2016年11月21日

地味目顔女優と乱歩ユニバース『屋根裏の散歩者』(2016)



 限定公開だったので劇場で見られずじまいだったがDVDレンタル開始したので借りてみた。コレ、2009年の『失恋殺人』から続く「江戸川乱歩エロティックシリーズ」(シリーズだったのか!)の第3弾という位置づけなの。シリーズ3作品すべて監督している窪田将治はよほどこのシリーズに思い入れがあるのか、前作『D坂の殺人事件』で本作の主人公である郷田三郎を先に出演させていて、明智小五郎とライバル的関係にしておくという仕掛けを見せた(演じているのも同じ河合龍之介)。その対決が本作で決着するのだ。明智役は『失恋殺人』から同じ草野康太が演じており、窪田将治による乱歩トリロジー、乱歩ユニバースな世界観があり、低予算映画の割に壮大なスケールを感じさせる。

 郷田三郎(河合龍之介)は人生に飽いており、満たされない変態的欲求を下宿の屋根裏を散歩するという奇行で満たそうとしていた。ある日同じ下宿に住む歯科医の遠藤(淵上泰史)が酔った勢いで「少量のモルヒネで人が殺せる」と口走ったのを聞いて以来、毒薬での殺人に興味を抱く。
 下宿に女子大生の大内照子(木嶋のりこ)が越してくる。遠藤の患者だという照子はうつむき加減に小声で話すような女だ。遠藤は助手をしている病院の令嬢・黒木直子(間宮夕貴)と婚約しているが、肝心な時に「勃たない」ので直子は不貞を疑いAKC探偵社に浮気調査を依頼。明智の助手で妻の文代(松本若菜)は遠藤が照子と逢引している証拠写真と調査資料を直子に手渡す。遠藤はかつてある女と情死を図ったが死にきれず、その際の性交に異常な興奮を覚え、それ以来異常な性交でしか勃たなくなってしまった!下宿で遠藤が照子を無理やり犯す様子を天井裏から覗き見る郷田。照子に恋慕していた郷田は遠藤への殺意をたぎらせる。うまく遠藤の部屋に隠してあったモルヒネの瓶を手に入れた郷田は天井の節穴から糸を垂らし、モルヒネを寝ている遠藤の口に垂らす…

 元グラドルにしては地味めのルックスだった木嶋のりこがオドオドして嗜虐心をそそる女子大生役にハマっており、頬を打たれ立ったまま後背から貫かれる場面などの屈辱の表情には変態趣味のない紳士でも興奮待ったなし。令嬢役の間宮夕貴は彼女と正反対で濡れ場の活き活きとしてる表情ったらないね!腰を反る時の快楽に溺れるような顔の淫靡さ、『甘い鞭』で壇蜜とエロさを競い合っただけのことはある。
 この二人によるエロスの競演に見惚れていると、血みどろのクライマックスが待ち受けているので気が抜けない。乱歩作品のエロとグロが上手くミックスされているし、昭和の匂いを感じさせる木嶋のりこと間宮夕貴の起用はベストだな。『失恋殺人』の宮地真緒もそうだけど窪田将治は派手目な顔じゃない女優を使うのが上手いね。次回作は『盲獣』あたりでお願いします。


のりこちゃんのオッパイ形がキレイ


  


Posted by 縛りやトーマス at 22:16Comments(0)芸能人ヌードトンデモ映画

2016年11月17日

冗談が通用しない『ボクの妻と結婚してください。』



 タイトルからしてすでに「どうかしている」のではないか。『ボクと結婚してください。』ならわかる。しかし『ボクの妻と結婚してください。』って何?NTR??織田裕二が妻をNTRれて悶絶するのか?それとも「妻」は織田裕二なのか!?ボクの中の「妻」と結婚してください!もう何がなんだか。ディックのような不条理劇なのかこれは?

 織田裕二演じる売れっ子放送作家・三村修治はある日癌を宣告され、余命は6ヶ月。「残された時間を家族と過ごして下さい」という医者の意見を無視する織田裕二は残された妻(また出た吉田羊!)と息子のことが心配でならない。自分の居ない後でも家族を支えてくれる、そんな人を見つけてあげたい…そう、それが俺の最後の企画だ!!と修治は妻の再婚相手を探すことにしたのだった!導入部分で…どうかしている!
 家族がそこまでしないといけない、ウサギみたいに1人だと死んじゃうような弱々しい妻子だというならまだしも、吉田羊は旦那の面倒も息子の世話も見た上で家事も軽くこなす専業主婦で、ライオンばりに家のことを守ってる強靭さがある。かつて修治が父親の保証人になって借金背負って「もう破産するしかない」とうなだれるのを見て「一緒に借金返していこうよ。私たち夫婦でしょ!」と旦那を励まし、二人はなんとか借金を返済するというエピソードがあり、立派過ぎる奥さんぶりにあんたが血眼になって再婚相手探さなくても、旦那が死んだ後で好きなように適当にそれなりの男を見繕うんじゃないの?と思わされる。吉田羊は明らかにミスキャストですな。

