2017年07月23日

邦題もシンクロナイズドさせないと

 韓国に現れた巨大怪獣はNYにいる自分と繋がっていた―という珍妙な設定の怪獣映画(?)『コロッサル』は怪獣の形状がプルガサリに似ていることから東宝にクレームつけられて日本の公開が危ぶまれていたものの、無事解決したようで国内公開が決定。ただし、タイトルが『シンクロナイズドモンスター』に変更されて…


http://www.eirin.jp/list/index.php?title=%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%82%BA%E3%83%89%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC&eirin_no=&s_year=2009&s_month=1&e_year=2017&e_month=12&x=0&y=0

 怪獣とシンクロしたアン・ハサウェイが主役だから、そのまんまのタイトル。『コロッサル』じゃ何のことかわからないだろうから、邦題としてはまあまあかな。しかし、配給会社としてはいささかまずい決定が。

シンクロの名称変更=アーティスティックスイミングに―FINA
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170722-00000105-jij-spo

>国際水泳連盟(FINA)は22日、ブダペストで総会を開き、シンクロナイズドスイミングの名称を「アーティスティックスイミング」に変更することを決めた。2020年東京五輪は新名称で実施される見通し。

 これじゃ『アーティスティックモンスター』に変更しなきゃ!邦題はシンクロナイズドスイミングと「同調」させる意味でつけられたはずだから、ここは合わせておかないと。しかし変更した場合は「芸術的な怪物」という意味になり、芸術的な怪物ってなんだよ?シンクロじゃダメなんですか!?




  


Posted by 縛りやトーマス at 09:42Comments(0)映画

2017年07月21日

次はマッハバロンでお願いします

 国産初のヒーローもの『月光仮面』を生み出した宣弘社が70年代に発表した特撮ヒーロー番組『シルバー仮面』と『スーパーロボットレッドバロン』が合体する形で実写映画としてリバイバル。


1970年代特撮「シルバー仮面」×「レッドバロン」が実写映画化!40年以上の時を経て…
https://www.cinematoday.jp/news/N0093070


「テレビ放送から40年以上の時を経て、再び実写映画としてよみがえることが明らかに」ってあるけど、シルバー仮面は11年前の2006年に実相寺昭雄監督が『シルバー假面』のタイトルでリメイクしてんだけどなぁ…



 それはともかく、この『BRAVE STORM』はすでに完成し劇場公開の目処も立っているのですが、「大成功を実現させるには、更なる 広告宣伝費の増強」が必要であるということでクラウドファンディングを実施することに。製作費ではなく広告宣伝のためにクラウドファンディングやるってのも珍しいな。

http://www.patrons.jp/project/s/project_id/14


「製作委員会方式を避けた資金調達方法により、自社製作体制を突き進めた」という制作体制も素晴らしい。中規模予算ながらスタッフは『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』の岡部淳也が監督、クリーチャーデザインは雨宮慶太作品や『仮面ライダードライブ』のクリーチャーで知られる竹谷隆之という一流どころが参加しているではないか。
 出演陣も『クローズZERO』シリーズの大東駿介、『仮面ライダーオーズ/OOO』の渡部秀をダブル主役に『ウルトラマンジード』に出演中の山本千尋、『仮面ライダーフォーゼ』の鬼島役、タモト晴嵐などが揃っており、特撮ファンにも目配せをしたキャスティングも最高だ。
 肝心の内容も予告編に使用された真っ昼間に鉄橋をぶち壊して現れる巨大ロボのシーンなどに邦画特撮ではあまり見られないダイナミックさがあり、期待が高まる。ラストはメインビジュアルにも使われているレッドバロンVSシルバー仮面ジャイアント(だよな)の決戦になるというのもわかってるな。上映時間が81分というのが何よりいい。つまらない邦画ほどダラダラと2時間以上もあるんだよな。映画は2時間以内に収めてくれ。上映時間2時間以上にさせる鉄面党が許せなぁ~い

 国産の巨大ロボットものはほぼ壊滅的状況(海外でも成功作が少ないし)だというのに果敢にチャレンジしたスピリット+出来(予告編みただけだけど)は評価したい。しかし1500万円の資金は集まるのか?まだ140万しか集まってませんよ!このまま地球人類のために戦っているのに人間社会から爪弾きにされる春日兄弟のようになってしまうのか?




  


Posted by 縛りやトーマス at 10:21Comments(0)映画特撮・ヒーロー

2017年07月18日

ロメロよ甦れ

 ゾンビの巨匠、ロメロ死す!の報道が世界を感染が拡大するかのように駆け巡った。


ゾンビ映画の巨匠、ジョージ・ロメロ監督逝く 77歳
http://www.afpbb.com/articles/-/3135965

 ゾンビシリーズの最新作『ロード・オブ・ザ・デッド』のプロジェクトが発表されたばかりだというのに、残念。

ジョージ・A・ロメロの新作ゾンビ映画『ロード・オブ・ザ・デッド』、今度はゾンビによるカーレースだ!
http://mujina.hatenablog.com/entry/2017/05/21/085548

 ゾンビのカーレースってなんだよ。コーマンの『デス・レース2000年』か!?巨匠の死に世界中が涙に包まれているが、「ゾンビになって蘇ってくるから大丈夫」と安堵の声も聞かれる。いや、ゾンビになったら大変だろ!感染を防ぐために火葬にした方がいいのでは。
 しかし蘇るところをどうしても見たいファンがロメロの棺を奪い取ろうと葬儀を襲撃!(バイカー軍団かと思いきや、みんなバイクの免許がないのでチャリンコで)見事奪取に成功したファンたちが一軒家に集まって復活の儀式。見事ゾンビ再生!大喜びのファンにガブリと噛み付くロメロ!一軒家はドッタンバッタン大騒ぎ。君は蘇るのが得意なフレンズなんだね!そして感染は世界各地に広がって…


 みたいなホラー映画の脚本を映画会社の重役がしばらくの間、山ほど読まされる羽目になるんだろうなあ。死して尚世界中のボンクラ映画ファンに影響を与えるロメロはやはり偉大だな。生きていても死んでいても同じかもしれない。ロメロは本当のゾンビだった!


