2018年01月15日

すべては浜村淳の思し召し『嘘八百』



 最近の邦画は原作モノに偏重していて、アニメ、漫画、小説を片っ端から買い漁ってダメなモノに作り直し、高級食材でつくったゴミが箸もつけられずに捨てられていく…そんな光景を何度も見てきた。オリジナルで面白いものができないのか?そんな邦画の現状に敢然と立ち向かったのが監督・武正晴と脚本・足立紳。この二人が挑んだのは幻の千利休の茶器を巡る駆け引きだ。

 目利きの腕はあるが、うだつの上がらない古物商の小池(中井貴一)は車の中で聞いたカーラジオからスローバラードならぬ浜村淳「西の方角に吉あり」という声に従って西に車を走らせりゃ、たどり着いたのは野田佐輔(佐々木蔵之介)という主の屋敷。佐輔が亡父から譲り受けたという蔵の中から「親父はこれひとつで車一台買えるぐらいの価値がある」という品を見せられるが、小池はそれが何の価値もない贋作だと見抜いてしまう。贋作を買ったという古美術店に行き、店主の樋渡(芦屋小雁)に「こんな立派な店が素人にタダ同然のもん売りつけるとはいただけませんな」と強請りにかけるが、大物鑑定士の棚橋(近藤正臣)が出てきて、「あんた強請りにきたんでっか」と強気に出られてぐうの音もでず、すごすごと退散。

 翌日、再び佐輔からもっと価値のあるものが、と電話されて屋敷に向かうと千利休直筆の譲り状、利休形見の一品という茶器を入れた箱がでてきた。これは間違いなく本物と見抜いた小池は「これもニセモンですわ」と佐輔をだまくらかして100万のはした金で数億円もするであろう茶器を手に入れる。しめしめ、これで大儲けや!と鼻息荒い小池だが、カーラジオの浜村淳「油断大敵でっせ!」とささやく。あわてて調べると茶器は真っ赤な偽物!屋敷へ引き返すと見知らぬ老人(寺田農)が座っていた。なんと佐輔は屋敷の主でもなんでもなく、留守番を預かっているだけのアルバイトだった…
 佐輔はかつては将来を期待された若手陶芸家だったが、樋渡と棚橋に贋作づくりでこき使われすっかり夢も希望もなくし、今では表具屋のよっちゃん(坂田利夫)、達筆な居酒屋のマスター西田(木下ほうか)、箱作りならおまかせの材木屋(宇野祥平)らとともに詐欺を働くまでに落ちぶれていた。

 小池も過去に樋渡らにハメられ、自分の店を売り払って借金を背負わされていたことから「やられっぱなしでいいのか?見返してやろうぜ」と佐輔に発破をかける。本物そっくりの「幻の利休の茶器」を佐輔につくらせ、やつらをハメてやるのだ!なにしろ佐輔のつくった茶器に小池は一瞬騙されたのだから…かくしてくすぶってる男たちの一発大逆転が始まる!


 佐輔の人生は太閤秀吉に重宝されながら、最後は忌み嫌われ切腹を命じられた千利休の人生と似ている。小池は利休が最後につくった茶器に込めた「無念だったであろう」思いをもっともらしくでっちあげて、欲深い鑑定士らを巧妙に落とし穴へと誘導する様子はまさに痛快。ハメたつもりがハメられた!と腑に落ちる話のまとめ方もお見事。観客もすっかり騙されましたわ。

 それにしても、登場人物の行動の鍵を握っているのが実は浜村淳だというのは恐ろしい。大阪ではすべてが浜村淳の手のひらで踊らされているというのか…


  


Posted by 縛りやトーマス at 01:05Comments(0)映画

2018年01月06日

痛い女の前代未聞復讐劇『リベンジgirl』



 いきなり、コロンビア映画のロゴマークから始まるので驚いた。コロンビア映画はこの映画を配給しているソニー・ピクチャーズの子会社なんだけど、今年から邦画ではコロンビア→ソニーの順でロゴが出るようになったよう。だからといってこの映画が北米で公開されるわけでもないので、よくわからない。

 さて、この『リベンジgirl』は成績優秀な上、類まれな美貌を持つヒロイン、宝石美輝(なんちゅう名前や。ちなみにたからいし・みきと読む)が男にふられた腹いせに相手をギャフンと言わせてやるわよと女性初の総理大臣を目指すコメディだ。


 東大を主席で卒業した経歴を持つ宝石美輝(桐谷美玲)はミスキャンパスのグランプリに選ばれる。才色兼備の美女たる美輝だったが、それらをすべて帳消しにするほど性格が悪いのだった。ミスキャンパスの授賞式では「私が優勝したのは…当然の結果です!」とか言っちゃうし。謙虚に「私が優勝できたのは家族のおかげです」みたいなコメントを求めていた関係者は口あんぐり。他の出演者はぶち切れ。「他の人たちは運が悪かったっていうか…家で鏡見てきたら?って感じなんですけど~」とかいっちゃうからしょうがない。

