2017年04月18日

地上最強のオレとやれ!『キングコング:髑髏島の巨神』



 『キング・コング』(33)はあらゆる特撮映画の古典である(元祖は25年の『ロスト・ワールド』)。公開当時これを見た円谷英二が特撮の世界に足を踏み入れることになる。『キング・コング』がなければゴジラもウルトラマンもなかったのだ。そんな『キング・コング』は何度となくリメイクされた。76年と2005年だ。ディノ・デ・ラウレンティスとピーター・ジャクソンのリメイクはそれぞれ33年の古典をなぞって「未開の孤島に住むコングが捕らえられ、見世物にされるためNYに連れてこられるが、鎖を引きちぎって街で大暴れ、エンパイアステートビルの屋上から落下して死ぬ」という展開の物語だ。ところが今回のリメイクは初めてこの基本設定から離れて物語が進む。


 1973年、アメリカ政府はベトナムからの撤退を決める。長かった戦争から解放されると派兵された軍人の多くは安堵するが、パッカード大佐(サミュエル・L・ジャクソン)は去りがたいものを抱えて撤退する部隊を見つめる。そんなパッカードに特務研究機関モナークの研究員、ランダ(ジョン・グッドマン)がある孤島に地質調査に向かうため同行して欲しいと依頼。ランダは元英国特殊空挺部隊のコンラッド(トム・ヒドルストン)を島の案内役として雇い、戦場カメラマンのウィーバー(ブリー・ラーソン)らも調査隊に同行することになる。
 パッカードの指揮するヘリ部隊とともに調査隊は髑髏島に到着、地質調査のためにヘリ部隊は島に爆弾を落とす。まるで『地獄の黙示録』みたい!BGMはさすがに『ワルキューレの騎行』じゃなかったけど。そこに現れたのは巨大な大猿、キングコングであった。ジャクソン版ではコングが出るまで1時間もかかっていたが、本作では30分もしないうちにコングが現れて大暴れ!その上今回のコングは何しろデカイ!初代の6~10メートルを超える31メートル強だ。コングはヘリ部隊を全滅させ調査隊はバラバラになる。
 生き残った人間たちは島を脱出する予定の合流地点を目指して進むが島に潜む巨大な怪物たち(巨大蜘蛛とか)に襲われる。コンラッド率いる調査隊たちは島の原住民が住む村にやってくる。ますます『地獄の黙示録』になってきたなあ…そこにはなぜかアメリカ人のマーロウ(ジョン・C・ライリー)が居た。マーロウは第二次大戦中に日本人パイロットのグンペイ(MIYABI)と激しい交戦の末、島に不時着。以来島からの脱出を目指して村に定着したという。
 マーロウから「コングは島の守り神で、殺してはいけない」と教えられたコンラッドたちは戦闘機を改造したグレイ・フォックス号で川を進んで合流地点を目指す。やっぱり『地獄の黙示録』だった!
 途中ではぐれていたパッカードらと合流したコンラッドらは島からの脱出を主張するが、パッカードは生存不明の部下、チャップマンの救出を優先すると言われ島の西へ向かう。西の山中でもっとも凶暴な化物、スカル・クローラーに襲われ、クローラーの吐き出した汚物からチャップマンの認識票がからまった頭蓋骨を見つける。コンラッドらは再度脱出しようというが、部下の復讐に燃えるパッカードはコングを抹殺しようという。「これは俺の戦争だ!」

 サミュエル・L・ジャクソンがいつものサミュエル・L・ジャクソンになって爆弾をかき集め、燃え盛るジャングルをバックに人対猿の対決だ!ジャクソンの決め台詞「このファック野郎!」とつぶやこうとした途端に死んでしまうってものすごいギャグだな!

 ベトナム戦争をテーマに怪物と怪物の新たな戦争を描いた『キングコング: 髑髏島の巨神』は最初から最後までクライマックスであり、多くの怪獣ファンが見たかった怪獣大決戦の映画である。本作はこの後『GODZILLA』(14)の続編『Godzilla: King of Monsters』(2019年)で勝ち残った怪獣とコングが対決する『Godzilla vs. Kong』(2020年)で完結するレジェンダリー・ピクチャーズのモンスターバースシリーズの一本。ということは来るべき対決に向けて「ヲイ、コング!宇宙怪獣なんかとチマチマやってねえで地上最強のオレとやれ!」っていうアピールなんだな!残念ながらコングのマイクアピールはなかったけれど…この挑戦状を受けて『Godzilla: King of Monsters』(2019年)でゴジラがどのような最強ぶりを見せてくれるのか乞うご期待!


  


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2017年04月15日

これぞ真のバットマン映画だ『レゴバットマン ザ・ムービー』



 レゴブロックをストップモーション・アニメのように動かしたCGアニメ『LEGO ムービー』(14)に次ぐLEGOアニメ映画第二弾。前作にも登場したバットマンをメインの世界観にしている。
 バットマンは言うまでもなくゴッサム・シティを守るヒーローであるが、自宅である大豪邸に帰れば伊勢海老をチンして食べながらトム・クルーズの『ザ・エージェント』を巨大ホームシアターで眺めるだけの孤独な中年にすぎない。執事のアルフレッドにも「いつまでこんな生活続けてるんですか?」と突っ込まれる始末。だがバットマンは動じない。だってバットマンは「孤独の男」だから!

 そんなバットマンのライバルを自称するジョーカーだが、テレビインタビューであなたにとってのライバルは誰か?と聞かれて「そうだな…スーパーマンかな?」と答えてるバットマンにショックを受ける。「僕が最大のライバルじゃないのか?」やけっぱちになってゴッサム・シティを破壊。駆けつけたバットマンに「やっぱり僕が最大のライバルだろ?」と問い詰めるも「いや…ライバルとかじゃなくて、倒すためだけにいる敵のひとりでしかないし」と返されて大ショック!ぶち切れたジョーカーはキャットウーマン、リドラー、ペンギン、トゥー・フェイスにポイズン・アイビーそしてミスター・フリーズといったバットマン世界のヴィランたちを結集、彼らを連れて自首を宣言する。
 刑務所でぬくぬくと過ごすジョーカーたちをしつこく監視するバットマンだが、おかしな様子はなく、やることがなくなったバットマンを世間は冷たく見放し、警察も共同で悪を捉えよう宣言。ますますやることがないバットマンは家にこもってトム・クルーズの映画を…

 バットマンは自ら孤独を選んだのではなく、誰からも相手にされてないだけだったのだ!途中でスーパーマンの家に行くんだけど、そこで行われているのはジャスティスリーグ結成57年記念パーティ。飲めや歌えやの騒ぎにバットマンは呼ばれていなかった!気まずい空気が流れる中、前回(LEGOムービー)も空気の読めない発言で周囲を凍りつかせていたグリーンランタンが「まあ、メールとかたまに届かないことあるからね!」とまたまた余計なことをいうのであった。本当にこいつは(笑)
 ジョーカーを信用していないバットマンは悪党を異次元に閉じ込める極悪ゾーンにジョーカーを強引に放り込む。しかしすべてはジョーカーの策略だった!極悪ゾーンにいるいろんな映画の悪役たちを解放、一気にゴッサム・シティを手中に収めようとする。その悪役たちがキング・コング、ヴォルデモート卿(ハリー・ポッター)、サウロンの目(ロード・オブ・ザ・リング)、エージェント・スミス(マトリックス)…この辺はワーナー・ブラザーズ映画だからいいけど、ジュラシック・パークのティラノとかミイラ男にドラキュラ、グレムリンてユニバーサル映画だろ!『アルゴ探検隊』の骸骨剣士もコロムビア映画だし…権利的にどうなってんの?