 さて思い込んだら一直線の修治は元同僚の知多かおりが今、結婚相談所の所長をやっているというので彼女を巻き込んで嫁の再婚相手を勝手に探そうとするのだ(同僚役は高島礼子。あんた、他人の相談に乗ってる場合じゃないでしょ!)。
 奥さんの資料を偽装してるのもスゴイけど、その前に一度は奥さんに相談しようよ!!しかし誰の意見にも耳を貸さない、思い込んだら一直線の織田裕二には突っ込めない。この悪事に加担した高島礼子が条件にピッタリあうといってインテリ会社社長の原田泰造を見つけてくる。彼は今は仕事を軌道に乗せないといけないので、結婚はまだ早いと思って…といってこの話を断ろうとするのだが(ならなぜ相談所に登録している)、織田裕二は夢の中で泰造と妻子が仲睦まじく暮らしている光景を見てしまう(??)。こうなったらなんとしてもこの話をまとめてやるぜ!と企画に意気込む。原田泰造だってこんな相手を押し付けられるの嫌だよ!この織田裕二演じる主人公の他人の気持ちを考えない無頓着で傍若無人ぶり、よくこれで放送作家ができるな…
 結局この計画は裕二の病気とともにあっさりと露見。妻には呆れられ、原田泰造には激怒される(そりゃそうだよ)。しかし、織田裕二は

「見ちゃったんだからしょうがない!ボクの妻子とあなたが仲良く笑い合ってる光景を見ちゃったんだからしょうがない!」

 と霊界について語る丹波哲郎ばりのスピリチュアルメッセージを泰造にぶつける。大体それ夢の話だろ!こんな具合の織田裕二の熱気に圧された結果吉田羊と泰造は見合いすることに、時間とともに癌に冒され車椅子生活になるまでやつれた死期を間近にした織田裕二の最後の願い通りに結婚式を挙げるのでした。
 こんなバカな話もないと思うし、企画の段階で誰か忠告する人間はいなかったのだろうか。しかしわかる気もするんだよ。織田裕二の誰の意見にも左右されない感というか、誰も意見できない雰囲気の前では「この話、そもそもおかしいでしょ」とか言えないんでしょうな。あの白すぎる歯をキラキラさせて「僕はこんな企画いいと思うんですよね!」と目の前でやられたら多分誰も意見できない。企画会議で押し切られた後、スタッフらが「織田さんにはホント困っちゃうよな~」やれやれ、しょうがないからいっちょやるかと結局みんな織田裕二のために頑張っちゃう、みたいな光景が容易に想像できる。怖くて意見できないとか、あいつは我儘だから、みたいな感じにはあまりならないような、そんな空気を織田裕二には感じてしまう。舞台、TVドラマ版のように内村光良だったら『LIFE!』の新ネタか、ぐらいで済んでしまうが織田裕二はどうも冗談が通用しない気がする。この映画もきっと冗談ではないのだろう。彼は本気で泣いているだろうから…そんな彼は所詮ピエロだった!というオチはちょっと酷すぎるんじゃないでしょうか。織田裕二が「今まで30年近くやってきた役者業の何かがリセットされるような、そんな作品になるんじゃないかと思っています」とまでいった作品なのに!って、しまった、いつの間にか僕も織田裕二のために頑張ってしまっていた。


  


Posted by 縛りやトーマス at 23:17Comments(0)トンデモ映画

2016年11月10日

なぜこんな恥ずかしい映画に出た『SCOOP!』



 都城静(福山雅治)はかつて伝説的なスクープをモノにした名カメラマンだったが、今は落ちぶれて借金まみれ、芸能人スキャンダル専門のパパラッチになっていた。都城は今日も今日とて出張ホテトル嬢を愛車の中でニャンニャン(死後)した後スクープを求めて夜の街に繰り出す。あるバーで芸能人の熱愛スキャンダルをカメラに収めようとするが、野球帽にブルゾンのもっさい格好の女が割り込んできてスキャンダルはパー。その女は行川 野火(二階堂ふみ)といって都城が仕事をしているゴシップ週刊誌『SCOOP!』の新人編集員だった。

「こんな素人、押し付けるんじゃねえよ!」

 SCOOP!の副編集長、横川(吉田羊)にねじ込む都城だが、一本のスクープにつきギャラ30万にする代わりに行川を預かることが条件だった。金のために渋々条件を飲む都城。ド素人にもほどがある行川は都城のいうがままにパパラッチの現場に放り込まれる。バーの個室でよろしくやってるタレントの現場を抑えろ!と無理やり命令されて捕まりそうになったり、張り込み中に賞味期限切れのパンを食わされたり、一日中車の中でシャワーも浴びられないし、「この仕事、最低ですね!」と愚痴ばかり。そんな行川に「最低だったらなんでこんな本が売れるんだ?みんなこういうのが見たいんだよ!」と露悪的なセリフを吐く都城。

「福山雅治、初の汚れ役!」というキャッチコピーの本作。福山は週刊誌のグラビアを見れば「うおっおっぱいスゲー!このおっぱい揉みてー!」とシンプソンズのホーマー親父ばりに鼻の下を伸ばし、ダジャレは全部野球に例える!もっさい格好の行川を見て「あいつ絶対処女だぜ!1万円賭けるか!?」と横川相手に下品な博打を持ちかける。前半はとにかくおっぱい!おっぱい!おっぱい!を連呼していてちょっとやりすぎ。またこれを見て福山ファンの女性がワーキャーいうんでしょ。やれやれ(笑)
 二人は若手の代議士(斎藤工)と女子アナ(護あさな!)のスキャンダルを狙う。代議士ゆえにガードが固くてスキがない。二人がしけこんでるホテルの隣の部屋にSPが待機しているので部屋にも近づけない。都城は向かいのビルの屋上からスクープを狙うが部屋にはカーテンが。そこでひねりだしたアイデアが花火を上げてひょっこり顔を出したところをフォーカスするのだ!この作戦は上手くいったがSPに居場所がバレてしまい、首都高でカーチェイスをやらかす羽目に。行川に「花火をぶつけろ!」とチャッカマンと花火を渡すが慌てた行川が袋の花火全部に火をつけちゃって大騒ぎ!幸い袋ごとSPの車に放り込んで見事逃げ切った。興奮した行川は思わず口走る「この仕事、最高っすね!」この一件をきっかけに水と油だった二人はSCOOP!誌のゴールデンコンビとして次々スクープをモノにしていくのだった。ここまでの展開はスピーディーであの手この手で芸能人のスクープを追い回す、都城の手練手管といった見どころもあり、面白い。だが残念ながら面白いのはここまで!!