ローソンの店員みたいな格好のロメロ

  


Posted by 縛りやトーマス at 22:49Comments(0)映画

2017年07月15日

アニメの完コピを実写化とは言わないよ『銀魂』



 福田雄一監督は「酒もたばこもギャンブルもゴルフもやらない」そうである(ウィキペーディアより)。福田の映画は確かに酒もタバコもギャンブルもやらないような人間が撮りそうな映画だね。毒にも薬にもならないってやつ。

 ジャンプで69巻も出ている漫画の実写映画化である。長編なので実写化にあたっては以前劇場アニメ化された『新訳紅桜篇』をベースに、というかほぼ再現。漫画ではなくアニメの実写化であるところが大きなポイントだ。登場人物たちの軽妙なセリフのやり取りとギャグのかぶせあいが売りなので、声優陣の芸達者ぶりがアニメ版の理由のひとつだったので、実写映画はそれを完全にコピーしている。確かにこれはスゴイ。特にメインキャラクターの3人である銀時、新八、神楽をそれぞれ演じた小栗旬、菅田将暉、橋本環奈は杉田智和、阪口大助、釘宮理恵の声を完コピしていて違和感がない。スゴイ!でもそれって実写化なの?ただのかくし芸大会じゃないんですか!?

 小栗らを始め他の俳優陣もアニメのキャラのしゃべりを完コピしており(菜々緒以外は。菜々緒は別の意味でスゴイ。ありえないぐらいの棒読み、大根演技で笑わせてくれた)、改めていうが確かにスゴイ。でもそれならアニメの方を見ればいいんじゃないの!?
 完コピすることが福田雄一の考えるコメディなんでしょうか?コメディでもないよな。パロディでしかない。完コピした部分だけはテンポよくサクサクと進むが、一転シリアスな場面になると役者たちが目一杯演技をし始め、途端にダラダラと冗長になってしまう。ギャグパートはアニメの完コピに徹していた役者たちが今こそ見せ場だと演技し始めるの、もう見ていられない。
 福田雄一監督が唯一見せたオリジナル要素はエリザベスの声が山田孝之という部分。これも単に福田の『勇者ヨシヒコ』シリーズに出てたっていうだけ。友情出演、内輪ネタ。他にもムロツヨシとか佐藤二朗とか、いつもの面子がいつものネタをやるだけ。アニメの完コピと内輪ネタが福田雄一の限界。あのクソ寒すぎるCOUNTDOWN TVギャグとか、どれもこれもアニメの『新訳紅桜篇』に劣っていて(アニメのワーナーとブラザーズに匹敵しようとしたギャグがCOUNTDOWN TVなの?)、実写化という言葉の意味を問いただしたい。
 こんなの見るぐらいなら、アニメの方を100回見た方がマシです!

  


Posted by 縛りやトーマス at 05:12Comments(0)映画漫画

2017年07月12日

パワーレンジャー・クラブ

 7月15日から公開される『パワーレンジャー』はみんな知ってる東映のスーパー戦隊シリーズの『恐竜戦隊ジュウレンジャー』のローカライズ『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』のリメイク映画である。当然、「日本初のヒーロー物が逆輸入」という、スーパー戦隊を始め特撮ヒーロー番組大好きな人々が興味を惹くように宣伝されている。
 しかし各媒体にはジュウレンジャーや特撮番組には別段思い入れもない人たちもいるわけで、そんな人達が「ハリウッド映画だから」という理由で仕事のために見たくもない映画を見せられ(それが仕事なんだけど)、トンチキな文章を書いてしまったケースが多々。その代表的なのが映画.comのコレ。


パワーレンジャー 特集:「ああ、戦隊モノか……」と思ったヤツ、ちょっと来い!声を大にして言わせてもらう──“実は”とんでもなく面白い!!「パシリム」「アベンジャーズ」好きなら絶対見ろ!”
http://eiga.com/official/power-rangers/

 声を大にして言わせてもらうと、とんでもなくつまんねえぞこの特集記事!「ド直球な少年ジャンプの世界」とか「パシリム、アベンジャーズ、トランスフォーマー好きならマチガイナイ」って、完全に間違ってるよ!
 記事担当者はそもそもアベンジャーズやトランスフォーマーすら興味がなくて、自身の映画情報とパワーレンジャーが合致するキーワードが「少年ジャンプ」やアベンジャーズ、トランスフォーマーしかなかったのだろう。映画.com編集部に一人ぐらいいないの?特撮大好きな編集員が。他のWEB、紙媒体でも似たようなもんで元ネタに対する最低限の情報や理解、思い入れがあった上で書いている人がほとんどいない!中にはモノブライトの出口博之さんとかオジンオズボーンの篠宮暁さんとかいるんだけど…

 しかし、今回言いたいことはそれではない。『パワーレンジャー』にはもう一つ重要なキーワードがある。それは「青春映画」だ。
 パワーレンジャーとなる5人の若者はそれぞれ、フットボール選手(レッド)、チアリーダー(ピンク)、自閉症の天才少年(ブルー)、トランスジェンダーの少女(イエロー)、不登校のアウトロー(ブラック)というキャラクター分けがされている。彼らは本来なら所属するカテゴリーが違うので絶対に出会うことはないはずだが、あることから土曜の補習授業に出る羽目になる…ってそれ、『ブレックファスト・クラブ』だよ!