 そんな美輝も男に恋をする。政治家一族の御曹司で、ハーバード大を卒業した斎藤裕雅(清原翔)だ。コロンビア大じゃないところがいいですね!美輝の高すぎるプライドを満足させるには充分すぎる裕雅が指輪をプレゼントするらしいと聞いて自分への婚約指輪だと信じて疑わない美輝は有頂天!呼び出されたパーティ会場で自慢しまくるのだが、裕雅からのLINEに「まだ仕事なんだ。疲れてるから美輝の笑顔を送ってくれないか?」とメッセージが。美輝はさっそくスマホでビシバシに決めた笑顔を撮るのだが、パーティ会場の女性客たちも一斉に自撮りし始める。ナニコレ?するとミスキャンパスの準優勝者で東大の後輩・仲手川万里子(馬場ふみか)も「先輩、私の写真撮ってください」とか言ってくる。彼女のスマホを見たら美輝に届いたのと同じメッセージが(笑)。

 怒り心頭の美輝が裕雅の元に乗り込むと、彼の子供を妊娠した女性(佐津川愛美)が堕胎費用を渡されている!裕雅はとんでもなく女癖の悪い男で、斎藤家の財力と権力によってもみ消されてきたのだった(そんなやつが政治家目指していいのか)。「お前みたいな頭空っぽの女、本気で好きになるわけないだろ!身の程知れよ」とさんざんなこと言われて美輝のプライドはズタズタ。ちなみに指輪は馬場ふみかへのプレゼントでした!

 悔しくて悔しくてたまらない美輝は私も政治家になってあいつを見返してやる、そうよ、総理大臣になってやるのよと決意。
 導入部にはこちらの好奇心も鷲掴み、今後の展開に期待が持てたがこの後はもう何もかもスッカラカン。美輝は政治塾に入ろうとするのだがその塾長は過去様々な政治家を政界へ送り込んできた政治のプロ、斉藤由貴。「あなたの相談に乗ってあげるわ」っていうんだけど、斉藤由貴さん、人の相談に乗ってる場合じゃないよ…あなたの方が相談に乗ってもらわないと。今は斉藤由貴の方がリベンジgirlだよ!さんざんバカにしたマスコミに怒りのヨーヨー攻撃だ!「てめえら、許さねえ!」

 話が逸れたが、斉藤由貴は素人の美輝のために秘書役として門脇(鈴木伸之)をつける。門脇はかつて政治家の秘書をしていたが、嘘ばかりの政治家に嫌気が差したのだった。頭空っぽで男への仕返しを理由にしている美輝に「お前みたいなやつは政治家に向いてない!」とズバリな門脇。しかし美輝にもたったひとついいところがあるのを見つけ出す。それは嘘をつかないということだ。誰にでも本音を言ってもめることを恐れない(だから友達がいないんだけど…)彼女は大雨の下でティッシュ配りのバイトをしている佐津川愛美を見つける。そのおなかは膨らんでいた…
 みじめな私をバカにしているんでしょう、と毒づく佐津川愛美に桐谷美玲、「そうよ、みじめだと思ってるわ。こんな雨の中、大きなお腹でバイトしてるあなたをね!お腹の子供に悪いと思わないの!」と強引にティッシュを奪い取る美玲、彼女のティッシュ配りを手伝うその姿に鈴木伸之も彼女を見直すのだった。ってさぁ…
 シングルマザーの苦闘を描いてるにしても表現が雑すぎ。いくらなんでも妊婦でティッシュ配りのバイトはないだろ。しかもあんな大雨で…びちょびちょのポケットティッシュ、渡される方も嫌だよ。

 こんな風にあらゆる表現が雑。裕雅と同じ選挙区に出馬した美輝だったが、卑劣な中傷作戦に遭ってしまい、やつの事務所に殴り込み。あまりの女性蔑視ぶりに怒りのパンチを食らわせようとしたところ、美輝の代わりに秘書門脇のストレートが炸裂。彼女を守るために辞表は出してきた、ってそれで済むわけないだろ。こんなことやったら選挙どころじゃないよ!ぼけ、死ねっていったことで大騒ぎになってる政治家がいるというのに。


※ここからネタバレです



 クライマックスはさらに無茶苦茶で投票前日、最後の演説で聴衆の前に現れた美輝、自分が振られた男へのリベンジのために出馬しているのに、後援会の人々や支持者たちが真剣に彼女のことを応援しているのを見て嘘はつけない!と腹をくくった美輝は自分が振られた男への仕返しのために出馬したことを告げ、それでも一生懸命に応援してくれる後援会や支持者のためにいい政治をしたい、そしてこんな私を変えてくれたある人(門脇のこと)のため選挙に勝ちたいでーす、なアピールに草の根運動で増やした支持者から声援と拍手が…聴衆の中に事務所を去ったはずの門脇の姿を見つけた美輝は選挙カーを降りて駆け寄り、大勢が見ている中で堂々抱き合ってキス!「前代未聞だな…」と門脇。本当に前代未聞だよ!こんなオチ!!大の大人がこんな雑なものを作って恥ずかしくないのか。

 これ、映画の企画をしたときは小池百合子ブームを当て込んだのではないかと。公開時には小池百合子を宣伝に引っ張り出してあの政界の娼婦面した小池がテレビに出まくっていたのかと思うと。小池ブームが終わって本当によかったですね!今は小池もリベンジgirlですやんか。


  


Posted by 縛りやトーマス at 23:51Comments(0)映画トンデモ映画

2018年01月01日

なぜリメイクした『オリエント急行殺人事件』




 アガサ・クリスティの4大ミステリーにして世界でもっとも有名なオチであろう。なので今更リメイクしたって上手くいくわけないと思うのだが…なぜやった?