 部数を伸ばすSCOOP!は「いつまでも芸能人スキャンダルばかりじゃだめだ!硬派な話題もやるんだ!」と横川の仕切りである連続殺人犯の顔写真を取ろう!という企画が立てられる。それは女性だけを狙った殺人犯で、逮捕されたものの誰も顔写真を撮っておらず、マスコミに顔が漏れていないのだ。今度警察による現場検証が行われるのでその隙を狙って写真を撮るんだ!というんだが、今時卒アルとかいくらでも出てくるんだから顔写真なんかいくらでも手に入りそうなのに。都城はある事件をきっかけに報道カメラマンの夢を捨てたこともあってこの企画に及び腰に。「そんなの都城さんらしくないです!」と急に馴れ馴れしくなってる行川はひとりで個性派俳優(久保田悠来)のスクープを抑えようと1人飛び出し、俳優と取り巻きの半グレ集団に拉致られて輪姦されそうに!貴虎兄さんなにしてんすか!!
 そこは都城の旧知で情報屋のリリー・フランキーが格闘技の達人で貴虎兄さんをボッコボコにして事なきを得るんだけど、助けにはいって返り討ちにあった都城を彼の部屋で気遣ってるうちになんかイイ感じに。と思ったらいかにも押しかけ女房的に吉田羊がやってきて、部屋を飛び出すのだった。実は吉田羊が元嫁だということが明らかに!結局20代も30代もメロメロにしている福山雅治のオレカッコイイ自慢かよっ!いくらなんでもやりすぎ。いいかげんにしろ!

 なんだかんだあって連続殺人犯のスクープを狙うことに。ところがこの現場検証の隙を狙って写真を撮る手口が、雑誌のグラビア班副編集長(滝藤賢一)が元ラグビー部なのを利用して彼がまず昔取った杵柄で現場検証の時に(ご丁寧にヘッドギアをかぶってラグビーボールまで持たせて)走り回らせれば警察はなんだあれは、と取り押さえようとするだろう。そうすれば青シートで犯人をカメラから守っている警察のガードが緩むだろう、そこを狙ってフォーカスだ!…ってまったく意味不明!そんなことで隙見せるわけないだろ!都城と行川は報道に割り当てられたカメラ位置を無視して車のスクラップ山に隠れてスクープを狙う。でもそこって警察のすぐ傍で二人の姿も丸見えなんですけど…こんなの警察にすぐバレちゃうよ!作戦は上手く行かず、代わりに都城が警察に向かって突っ込んでいって大騒ぎになったところを潜んでいた行川が見事写真を撮る…ってそんなことでいいんなら滝藤賢一は何のために暴れたんだよ…「風が吹けば桶屋が儲かる」ばりの意味不明展開で無事スクープを撮った二人は身も心も深く結ばれるのであった…もうここまで来ると気持ち悪いというしかない。

 結局のところ福山雅治が下ネタを喚こうが下品な生き様をしようが、どこまでもかっこよく、二階堂ふみも吉田羊もみんなメロメロ!最後は悲劇的な死を迎えるというオチまでついて「いくらなんでもやりすぎ、いいかげんにしろ!」と大事なことなので二回言いました。何が今までのイメージを覆した、だ!いつもの福山雅治じゃねえか!!これが結婚する前や30代なら通用したが今や福山雅治は既婚の中年オヤジにすぎないのだ。こんな欠点すら美点に見えてしまう完全無欠のヒーローなんて役どころはもう、無理なんですって!
 福山雅治よ、お前は早くそこに気づくべきだ。気づいていればこの映画の何もかもが恥ずかしくて原作のテレビ映画のごとく幻の作品にしようとしたはずだ!

 福山雅治といえば仕事選びといい、嫁選びといい、すべてにソツのないことで知られてきた。大体吹石一恵を嫁に選ぶあたりがもう、ソツがないというか計算高いというか。知名度はあるが熱狂的ファンがそれほどいるわけでもないという女を選ぶあたりがね、もう…(山本耕史なんかはそのへんがまったくわかってないので堀北真希ちゃんを嫁にした途端、世界中の男の反感を買ってましたな)なのに福山よなぜこんな恥ずかしい映画に出たんだ!


