2018年10月28日

全編PCの画面で展開する、追っかけが女優を救う…のか?『ブラック・ハッカー』

 全編PCの画面で制作された映画『サーチ』(2018)が話題になってますが、意外なアイデアのように見えて2015年には『アンフレンデッド』という全編Skypeの画面で構成されている映画があって先駆者というのは必ずいるものだなと(ちなみ両作品とも制作は同じティムール・ベクマンべトフ)。

 ところがさらに先駆者がいた!それが2014年のスペイン映画『ブラック・ハッカー』だ!監督は『シンクロナイズドモンスター』(2016)が話題になったナチョ・ビガロンド。主演はイライジャ・ウッド(ウッドは制作も兼任)。


 人気女優ジル・ゴダード(サーシャ・グレイ)のファンサイトを運営している追っかけ青年ニック(ウッド)はジルの新作映画『ダークスカイ 第3の波』の宣伝キャンペーンとして行われた「ジルと会食ができる豪華プレゼントが一名様に当たる!」企画に参加し、見事当選。期待に胸を膨らませてLAのホテルに泊まり、会食のはじまる夜までホテルの部屋で新作映画のキャンペーンをしているジルの動画配信を見ていたニックのPCに電話がかかってくる。電話の相手はコードと名乗り「会食は中止になった。ジルがわがままをいって中止にさせた」と告げる。そのころジルは記者会見でネットに流出した卑猥な動画について質問をされ、「映画会社が宣伝のために流した」と不満を言って会見場を飛び出していた。

 人気タレントと会食ができるキャンペーンに参加して騙されるって、ミスタードーナッツの高橋由美子手作りお弁当二名様プレゼントの当選者が女性だったあの一件を思い出して冷静ではいられません。

 コードはジルの携帯や会場、ホテルの監視カメラに不正アクセスをしてあやつることができ、ニックのPCでそれが見られるようにする。コードはジルが自身のエージェントとデキていると暴露すると、まさにジルはタクシーでエージェントの泊っているホテルに行くところであった。コードの指示でエージェントの部屋を自分の宿泊している部屋から盗撮させられる羽目になるニック。
 コードとの連絡が一旦切れたころ、ニックのPCには観たことのないアイコンが表示され、それをクリックするとゴーグルをつけた3人組が現れニックのことをネバダと呼ぶのだがニックには何のことかわからない。
 エージェントの部屋にやってきたジルは口論になって部屋を飛び出してしまう。エージェントは盗撮に気付きニックの部屋までやってくる。コードの指示でエージェントをスタンガンで気絶させるニックだが、エージェントを拘束しろという指示には「もういやだ」と拒否。しかしコードはスタンガンを使うニックの映像を警察に見せるといって脅し言うことを聞かせる。コードはニックを助けてやるといってオンラインにしたままのノートPCを持たせ、駐車場の車で脱出させる。
 コードはノートPCのウェブカメラでニック自身を写したままにするよう命じ、車に置かれたカメラ付き端末をダッシュボードに載せるようにいい、ある場所まで車を走らせる。ニックのPCにはコードがジルの自宅に潜入するライブ映像が配信され、いつでも危害を加えられると脅してくる。ジルの身を守るためニックはコードの言われるままにジルのPCにファイルを送信する。それはエージェントが拷問される映像だった。ニックはコードが連絡を絶った隙にアイコンをクリックしてゴーグル姿の3人組に連絡する。彼らはフランスにるハッカー(トリオップス)で彼らの世界では伝説のハッカー・ネバダを信奉していて、ニックをなぜかネバダと勘違いしている。ニックは彼らと連携を図ってジルを助け出し正体不明の男・コードを捕まえようとする。


『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでは世界を破滅から救う主人公を演じて一躍有名になったイライジャ・ウッドだがそれ以外ではしょぼくれた少年や気持ち悪い変人の役が多く、『アイス・ストーム』(1997)では隣の家の少女(まだおっぱいを小さくしていない頃のクリスティーナ・リッチ!)とデキちゃって自分の弟と本当の穴兄弟になったりとか、『シン・シティ』(2005)では連続幼女殺人鬼だったり。『パラサイト』(1998)はいじめられっこだけど寄生生物に立ち向かうヒーローの役だったけど…

 本作でもごく平凡な(イライジャ・ウッドだからその説明で許されているのであって、世間一般的にはキモヲタといわれておしまい)女優のおっかけを演じるウッドの見た目は如何にも、なので彼がヒイヒイいいながら憧れの女優を救おうとする展開にはつい感情移入しちゃうな。オタクを演じられる役者ってすごいわあ。
 全編PCの画面で展開しながら、外に出て行ってカーチェイスやったりするアウトドアさがまた売りで部屋の中だけで進行しがちな映画のテーマを気持ちよく裏切ってくれてよいですね。終盤の展開もひねりを効かせていて途中でなんとなく読めるとはいえ、あっと驚くクライマックスにしているところは面白い。
 ただしホテルの監視カメラから他人のスマホのカメラまでコントロールするってできるの?と思うし。ハッキングすればなんでもできる!と思われがちなパソコンに対する知識が少なかった昔のSF映画モドキ風の話はちょっと無理があるのでは。
 しかしこれが後の『アンフレンデッド』や『サーチ』につながると思うとバカにはできない。挑戦的な実験作なんですよ。