 『ブレックファスト・クラブ』は85年に公開されたジョン・ヒューズ監督(代表作『ホーム・アローン』)のカルト青春映画で、スポーツ野郎、お嬢様、ガリ勉、不思議ちゃんにチンピラ…というスクールカーストのせいで普通に生活していたら学校では絶対に出会わない5人がある事情から土曜の補習授業を受けさせられ「自分は何者か」という作文を書かされる。
 『パワーレンジャー』のキャラクター、展開は『ブレックファスト・クラブ』を完全になぞっている。監督のディーン・イズラライト自身もインタビューで認めてしまっているぐらい。


『パワーレンジャー』ディーン・イズラライト監督インタビュー ジョン・ヒューズから『ロサンゼルス決戦』まで!映画を構築した要素とは
https://spice.eplus.jp/articles/134730

――高校のスクールカーストに属する主人公たちから、ジョン・ヒューズ監督の『ブレックファスト・クラブ』を連想しました。同作を意識して製作されたんでしょうか?

そうです。『ブレックファスト・クラブ』を2017年版として作るなら、それも、スーパーヒーロー映画のレンズを通して作ったらどうなるか、ということを考えて製作しました。そうすると、すごくユニークなスーパーヒーローものが出来るんじゃないか、と思ったので。ぼくは、ジョン・ヒューズ監督の映画が大好きなんです。彼はティーンエイジャーの経験をテーマにした作品をたくさん作っていますが、どれも非常に娯楽的でありつつ、ダークでエッジが立っていて、バランスが凄くいいと思うんです。

――主人公たちのキャラクターは『ブレックファスト・クラブ』より現代的で、複雑ですね。特に、イエローレンジャー/トリニーが自身のセクシャリティに悩む姿が、非常に自然に描かれていたのが印象的です。スーパーヒーロー映画では初めてだと思いますが、なぜこのような設定に?

脚本のジョン・ゲイティンズ(『リアル・スティール』など)と話したのは、2017年の観客に訴えかけられる問題を描いて、『ブレックファスト・クラブ』の現代版にするにはどうしたらいいか、ということです。そうすると、今の若者の“悩み”を提示しないといけない。『ブレックファスト・クラブ』の主人公たちがアイデンティティに悩んでいたように、今日的なアイデンティティの問題のひとつとして、セクシャリティを取り上げたわけです。



 このようにイズラライト監督はどちらというと「スーパーヒーロー映画」よりは「青春映画」を撮りたかったようで(前作の『プロジェクト・アルマナック』も青春映画だし)、『ブレックファスト・クラブ』も『パワーレンジャー』の5人も始めはぶつかり合い、言い争うが、少しずつ自分の悩み事を打ち明けていくことで友情という絆で結ばれた5人は巨大な敵に立ち向かう。『ブレックファスト・クラブ』ではスクールカーストに、『パワーレンジャー』では街を滅ぼそうとするリタ・レパルサというヴィランに。

 一見、共通点のない二本の映画を上手く融合させており、イズラライト監督の目の付け所には唸らされる。普通にアクション映画を目指そうとしたらこんな作り方にはならないだろう。
 少年ジャンプがどうだの、アベンジャーズやトランスフォーマーがどうだのって言われても、監督が目指している方向とは全然違うよ!
 「ファンが見たいのはアクションであって、青春映画なんかじゃないよ!」という意見もあるだろうが、かつてスーパー戦隊シリーズが東映内部で「空気のような」存在だった時にトレンディドラマの要素を取り入れてシリーズに新たな風を吹き込んで成功した『鳥人戦隊ジェットマン』といったケースもある(ジュウレンジャーはその翌年だ)。イズラライトの『パワーレンジャー』は2017年のジェットマンと言えなくもないのだ。





  


Posted by 縛りやトーマス at 23:18Comments(0)映画レンタル映画館

2017年07月10日

夏のアニメ対決

 いよいよ夏本格到来ということで(雨ばかり降っているけど)フジテレビが7月の特番、土曜プレミアムをアニメ祭りにするラインナップを発表。

7/14(金)
『カーズ』19:57~

7/16(日)
『カーズ2』19:00~

7/22(土)
『怪盗グルーのミニオン危機一発』21:00~

7/29(土)
『心が叫びたがってるんだ。』21:00~

 これに対抗して日テレの金曜ロードSHOW!の7月ラインナップは

7/14
『思い出のマーニー』

7/21
『ジュラシックパーク』

7/28
『ジュラシックワールド』

 夏休みの子供向けにアニメをぶつけるフジ、そして子供にはバカ受けの恐竜モノをぶつけてくる日テレ、勝敗はどちらに?
 ちなみに今、アメリカはサメ映画ブームで今年もイギリスのサメ映画『海底47メートル』がスマッシュヒット。日本もおとなしく『ジョーズ』や『ディープ・ブルー』をテレビ放映してサメ地獄に叩き落とすべきではないか。今年も午後のロードショーは『シャークネード』シリーズを連続放映の予定。

http://www.tv-tokyo.co.jp/telecine/oa_afr_load/


  


Posted by 縛りやトーマス at 02:10Comments(0)映画テレビ

2017年07月09日

犬はどうでもいいのか『ジョン・ウィック:チャプター2』



 斬新な格闘術ガン・フーを生み出したジョン・ウィックが帰ってきた!シュワルツネッガーやスタローン、ブルース・ウィリスが90年代にやってたような銃弾バラマキより、如何に少ない弾丸で相手をしとめるかというワンショット・ワンキルが最近のアクション映画の主流になっている中に、ガン・アクションとカンフーを組み合わせたガン・フーというアクションは利いた。今回はそれに加えてナイ・フーカー・フーという新アクションもある!なにそれ!