 本作は74年に公開されたシドニー・ルメット監督版を想起させる豪華キャスティングを起用。名探偵ポワロ役に監督も兼任するケネス・ブラナー、犠牲者となる富豪ラチェット役にジョニー・デップ。家庭教師のデブナムにはスター・ウォーズ続3部作のデイジー・リドリー。いけすかないドラゴミロフ夫人役はジュディ・デンチ!他にもウィレム・デフォー、ペネロペ・クルス、ジョシュ・ギャッド、ミシェル・ファイファー…74年版に負けず劣らずの面子。

 エルサレムで難事件をあっさりと解決したポワロは乗り合わせたオリエント急行の一等車内で大富豪のエドワード・ラチェットからポワロの腕を見込んで身辺警護を依頼される。彼は脅迫状を受け取っていた。金はいくらでも払う、というラチェットの態度が気に入らないポワロは依頼を断る。
 列車は折からの降雪で線路がふさがれ立ち往生。除雪作業のため停車した車内でラチェットは体の12か所を刺されて殺害される。列車には13人の容疑者が居たが、全員には確かなアリバイがあった。やがてラチェットの正体はマフィアのボス、カセッティで彼は大富豪アームストロング家の長女、デイジーの誘拐殺人事件の主犯だったことがわかる。


 と、ほとんど74年版と同じ話。『オリエント急行殺人事件』はオチが衝撃的であり作品の象徴なので、ここをいじるわけにはいかないから、同じ話になってしまうのはしょうがない。でもそれじゃあリメイク、リバイバルの意味がまったくないのでは?
 この作品をリメイクする意味があるとすれば、配給の20世紀フォックスがクリスティの原作の映画化権利を数本買ったので(今後、『ナイル殺人事件』『検察側の証人』『そして誰もいなくなった』の映画化がすでに決まっているのだ)、どうせダメだとわかっていても作るしかなかったんでしょうね!
 負け試合とわかって登板するピッチャーみたいなもんで、ブラナーの敗戦処理は見事でしたね。点差が開かないようにするだけで精一杯。次回の『ナイル殺人事件』に期待です。今度は多少オチをいじっても大丈夫だろうし。

 あと本作のおかげでオマージュ(?)作品の『シベリア超特急』が再び日の目を見ることになったのは嬉しかった。


  


Posted by 縛りやトーマス at 22:48Comments(0)映画

2017年12月30日

最初からクライマックス!?『ガールズ&パンツァー最終章 第一話』



 TVアニメ、劇場版と熱狂の嵐を巻き起こしてきたガルパンがついに最終章!それはうれしいんだけど、テレビ、劇場版を経て大洗女子学園艦廃校の危機は去ったのにどう続きを描く気だ?

 今回描かれる物語は学園廃校を上回る最大の危機、生徒会の河嶋桃ちゃん留年の危機!?急にスケール小さくなってる!!しかし留年の危機というニュースは学園内どころか国内を駆け巡り、サンダースにまで盗聴される(笑)。このシーン爆笑します。
 今までちょっと頭良さげな雰囲気を匂わせていた桃ちゃんがすげえバカだったというのも驚きですが、直後の展開にはまた驚く。留年の危機を回避するため戦車道全員でひねり出した案はAO入試による一芸入学。目指すべく冬の戦車道大会、その名も無限軌道大会で桃ちゃんを隊長にして優勝すれば無事進学だ、ということで大会のための戦力強化のため、学園艦の下底部にあるという戦車の回収に。が、下底部には生徒会の自治も及ばない札付きのワルたちが潜んでいた。ティーンズロードに出てきそうな長いスカートの不良たちが「おうっ!誰に断ってここ通ってんだよっ!」と絵に描いたような反応。不良たちにそど子が拉致され、それを麻子が先頭に立って追いかけると急に主観映像に切り替わって臨場感あふれる大追跡劇に。まったく目が離せない…紆余曲折を経て大洗は新しい戦車Mk.Ⅳと不良たちを戦車道に加え、大会第一試合に臨む。

 この流れは事前の予告編などで一切伝えられてなかったので驚いた!サプライズ的に仕掛けられているので観客もこれはネタバレ厳禁だろうと(公式がお願いしたわけではない)その後の鑑賞レビューでもみんなこの部分だけは必死になって隠している。でも公開一か月近く立ってるのでばらしちゃう。
 予告編などで伝わっていたのは第一試合の相手、BC自由学園の設定。名称は親独派のヴィシー政権とレジスタンスの自由フランスの合体だ。中等部からのエスカレーター組と高校受験組が混在するために双方いがみ合っている様子が秋山殿の潜入映像から判明する。ちなみに今回の潜入コスチュームはローソンで、サークルKサンクスとの契約は切れたのか。テレビ放送の際はあまり期待されなかったのでサークルKサンクスしかタイアップしてくれなかった、と言われたガルパンも大きくなったなあ。
 このBC自由学園は弱小なので、一回戦は余裕っしょと思ってたらまさかの展開で窮地に陥ってしまう大洗。テレビ版からの観客を驚かせようという仕掛けの連発でいまいち事前の盛り上がりにかけていた最終章第一話は最初っからクライマックス!わずか47分の上映時間でこれだけ盛り上がれるのだからガルパンは侮れない。
 唯一の不満は、僕の一押し、劇場版で活躍した継続高校が出場していないよ…出ればいいってもんじゃないんじゃないかな