  


Posted by 縛りやトーマス at 23:13Comments(1)トンデモ映画

2016年10月25日

君塚良一の大衆蔑視ショー『グッドモーニングショー』



 朝の帯番組『グッドモーニングショー』のメインキャスター・澄田真吾(中井貴一)はかつて報道番組のキャスターだったが、災害現場でのリポートでドジをやらかし降板、今はバラエティ番組に活動の場を移している。しかし『グッドモーニングショー』は視聴率の低下を理由に打ち切りが決まり、リニューアル後の番組からも澄田は外されることを番組プロデューサーにして同期入社の石山(時任三郎)から告げられる。さらに澄田の自宅では大学生の息子ができちゃった婚をすると言い出し、妻(フジテレビ製作の映画にばかり出ている吉田羊)とはケンカ。同番組に出演している女子アナの小川圭子(長澤まさみ)からは酔った勢いで彼女の部屋に一泊しただけなのを勘違いされて「いつ奥さんと別れてくれるのか」と迫られ、挙句「今日の番組中に二人の関係をばらす」と言い出す。プライベートと仕事、双方でトラブルを抱えて頭が爆発寸前の澄田の気持ちをヨソに今朝も番組はスタート。ところが生放送中にカフェでの立てこもり事件が発生、現場からのレポートが挟み込まれ番組内容は大幅に変更。さらに立てこもりの犯人が交渉役として澄田を現場に呼ぶよう要求。かつてのトラウマが蘇る澄田は現場行きを拒否したいのだが、現場に行って番組内容が変われば小川が余計なことを言い出す機会がないのではと考え、仕方なく立てこもり現場に向かう。重装備に隠しマイクをつけた澄田は犯人と対峙するのだがそこで意外な事件の真相が暴かれる。


 序盤は朝のワイドショーの制作現場が描かれる。まず番組開始最初のニュースを何にするか、これについてタレントの熱愛報道と政治家の汚職事件のどちらをトップにするかで芸能班スタッフと政治班スタッフが激しくやりあう。結果「朝から固いニュースはいらない」と芸能人熱愛報道がトップになって報道担当ディレクターの松岡(林遣都)は不満顔。
 そこからどのニュースにつないでいくかの話し合いとなり、その過程で予定だったスイーツ特集はカットされることになりグルメ担当・新垣(木南晴夏)は現場レポをやる予定の店には中継がなしになったと伝えるのだが、朝のテレビで紹介されることを見込んで大量にスイーツを作った店は「大損だよ!」とガックリ。
 他にもニュース原稿のカンペの向き、文字の大きさなどを決めていったりする様子があっという間にテンポよく描かれる。この部分は一般視聴者が知る良しもないワイドショーの製作の裏側をダイジェストかつハイスピードで見せていき、中々に面白い。放送作家としてテレビ製作の裏側を知る君塚良一ならではの「あるあるネタ」が楽しめる。

 しかし澄田の現場レポートになるあたりから「こんなの絶対ありえねえだろ!」とテレビの製作なんか知らない一観客でも容易にツッコミが入れられる展開が続出。防弾チョッキの中にこっそりマイクやカメラを仕込むなんて絶対できないだろう。
 立てこもり犯である濱田岳の立場を通じてブラックバイトの問題や「ワイドショーは好き勝手に世間の出来事や事件を断罪するけど、テレビや出演者にそもそもそんな資格があるのか?」というご指摘はもっともだが、犯人の動機や犯行に至るまでの流れがスッカスカの空論で稚拙すぎてまったく共感できない(共感を呼ぼうと思ってつくってるんだよね?)。
 長澤まさみが演じている女子アナウンサーは空気読めないとか痛い子のレベルを通り越してこんなのテレビに出したらダメだろう。長澤まさみのコメディを勘違いしている演技も見ていられない。小一時間説教だ!君塚良一の底の浅いネット批判、大衆蔑視が丸見えな犯人の処遇を巡るクライマックスはフィクションにしても許される限度を越えている
 この映画を見る前にABCホールプロデュース公演・後藤ひろひと作『だーてぃーびー~汚れたテレビ~』を見ており、『グッドモーニングショー』と同じようなワイドショーの裏側を描き、テレビの欺瞞を暴こうという公演を見たのだが、主張するテーマ、問題点に対する解答、その他において雲泥の差であった。テレビや視聴者について「信じたい」後藤ひろひとと「信じていない」君塚良一の差ではないだろうか。もう一度萩本欽一の下でやり直してこい!


  


Posted by 縛りやトーマス at 16:00Comments(0)テレビトンデモ映画

2016年10月23日

泣きたいのはこっちだよ『CUTIEHONEY-TEARS-』



 未来の日本は高い塔の高層階に住む一握りのエリートと低層階に暮らすことを余儀なくされる貧民層に二分されており、さらに高層階の住人が撒き散らす汚染されたスモッグによって低層階に酸性雨が降ってくるという『ブレードランナー』な世界観(もちろん屋台でなんか食ってるシーンもある)。新聞記者の早見(三浦貴大)は低層階を見張るロボット兵にレジスタンスの男が捕まっているところに出くわす。突然現れた謎の美女・如月瞳(西内まりや)はバトルスーツに変身してロボット兵を一瞬で蹴散らす。彼女こそ早見が追い続けた救世主だったのだ。

 瞳がバトルスーツに変身する場面はピンクの粒子がぶわっと湧き出て、一瞬で変身する。なんとこの映画、変身ポーズや変身シーンそのものがない。キューティーハニーの映画なんだから「ハニーフラッシュ!」の掛け声とともに服がビリビリっと破けて体のシルエットが見えるセクシーシーンを期待して観に行くのに、そりゃねえよ!変身シーンのないキューティーハニーって…別の意味で斬新すぎる
 あの庵野秀明の『キューティーハニー』(04)でもメイキングで庵野監督が主演の佐藤江梨子につきっきりで変身ポーズをきっちり教え込む場面があったではないか。

庵野「変身はこうだ。ハニーフラッシュ!」
佐藤「(こうですか)ハニーフラッシュ!」
庵野「違う!そうじゃない!ハニーフラッシュ!さあもう一度!」
佐藤「ハニーフラッシュ!」
庵野「ちがーう!」