 こんな感じでモンスターバースを超えるムービーバースとなった敵をたったひとりで倒すことなどもうできない。バットマンはあれほど嫌っていた仲間をつくり、ともに立ち向かうしかないのだ…

 「バットマンは孤独で寂しいコスプレ中年」というバットマンの本質をグサリと突いた本作はLEGOのアニメという形だからこそ実現できたともいえるが、最初の頃のテレビドラマのバットマンはキャンプ(悪趣味)というジャンルで、そりゃあ普通に考えたらマヌケなマントにパンツ穿いて「俺はダークナイトだ!」も何もないもんだ。ノーランやスナイダーがつくるやたらとシリアス路線になっていく近年のバットマン映画は違和感だらけでどんどんつまらなくなっていく。その違和感に一石を投じた『レゴバットマン ザ・ムービー』は真のバットマン映画だ。これを本シリーズにしてほしい。

 一部で署名騒動にまで発展したロビン役の吹き替えをやった小島よしおは前評判を吹き飛ばす名吹き替え。「そんなのカンケイねー!」「おっぱっぴー」の持ちギャグもセリフの流れの中にさりげなく出て来るだけだから違和感なかったな。むしろ最高だと思う。悪評なんかカンケイねー!


  


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2017年04月12日

失敗は許されない結婚

 『仮面ライダー555』の園田真理役、『仮面ライダーキバ』のパールシェルファンガイア役でおなじみの芳賀優里亜さんが結婚。


ご報告
http://ameblo.jp/yuria-haga/entry-12264560036.html

 相手は今流行りの2.5次元専門俳優、鎌苅健太でなんというか2.5次元と3次元が結婚したみたい。同じ事務所で仲良しの秋山莉奈から2年遅れてのゴールイン、おめでとうございます。オシリーナともども、同じスパイキッズつながりとして失敗は許されない結婚生活が送れますように。


結婚記念に芳賀優里亜さんのセクシーショット置いておきますね


  


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2017年04月07日

お嬢様って怖いなあ『暗黒女子』



 公開前から、W主演のひとりである清水富美加の出家騒動のため変な意味で注目を浴びてしまった作品である。映画興行というもの、客がやってきてナンボ。かつて山口組を主役にした『山口組三代目』を作りながら共産党の映画も作ろうとし、それこそ幸福の科学の映画を自分のところの映画館でかけている東映がこの程度の騒動にビビるわけはなく、「むしろタダで宣伝してもらえてラッキー!」なんて思ってたに違いない。映画は何事もなく公開!

 良家の子女のみが通う聖母マリア女子高等学院(ベタな名前だな)。ある日学院経営者の娘で容姿端麗、成績優秀、全校生徒の憧れの的である「完璧な美少女」、白石いつみ(飯豊まりえ)が学校の屋上から転落死する。自殺か他殺かそれとも事故死か判別しない中、学校中にいつみが会長を務めていた文学サークルの部員の誰かが彼女を殺したという噂が流れる。
 その文学サークルで会長の座を受け継いだ澄川小百合(清水富美加)によってサークルの定例会が行われる。定例会は部員が持ち寄った具材を闇鍋に入れて灯りを消した部屋で食べ、各自が創作した小説を朗読するというもの。今回のテーマは小百合によって「いつみの死」と決められた。一年の特待生、美礼(平祐奈)、老舗料亭の娘、あかね(小島梨里杏)、留学生のディアナ(玉城ティナ)、高校生ながら小説の新人賞を受賞した志夜(清野菜名)の順で朗読が続き、彼女たちは小説の中でひとりの部員を「彼女がいつみを殺した」と名指しする。4人の朗読が終わり、最後に小百合が「これは私が書いたものではなく、白石いつみ本人が書いたものです」と最後の朗読を始める…


 いつみは部員の小説の中でしか語られず、どういった人物かは彼女たちの主観でしか示されない。ある人物の視点と別の人物の視点ではいつみという人物のイメージ、その行動はまったく別の意味で捉えられる『藪の中』状態だ。『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』『心が叫びたがってるんだ。』などで思春期男女の諍いやぶつかり合いを瑞々しく描いた岡田麿里がお嬢様学校生徒特有の百合っぽいイメージを漂わせつつ、その裏にあるマウンティング意識といった闇の部分に光を当てる。
 いつみ役を演じた飯豊まりえはぞっとするほど美しく、その内に秘めた悪魔のような本性を見事に曝け出す演技だが、その影にそっと寄り添うような小百合役、清水富美加が真のヒロインとして文字通り「取って代わる」場面は空恐ろしく、単にイヤミス(後味の悪いミステリー)というだけでなく、一級のサスペンスとして完璧。
 
 作品として実に面白いんだけど、騒動から相当時間がたったせいか(もうみんな忘れてるよね)、興行的に厳しい数字らしい。こんなことなら出家騒動が盛り上がってる時に前倒しで公開すればよかったのに!時期的に東映の主力作品、プリキュアと仮面ライダーが組まれていたので繰り上げることが出来なかったと思われる。東映は特撮、アニメがメインコンテンツだからねえ。東映映画の構造的な問題が潜んでいるとしか。

 それと日本の観客がお嬢様学校に抱きがちな「ごきげんよう」「タイが曲がっていてよ」なイメージを破壊してしまったせいかも。『暗黒女子』という黒のイメージではなく清廉潔白な白のイメージを強調してパッケージングから観客を騙してしまった方がよかったような。この映画見て「お嬢様っていいなあ」と思う人はいないもんなあ。世の中は暗黒だ!