  


Posted by 縛りやトーマス at 09:43Comments(2)映画アニメテレビ

2017年12月24日

お前はジーグだから『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』



 クールジャパン、なんていったところで今日本で放送されてる深夜アニメのほとんどは諸外国ではほとんど注目されず、アニメーターは相変わらずブラックな環境を脱することができず、広告代理店の連中ばかりが儲かってる状況。しかし本当に外国でも人気のあるアニメは存在していて、その一つが永井豪のロボットアニメ。『UFOロボグレンダイザー』はフランスで『ゴルドラック』と名を変えて大ヒットしフランスでもっとも知られた日本のアニメになった。当時フランスに日本の政治家が訪れるというのでフランスはグレンダイザーの像なんかを作って歓待したが、日本の政治家は誰もグレンダイザーを知らずポカーンとしたという…クールジャパン!

 グレンダイザー同様、海外で人気を博した永井豪のロボットアニメ『鋼鉄ジーグ』を幼少時にイタリアで見たというガブリエーレ・マイネッティ監督は「日本のアニメヒーローに影響を受けたイタリアのスーパーヒーローものを作ろうとした」という。『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』という不思議な日本語のタイトルにして。

 主人公のエンツォ(クラウディア・サンタマリア)は窃盗を繰り返して暮らすチンピラだ。ある日高価そうな時計を盗んで追われたエンツォは水路に沈めた放射性廃棄物のドラム缶に落ちてしまう。親父と慕うセルジョの依頼で麻薬取引を手伝うが、トラブルでセルジョは殺され、エンツォも腹に銃弾を受けてビルから落ちる。しかしエンツォは傷一つ追っていなかった。放射性廃棄物に落ちたことで自分が常人ではない、鋼鉄の肉体を手に入れたことを知る。しかしチンピラの生きざまが染みついたエンツォはせっかくの力をATM荒らしなどにしか使わない。

 劇中、イタリアの街で爆弾テロが多発している様子が繰り返し報道されるから、観客はエンツォがスーパーヒーローの使命に目覚めて爆弾テロと戦うのだと想像するが、チンピラのエンツォにとって遊べるだけの金を手にして、アダルトビデオを見ながらヨーグルトにありつく日常だけが自分のすべて。
 そんな彼だがセルジョの娘、アレッシア(イレニア・パストレッリ)がマフィアのジンガロ(ルカ・マリネッリ)に拷問されているのを見て、罪悪感と同情から助けようとする。アレッシアはエンツォの活躍を見て「あなた、司馬宙みたいね!」という。不幸な境遇から精神を病んでアニメ『鋼鉄ジーグ』のDVDを見ることだけが心の支えの彼女は現実世界と『鋼鉄ジーグ』の世界がごっちゃになっている。

「その力を人類のために使って」「闇の日から世界を救うのよ」

 わけのわからないことをいう上にチンピラ生活を戒めようとするアレッシアをエンツォは鬱陶しがるが鋼鉄ジーグのアニメを一緒に見たことで同情以上の行為を持つ。だが触れただけで彼女が激しい拒絶を示すのを見て彼女が精神を病んだ理由がセルジョに性的虐待を受けていた過去にあることを知る。自身も悲惨極まりない少年時代を過ごしていたエンツォは彼女だけのヒーローになろうとする。

 本作は『鋼鉄ジーグ』の実写映像化ではなく、『鋼鉄ジーグ』という作品をヒーローの象徴としたまったく別の物語。でありながら『鋼鉄ジーグ』というヒーローをきちんと表現している。『マジンガーZ』や『ゲッターロボ』といった他の永井豪作品とは違って『鋼鉄ジーグ』は主人公の司馬宙自体がジーグの頭部になるサイボーグで、父親によって知らない間に改造されたというすさまじい過去を持つ。ジーグはヒロイン・美和が操縦するビッグシューターという航空機から打ち出されたパーツを合体させて完成するロボットで、ヒロインがいないとロボットになれない。アレッシアというヒロインがいて初めてヒーローとして成立するエンツォという物語の設定は完全にアニメをなぞっている!