 といった熱いやり取りが交わされた結果変身シーンだけはばっちり再現されていたわけだが、一体どうしてこんなことになったのか。一説には西内まりやの事務所が過剰なセクシー表現を嫌ったためにそうなったというが、じゃあ始めからキューティーハニーに出すなよ!バトルスーツも腰のあたりがフィットしておらずシワシワという有様。全然西内まりやのボディサイズに合わせてつくられてないみたい。そんなに体のラインを出すのが嫌だったのか…
 キューティーハニーを求めてやってくる観客は別に西内まりやを見たいわけでもなく、セクシーな場面であってそれさえあれば西内まりやじゃなくていいんだから、その辺きちんとしてくれないと。

 レジスタンスのリーダー浦木(高岡蒼甫)は高層階の住民が住む建物を破壊して有毒スモッグの排出を止めようとする。それじゃあ低層階の住民も巻き添えじゃねえか!さすが高岡蒼甫、他人の迷惑を考えてないといったところ。早見が建物を管理するAIをサーバールームからコントロールして有毒スモッグの排出を止めさせようとするが結局スモッグが街中にばら撒かれるのでお前ら何も考えてないだろ!
 監督はインテルの長友佑都をモデルにしたアニメ映画『劇場版 ゆうとくんがいく』のヒグチリョウと『攻殻機動隊S.A.C』のオープニングを製作したA.T. (Asai Takeshi)のなぜか二人表記。役割分担がまったくわからないんですが、勝手に想像するとどちらが「こんなの絶対ムリ!」と途中で逃げ出して、スタッフに入っていたもう一方がなんとか完成させたんじゃないかと。こんな仕事を押し付けられて可哀想に(決めつけ)。

 そんなことをしたらどうなるのか、何も考えてないスタッフと西内まりやの事務所と東映と負の方面にぶっちぎり爆走した結果、「変わるわよ♪」いや何も変わることなく何も生み出さない空中元素固定装置と化した『CUTIEHONEY-TEARS-』。観客が涙したことは間違いない。泣きたいのはこっちだよ!「サヨナラ。わたしのキューティーハニー」ってキャッチコピー、確かに邦画界からはサヨナラしてる。


  


Posted by 縛りやトーマス at 02:20Comments(2)アニメトンデモ映画

2016年09月18日

なんですずすぐ死んでしまうん?『四月は君の嘘』



 月刊少年マガジンにて連載され、ノイタミナ枠でアニメ化もされた人気漫画の実写映画化。幼少の頃、正確無比な演奏ゆえに「ヒューマンメトロノーム」と称され、数々のピアノコンクールで優勝する天才ピアニスト有馬公生(山崎賢人)。彼の才能は元ピアニストの母・早紀(檀れい)の厳しい指導によるものだった。少しでもリズムが違うと怒鳴られ打たれるという高嶋ちさ子ばりのバキバキぶりで、末期の病に冒され車椅子に乗りながら過酷な指導を続ける母を少しでも勇気づけようと公生はあるピアノコンクールの優勝をプレゼントするが、喜ぶどころか演奏のリズムが違うと公生を叱咤。

「せっかく母さんのために優勝したのに!母さんなんか大嫌いだ!死んじゃえばいいんだ!」

 といった直後に母親死亡。この一件が大トラウマになった公生は演奏の途中でピアノの音が聞こえなくなってしまい、ピアノから遠ざかる。
 高校3年生になった公生は幼馴染の澤部椿(石井杏奈)の紹介で公生の友人、渡亮太(中川大志)に好意を寄せる同い年のヴァイオリニスト、宮園かをり(広瀬すず)と出会う。かをりの誘いで彼女が出演するコンクールに付き合わされる公生はよくいえば個性的、譜面を無視して好き放題に演奏するかをりに魅せられる。かをりの出演するコンクールで強引に伴奏を命じられたりする中で公生はトラウマを克服してピアニストとして再生を目指し、かをりへの恋心を芽生えさせてゆく。しかし、かをりの肉体は病に冒されていたのだった。


 元天才ピアニストの青年が自由奔放なヴァイオリニストと出会って過去のトラウマを克服する…って『のだめカンタービレ』じゃねえか!違うのはヒロインが死ぬってだけ。ヒロインの死はストーリー上まったく必要に見えず、彼女が生き続けても問題ないのでは?この物語におけるヒロインの死は『のだめ』との差別化と、美少女が難病で死んだら悲しくて読者、観客は泣いちゃうだろうっていう泣かせの要素のためだけでしかない。ヒロインの病名がまったく記されない(原作・アニメ・実写共通)ということからも作者には難病について読者観客に考えさせようというつもりもないのだろう。いきなり広瀬すずがぶっ倒れて立てなくなって、「成功率わずか」の手術に挑む。だからなんなんだよ手術で治る難病って…これはもう最悪であり邦画の悪しき流行りに便乗しているだけではないか。

 そんなどうしようもない欠点を補って余りあるほどに広瀬すずの演技が魅力的。彼女がついた本当の嘘について語られる、不思議なタイトルの意味が判明する(この『四月は君の嘘』って希代のタイトルだと思う)クライマックスで見せる広瀬すずの変貌ぶりは誰もが彼女に恋してしまうのだ。なのになんですずすぐ死んでしまうん?これは広瀬すずのセカチューなのでどんなに話がくだらなくて最悪でも、どうでもいいの。すずさえ可愛ければ。


  