  


Posted by 縛りやトーマス at 22:35Comments(0)映画

2017年04月02日

ストイックな部活青春ものに圧倒『ハルチカ』



 橋本環奈は今、もっともストイックな十代女優である。『セーラー服と機関銃―卒業―』では寂れた商店街を守るために文字通り体を張る(首締められても!)。美少女すぎて可愛らしい役しか回ってこずに損してるのが勿体無い。福岡のアイドル時代も見た目と裏腹のデカ目の態度と押しの強さで人気だったので、彼女を活かす作品が少なくて残念だが、邦画界には彼女の才能に目をつけてなんとか活かそうとしている模様。

 負けん気の強いチカ(橋本環奈)は高校に入学した日に憧れの吹奏楽部に入ろうとするが、部員わずか二名で廃部寸前!小学校の時の同級生、ハルタ(佐藤勝利)がホルンをやってたことを思い出して勧誘するが「僕は高校では勉強するから…」と気弱に断りを入れるハルタにチカの重いローキックが一閃!かつてチカにいじめまがいの行為を受けて子分扱いされていたハルタは彼女の軍門に下って部員集めに付き合わされる。時にはビラ配りに本気が足りないとボディブローを喰らいながら
 タイムリミット寸前で最低限の人数を集めることに成功したチカたち。早速練習だ!フルートを選択するチカ。「チカちゃんフルートできるんだ」「ううん全然」なんとチカはフルート初心者だった!中学時代にやってたバレーを怪我で断念した時にたまたま聴いた吹奏楽部のフルートに心を奪われたチカはそれだけでフルートに憧れていたのだった。

 明後日の方向へと転がる物語に戸惑いを隠せないが、ここから観客は王道の破壊から再生を目の当たりにする。なんとかオーケストラのできる人数20人をかき集めた吹奏楽部は元指揮者だった顧問の草壁(小出恵介)の指導のもとコンクール出場を目指す。
 しかし初心者のチカはフルートのソロがうまく吹けず、練習はいつもそこで詰まってしまう。草壁は壁にぶつかった時、部員たちに「どう対処するか」を自分たちで考えさせるタイプの人間なので課題だけ与えてチカを突き放す。部員たちはチカに不満を抱くようになりケンカを始めてしまう。チカのおかげで再生するはずだった吹奏楽部がチカのせいでバラバラになりかける。
 再生のきっかけはハルタだった。急に倒れてしまったハルタは両親との約束で学業に専念するはずだったが、小学生時代のいじめをよりひどい行為で救ってくれたチカをヒーロー扱いしていたハルタはチカのために学業と部活を両立させようとして頑張りすぎたのだった。それ、恋だよ!!いや、ひょっとしたら彼女から受けた様々な暴力が忘れがたかったのかも…

 普通ならここでチャラチャラとした恋愛ものに陥りがちな話だが、チカはハルタの気持ちを組みながらも「フルートのソロをこなす」ことで答えようとする。元髭男爵という経歴の市井昌秀監督は今時ありえないほど生真面目な物語として本作を撮り、原作のミステリー部分やチカ、ハルタ、草壁の三角関係という大事な部分を無くしてまで「吹奏楽部をテーマにしたストイックな部活青春もの」として完成させた。この「ストイックで生真面目な部活青春もの」に重いローキックやボディブローをビシ!バシ!と決めてくれる橋本環奈ほどうってつけのヒロインはいないだろう。凡百の製作者ならハルタとチカのチャラチャラ恋愛ものに落とし込むところを彼女を使ってストイックな部活青春ものとして描き、見事なクライマックスに集約させる。
 草壁は「様々な問題や不条理に直面した時は少し顔をあげて仲間たちがいることに気づいてほしい」とアドバイスする。チカは「ソロはひとりではできない、仲間がいるからこそできる」ことに最後の最後に気づく。それが痛いほどわかるクライマックスは10年に一度、いや1000年に一度の圧巻だ。

  


Posted by 縛りやトーマス at 12:29Comments(0)映画アイドル映画

2017年03月30日

笑顔がいいだけで全米が震撼『チア☆ダン』



 『ちはやふる』『怒り』で2016年日本の10代女優界の頂点に君臨した広瀬すず。2017年はより良い作品に出て活躍するところが期待されるが、その2017年第一弾に選んだのはチアダンスであった。なんか、『恋空』で人気爆発した新垣結衣が『フレフレ少女』に出演するぐらい、不安だよ。

 『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』は福井県立福井商業高等学校のチアリーダー部、福井JETSがまったくの素人ながら3年で本場アメリカのチアダンス選手権で見事優勝、その後2017年まで5連覇を達成しているという実話を元にした映画である。こういう話は如何に実際の福井JETSに興味をもってもらえるか、素人が全米No.1ということがどれだけの偉業か、映画から感じてもらえるようにしないといけないはずが、この映画見ても何がスゴイのかまったくわからない。

 広瀬すず演じる主人公、ひかりはサッカー部に入った同級生(真剣佑)を応援したいという不純な動機でチアリーダー部に入るが、「全米選手権出場」を掲げる顧問、早乙女(天海祐希)の指導は「おでこを出せ」「恋愛禁止」とスパルタそのもので、部員は次々逃げ出していく。残ったひかりも運動神経ゼロでまるでついていけず、逃げ出そうとするのだが早乙女から「あんたは笑顔がいい」という理由で残らされる…
 ものすごい技が使えるとか、実は他の部員たちにはない才能があるとかじゃなくて「笑顔がいい」って…そりゃあ広瀬すずの笑顔は現代日本の十代少女で頂点に達するレベルであり、全米笑顔選手権なら7連覇はしそうな気もするが。コレ、チアダンスの話なんで!コメディリリーフとして登場する富田望生が母親にネグレクトされてる妹たちのためにアルバイトしながらダンスの特訓をしてたりする(なんでこんなハードな話が急に飛び出すんだ)ストイックさを発揮したりしているのに、広瀬すずは真剣佑とチャラチャラしながら笑顔がいい!ってええかげんにせえよ!
 そもそも天海祐希の指導力に疑問がある。彼女は夢はでかいけど、指導が適当なので誰もついてこず、最後にはあらゆるスポーツ界の指導者が書いた指導教本を読み漁るのだが、一番影響を受けるのが松岡修造の本って時点で駄目だこりゃ!
 クライマックスも怪我をして全米の舞台に立てない広瀬すずを最後の最後に笑顔を見せるためだけに起用しちゃってそのまま優勝。広瀬すずが笑顔を見せるだけで優勝できる全米って大したことないんだな。全米が震撼した!
 こんな適当な映画つくられちゃって、福井JETSの偉業が霞むなあ。実際のドキュメントを見た方が面白いんじゃない?