 世界を救うからヒーローなのではない。たった一人の笑顔を見るために立ち上がる男こそがヒーローなのだ。胸が熱くなる映画だった。


  


Posted by 縛りやトーマス at 20:35Comments(2)映画アニメ特撮・ヒーローレンタル映画館

2017年12月23日

8作目から観ました

「スター・ウォーズって何作目から見たらいいんですか?」

 は『木根さんの1人でキネマ』を読むまでもなく、銀河系をはじめ全宇宙の命題だ。4または1から、がありがちな答えだが3と4の間となる『ローグ・ワン』があるのでいきなり『ローグ・ワン』から見て4~6というのもアリだ。その次に『ピープルVSジョージ・ルーカス』を見て「新三部作は微妙なんだな」と理解した上で1~3を辿って7→8とゆくのも良し。
 これはスター・ウォーズが40年に渡る歴史があり、全体9エピソードのうちの途中である4から始まってまた1からになるという少々ややこしい構成になっているからである。だが世の中には最新作が公開されているのだから、最新作から見ちゃうという人だっているのだ。

アンジュルムオフィシャルブログ アンジュルムアメリカにっき
幸せ!竹内朱莉

https://ameblo.jp/angerme-amerika/entry-12338335079.html

>そしてそして、まだあるよ!笑一昨日スターウォーズ最後のジェダイを観てきました〜
>スターウォーズシリーズ見たことなかったんだけど、勢いで行っちゃったよね 笑笑

>で、スターウォーズ初めて見たんだけど、めちゃくちゃ面白くてびっくり!!!
今まで見なかったことを後悔しましたね!
最初から見てみたいと思ったので、DVD借りようと思います!



↓木根さんの1人でキネマのコレを思い出したわ


 いやいや、いくらなんでも8からはねーよ!せめて7から見ようよ!いや、今映画館でやってるのを観に行きたいからレンタルで7を見てから、とかいらないんで、今やってるのをすぐ見たいんで!という気持ちはわからなくもないが、とりあえず4から見始めて…いや3と4の間の『ローグ・ワン』から(この話題繰り返す)

 けれども「スターウォーズ初めて見たんだけど、めちゃくちゃ面白くてびっくり!!!今まで見なかったことを後悔しましたね!」という彼女の純粋さには叶うまい。バーナード嬢曰く。の神林さんじゃないけど見栄とか関係なく、好きなものを純粋に好きって言えるのは羨ましいな…



 そういえば「007って何作目から見たらいいんですか?」と聞かれたこともあったな…そりゃあ1作目の『ドクター・ノオ』から見ればいいんじゃあ…いや、原作者フレミングの1作目は『カジノ・ロワイアル』だからそれから見始めても…ああ、もちろん06年版じゃなくて67年の方だからね!ちなみに僕が好きなのは4作目の『サンダーボール作戦』で水中のアクションシーンが素晴らしいんだ。水中シーンを演出したのはリコウ・ブラウニングという人で、この人は『大アマゾンの半魚人』でギルマン役のアクターをやっていて、それを評価されて『サンダーボール作戦』の水中シーンをつくったんだ。それで…あっ、007の何作目から見ればいいのかって話だったね。それはやっぱり1作目から(以下延々と続く)


  


Posted by 縛りやトーマス at 22:05Comments(2)映画オタク

2017年12月18日

都合のいい運命『DESTINY 鎌倉ものがたり』



 横文字のサブタイトルをメインタイトルの前に入れている(一般客に馴染みやすいようにしているそうだ)ことがTwitterのハッシュタグのネタにすらされてしまう山崎貴監督の最新作。

 鎌倉在住の作家、一色正和(堺雅人)は元担当編集者の亜希子(高畑充希)と結婚、鎌倉の家で暮らし始める。鎌倉には古来、妖怪や魔物が普通に暮らしており、人間にもその姿が普通に見える(!)。普段から妖怪がらみの事件の捜査のため警察にも協力する正和に「鎌倉では当たり前のことだよ?」と言われ亜希子は戸惑うばかり…
 というジブリアニメのような世界観と導入部は面白そうだが、「ジブリっぽい世界観」を描くまでが山崎貴の限界で、宮崎駿が『魔女の宅急便』でキキが空を飛ぶだけで観客をワクワクさせたような爽快感はまったくナシ!

 家に取り憑いた貧乏神(田中泯)をかわいそうだといっていつまでも家に住まわせたりする天然ボケの若妻を演じる高畑充希は確かにかわいいけどこういうの、綾瀬はるかでさんざん見てきたから。東宝は高畑を二代目綾瀬はるかにするつもりか?

 そんなボケ過ぎの亜希子は悪い妖怪の陰謀に嵌められて肉体から魂が抜け出てしまう!魂のまま現世に留まると最愛の人である正和の生命エネルギーを奪うことになるため、亜希子は正和を想いながらも黄泉の国に旅立つことに。
 正和は亜希子を連れ戻すため一度行っては戻ることのできない黄泉の国に旅立つ。切り立った崖の上に和風の建物が立ち並ぶという、中国の世界遺産・武陵源をイメージした街並みに江ノ電が走っているという黄泉の光景に興奮する正和に死神(安藤サクラ)が「黄泉の国はその人のイメージしている光景に見えるんです」と実に都合のいい説明
 亜希子は天頭鬼(古田新太)に連れ去られ、求婚を迫られていた。天頭鬼は平安の時代から(前世の)亜希子に求婚していたが、亜希子の前世は必ず正和の前世と結ばれており、亜希子が転生する度求婚を繰り返すも結局は正和の前世に奪われてしまっていた!正和と亜希子は運命で結ばれることが決まっていたのだ。DESTINYってそういう意味だったの!?
 正和は天頭鬼に追い詰められながらも亜希子が貧乏神からもらったお椀に都合よく助けられ、行ったら帰れないはずの黄泉の国から死神に「ここをまっすぐ行ったら帰れます」と都合よく元の現世に帰ったのであった…ってふざけんな!!