 前作で亡き妻の忘れ形見であるビーグル犬の敵討ちとしてロシアン・マフィアを全滅させたジョン(キアヌ・リーブス)。その際に奪われた愛車フォード・マスタングを取り返すべく、愛車が保管されているロシアンマフィア・アブラム(前作で始末したタラソフの叔父)のアジトである自動車工場向かう道すがら、マフィアの構成員を車で跳ね飛ばすこれがカー・フーだ!(人を轢き殺してるだけやんけ!)
 ジョンは自動車工場のマフィア連中を皆殺しにする殺しの腕前を見せつけ、アブラムとは和解し、愛車を取り戻す。ようやく我が家に戻ってきたジョンは武器をしまいこみ、前作の帰り道で盗んできた犬(ビーグル犬でもなんでもない、別の犬。犬ならなんでもいいのか)とともに安息の日々を取り戻すのだった。

 しかしそんなジョンの元に今度はイタリアン・マフィア、カモッラの幹部サンティーノ(リッカルド・スカマルチョ)が現れる。彼は復帰したジョンの噂を聞きつけ、殺しの依頼にやってくるのだが引退を決意したジョンは依頼を断ろうとする。だが、ジョンとサンティーノは「誓印」を交わしていた。引退する際にジョンは最後の仕事としてバーバ・ヤーガという伝説の殺し屋を始末したが、その際の手引や情報と引き換えにカモッラと「どんな仕事でも一度だけ引き受ける」という契約を「誓印」によって結んでいた。「誓印」を盾に仕事をさせようとするサンティーノにジョンは引退したからと一方的に依頼を蹴るが、報復としてサンティーノはジョンの家を破壊。亡き妻との思い出の残る家を焼け出され、愛犬と二人きりになってしまうジョン。
 殺し屋専門の高級ホテル、コンチネンタル・ホテル・ニューヨークの支配人であるウィンストン(イアン・マクシェーン)に相談するが、誓印の借りをサンティーノに返すしかないというウィンストン。渋々ジョンはサンティーノの依頼を受けることに。依頼はカモッラのボスであり、サンティーノの姉でもあるジアナ(クラウディア・ジェリーニ)を暗殺すること。

 ジョンはコンチネンタル・ホテル・ローマに向かい、旧知のオーナー、ジュリアスと再会。このジュリアス役がなんと『続・荒野の用心棒』のフランコ・ネロ!「武器が欲しい」というジョンに棺桶の中から機関銃を手渡すのだった(嘘)。
 ジョンは強固な警護をものともせずジアナを暗殺するが、サンティーノの部下であるアレスがなぜかジョンに牙をむく。ジアナを暗殺した後はジョンを始末するよう言われていたのだ。自分が罠にハメられたことを悟ったジョンは戦いつつ逃走、途中でジアナのボディガード、カシアン(演じるのはラッパーのコモンで最近は『ラン・オールナイト』『スーサイド・スクワッド』などアクション映画にも出演中)に追われるもコンチネンタル・ホテル・ローマに逃げ込む。
 「ホテルでの殺し合いはご法度」(これが重要なクライマックスにつながる)というコンチネンタル・ホテルの掟に従ってカシアンは武器をしまい、ジョンの置かれた状況を説明される。納得はするがジアナを殺したことは許さないと復讐を宣言してホテルを出て行く。バーにはいつの間にかアレスが居て、ハンドサインで「また会いましょう」と告げる。アレス役はオーストラリア出身のモデル、ルビー・ローズ。彼女も最近は『バイオハザード・ザ・ファイナル』『トリプルX:再起動』といったアクション映画に立て続けに出演中。本作ではハンドサインだけで会話する暗殺者を演じて強烈な存在感を見せつけている。

 このように国際色豊かなキャスティングが魅力であり、500万ドルの賞金首をかけられたジョンはNY中で世界中からやってきた殺し屋たちに狙われる。街を歩くだけで休む間もなく殺し屋が襲いかかる!変なのが街のど真ん中で銃弾が飛び交ったり、刃物振り回されても市民があんまり騒がないんだよな。さすが摩天楼。人殺しぐらいは日常茶飯事なんだな(違う)。

 孤立無援のジョンは二人のホームレスに助けを求める。求める相手が間違ってるよ!その人たちこそ助けが必要でしょ!と思ってると二人は追っ手を隠し持ったサイレンサー付拳銃であっさりワンショット・ワンキル!なんとNY中のホームレスはバウリー・キングと名乗る地下犯罪組織の王の手下なのだった。キングはジョンと争ったが、ジョンが見逃したことによって生きながらえた過去があったのだ。キング役はローレンス・フィッシュバーン。ご存知モーフィアス役で『マトリックス』依頼の共演。キングの協力を得てジョンはサンティーノの居場所を見つけ出す。

 ガン・フーに加えナイフと銃を使った格闘技、ナイ・フーを披露し殺し屋どもを歌うように踊るように始末していくキアヌ・リーブス。もはやただのアクション映画ではない。殺戮という名の芸術だ。
 ラストで世界中を敵に回すことになったジョン。今度は日本を舞台にするのはどうでしょうか。コンチネンタル・ホテル・ジャパンのオーナーは当然千葉真一!襲い来るニッポンのヤクザの親玉は遠藤憲一でどや?ゲスト出演は真田広之に大葉健二…夢が広がる。あと日本で撮影したらキアヌの大好きなラーメンも食い放題なのでメリットしかないな。東京オリンピックなんかどうでもいいから『ジョン・ウィック』が自由に撮影できるよう法整備を整えるんだ。

 前作では重要だった犬は今回どうでもいい扱いでした。結局犬はどうでもいいんかい!