  


Posted by 縛りやトーマス at 20:35Comments(0)映画アイドル映画

2017年03月22日

みんなキラキラしてる『ラ・ラ・ランド』



 『セッション』のデイミアン・チャゼル監督による長編第二弾は女優になる夢を追うヒロインと古き良きジャズピアニストを愛する男の物語である。

 ロサンゼルス、ハリウッドのカフェで働くミア(エマ・ストーン)は女優を夢見て田舎町ボウルダーからやってきたが、オーディションにことごとく落ち続ける。バーで店長(『セッション』の鬼教師J・K・シモンズ!)のリクエストに逆らって自分のやりたいジャズをやったピアニストのセブ(ライアン・ゴズリング)はクビになる(また先生に逆らう展開に)。季節が変わり、出会った二人は女優になる、自分の愛するジャズを客に聞かせる店を開くといったお互いの夢を語り合い、交際が始まる。セブはミアに自分で企画した一人芝居をやればいい、そうすればオーディションには落ちないぞとアドバイス。助言に従ってその芝居の準備をするミア。セブの友人が自分がやっているバンドにピアニストとして参加しないかと持ちかけられる。セブは友人のバンドがやっている音楽が気に入らなかったが、ミアを応援するために安定した収入が欲しくて加入する。
 そのバンドは大成功し、セブはレコーディング、全国ツアーと忙しくなりミアとはすれ違いの生活が始まる。久しぶりに出会った二人は食事に行くが、ミアに自分の店を開く夢はどうしたのかと聞かれたセブは君の夢を応援したくてやっている、と口論。「君は僕の成功が妬ましいんだ。僕が冴えなくて売れないピアニストだから、自分より落ち目の人間を見ているとプライドが満たされるんだろう」(それいっちゃダメ!)と言い放ってしまったセブにミアは「もうおしまいね」と店を出て行く。
 公演の客入りはまばらな上、客の不評を耳にしたミアはセブに女優になる夢を諦めてボウルダーに帰ると告げて去っていく。二人が暮らした部屋で電話を受け取るセブ。それはミアの公演を見た担当者からオーディションを受けないかという連絡だった…


 夢を追うことの残酷さを見せつつ、それでも夢を追うことを諦めきれない人たちをあまりに眩しく美しい映像で表現した本作は誰の胸も打つ不変のテーマなので世界中で大ヒットしているのも納得。夢の前に妥協してしまうこともあるというのをきっちり描いてるのもわかるわー、と膝を打つ。本来ハッピーエンドのはずがちっともハッピーエンドじゃないというラストも切なすぎる。ミュージカル映画なんて絵空事か現実逃避みたいなものだらけなのに、きつい現実を見せつけるチャゼル監督は大したタマだ。
 『セッション』の時にこんなのジャズじゃない!といって切れてた人たちが本作にもどうこう言ってますけど、そりゃあジャズとしては間違ってるかも知れないけど、映画としては何も間違ってないんだからそんなこと言って切れてる人たちは人として間違ってますよ。

  


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2017年03月17日

卑猥朗読会『お嬢さん』




 とんでもない!映画である。『JSA』、復讐三部作でおなじみ韓国の鬼才、パク・チャヌクの新作は日本統治下時代の韓国を舞台に韓国人でありながら日本にかぶれる富豪・上月(チョ・ジヌン)の姪、秀子お嬢様(キム・ミニ)と彼女のメイドとして働くことになった珠子(キム・テリ)との上下関係、性別を越えた愛の物語だ(ということにしておく)。

 珠子の正体はスッキという韓国人で、詐欺師の藤原伯爵(ハ・ジョンウ)に天涯孤独の身だったところを養ってもらっていた。伯爵の狙いは秀子に取り入り、結婚して屋敷から連れだした後財産を奪い取ろうというもの。スッキはメイドとして秀子の信頼を勝ち取り、伯爵のことを好きになるように仕向ける役目だ。
 貧しい生まれのスッキは秀子のことを「世間知らずのお嬢様」とバカにしていたが、屋敷のメイドたちからイジメを受けているのを助けてもらったことをきっかけにして、気持ちを寄せるようになる。彼女に接するうちに秀子の抱える闇と美しさに魅入られたスッキ。或夜、伯爵との初夜を妄想する秀子に「やり方を教えなさい」とせがまれ、秀子と深く結ばれる。自害した叔母の姿を目の当たりにしていらい、毎夜幻に悩まされる秀子の境遇に同情したスッキは伯爵を裏切って彼女を助けようとする。

 ここまでが第一部。この映画は三部構成で、一部はスッキの視点から見た物語で続く二部は秀子お嬢様から見た物語となる。ここで秀子は叔父の上月から強権的な支配を受ける様子が描かれる。秀子は両親の死後、上月の屋敷に貰われてくる。叔母は優しかったが狂っていた。桜の木に首を吊って自害した叔母の代わりに上月が定期的に行う朗読会を代わりにさせられる。屋敷には上月の持つ日本の希少本を集めた書斎があり、スッキが偶然足を踏み入れると「蛇!蛇がおる!」と檻を降ろされる!蛇って何?

 希少本というのは、葛飾北斎の春画とか、日本の官能小説で、朗読会は日本語が読める秀子が下品な金持ち連中を相手に本の朗読をさせられているのだった!
 この映画は韓国人キャストがつたない日本語を話すのだが、秀子役のキム・ミニとスッキ役のキム・テリは流暢に日本語を話す。なので日本語でち◯こ、ま◯こと何度も連呼するのだ(日本語を話している時は韓国語の字幕が出る)。それで叔母は病んでしまったわけだが、叔母の代わりをさせられる秀子はその時幼女なので、韓国の子役がち◯こ、ま◯こって言わされて「なんてはしたないことをいうんだ!」と上月にどやされたりして(お前が言わせてんだろ!)、すさまじいことになってた。これ、最近流行りの「意に沿わない仕事をさせられた」ってやつじゃないの?パク監督曰く「韓国では字幕なので衝撃度は薄まるが、日本の観客の方が恥ずかしさをダイレクトに感じてくれるはず」ということでぜひ、日本の観客に楽しんで欲しい。

 キム・ミニとキム・テリの演じる官能すぎるベッドシーンはロマンポルノリブートがガキの遊びにしか見えないレベル。朗読会のせいで経験はないのに知識だけは耳年増な秀子お嬢様が教える立場のスッキを導いて、「お嬢様詳しいんですね!」とかいう場面など、エロスの中に笑いを忘れないパク・チャヌクの演出は面白すぎる。
 江戸川乱歩か横溝正史のごときエログロな世界観にミステリーの要素があり、パク監督らしい男性優位社会の中で力強く生きようとする女性の自立を訴えるテーマのせいか、劇場には女性客が多く見られうかつにおっさんが観に行こうものなら、劇中の朗読会の気分を味わうことになるので気をつけた方がいい。蛇だ!蛇がおる!!