 すべて運命だったのだ…なんて都合のよすぎる話だ。定められた運命を愛の力で乗り越えていくような話の方が盛り上がるだろうに。山崎貴にとって運命は乗り越えるものではなく、従うものなんですね。
 武陵源の世界に江ノ電をくっつけるぐらいが関の山という想像力のなさと意外性のない陳腐なファンタジーは都合よく終幕を迎え、劇場に響く宇多田ヒカルの主題歌。宮崎駿に100回説教されてください。

  


Posted by 縛りやトーマス at 20:15Comments(0)映画

2017年12月12日

勝手に好きになれよ『先生!、、、好きになってもいいですか?』



 邦画の中高生向けスイーツ映画はキャストも監督も大体定番のラインナップが決まっていて、監督なら廣木隆一、月川翔、そして本作の三木孝浩がローテーション。女優なら土屋太鳳、平祐奈、小松菜奈、そして本作の広瀬すずがやはりローテーションで回している。もう何を見ても同じなので区別がつかない。話も男女がウジウジくっつくのくっつかないので2時間(長いよ!)ダラダラ引っ張るだけ。とっととキスして結ばれちまえよ!と言わざるを得ない。
 男側のキャストは生田斗真。彼はあまりスイーツ映画に出ているイメージがない…とはいえ『僕等がいた』『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』(これも三木孝浩!)などに出ている。僕が生田斗真と言われて思い出すスイーツ映画は『ハナミズキ』だ!クライマックス、借金を返すためにマグロ漁船に乗り込む生田斗真は最大の笑いどころで、マグロ漁船すらスイーツ(笑)のモチーフにしてしまうとは、恐るべし…


 そんな二人によるスイーツ(笑)映画は教師・生田斗真と生徒・広瀬すずの恋愛モノ。ごく普通の女子高生の広瀬すず(こんなカワイイ「ごく普通」はいねえよ!)が社会科の教師・生田斗真と恋愛に落ちる。広瀬すずの同級生は女教師の比嘉愛未に片思いしている竜星涼とやはり教師の中村倫也に片思いする森川葵がいて…どいつもこいつも…君ら、恋愛ごっこにうかつぬかしてないで真面目に勉強しなさい。
 生田斗真先生はすごくぼんやりしていて、ベンチで昼寝していて授業をすっぽかしそうになってしまうほどぼんやりしている!それを上の教室から見ていたすずちゃん、先生を起こすために分厚い辞典を窓から先生目掛けて落とす!

「当たり所が悪かったら死んでたぞ…」(ほんまそれ)

 と抗議するも起こしてくれたことには素直に感謝する生田斗真。同級生の報われない片思い(すくなくともすずはそう思っている)を見て教師との恋愛なんてありえない!と思っているすずちゃんですが、遅くまで居残り勉強させられる彼女のために付き合ってくれる先生を見て、次第に惹かれていくのでした。
 そんなこんなで先生に告白するも過去に付き合った女から酷い振られ方をした生田斗真は恋愛に怯え、さらに相手が生徒なので道徳的に無理だ!とすずを拒否。あきらめの悪いすずちゃんは「今度のテストでいい点を取ったら私と付き合え」と子供みたいなことを言い出す。普段の成績が平均点以下のすずちゃん、猛勉強を始めるも先生がまったく相手をしてくれないのでこの恋は実らないのだ!私は結ばれない人のことを好きになってしまったのだ!と自分の中だけで勝手に完結。ヤケになって他校の生徒と合コンに及ぶのでした。
 しかし根が小心者で奥手のすずちゃん、合コンを途中で切り上げて飛び出す。偶然にも大雨が降りだし傘も持たない彼女はずぶ濡れ。繁華街で酔っぱらいのサラリーマンに絡まれたところ、すずちゃんなぜかそのサラリーマン相手に「なぜ私が先生のことを好きになってはいけないのか?」と大演説。する相手が間違ってるよ!森川葵からすずが合コンに行ったと聞き、駆け付けた先生によって無事救出されて事なきを得る。この一件で彼女の本心を知った先生も惹かれるようになり、文化祭で花嫁姿のコスプレをしたすずと屋上で強引にキス。それを他の生徒に撮られてしまってtwitterで拡散!あわれすずは自宅謹慎、先生は責任を取って放校処分。


 ホント心の底から「知らねーよ」と言いたくなる話なのだが、映画を観る限りこの二人の間に恋愛感情が起こる理由がわからない。いくら20年前の漫画の実写化とはいえ、小学生の恋愛ごっこレベルを高校生に当てはめて描くのは無理がある。
 後半はあれだけ「もう恋なんてしない」と槇原敬之ばりに言ってた生田斗真先生がほぼストーカーと化して、「卒業したら迎えにいく」と告げたすずの卒業式の日、校門の前で待ち構えている!先生我慢できなかったの?少し落ち着こうぜ!
 この話のどこに誰が感情移入できるんだろう?すずも生田斗真も常識人とは思えないほど好き勝手やっている。『先生!、、、好きになってもいいですか?』って勝手に好きになれよ!どうせ止めても聞かないだろうし!