  


Posted by 縛りやトーマス at 20:11Comments(0)映画

2017年07月04日

困ってもいないのに『兄に愛されすぎて困ってます』



 男性向けのラノベでは一時期「冴えない主人公(童貞・コミュ障)が異世界にいって異性にモテモテ」という内容の物語が恥ずかしげもなく量産されていた(今でもある)が、当然、女性向け漫画の世界にも、ある。というか最近の少女漫画はそんなのばっかりで、ヒロインが何の努力もしないでイケメンにモテまくるという作品が雨後の竹の子のように量産され続けているのであった。これもそんなうちのひとつ。

 告白12連敗中の橘せとか(ギャラが安すぎるせいか、最近やたらとヒロインを演じる土屋太鳳)はある日突然モテまくる!理由はない!
 せとかに迫るのは、他校の先輩でいつでもせとかをお姫様扱いしてくれる王子様ことホスト系スウィートBOYの美丘千秋(草川拓弥)。他に30代から中学生までの彼女が十数人いるのだが、それらを振ってせとかに告白。理由はない!(映画を見る限り、理由がわからない)
 二人目はせとかの初恋の人であり、大病院の院長の次男坊で研修医、超ドSで毒舌のセレブ系ののしり王子、芹川高嶺(千葉雄大)。オープンカーに載って高校の敷地内に現れる(迷惑な)彼は演じた千葉雄大の顔が小さすぎてカッコつけてかけているサングラスが全く似合っていない!
 三人目はせとかの兄、はるか(片寄亮太)。「妹を泣かせていいのは俺だけだ」と豪語して通学バスの中でせとかと同級生がいちゃついてると並走する自転車からバスを蹴り飛ばすというこれまた迷惑極まりない男なのであった。彼は実は血の繋がらない義兄であって禁じられた恋に悶絶するのだが…
 これにプラス、学校の教育実習生でブサイクなイケメン(ブサイクなんだが、女生徒に対するアピールが激しすぎて判断力の鈍った女生徒たちが「結婚して!」とか言い出す)、矢高北斗までがせとかにちょっかい出してくる。彼を演じているのがNON STYLEの井上裕介でチラシや予告編にも一切出てこないんだけど、どうして?(聞くなや)


 というタイプの違う年上のイケメンに囲まれて誰を選んだらいいの?と悩むヒロインの苦悩が描かれるわけだが、イケメンたちがなぜヒロインを好きなのか一切わからないし、それで苦悩するヒロインの心情もこれまたまったくわからないので、この話のどこがいいわけ?中身空っぽのヒロインが中身空っぽのイケメンたちに群がられてあ~ん困っちゃうぅ~と悶え苦しむ、空虚なハーレムごっこ
 そもそもこのタイトルが腹立たしい。愛されすぎて困ってます、って全然困ってる様子がないし、イケメンに囲まれて本当は困ってもいないくせに、困ってるという文言を入れて「ハーレム趣味なんて童貞のラノベじゃあるまいし、恥ずかしくないの?」という同性からの非難を躱すために困ってますアピールをするこじらせ女子の態度が本当に腹立たしい。素直に「ハーレム状態最高です」って言っとけや!
 こんな映画を観に行ってしまった俺が困ってます。


  


Posted by 縛りやトーマス at 23:40Comments(0)映画

2017年07月02日

ラーメン大好きキアヌさん

 7月7日から公開されるキアヌ・リーブス主演の人気シリーズ第二弾、『ジョン・ウィック:チャプター2』。日本大好きキアヌは今回も来日。来日する理由はラーメン屋めぐりというのがもっぱらの噂。来阪の際にはご贔屓の古潭らーめんを必ず訪れるとのこと。その縁は『コンスタンティン』(05)で来阪した時、ハリウッドスターの思わぬ来店に度肝を抜かれた古潭らーめんが「キアヌも食べたラーメン」と宣伝して以来という。
 そんな古潭らーめんが前回に引き続き、コラボキャンペーンを実施。



 7/1~7/7までの一週間限定で大阪市内6店舗(ホワイティ梅田店、サン広場店、かっぱ横丁店、なんばウォーク東店、なんばウォーク中央店、なんばCITY店)の古潭らーめんにて『ジョン・ウィック:チャプター2』ムービーセット(古潭らーめんみそ味・ぎょうざ6個)もしくは『ジョン・ウィック:チャプター2』ムービープレミアムセット(古潭らーめんみそ味・ぎょうざ6個・生ビール中)を注文された方にくじ引きで映画オリジナルグッズなどが当たります!
 映画公開を記念したキャンペーンなのになぜか公開初日までという謎が謎を呼ぶのですが、ラーメン大好きなあなたはぜひチャレンジ!これで君も500万ドルの賞金首にされてしまうぞ!