  


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2017年03月14日

前田有一がダメにする評論本

 自称映画批評家・前田有一の連載がついに一冊の本になったぞ!





 これはビデオSALONという映像制作の情報誌で連載していた(映画専門誌じゃないんですね)『それが映画を◯◯にする~「映画」に学ぶ「映画」のこと』を一冊にまとめたもので、◯◯の部分に何が入るのは長年の疑問だったんだけど、本のタイトルになったことで◯◯とは「ダメ」ということなのがわかった。「大人の事情」でそうなったらしいんだけど、このタイトルにそもそも言いたいことがあるわ。
 前田にとって「映画」は「ダメ」らしくて、その分析をしているんだけど、個々の映画を取り上げて「あれがダメ、これがダメ。だからこうした方がいい」と映画好きの高校生みたいなことを言ってるだけなんだよな。比較してとりあげる作品はどれもこれもここ数年の作品ばかり。「映画をダメにするのは何か」を論じたいなら、自身の何十年に渡る映画鑑賞歴を踏まえて語るとか、もっと俯瞰的な視点で論じられないかね?(そんなことが出来ないから、個々の映画のダメな部分をあげつらってるだけなんだろうけど)

 びっくりするほど知識もペラペラで『のぼうの城』で前田は

>いかに映像を派手にしようと演じる役者に時代劇の所作事を身に着けた者がいないから、皆チープなコスプレ侍に見えてしまう

 と言った後で

>こうした時代劇ならではの動作について日舞を学んだり独自に歌舞伎を研究して身に着けたと松平健から聞いたことがある。彼ら時代劇俳優の不断の努力を知り、尊重し、キャスティングに反映させていたならば、『のぼうの城』の戦闘シーンもよりリアルに感じられたに違いない。


 というの。比較してもちあげるのが松平健って…お前、『暴れん坊将軍』しか知らないだろ!せめて市川右太衛門とか長谷川一夫を持ち出すならともかく…その程度の知識で時代劇のなんたるかを偉そうに語るとはいい度胸だ。春日太一に説教されてしまえ。ちなみに前田は野村萬斎を「キワモノ」呼ばわりしています(笑)。
 のっけからこの調子なので以後続く映画評論(失笑)文はどれもこれも大した知識もない自称プロが知ったかぶって大恥をかいている様子が伺えます。

 この男は一体映画評論というものをなんと捉えているのか?それはまえがきとあとがきに記されている。

>私はこの本が、人々が映画に興味を取り戻すきっかけとなることを強く願っている。そうすればもしかしたら、あなたは年にもう一本だけ多く、映画を観てくれるようになるかもしれない。観る人が増えれば作り手も奮起する。そうすれば良作も増える。それは皆にとって良いことだ。良い事に関わることは、人生を楽しくする。さあ、一緒に楽しくなろう。

>――なぜ、映画はダメになるのか
本書のタイトルの裏側には、誰もが幾度となく頭の中で繰り返してきたその問いかけがある。この謎解きはやっかいな作業だ。言いたくないことも言わなくてはならないし、それによって嫌な思いをする人が必ず出てくる。だからそんなことを考えるより次の映画を観に行ったり、撮影に取り掛かったほうが、よっぽど精神的にはよろしい。
しかし、あらゆる進歩は失敗の分析と対策の先にある。映画批評家とは、それを観客側の立場から行うのが大事な仕事のひとつだと私は考えている。


 なんと、前田有一は映画評論をすることで映画が良くなるはずだ、と本気で考えている。「風が吹けば桶屋が儲かる」ぐらいの無茶な意見ではないか。そんなことで映画がよくなるのであれば、前田有一より遥かに優れた映画評論家が活躍していた時代の映画は映画創生期よりも良くなるはずではないか。前田より以前の映画評論家たちがそんなことを理由にして映画評論をしていたとは、とても思えない。
 「観客側の立場」というのもよくわからん。評論家は映画を製作した経験でもなければ観客側の立場でしか見られないのでは?前田有一は自身を「観客の立場から」と下げていながら「プロの視点では」といった意見を何度も出して、自分は映画を観るプロフェッショナルであると上から目線で主張する。だったら観客の立場でなどと思ってもいないことを口にするのはやめてプロの視点による意見ということを崩さなければいいのに。

 前田有一はこの本を出すために自分のサイトの更新を数ヶ月に渡って滞らせるほど時間を割いたそうだが、そのくせ内容はほぼ連載時のままで、レイアウトやページ数を表示する黒丸に至るまで同じ。何のために時間割いたんだよ!?
 いくつか加筆修正したところがあって、特に加筆修正されたのは『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』『スター・ウォーズ フォースの覚醒』だ(やっぱり)。以下は雑誌連載時と本の文章との比較である。


雑誌連載時:初動で興収50億円を期待された実写版前編はまもなく後編公開となる現時点においても30億すら突破したという話を聞かない

単行本:初動で興収50億円を期待された実写版前編は結局、32・5億円と伸び悩んだ。



雑誌連載時:ひどくお客さんをバカにした話ではないか。

単行本:ひどくお客さんをバカにした話ではないか。その報いというべきか、後編の興収は16・8億円と惨敗を喫した。


 実写進撃及び樋口真嗣監督を小馬鹿にしたいがために数字をより強調する嫌らしさである。さらに『スター・ウォーズ フォースの覚醒』では


雑誌連載時:関係者の間で流れていた社内的な最終目標「興収100億」をどれぐらい越えてくるかだ

単行本:関係者の間で流れていた社内的な最終目標「興収100億」こそ何とかクリアーしたが(115億)、「思ったほどでは・・・」というのがホンネだろう。

雑誌連載時:頼みの綱の初動で土がついたのは痛いが今後「覚醒」して新記録を打ち立てることは果たしてできるだろうか?(2015年12月25日)

単行本:今後予定されているエピソード8以降が「覚醒」して新記録を打ち立てることは果たしてできるだろうか?