Posted by 縛りやトーマス at 12:27Comments(1)トンデモ映画

2016年08月28日

お前もお前もお前も死ぬのだ!『X-MEN: アポカリプス』



 『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』『X-MEN:フューチャー&パスト』に継ぐ三部作の完結編で原始のミュータントであり最強のヴィラン、アポカリプスとの戦いが描かれる。


 強大な能力で古代エジプト人の上に君臨していたエン・サバ・ヌール(後のアポカリプス)は他のミュータント能力を持つ者の肉体に魂を転移させて生きながらえてきたが、彼の能力を危険視する人々(なにしろアポカリプスはテレキネシスで石を浮かせて自分でピラミッドを作ってしまう!)が反乱を起こす。
 転移の儀式につかうピラミッドを崩壊させて殺そうとするのだが、石を滑落させてピラミッドの大黒柱(?)をへし折ってしまう、って大規模なドリフ大爆笑の崩壊オチを見せられて制作費100億以上の大作とは思えない!何の冗談?
 時が経ち1983年。『X-MEN:フューチャー&パスト』時の騒動でミュータントを神に等しい存在と崇める集団が出来ており、彼等が生き埋めになってしまったアポカリプス(オスカー・アイザック)を目覚めさせる。覚醒したアポカリプスは自分を崇めない、美しいこの星を我が物顔で歩きまわっている人間たちを見て、まるで『デビルマン』のサタンのごとく怒り世界を破滅させることを決意。「私は許せなかった!私が生命がけで守った地球を汚した人間を!」四人のミュータントを直属の配下『黙示録の四騎士』とする。
 アポカリプスの能力は"恵まれし子らの学園”にいるプロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)らにも届き、ジーン・グレイ(ソフィー・ターナー)を夜ごと見る悪夢に悩ませていた。
 その頃ポーランドで正体を知りながら自分を愛してくれる妻、そして娘とともに隠遁生活を送っていたマグニートー(マイケル・ファスベンダー)だったが、能力を知られた警察との争いで妻子は生命を落としマグニートーは姿を消す。
 セレブロでマグニートーに自分の元に来るよう呼びかけるプロフェッサーXだが、逆にアポカリプスに脳内に入り込まれ世界中の核兵器を大気圏外に放棄、プロフェッサーを誘拐する。
 プロフェッサーを利用して世界中の都市を破壊するアポカリプスは人類に宣戦布告。お前もお前もお前も死ぬのだ!(この映画、色んなシーンが『デビルマン』ぽくて黙示録感があるな)


 最強の敵と称されたアポカリプスがまったく最強に見えないのが問題点のひとつで、巨大なテレキネシスがあったらなんでも出来そうな割にはミュータントたちにあっさりやられてしまうし。この手の「最強の敵」描写って本当に難しくて、とにかく滅ぼすか支配するかの二択。理由は悪いやつだから滅ぼす、支配する!といった具合で描写がペラペラ。さっきもいった『デビルマン』のサタンみたいな内面の怒りがアポカリプスからはまったく伝わらない。単なる「悪いやつ」でしかない。アポカリプスによる人類支配にメリットでもあればわかるんだけど。
 敵ではなくミュータントを取り巻く状況自体が絶望的という風に描いた『X-MEN:フューチャー&パスト』は上手かったなあと。
 それに色んな能力があっても結局力でゴリ押しする方が勝ってしまうってのも短絡すぎ。もうクイックシルバーだけでいいんじゃないかな。

 この三部作シリーズは途中の展開とオチがいつも同じで喧嘩別れしたマグニートーが仲直りしようとするんだけど不貞腐れてどっか行く、の繰り返しで今回も同じだったのには呆れたわ。お前らいい加減にしろ。

 内容そのものが黙示録的大崩壊でズッコケ超大作!ジャンプ長期連載漫画の末期を見せられた気分。


宣伝の一環でサイロックのコスプレをした吉木りさはアリだと思います!俺の股間が黙示録!


  


Posted by 縛りやトーマス at 15:32Comments(0)漫画トンデモ映画

2016年08月18日

20年間何も進歩しなかったのか『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』



 20年前に公開された『インデペンデンス・デイ』は大変な話題になり、当時まだあった大阪・北野劇場(関西最大の1,016席を誇った)の先行ロードショーに駆けつけた私は2時間近く前から並び、最前席を取った。シンプルな中にエイリアンをゲンコツでぶん殴るといった野蛮さも併せ持ち、感動すら覚える独立宣言のシーンに拳を突き上げた。絶体絶命の危機を団結の力で乗り越えるというのも万国の人間が納得できる内容だし、日本だけでも100億超えのヒットとなったのも理解できた。
 その続編である『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』はあんなにドキドキワクワクした映画の続編なんだからと期待していったが、20年前に熱狂した自分をゲンコツでぶん殴ってやりたい衝動にかられた。

 前作で撃沈したエイリアンの円盤から技術を得た地球軍はエイリアンと人類の技術を統合したハイブリッド戦闘機の開発や、太陽系の各惑星に対エイリアンの前線基地を設置し(まるで『謎の円盤UFO』か『ウルトラマンレオ』のMACみたい)、さらに強大な外敵からの侵略に備えていた。そして20年の月日が経過(実際の時間と同じ20年後を描いているのだ)
 20年前にアフリカ大陸に着陸していたエイリアンの円盤が突如起動し、信号を発した。前作の地球の勝利に貢献したデイヴィット・レヴィンソン(ジェフ・ゴールドブラム)率いる調査隊は宇宙にいる別働隊への連絡ではないかと推測。月の上空に謎の巨大球体が現れ、アメリカ大統領ランフォード(セーラ・ウォード)はレヴィンソンの「あれは侵略者のものではない」という忠告を聞き入れず破壊命令を下す。レヴィンソンらは破壊された中からコアとなる球体を回収するが、エイリアン本体の母船が出現、レヴィンソンらの乗る戦闘機は母船の引力に捕らえられたまま地球に降下、母船の攻撃により地球の主要都市は壊滅状態に追い込まれる。