  


Posted by 縛りやトーマス at 00:08Comments(0)映画食べ物

2017年07月01日

まるで70年代東映二本立て『ガールズ・イン・トラブル スペース・スクワッド EPISODE ZERO』



 日渡茉莉花(木下あゆ美)が目覚めると、そこは留置所だった…突然襲われた怪物から逃れた茉莉花は胡堂小梅(菊地美香)と再会するが、双方あっさりと殺されるのだった。が、死んだはずの茉莉花は再び同じ留置所で目覚め…

 東映のお家芸である女囚モノを思わせる世界観に短パンやシャツから伸びた手足をローションでテカテカさせた(なぜ濡れているのか、それはエロいから!ぐらいの理由しか思い浮かばない)女優陣が謎の化物に殺され続け、このループから脱出する方法を探るという『ガールズ・イン・トラブル スペース・スクワッド EPISODE ZERO』は『スペース・スクワッド』の前日譚。本作は女優陣だけのスペース・スクワッドで、なぜこんなことになっているのかというと、男性のホルモンを嗅ぐと凶暴化する怪物・ヘルバイラ(『時空戦士スピルバン』で森永奈緒美が声をアテてた敵キャラ)の潜む施設に閉じ込められたソフィ(遊井亮子)を救うべく女性だけのチームを厳選するためのシミュレーションだった…という女優陣しか出てこない理由が極めて合理的に説明されている。決してスケベな目的や視点からではない。

 『スペース・スクワッド』と本作両方の監督をした坂本浩一は敬愛するジャッキー・チェンのように女性にもアクションがつけられる人なので、『スペース・スクワッド』にも負けず劣らずのハードアクション(しかも女優の)が展開。ジャッキーと違ってエロスな部分もあるよ!これってあれだ、東映70年代の二本立てだよ!これが二本立てじゃなかったのが本当に残念!


  


Posted by 縛りやトーマス at 04:01Comments(0)映画特撮・ヒーロー

2017年06月28日

藤原竜也が演技派呼ばわりされてる理由を告白してくれ『22年目の告白 -私が殺人犯です-』



 2012年公開の韓国映画『殺人の告白』を原作に日本でリメイク。時効を迎えた殺人犯が自ら名乗り出て、事件の告白本を出版、世間が大騒ぎになるという話。韓国では絵空事に見えるかもしれないが、日本では(人前にこそ出ないが)実際に告白本を書いたやつが居たわけで、そういう意味では日本の方が同じ題材でもよりドラマティックに、リアリティをもって描けるはずなんだが、所詮は日本だからそういう風にはならなかったわけで…

 1995年(言わずもがな、阪神大震災、オウム真理教事件の年)に起きた連続殺人事件。それは犠牲者の大切な人(家族とか恋人)の目の前で双方を縛り上げた上で絞殺、その様子をビデオに撮って喜ぶという変態犯罪(ここだけはオリジナルの韓国映画よりえげつない)で、警察は罠をはって犯人を追い詰めるも、つかみ合いになった刑事の牧村(伊藤英明)は拳銃で犯人を肩を打ち抜きながらも取り逃がしてしまう。このせいで犯人の標的は牧村になり、警察に「お前の家に死体を置いた」と電話が。同棲している妹・里香(石橋杏奈)の身を案じた牧村は自宅へ向かうが、それこそが犯人の罠で、牧村を押しのけて部屋に入った上司の滝(平田満)が首吊り、直後にブービートラップを踏んで大爆発。滝は死亡。その後、犯人は二度と現れず、里香も行方不明のまま事件は時効を迎える。そのショックで里香の婚約者の小野寺(野村周平)は飛び降り自殺…
 と、関係者の誰もが不幸のどん底に陥り、事件発生から22年後の2017年。「私があの事件の殺人犯です」と名乗る男、曾根崎(藤原竜也)が現れる。曾根崎は記者会見を設定してパワーポイントでつくった(多分)動画をバックに登場したり、マスコミを引き連れて被害者遺族の元を謝罪行脚したり、サイン会を開いたりとアピール能力に長けているのであった。
 世間は「こんなやつを野放しにしていいのか」という至極当然な意見のアンチと、曾根崎のイケメンっぷりに転がされたソネ様ギャルたちが全面擁護に回って真っ二つに分かれる。曾根崎を演じる藤原竜也はいつもの藤原竜也演技で、上向きながらなにかを喚いたり、ヘラヘラしてるだけで『カイジ』と何が違うのか。なぜお前はいつもヘラヘラしているだけで演技派呼ばわりされているのか、それを告白してくれ!

 そんな曾根崎を批判的に見る深夜番組の司会者・仙道(仲村トオル)は自分の番組に曾根崎をゲストに呼ぶ。その番組に「曾根崎はニセモノだ。俺が本当の犯人だ」と名乗る匿名の投書が。世論は曾根崎か、それとも匿名の男が真犯人かで再び真っ二つに。そこで「犯人にもっとも近づいた男」牧村がテレビ番組に呼ばれることに。曾根崎、牧村、覆面をかぶった匿名の男。3人の対決が始まる。果たして真犯人は誰なのか?