 前田有一はスター・ウォーズオタクが大嫌いなので(『パシフィック・リム』の項でも「映画オタクは頭でっかちで女にもモテない」と言って、パシリムを好むようなオタク映画ファンを罵倒していた)、『フォースの覚醒』を徹底して貶しており、興行的絶対失敗すると思い込んで、「興収100億」切りを予想したのだが(でも外れた時のために「どれぐらい越えてくるかだ」といった予防線を張っているのがいやらしい)、結果越えてしまったので単行本ではその文章を加筆修正しつつ、「思ったほどでは・・・」というのがホンネだろう、なんて負け惜しみをしている。

 自分が大嫌いな樋口真嗣監督とスター・ウォーズに関する部分は加筆修正するほどの気合の入れようで、その情熱をもっと映画を見ることに注げばいいのに。前田有一は映画を観ることに対する情熱に欠けている。その情熱が少しでもあれば時代劇映画にマヌケな分析をしたり、映画オタクを(いくら自分がバカにされたからって)罵倒したりはしないだろう。映画をバカにする時は徹底して上から目線で大上段に構え、褒める時も「プロの俺にはわかる」とこれまた上から目線でなければものが言えない。彼は映画評論を人々が映画への興味を取り戻すためにしているのではなく、自分が素人や映画オタクに偉そうに振る舞うためだけにやっているのがよくわかる本であった。

 こんなものが映画評論だというのなら、前田が想定する「映画をダメにしている」原因は間違いなく前田有一自身である。  


Posted by 縛りやトーマス at 22:18Comments(2)映画

2017年03月13日

映画館の力もおかりしたい『劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』



 平成ウルトラシリーズの最新作、『ウルトラマンオーブ』の初劇場版。“さすらいの風来坊”という独特な主人公像であったクレナイ・ガイ(石黒英雄)。彼はハモニカを吹いて現れるんだけど、本作ではハワイ帰りなのでウクレレを弾きながら登場!ケレン味のある演出は劇場版でも健在であった!

 劇場版の脚本はTVシリーズのメインライター中野貴雄が担当。中野貴雄といえば大阪・十三で『アマゾネス』とかに興奮していた強いおねーさんが大好きな、特撮パロディを自主映画で製作していた男なんだ。そんな男がウルトラシリーズのメインライターになっているのだから、大学時代に『帰ってきたウルトラマン』をシコシコつくっていた庵野秀明がゴジラ本編を任されるぐらい衝撃的である。今はそんな時代なんだぜ!

 中野貴雄監督は歴代シリーズのように防衛隊に所属しない、さすらいの風来坊がライバル関係にあるこれまた謎の男、ジャグラスジャグラー(青柳尊哉)と粋なセリフのやりとりをしながら切った張ったの戦いを繰り広げるという従来のウルトラシリーズとは違う魅力があったが、劇場版でも(TVで)死んだはずのジャグラーが特に説明もなく蘇り、ホスト風の名演を見せびらかす。怪しげにあらわれてガイたちの邪魔をしたかと思うと、囚われたナオミ(松浦雅)たちを助けたり、ダークリングでゼットンとパンドンのカードをスキャンして「闇の力をおかり」したり、似合わない正義感ヅラをしてみせる。影の主人公、ジャグラーが七面六臂の大活躍!TV版の悪役が安い扱われ方をすることが多い仮面ライダーやスーパー戦隊シリーズとは違って中野貴雄監督、きちんと悪役の見せ場を用意してくれたし、スーツのみ登場のギンガ、ビクトリーそして中の人も登場するXとの共演もあり、エックスと分離された大地(高橋健介)を助けるという展開には新旧のヒーローが対立(しているフリ)ばかりしている東映の仮面ライダー、スーパー戦隊シリーズも少しは見習ってほしいよ。

 そして往年のウルトラファンへのサービスとして放送50周年を迎えるウルトラセブン、モロボシ・ダン(森次晃嗣)もゲスト出演。元相・風来坊だから?シリーズとの関連性もきちんと表しているのはさすがオタクの面目躍如か。



 本作の劇場公開数は前作『劇場版ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン』の50館を超える61館なのに大阪では2館減らされてしまい、観るのに難儀した。公開に関して映画館の力はおかりできなかったようで…

  


Posted by 縛りやトーマス at 22:09Comments(0)映画特撮・ヒーロー

2017年03月12日

消え行く解説者

 僕たち(誰よ)オッサンを素晴らしき洋画の世界に引きずり込む役目を果たしていたテレビ映画番組のひとつ、日曜洋画劇場が春の改変で完全消滅。

テレ朝、土・日曜も大型ニュース番組開始で「日曜洋画劇場」は完全消滅
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170307-00000132-sph-ent

 ここ数年はスポーツ(サッカーとか)、バラエティの特番などで番組自体が休止になったり、テレ朝製作の映画ばかりが放送されていたりしていて、ほとんど無くなっていたのと同じだったとはいえ、「番組終了」が明言されたのははじめて。その代わりにやるのが報道番組って…同時間帯にニュースをやっている番組が他にない(NHKニュース9は土日、休んでる)からその隙間を狙ったものと思われる。
 にしてもテレビのニュースバラエティなんてもういらないよ!大体不定期出演のゲストがディーン・フジオカって!「取材にも出る国際的な視点を伝える存在」?いつからディーン・フジオカが国際的な視点をもつ存在になったんだ。僕たち(誰よ)はあのホラッチョことショーン・マクアードル・川上の冒したドジを忘れていないぞ!テレ朝はディーン・フジオカの経歴をまず調査すべきだ。

 それはともかく日曜洋画劇場が終了するのは残念だ。かつてテレビでわけのわからない映画を偶然見て映画に世界に引きずり込まれた世代の僕からするとあの枠で『エイリアン』『ターミネーター』『リーサル・ウェポン』『48時間PART2』『ビバリーヒルズ・コップ』『ロボコップ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ダイ・ハード』『プレデター』などの70~80年代アクション映画にハメられ、ここでしか見られないであろう『コマンドー』『刑事ニコ/法の死角』『アウト・フォー・ジャスティス』『ゼイリブ』『ヒドゥン』などのカルト映画に驚かされたもの。と思ってたら『13金』『エルム街の悪夢』などのホラー映画も区別なく放送し、『ザ・ビースト 巨大イカの逆襲』を放送して、「これ、原作は『ジョーズ』のピーター・ベンチリーなんですね。だからジョーズと同じルーツなんです」と淀川長治さんがヘンテコG級映画にも価値を見出すコメントをつけてくれたものです。

 この手の映画番組が次々消滅していくのは淀川さんのような名解説者がほぼいなくなってしまったのが原因。水野晴郎の『金曜ロードショー』、山城新伍の『火曜洋画劇場』(枠自体は『シネマスタジアム』として継続中)KBS京都の『中島貞夫の邦画指定席』…
 そりゃあ『タイタニック』で船が沈む落ちに驚いたり(何しに映画館に行ってんだよ)、『シックス・センス』のラストが理解できなかったりする客が出て来るわけだ。
 映画の面白さを伝える解説者はおらず、定番映画ばかりがかけられる映画番組。日本の映画館入場者数が減少するのも仕方あるまい。

60年余りの間の映画館数の変化をグラフ化してみる(2017年)(最新)
http://www.garbagenews.net/archives/2034792.html


 ただちに『ロボット・モンスター』『フォーガットン』の面白さを伝える解説者を登場させろ。



  