 20年もかけて準備していた月基地があっさり破壊される描写にはまさしくウルトラマンレオのMAC全滅を思い出さずにいられない。あのMACステーションは侵略してくる宇宙人に対して設置されたのに、大抵は地球に宇宙人や怪獣が現れちゃうんだよな。MAC仕事しろ。『~リサージェンス』の月基地も簡単に破壊されるので20年間も何してたんだよおめーらは。
 ハイブリッド戦闘機もあっさり使い物にならず、パイロットだけが敵円盤の中に放り出されてしまい、どうするのかと思ったらエイリアンの戦闘機(!)が無人で放り出してあるのを見て

「あれを奪ってやろう」
「おい、あれはエイリアンの戦闘機だぜ。乗り方なんかわからねえよ」
「大丈夫だ。俺たちのと対して変わらない」

 って、すぐに乗り回しちゃうんだよ。ご都合主義にもほどがあるだろ。エイリアンは直接戦闘する兵士のエイリアンとこいつらを指揮するクイーンエイリアンがいて、クイーンをやっつければあいつらは統率が取れないぞ、というわけでクイーンエイリアンただ一匹を狙う作戦が取られるのだが、それならクイーンエイリアンも円盤の奥に引っ込んで出てこなけりゃいいのに、のこのこでてくるんだよな。数百メートルの巨大怪獣然としたクイーンエイリアンが人間が回収したコア(侵略エイリアンが危険視するデータが入っている)を持ったスクールバスと追いかけっこするシーンがクライマックスなんだけど、どうしたって知能が高い存在には見えない。地球人も侵略エイリアンもお互いアホ丸出しでこの20年間、互いに進歩しなかったことが伺える。

 興行収入の方は100億越えした前作とは比べ物にならないほどずっこけていて(公開一月で25億前後)、「こんなアホなものは見ていられない」と進歩していたのは観客だけのようだ。

  


Posted by 縛りやトーマス at 22:07Comments(0)トンデモ映画

2016年07月23日

困り顔の生娘演技の方がホラー『ホーンテッド・キャンパス』



 極度の怖がりなのに幽霊が見えてしまう八神森司(中山優馬)は絶対にそれらと関わらない、幽霊を見て見ぬふりして過ごす毎日を送っていたが、高校時代に物置から飛び出す不吉な黒い影に襲われそうになっている後輩の灘こよみ(島崎遥香)をなりゆきで助けてしまう。幽霊などにはまったく縁がないのになぜかそれらを引き寄せてしまう体質のこよみを放っておくことが出来ず、彼女に関わってしまう森司だが、怖がりな上に臆病なのでまったく彼女に告白できないまま卒業…俺のバカ!!

 一浪して進学した森司と同じキャンパスにこよみが!立場的に同級生になった森司はこれを期に告白を考える。そうだ、大学なんだから彼女が入るサークルに一緒に行けばいいんだ!

「ねえ、何かサークルとか入らないの?」
「私、幼なじみの知り合いがいるところに誘われてて…」
「へえ、どこなの?」
「オカルト研究会です」

 彼女のために渋々オカルト研究会に入ることになった森司。さっそく舞い込んできた依頼は「引越し先の部屋の壁に女の形をした染みができる」というもの。ノリのいい部長にしてこよみの幼なじみ、黒沼麟太郎(安井謙太郎)らはさっそく件の部屋へ。森司は壁のシミから長い黒髪の女が現れるのを見てしまい、能力が部員たちにバレてしまう…

 元NYCの中山優馬映画初出演、そして『劇場霊』で映画初主演を果たした島崎遥香共演ということでハイティーン向けの恋愛×青春×ホラーというジャンルなのだが、特に前半の内容はハイティーン向けとは思えないようなキッツイもので…

 この「壁の染みから女の幽霊が現れる」という事件を調査するオカ研メンバーは依頼者であり部屋に引っ越してきた学生がアンティークショップで買ったというアルミ缶の中から指人形を発見、これが幽霊の出る理由ではないかと判断。そのショップへ。ショップの店長(下條アトム)は指人形を見て驚く。それは彼が中学生の頃に近所に住んでいた幼なじみのものだった…

 ここからその幼なじみとの馴れ初めが語られる。その子は明るく活発な子だったのに、母親がある男と再婚してから暗く沈むようになったという。やがて母親は亡くなり、義父とふたりきりの生活を送るようになると彼女は義父から性的虐待を受けるようになり、耐えかねた彼女は義父を刺殺し、首を吊って死んでしまう。
 森司が能力で女の子の幽霊から教えられた真実は、義父に性的虐待を受けた上に子供まで産まされており、しかもその子は死産。息を引き取った嬰児の遺体を抱いて子守唄を歌い出す女の子…彼女の霊は森司に惨劇の場となった家の床下を指差す。そこからは腐乱死体となった子供が…って相当年月経ってるだから、白骨死体になってると思うんだけど!