 ここまではオリジナルとほぼ同じ展開で、ここからの展開が日本版では大きく分かれる。日本版は「誰が犯人なのか?」というミステリーになるのだが、そのオチがどうしようもない。なんであんなつまらないことになっているのか?そもそもオリジナルはミステリーでもなんでもない。ミステリーにしたってツッコミどころ満載になるだけだと判断して、荒唐無稽なコメディ要素が散りばめられてる。
 例えば犯人を名乗る男を処刑してやろうと被害者遺族のグループが犯人を拉致監禁するために毎朝ホテルのプールで泳ぐという情報をキャッチしてそのプールに毒蛇を流す。噛まれた犯人を拉致すべく偽の救急車を用意、さらおうとするが、すぐに本物の救急車がやってきて慌てて逃亡、大カーチェイスに発展。
 拉致が失敗したグループは暗殺しようとビルの屋上から弓矢を撃つ!ライフルじゃなくて弓矢!韓国映画らしい破天荒なノリだが、ミステリーにしたところでつまらなくなるのがわかってるからなんだよ。別の部分に主題を置いたオリジナルはまさに慧眼。
 日本版がつまらないミステリーになったのかはオリジナルの何たるかがわかっていないのと、あのすさまじいカーチェイスや銃撃戦が日本では再現できないからだろう。撮る場所もスタッフもほとんどいないから、というのはわかるんだけどだからといってあんな常識で考えてありえない犯人像や動機はないよな。ミステリーとしても底抜けてるから。あざとく出してきた阪神大震災がどうのこうのっていうのも全然無意味だし。妹が22年も行方不明になっているのを警察が誰も知らないってどうかしてるよ!


  


Posted by 縛りやトーマス at 22:41Comments(0)映画

2017年06月27日

すぅちゃん殴られすぎ『スペース・スクワッド』




 『特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER』から2年後の2017年にS.P.Dと宇宙刑事ギャバンが再集結!東映が数年前からマーベル・コミックのヒーローを同一の世界線上で描くマーベル・シネマティック・ユニバースに影響されて仮面ライダー、スーパー戦隊シリーズ、メタルヒーローシリーズ等を同一の世界線上で描くクロスオーバーとしてスーパーヒーロー大戦シリーズを作っていたけど、その多くは単にヒーローたちがいっぱい出てくるだけでマーベル・シネマティック・ユニバースが同一の世界線上にするため年代設定などを一から作り直して統一しているのに比べ、東映のスーパーヒーロー大戦シリーズはそういうことを一切していないのでどれもこれも悲惨な脚本になっていたが、本作ではギャバンとデカレンジャーを同一の世界線に存在するキャラクターとして設定しなおしている。ギャバンが所属する銀河連邦警察はデカレンジャーが所属する宇宙警察内の組織犯罪対策部門という風に。
 同様にキャラクター性も若干設定変更が為され、二代目ギャバン、十文字撃(石垣佑磨)は従来の無鉄砲な熱血さに加え、冒頭で行方不明になる相棒のシェリー(森田涼花)と並々ならぬ関係であることが強調され、以前までと違う設定にやや観客戸惑う。そうなった理由は一方のデカレンジャー側の江成仙一:デカグリーン(伊藤陽佑)と胡堂小梅:デカピンク(菊地美香)の結婚という前作までは匂わす程度で済まされていた関係に決着が打たれる、という話なので間をとってギャバンとシェリーもくっつけてしまえ、という制作側の神の声があったと思われる。
 ギャバン側には初代から二代目への継承というエピソードも含まれ、マッドギャランに武器のレザーブレードを折られた撃のために初代ギャバン(大葉健二)自ら作り上げたレーザーブレードを手渡すという継承の儀式を大仰に演じていて、62歳の大葉による大アクションも披露されてリアルタイム世代の僕は泣かずにいられません。かつて『仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z』で自分が守った地球をあっさり破壊しようとしていた時には「ギャバンはそんなキャラじゃない!」と憤ったこともありましたが、そういう部分も含め今回は納得できるキャラクターにされていて本当によかった。


 そういった「世界観の統一、再構築」「違和感のないキャラクター創作」が行われた結果、クロスオーバー作品としては極めて納得のいくものが出来上がったのではないかと。事件の背後に控える黒幕を匂わせていて、今後のシリーズ化にも期待がもてそう。ちょっとだけ言わせてもらうと、せめて黒幕の存在を少しだけでも描いておけば良かったのにとは思う。007のブロフェルド初登場シーンみたいに猫撫でながら失敗したやつを処刑するぐらいの演出が欲しかったところ。

 あと変な部分もあって、森田涼花演じるシェリーがありえないぐらい異常な暴行を受けるんだ。しかもかなりの長尺で。パンフレットによるともっと長かったのをカットしたというのでどんだけ殴られてんだよ。すぅちゃんは昔握手会でストーカーにプロポーズされてましたけど、その時でもこんなに追い詰められてなかったよ!


  


Posted by 縛りやトーマス at 05:03Comments(0)映画特撮・ヒーロー

2017年06月20日

金塊を選べ『ゴールド 金塊の行方』



 1980年代末、父親から受け継いだ金鉱採掘会社を倒産寸前にまで追い詰められていたケニー(マシュー・マコノヒー)は最後の賭けとしてインドネシアの金脈に目をつける。地質学者のマイケル(エドガー・ラミレス)を相棒に全財産を金脈探しにつぎ込む。しかし一向に金脈は見つからず、現地で雇った人間が次々去っていき、ケニーはマラリアにかかってしまう。
 高熱にうなされるケニーは枕元のマイケルに「俺が死んだら残りの金は金脈探しにつぎ込んでくれ」と言い残す。奇跡的にケニーは回復、目覚めたケニーにマイケルは金脈を見つけたことを告げる。
 破産寸前から大逆転となったケニーとマイケルの会社は未曾有の成功を収め、ウォール街で一躍時の人となるケニー。しかしそんなケニーの会社を食い物にしようとする輩が周囲を蠢いていた。「金脈の権利を売れ」と好条件を持ちかけるもケニーは相手にしない。「俺が汗と泥にまみれて地面を掘っていた時にてめえらは何してやがった?この高そうなスーツを汚したことあるのか?俺が欲しいのは金じゃねえ!」と数十年遊んで暮らせる金を蹴っ飛ばす。その報復として彼らはインドネシア政府にはたらきかけ、スハルト大統領と軍隊はケニーの金脈を強引に奪い取る。しかし不屈の男ケニーはさらなる大逆転を画策、見事に金脈を取り返す。再び脚光を浴び、鉱山発掘業界から表彰されるケニー。それは彼の父親が望んでやまないものであった。
 そんな絶頂の瞬間からケニーは突き落とされる。インドネシアの金脈からはまったく金塊が出ていなかったというのだ…


