃沈したエイリアンの円盤から技術を得た地球軍はエイリアンと人類の技術を統合したハイブリッド戦闘機の開発や、太陽系の各惑星に対エイリアンの前線基地を設置し(まるで『謎の円盤UFO』か『ウルトラマンレオ』のMACみたい)、さらに強大な外敵からの侵略に備えていた。そして20年の月日が経過(実際の時間と同じ20年後を描いているのだ)
 20年前にアフリカ大陸に着陸していたエイリアンの円盤が突如起動し、信号を発した。前作の地球の勝利に貢献したデイヴィット・レヴィンソン(ジェフ・ゴールドブラム)率いる調査隊は宇宙にいる別働隊への連絡ではないかと推測。月の上空に謎の巨大球体が現れ、アメリカ大統領ランフォード(セーラ・ウォード)はレヴィンソンの「あれは侵略者のものではない」という忠告を聞き入れず破壊命令を下す。レヴィンソンらは破壊された中からコアとなる球体を回収するが、エイリアン本体の母船が出現、レヴィンソンらの乗る戦闘機は母船の引力に捕らえられたまま地球に降下、母船の攻撃により地球の主要都市は壊滅状態に追い込まれる。


 20年もかけて準備していた月基地があっさり破壊される描写にはまさしくウルトラマンレオのMAC全滅を思い出さずにいられない。あのMACステーションは侵略してくる宇宙人に対して設置されたのに、大抵は地球に宇宙人や怪獣が現れちゃうんだよな。MAC仕事しろ。『~リサージェンス』の月基地も簡単に破壊されるので20年間も何してたんだよおめーらは。
 ハイブリッド戦闘機もあっさり使い物にならず、パイロットだけが敵円盤の中に放り出されてしまい、どうするのかと思ったらエイリアンの戦闘機(!)が無人で放り出してあるのを見て

「あれを奪ってやろう」
「おい、あれはエイリアンの戦闘機だぜ。乗り方なんかわからねえよ」
「大丈夫だ。俺たちのと対して変わらない」

 って、すぐに乗り回しちゃうんだよ。ご都合主義にもほどがあるだろ。エイリアンは直接戦闘する兵士のエイリアンとこいつらを指揮するクイーンエイリアンがいて、クイーンをやっつければあいつらは統率が取れないぞ、というわけでクイーンエイリアンただ一匹を狙う作戦が取られるのだが、それならクイーンエイリアンも円盤の奥に引っ込んで出てこなけりゃいいのに、のこのこでてくるんだよな。数百メートルの巨大怪獣然としたクイーンエイリアンが人間が回収したコア(侵略エイリアンが危険視するデータが入っている)を持ったスクールバスと追いかけっこするシーンがクライマックスなんだけど、どうしたって知能が高い存在には見えない。地球人も侵略エイリアンもお互いアホ丸出しでこの20年間、互いに進歩しなかったことが伺える。

 興行収入の方は100億越えした前作とは比べ物にならないほどずっこけていて(公開一月で25億前後)、「こんなアホなものは見ていられない」と進歩していたのは観客だけのようだ。

  


Posted by 縛りやトーマス at 22:07Comments(0)トンデモ映画