Posted by 縛りやトーマス at 07:29Comments(2)映画テレビ

2017年03月07日

一週間で忘れたるわ『一週間フレンズ。』



 高校二年生の長谷祐樹(山﨑賢人)はいつもひとりぼっちのクラスメイト、藤宮香織(川口春奈)と仲良くなろうと「友達になってください」と手を差し出すが、彼女の答えはいつも「ごめん、無理」だった。諦めきれずに何度も挑戦する彼に担任の井上(戸次重幸)は香織が一週間で友達に関する記憶だけ失ってしまう記憶障害なのだと聞かされる。祐樹は彼女のために一週間のことを綴ったノートを渡して交換日記を始めようとする。


 まーた記憶失う話かよ!しかも友達に関するだけって、都合の良すぎる記憶喪失だな!最近の少女漫画はどれもこれも似たような内容、キャラクターばかりが出てきて、大抵男女カップルの間には恋愛関係になれない障害があって、それを乗り越えて付き合おうとしても過去を知る元カレもしくは元カノが現れて、主人公やヒロインはそのトラウマに苛まれるっていう…この『一週間フレンズ。』も川口春奈の過去を知る爬虫類みたいな顔した男(上杉柊平)が現れて、中学時代に彼に告白された川口春奈は周囲の女子の妬みを買ってしまい、逃げ出そうとしたところを車に撥ねられて…都合よく事故が起きる展開。トラウマや事故がないと話が書けないの?こんな安易な話、一週間で忘れてやる!

 トラウマの原因がわかったことで彼のことを好きだったことを思い出した香織はあんなに尽くしてくれた祐樹のことを綺麗さっぱりわすれて(記憶障害だからね)爬虫類との交際を再開するのだった!何この展開!ヒロインにもライバルのイケメン(俺には爬虫類にしか見えないが)にも同情できる要素がないって斬新だな!せめて主人公の祐樹には同情したくても、山﨑賢人だもんなあ。変なチリチリパーマみたいな髪型でフレッシュさがまるでないヤマケン、漫画実写映画には大抵呼び出されるが、おそらくギャラが安いので学園もの実写「1億で作って10億儲かります」映画にキャスティングされることが多いのだろう。事務所側もたくさん出演することで売れている役者のように見せかけられるってわけ(実際ヤマケンは売れているが)。この後も『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』『斉木楠雄のΨ難』『氷菓』と待機作が続々。しかしもう22歳なんだから、学園モノはいい加減卒業した方がいいと思うのですが…いつまでも学園ものばかり出ていると、いい年して白痴の役しか回ってこない綾瀬はるかみたいになってしまうぞ。


  


Posted by 縛りやトーマス at 11:05Comments(0)映画漫画

2017年03月04日

1000回ぐらい見たことあるわこの話『君と100回目の恋』



 葵海(miwa)と陸(坂口健太郎)は幼馴染で、同じ大学でバンドを組んでいた。バンドは地元の夏フェスに向けて練習に余念が無かったが、ギターの直哉(竜星涼)が葵海に告白しようとしたことからメンバーの関係はギクシャクする。関係にヒビが入ったままフェス当日を迎えたバンドの演奏は最悪で、葵海は会場から逃げ出してしまう。道路に飛び出した葵海はトラックにはねられ意識を失う。目覚めた葵海はなぜか一週間前の大学に居た。わけがわからない葵海の前に現れた陸は「俺は時を巻き戻して君を助けに来た」と告げる。


 100回どころか1000回ぐらい聞いたことあるわ!こういう話!という『君と100回目の恋』は今をときめく人気シンガーソングライターのmiwaとイケメンモデル俳優、坂口健太郎のダブル主演映画だ。この二人、トライストーン・エンタテイメントの所属(miwaは提携)なのな。あの山本又一朗のトライストーン・エンタテイメント!でも製作委員会に名を連ねてるだけだから、こんなしょっぱい映画になったんだな。製作まで関わっていれば、『太陽を盗んだ男』ばりの怪作になっていたのに…
 坂口健太郎は時を巻き戻せるレコードを持っていて、これを幼少の頃から使いまくっていたことがわかる。子供の頃のmiwaと出会うために使い、ギターで一曲弾きたいために何度もレコードで練習をし、その他あらゆる場面でレコードを使ってチートをしまくるのであった。お前、何年生きてんだよ…
 レコードを使った記憶は坂口健太郎しか残らないはずなのに、なぜかmiwaにも残っている(その辺は雑)。坂口健太郎は夏フェスの日の18時過ぎにmiwaが死ぬというイベントを回避するために二人で協力してフラグを立たせないようにありとあらゆる方法を試すのだが、どうしても彼女が死ぬことになってしまう!それでも坂口健太郎はまだ、何か、試してない方法があるはずだ…とボロボロになりながらmiwaを助けるために何度もレコードで時を巻き戻す。この世界線ではmiwaが死ぬということが決定しているから、何をやっても同じ結論になるという、あの、ドラえもんの新幹線理論的なエヴェレットの多世界解釈的なアレですわ。

 まあ二人のキュンキュンする関係に悶絶したい観客はそんな小難しいことを理解しなくてもいいので、二人の悲愛に酔いしれてしまえばいいのですが、それにしても二人とバンド仲間を取り巻く今時ありえない幼稚な描写はいかがなものか。
 バンドは回転寿司屋で打ち合わせをしてるんだけど、そこに坂口健太郎以外の4人(miwa、竜星涼、ドラムの泉澤祐希とマネージャー(意味不明)の真野恵里菜)がいて、実は竜星涼がmiwaちゃんに片思いしていて、告白しようと「後で、体育館の裏に1人で来てくれ。大事な話があるんだ」(実際は体育館の裏じゃないけど、似たようなこと)というと他の二人は察するんだけど、miwaが頭悪いから空気読めずに「えー、今言ってよー」と竜星涼の気持ちを粉微塵にしてしまう。我慢できなくなった竜星涼が「だからー、みんなの目の前じゃ告白とか、できないじゃん!」と口走ってしまう!しまった、と竜星涼、あわててその場を逃げ出す…ようやく気づいたmiwaが「(竜星涼が自分のことを好きだと)全然、気づかなかった…」

 お前ら、いつの時代の大学生だよ!今時いねーよ!こんな中学生以下の連中。最近の大学生の打ち上げなんて女の子の飲み物にどうやって薬を盛るか、それしか考えてないんだから!まるでレコードで時を巻き戻したかのような…
 miwaちゃんの空気読め無さ、頭の悪さは映画だけのことじゃなくて、この映画の番宣にMステ出演した時もテレビということを忘れて坂口健太郎とイチャイチャしまくって、坂口健太郎ファンのギャルたちと鬼女の怒りを買いまくってましたわ。全然、気づかなかったじゃ済まされないぞ!