 実際にあった詐欺事件・Bre-X事件を元に金脈探しに生涯の夢をかけた男の壮大なロマンを描く。せこい金儲けしか頭にない金融街の高級スーツ野郎どもをケニーが鼻で笑い飛ばす様は痛快。『ダラス・バイヤーズ・クラブ』でげっそり痩せていたマシュー・マコノヒーが中年太りでハゲの役に挑み、ロバート・デ・ニーロばりの変貌で観客どころか物語すら煙に巻いてしまう。
 クライマックスの展開には思わず開いた口が塞がらない。本当にあった話にしても衝撃的すぎる。これ、物語の展開が『トレインスポッティング』に似てるんだよ。主人公のナレーションから始まるし、ニュー・オーダーの『テンプテーション』が挿入歌だし、主題歌はイギー・ポップ。人生を、金塊を選べ!


  


Posted by 縛りやトーマス at 22:33Comments(0)映画

2017年06月14日

乗り越えるにはつらすぎる『マンチェスター・バイ・ザ・シー』



 第89回アカデミー賞の主演男優賞(ケイシー・アフレック)と脚本賞(ケネス・ロナーガン)を受賞した作品。『ラ・ラ・ランド』でも『ムーンライト』でもなく『マンチェスター・バイ・ザ・シー』が主演男優と脚本を受賞してるという辺りがこの映画の真価といえる。


 ボストンで便利屋を営むリー・チャンドラー(ケイシー・アフレック)は腕は確かだが、寡黙で喧嘩っ早く、バーでガンをつけたのどうだので暴れるような人間なので周囲に友人が一人もいない。ある日、リーの元に兄のジョー(カイル・チャンドラー)が発作で倒れたと連絡がくる。急いで故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シー(マサチューセッツにある港町で、街の名前がタイトルになっている。撮影も実際のマンチェスター・バイ・ザ・シーで行われた)に戻ったリーだが、一足遅く兄は亡くなっていた。
 兄には16歳のパトリック(ルーカス・ヘッジス)という息子がおり、パトリックの将来をどうするか話し合いが行われる。兄の残した遺言にはリーを後見人にすると書かれていた。ジョーの弁護士は早速リーの引越手続きをしようとするが、リーは頑なにそれを拒む。リーには故郷の街にどうしても戻れない理由があった…

 この映画、ネタバレが恐ろしくこれ以上のことが何も話せない!紹介する人たちがものすごく苦労していたよ。「リーはなぜ故郷の街を離れたのか、なぜ帰ってくることが出来ないのか」がテーマなのだがそれが言えない。リーは過去にある事件を起こして、自ら命を絶とうとするほど悔やむものの、周囲の人間は彼を責めない。「君は悪くない」「あれは避けようのない事故だったんだ」と言われれば言われるほどリーは追い詰められて故郷には居られなくなってしまう。

 映画の中では過去に幸せな暮らしを送っているリーと、現代の過去を悔やみ続けているリーとが交互に映し出される。過去と現代のリーはほとんど別人のような顔をしていて、ケイシー・アフレックが主演男優賞を取るのも頷ける。今まで兄貴のベン・アフレックのおこぼれで仕事をしているぐらいしか記憶になく、「ベン・アフレックの弟」という仕事をしている人なんだと思ってたけど、こんな演技ができるんだなと呆気に取られた。
 一人の男がつらい過去を乗り越えることができるかという問にリーの「乗り越えるには、つらすぎる」という返答が見終わった後も引きずるように心の奥に残る。安易な癒やしを与えようとしなかったケネス・ロナーガンの英断よ!

  


Posted by 縛りやトーマス at 00:33Comments(0)映画

2017年06月11日

今が愚行

 未成年への淫行疑惑で無期限休養となった小出恵介。今までの爽やかなイメージも一瞬で吹っ飛び、「前からあんなやつだった」などという関係者(誰だよ)の意見も聞かれ、あっという間に手のひら返されちゃってまあ大変。放送予定のドラマも飛んでしまい、その影響で出演した映画も上映中止に、しかし…


小出恵介出演映画「愚行録」上映中止 代替上映作決まらず困惑の劇場も
https://news.goo.ne.jp/article/dailysports/entertainment/20170609077.html


 『愚行録』って2月に上映してた映画で、今は地方での上映が始まってるんだけど、そんなものまで上映中止扱いになるのか…相変わらずの過剰反応。
 この映画での小出恵介は出世のために他人を利用して、女もやり捨てしてなんとも思わないという最低の男を演じてましたが、やった女へのタクシー代をケチるというこすっからい本性が暴かれた今、色んな味わいがあって面白く見られる映画なんですけどねー。
 上映中止反対!被害者女性はこの映画を見ておくべきだった!

 あと小出恵介が出演して、橋本環奈ちゃんが主演した『ハルチカ』のソフトがもうすぐ出ますけど、延期だけはご勘弁。


  


Posted by 縛りやトーマス at 05:20Comments(0)映画