  


Posted by 縛りやトーマス at 00:27Comments(2)映画アイドル映画

2017年12月09日

これぞプログラムピクチャー時代の進化系『GODZILLA 怪獣惑星』



 庵野秀明監督の『シン・ゴジラ』は何十年も停滞仕切って改革すら望めそうにないゴジラシリーズに風穴を開けた一本だった。ならこのアニメシリーズ『GODZILLA 怪獣惑星』はどのようなアプローチをしてくるのか?はゴジラファンあらずとも気になるところ。『シン・ゴジラ』の延長上にあるゴジラと天災を絡めるのか、それとも…瀬下監督と虚淵玄がとったのは昭和のプログラムピクチャーへの回帰だった!

 地球上に登場した怪獣たち、それらの怪獣を凌駕する存在として登場したゴジラによって地球上の都市は破壊し尽される。やがて地球に飛来した宇宙人“エクシフ”、“ビルサルド”の科学技術を利用した対ゴジラ作戦(メカゴジラが登場する)も失敗に終わり、わずかに残された地球人類はこの星を捨て、居住可能な惑星を求めて宇宙船で旅立つ。

 エクシフとかビルサルドって何!?謎の宇宙人なんか登場させちゃって…X星人とかブラックホール第三惑星人、M宇宙ハンター星雲人じゃないんだから。「謎の宇宙人が現れる」というのは、昭和のプログラムピクチャー時代のゴジラシリーズに前述した宇宙人が出ているのをイメージしたという。彼らは大体敵なのだが、本作では絶滅寸前の地球人を救おうとする存在になっている。

 移住先の惑星を求めて11.9光年を旅したもののそれは人類が住めるような星ではなかった。長期間の移住計画の果てに食料も尽き欠け、老人たちを口減らしのため事故を装って処分する(!)事態に陥ってしまう。移民船の乗組員で子供の頃に地球から逃げてきたハルオ・サカキ(CV:宮野真守)はゴジラを撃退する方法を考案、地球にもう一度戻って戦うことを主張する。
 移民船アラトラム号は長距離亜空間航行によって地球へ帰還。その影響で地球では2万年の時が過ぎており、未知の怪獣たちが跳梁跋扈する怪獣惑星と化していた。


 ある種荒唐無稽な設定だが、昭和のプログラムピクチャー時代のゴジラに慣れ親しんでいる人々は怪しげな宇宙人が出てくると顔がにやけてしまうところ。ニトロプラスによる本作のノベライズも出版されており、そちらでは人類が地球を捨てるまでに何があったのか?という前日譚になっている。米軍がバンカーバスターでカマキラスを、日本の自衛隊がビルサルドの技術を得て完成させた潜水艦「豪天」がマンダを撃退するなどといった物語が描かれ、これが血沸き肉躍る展開なのだ。エメリッヒ版ゴジラまで登場してあっさりとやっつけちゃうんだけど、こいつは「あの」ゴジラじゃない、ぬか喜びさせるんじゃねえと世界中から怒られたりするのは笑える。これ、26話ぐらいのTVシリーズでやってくれよ!

 『シン・ゴジラ』の熱気に未だ中てられている人達には本作に物足りなさを覚えたり、「せっかくシン・ゴジラがゴジラの新しい可能性を切り開いたのに、またプログラムピクチャー時代に戻る気か?」というかも知れないが、歴代怪獣と人類軍が英知を賭けたサバイバルを展開する、というのはあの『ゴジラファイナルウォーズ』ぐらいしかなく、しかもファイナルウォーズより遥かに納得できる設定と物語は、未だかつてなかったもの(レジェンダリー版『キングコング 髑髏島の巨神』では人類は踏みつぶされるだけだからね)。これぞ昭和のゴジラ映画の進化系といったところか。しかもこれは3部作の第一弾で、あと二本まだ登場していない怪獣とのバトルが見られる、しかも公開は来年5月!毎年ゴジラの新作を見てああだこうだと言えるのだから学生時代の思い出が蘇った。あれは…いい時代だった…

  


Posted by 縛りやトーマス at 02:31Comments(0)映画特撮・ヒーロー

2017年11月30日

映画をひとりで観るのがそんなに哀しいのか

 Twitterで「独女時間」てトレンドに入っていて、何コレ?と思って出てきた記事。

映画をひとりで観ても哀しくならないテクとは? ~独女時間の正しい過ごし方~
https://gingerweb.jp/lifestyle/slug-n3a57dacfcd01

 ジンジャーウェブなるバイラルメディア(?)の記事なんだが、よくある自意識過剰女のアイタタタ…な記事でした。「しょうがねーなー」な気持ちで読んでたら腹が立ってきたのでひとこと言わせてくれ!