 ジャニファンが目当てにやってくる可愛らしいホラーかと思ったら本格的なやつじゃないの!中山優馬のファンはそんな義父に犯される女の子が子供を死産する話とか、見たくないだろ!
 ヒロインを演じる島崎遥香は常にかばんをランドセルみたいに背負っていて、常に困り顔の「怖いのとかわかんなぁ~い」みたいな初な生娘演技をしているがまるで似合っておらず、こっちの方がよっぽどホラーだわ。

  


Posted by 縛りやトーマス at 08:49Comments(0)アイドル映画AKB48トンデモ映画

2016年06月24日

セッ クスのいらないイケメンが欲しい『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』



 『図書館戦争』シリーズや『阪急電車』など中身のない小説をヒットさせているベストセラー作家、有川浩原作の映画化。もうベストセラーって一体なんなの?と疑問でいっぱいですよ!

 さえないダメOLの河野さやか(高畑充希)は今日も得意先との待ち合わせ場所を間違えていじわるな上司(ダンカン演じる、本当に意地の悪そうなクソ上司!)にどやされて肩を落として帰宅。すると自宅マンション前に若い男が行き倒れていた!声をかけたさやかにその男(三代目Jなんとかの岩田剛典)は「お嬢さん、よかったら僕を拾ってくれませんか?しつけの出来た、良い子です」と手を差し出すのであった。
 普通ならこんなキモいこというやつ、速攻通報か、ガン無視で家に飛び込むかだと思うがなぜかさやかは行き倒れを家に入れてカップラーメンまで食わせてやる。挙句「泊まっていけば?」どこの世界に素性の知れない男にここまで世話をする女がいるというのか?
 朝、目が覚めると行き倒れは勝手に台所でメシを作っていた!メシもロクに作れないぐらいダメ女のさやかはこれで完落ち。礼を言って出ていこうとする行き倒れに
「行くところないなら、うちで暮らしなよ!」
 行き倒れは「苗字は言いたくない」と樹(イツキ)と名前だけ名乗る。
「半年だけでいいなら、居させてください」
 こうしてさやかと樹の「恋人じゃない」同棲生活が始まる。

 樹は朝、食事をつくり、弁当まで用意し、バイト先をあっさり探してバイト代からさやかに金を貢ぎ、さやかが仕事で疲れて帰宅した時には「これ、そこで配ってたんだ。カモミールの入浴剤。カモミールは疲れが取れるんだよ。さやか…ファイト!」もはや気が利くレベルではない!執事かよっ!

 行き倒れはなぜか野草に詳しくて河原でつくしやふきのとうを取ってメシを作ったりしてくれる(どうみてもバッチイんですけど!)。もう毎日がハッピーでたまらないさやかだが、今まで不幸だっただけに急に幸せが訪れると疑い深くなるものでこっそりイツキのバイト先を覗きに行くと、バイト先の先輩女子(今井華)から「クサカベくん」呼ばわりされてヘラヘラしているイツキに「バイト先では苗字教えるんかい!」と切れる!「バイト先で苗字言いたくない、なんて言えないだろ…」とあからさまに怪しい(というか最初からこいつは怪しすぎるんだけど)イツキとのちょっとした喧嘩も恋のスパイス(爆笑)とでも言いたいのか。そんな恋のシーソーゲームなやりとりをしながら半年後、突然イツキは出て行ってしまう!…って最初っから半年だけって言ってたがな。

 イツキを失ったさやかは半狂乱になってイツキのバイト先に押しかけ、あの女のアルバイトとの関係を怪しんで「女の連絡先を教えろ!」と迫り、女の後を付け回す!当然ストーカー扱いされて警察の厄介に。なんで急にアグレッシブになってんだよ…恋は女を変えるのか(笑)。


 それからしばらくして、さやかの家に封書が届く。出てきたのは『植物図鑑』という野草の写真集。著者は日下部樹…これひょっとしてイツキじゃない?とネット検索すると(ストーカーする根性あるくせにネット検索せんのかい!クサカベって苗字はわかってるんだから、クサカベで該当する字なんかそんなに多くないだろ)たちまちヒット、出版記念パーティがあるとのことで、その会場に当然のように潜入(素人が普通に入れるの?それ…)したさやかは、イツキの父が高名な華道の先生で、イツキは無理やり跡を継がされようとするのだが、それに反発。じゃあ何がやりたいんだというと

「特に何かをやりたいっていうのはないんだけど」

 ないんかい!父親は半年の間にやりたいものを見つけて来いと期限付きの自分探しを認めるのであった。そして自分探しに出た途端に行き倒れていたのをさやかに拾ってもらったの。こいつ、自分探しすらできてねえよ!

 ねえねえ、それじゃあ「よかったら僕を拾ってくれませんか」って台詞に何の意味もないんだけど!!真相を知ったさやかの元に帰ってきたイツキは「僕は本当にやりたいことを見つけたんだ。君と一緒に暮らすことだ!」ってそれが落ち?全然落ちてないんですけど!!
 これがベストセラー作家の書く本だというのか。大したストーリーもなく、山も落ちもない。あるのはただ
「大した努力はしないで自分のいいなりになる、セッ クス不要のイケメンがいて欲しい」
 というこじらせ女子の邪な欲望がまたもダダ漏れ!
 ハーレム系ラノベでも、もう少し男の主人公は努力してまっせ!こじらせ女子の世界に努力というものは存在しない。棚から牡丹餅それのみ。これが興行収入ランキング1位でスタート、3週目に再び首位奪取の大ヒット中なのだから俺はもう世の中が信じられない。こんな映画がいつか世界を破滅させるに違いない。こんな運命はお断り!


  


Posted by 縛りやトーマス at 20:17Comments(3)デブとドブスがコンブリオトンデモ映画