  


Posted by 縛りやトーマス at 23:13Comments(0)映画音楽

2017年02月25日

童貞を殺す劇場版『劇場版ソードアート・オンライン オーディナル・スケール』



 VR(仮想現実)MMORPGはまだ実現化していないが、それに先駆けたラノベ『ソードアート・オンライン』とそのアニメ版(2012)は衝撃的で、2016年に「VR元年」なんてのんきなことをのたまってる間に公開される劇場版『オーディナル・スケール』ではAR(拡張現実)でのMMORPGが登場している。現実は仮想に追いつかないのか。

 ARマシン、オーグマー専用のARMMORPG『オーディナル・スケール』は覚醒状態で使用できる安全性とARアイドル・ユナ(CV:神田沙也加)の人気もあってユーザーを増やしていた。キリト(CV:松岡禎丞)はオーグマーと『オーディナル・スケール』にはやる気が起きず、ほとんどプレイしていなかったが、アスナ(CV:戸松遥)や周囲の仲間たちは皆プレイしていることと、ゲーム中にソードアート・オンラインのボスが登場するという噂を聞き、参戦することに。キリトらの前に現れたランキング2位のプレイヤー、エイジ(CV:井上芳雄)が立ちはだかる。エイジはクライン(CV:平田広明)らに重症を負わせ、アスナの記憶を奪い取る。アスナの記憶を取り戻すためキリトは慣れないARMMORPGに挑む。


 エイジはソードアート・オンライン時代にアスナが所属するギルド・血盟騎士団のメンバーだったが、モンスターとの戦闘でビビリ癖を出して攻略メンバーから外され、さらに幼馴染を死なせてしまう。ソードアート・オンラインからの生還者であったものの、後の回顧録からはキリトら一部のプレイヤーしか記録されていないことにも腹を立てて恨みをつのらせ、『オーディナル・スケール』を利用して生還者のライフログを奪って幼馴染を蘇らせようとするのが彼の目的なんだが、動機がほとんど逆恨み。しかもその幼馴染との間にはさほど恋愛感情みたいなもの、描かれてないんだよね。こいつ絶対童貞だよ!SAOにおけるキリトとアスナのイチャラブぶりは童貞臭いラノベ(失礼)にあるまじき内容で僕はまったくノレなかったので、ソードアート・オンラインに熱狂してる読者の気持ちがまったくわからない!キリトには直葉(CV:竹達彩奈)って妹がいるんだけど、この妹が頭の先からつま先まで「お兄ちゃんLOVE」な上に血の繋がらない義妹なの!じゃあアスナいらんがな!SAO事件の後眠り続けるアスナはそのまま退場しろ!と思ったことは内緒だ!
 常にセッ クスの匂いを漂わせている二人を童貞臭いチート野郎が叩きのめそうとして最終的にフルボッコされる(童貞だからね)という展開は涙なしには見られない。
 ホンマ、キリトとアスナみたいな肉臭させてるカップルをなぜ童貞臭い(いいかげんにしろ)ラノベ読者が応援できるのかわからないぜ!素直に義妹との禁断の愛を応援しろよ。

  


Posted by 縛りやトーマス at 22:13Comments(0)映画ゲームアニメ

2017年02月24日

なんてことのないあらすじだと思ったら『サバイバルファミリー』



 ある日、突然世界中の電気が使えなくなり、ライフラインが途絶えてしまう。水、食料はあっという間に枯渇。マンションぐらしの鈴木一家は母親の実家がある鹿児島へ向かおうとするが、電気が使えないから飛行機も当然飛んでいない。仕方なく自転車で一家は鹿児島へ向かう。1,400キロの道のりを鈴木一家はサバイブできるのか?

 というあらすじだけ聞くと別段珍しくも面白くもなさ気な普通の話に聞こえるのだが、矢口史靖監督の手にかかるとあっという間に面白くなってしまうのだから不思議だ。
 いつも威張ってばかりのお父さん、鈴木義之(小日向文世)は「だまって俺についてこい!」とばかりに専業主婦のお母さん、光恵(深津絵里)の実家がある鹿児島へ向けて自転車で脱出しようとする。マンションの住民たちは皆で一致団結しようとしており、逃げ出そうとする住民を口汚く罵るので、こそこそと脱出けだす。水も食料も限られてるのに、一か八かの決断をしないで団結をまず第一に考えるというのが実に日本的(マンション的)というか…

 ところがサバイバル生活で義之はてんで役に立たない。行く先々で水が売っているが値段は高騰している。「もう少し先に行けば安くなってるだろ」という義之の甘い予想を裏切って1.5リットルのペットボトルはあっという間に一本一万円!光恵は「前の店はもう少し安かった。まとめて買うからまけてよ」と交渉して水を安く手に入れる。大学生の息子、賢司(泉澤祐希)はホームセンターでバッテリー補充液を「緊急時には飲める」と確保。スマホが手放せない現代っ子の娘、結衣(葵わかな)も次第にサバイバル生活に順応するのだが、義之は火も起こせないし、川の水を飲んで腹を下すわで足手まといに。

 これがアメリカとか海外を舞台にしたのなら、限られた水や食料をめぐって醜い奪い合いが始まる…となるはずだが矢口史靖監督はそういうアプローチはしない。道中で出会ういけすかないアウトドア一家は電気のない生活を知恵と知識で生き抜いており、この生活を楽しんでさえいる。立派な人たちに見えるのだがいけすかなさ感たっぷりなのは母親役の藤原紀香のせい!野草に詳しかったり、濾過した水をうまそうに飲んだりするのだが、あんたその中身は水素水だろ!
 そんないけすかないアウトドア一家や、兵庫の山中で出会う農家のおじさん(大地康雄)らから、サバイバル生活の知恵や助け合いを得る。奪い合いよりも助け合いを極限の中で学んでいく鈴木一家は、電気のあった時にはバラバラだったが、サバイバル生活を経て家族の絆を取り戻していく。電気のないアナログの生活から生きることの厳しさや楽しさを知っていく展開は前作『WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜』にも似て、惚れたテーマを二度三度と突き詰めたい矢口節が奮ってる。『WOOD JOB! ~』で最初はチェーンソーの刃すら入れられなかった伊藤英明が綺麗に丸太をぶった切れるまでになっていたように、山で豚をおっかけてすべって肋骨を強打するまで小日向文世を追い詰めたという。役者を追い詰めずしていい演技など出て来るわけないのである。
 一見してつまらなさげな話をアプローチの仕方や長期ロケで役者を追い込んでいく手法で面白さを引っ張り出す矢口演出の真骨頂たる『サバイバルファミリー』、映画の面白さがここにあるといっても過言ではない。


  


Posted by 縛りやトーマス at 20:43Comments(0)映画