>入り時間は「あえて」遅刻してしまおう

>映画には本編が始まる前に、予告編があります。実は、この「予告編の【途中】から駆け込むこと」がとてもオススメなのです。館内は、薄暗い上にお客さんは、予告に夢中!アナタは、周りに迷惑をかけることもなく、自分の席に滑り込むことができるでしょう。くれぐれも、他のお客さんの邪魔にならないように、そっと、端っこの席に静かに座りましょう。


 この時点で間違ってる。予告の途中から入ってくる人、はっきりいって迷惑なんですけど!どうしてもそうならざるを得なくなった場合がしょうがないけど、「あえて」やらせようとする意図はなんだ。
「館内は、薄暗い上にお客さんは、予告に夢中!アナタは、周りに迷惑をかけることもなく、自分の席に滑り込むことができるでしょう」
 夢中になってる時にそんなことされる方が迷惑なんですけど!他のお客さんの邪魔にならないように…って気を遣ってるように言ってるけど、もう少し気を遣って予告の前に席につきましょう。


>3D眼鏡をお守りにしよう

>ひとりで映画館に入ることはどうにかできた・・・。そうはいっても、やはり周囲の視線がやや気になる・・・そんなときは、3D映画はいかがでしょうか? 3D映画には必然的に【3D眼鏡】が必要になります。通常の鑑賞料金¥1,800に加え、3D眼鏡の追加料金は¥400。
この【3D眼鏡】があれば、周りの状況や視線をシャットアウトしてくれますよ。周囲を気にすることなく、最後まで映画に没頭することができます。

>【3D眼鏡】はひとり映画の強い味方! 気になる3D映画があればぜひ、トライしてみてくださいね。


 ちょっと何言ってるのか意味わからない。3D映画は3D映画を見るためのものであってひとりが気になる人のためにあるもんじゃないんだけど。もう、突っ込みどころがわからないよ…


>ハンカチ必須! ひとり映画の醍醐味とは?

>今までこんな経験はありませんか?「絶対に泣ける感動映画」と前評判も上々の作品を友達や彼氏と観に行ったとき、自分は感動したものの、相手の反応はイマイチ・・・。
そうです! 感動映画こそ、価値観のずれが生じやすいのです。

>ひとり映画なら涙腺崩壊も、作品の世界観に思う存分に浸るも自由。これこそがひとり映画の醍醐味なのです。一緒に来た人との価値観の相違を気にすることなく、作品に没頭できますね。ただ、ハンカチを差し出してくれる人は、アナタの隣りにはいません。吸収力抜群のハンカチを持参しましょう。

>また、お笑い要素たっぷりの映画の場合も同じ。笑いのツボのずれを気にすることなく、ひとり映画なら思う存分笑えますよ。


 この記事書いたライターの人、同調圧力に屈しすぎ。笑ったり泣いたりってそんなに人目を気にしないとできないの?そんなに映画館で人目が気になるなら、自宅でDVD見てた方がいいよ。
 そして最後の部分が一番ひどい。


>映画エンドロールの途中で、立ち去ろう

>本来ならば、作品のエンドロールまでしっかり観てから立ち去りたいもの。しかし、ひとり映画の場合は・・・。エンドロールまでしっかりと観た後に待っているのは、館内の明るい照明とお客さん同士の「面白かったー」と共感し合う声。それは、残酷にも自分を現実に引き戻し、「今、私は独りだ・・・」と急激に思い知らされます。

>ひとり映画では退出は潔く! エンドロールの切りのいいところでさっと立ち去りましょう。最後まで観ている方のために、身をかがめてこっそりと。作品の余韻に静かに浸りつつも、すみやかに退出すれば、よき思い出としてフィナーレを迎えることができます。


 この人、エンドロールの後にまだ続く映画見たことないの?この人の言う通りにしたらその手の映画は「最期を見逃した」という思い出しか残らないよ…


>映画は、視野を広げてくれるだけではなく、アナタの生き方や人生観を変えてくれる素敵なアイテムです。さらにひとり映画は、作品に存分に没頭できることから、その映画の質を高めてくれます。「ひとり映画って楽しい」と実感できれば、周囲の目など気にならず、今後は気軽に映画を楽しむことができるでしょう。


 記事の〆がこれだから、笑うしかないね。この人の勧めに従うと視野はまったく広がらないし、映画に対しての質を貶めるだけなんだけど、周囲の目など気にならず…ってむしろ人目が気になってしょうがないからこんなことを書いてるんじゃないのか?



 この記事が本当にひどいのは「ひとりでいることが寂しい」人のために書かれた記事ではないということ。記事の最初に

>ただやっぱり、カップルや集団でやってきた人たちに「あの人さ、ひとりで観にきているんだね、えらいよね(=かわいそう)」とかなんとか話のネタにされているかも・・・と、ついつい思ったりします。

 こんなこと書いてるけど、あなたが映画館のおひとりさまをそんな風に見てるんでしょ?「あの人さ、ひとりで観にきているんだね、えらいよね(=かわいそう)」って。
 映画をひとりで見るという行為にすらマウンティングをしてたら、そりゃあ映画館で映画は楽しめないよ。この人は「映画館で映画を楽しもう」としてなくて、「映画館で映画を観るという行為を楽しもう」としてるよね。映画に対して不純すぎです。映画館では自分や他人のことなど気にしない方が楽しめるんだ、と実感できれば、周囲の目など気にならず、今後は気軽に映画を楽しむことができるでしょう。

  


Posted by 縛りやトーマス at 00:26Comments(0)映画ネットお前は何を言っているんだ