  


Posted by 縛りやトーマス at 03:04Comments(0)映画オタクレンタル映画館

2018年10月25日

史上最大のカンニング『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』



 2017年に公開されたタイ映画で、タイの国内映画ではNo.1のヒットを記録した。昨今のタイ映画はベスト10に名を連ねるのはハリウッドの大作映画ばかりで国内映画が壊滅的状態だというので、タイ映画界を救う一本と話題にも。
 タイ映画というとトニー・ジャーのムエタイ映画とか、LGBTのバレーボールチームが国体出場を目指す『アタック・ナンバーハーフ』(2000)ぐらいしかイメージのない僕ですが、この作品は先に上げた映画にも負けない世界を相手にできる傑作です。


 リンは成績優秀な少女で、名門校に進学を勧められるが父親と二人暮らしの彼女は自宅から遠いこと、お金がかかることを理由に入学をためらうが校長から奨学生の資格と食堂での食事はタダという条件をつけられ入学する。
 入学初日に性格はいいが成績がからっきしなグレースと仲良くなったリンはテストの成績が不安なグレースから勉強を教えてくれと頼まれる。テスト当日、昨日やった問題ばかりが出るので楽勝だろうと思ったがグレースは昨日やったことも覚えていないような大バカだった。リンは消しゴムにマークシートの記入場所を書いて靴に隠し、後ろの席のグレースに渡すというカンニングをする。無事テストを切り抜けたグレースは自分の彼氏だという富豪の息子、パットにリンを引き合わせる。パットは自分と友人のカンニングを手伝ってくれと依頼してくる。最初は断るリンだったが、ひとりにつき3,000バーツという報酬、そして「学校だって賄賂を受け取ってるのさ。それに有料の授業を受ければテストの問題だって教えてくれるんだ」(タイでは実際にこういうことが行われているそう)というパットに釣られてカンニングを引き受ける。

 面白いのはリンは自分のためにカンニングをするのではなく他人のためにカンニングをさせるところ。ピアノの得意なリンは鍵盤を叩く指の動きでマークシートの記入場所を伝えるテクニックで大勢の人間に解答を伝える。滑らかな指の動きで次々解答を伝えていく場面はまるでミュージカルのように演出される。カンニングも最初は上手くいくけどあるテストでは生徒たちに2種類の問題が配られる。リンの問題用紙は1だ。これでは1の生徒には解答を教えられても2の生徒には教えられない!リンは隣の生徒と問題用紙を交換して残りの時間で解答を伝える。果たしてカンニングは成功するのか?まるで『ミッション・インポッシブル』のようにハラハラドキドキのスリリングな描写がふんだんで文字通り手に汗握る展開が続く。

 この映画で描かれるのはタイの学歴偏重社会と富裕層の子弟がどこまでも特別扱いされる現状だ。パットのいうようにタイの学校では富裕層の子供が寄付という形で学校に賄賂を渡すことでテストの問題を丸々教えてもらったりするインチキがまかり通っているのだ。途中でリンのカンニングはバレて校長から叱責されるのだが
「学校の賄賂は許されて、私たちの不正は厳しく責められるのっておかしくない?どっちも不正なんじゃないの?」
 リンはカンニングのリーダーだが、主導権は彼女ではなく富裕層の子供のパットなのだ。彼らは不正を不正とも思っていないし金を出せばなんでも許されると思っている。ラストでは大学の統一試験STICの舞台でリンは前代未聞のカンニングに挑む。因果応報的な目にあうリンの気持ちなど知らないとばかりに我が世の春を謳歌するパットたちはまったく悪びれていない。パットが彼女にかける言葉は「ちゃんと報酬払うから受け取りに来いよ!」だ。貧乏な苦学生のリンがすべてを投げうっているのに金持ちどもは金と権力さえあればなんでもできるんだ!恥を恥とも思わない。
 日本でもどこぞの医大が特定の生徒たちの点数を優遇して、女子受験者の点を減らすとか常軌を逸したインチキがまかり通ってますけど、どこでも似たようなことやってるんだな。
 社会の不平等に正面からNOをつきつける映画。応援せずにいられない。主人公のリン役を演じたチュティモン・ジョンジャルーンスックジンはこの一本でスターになって今後が期待されているそうで、僕も応援したいが名前がややこしすぎて全然覚えられないのが残念だ。

本国版ポスター。左上がチュティモン・ジョンジャルーンスックジン


  


Posted by 縛りやトーマス at 00:40Comments(0)映画

2018年10月22日

ポニーテールに惚れてまうやろ『あの頃、君を追いかけた』



 2011年に台湾で公開され大ヒットを記録した同名映画の日本版リメイク。台湾の作家、ギデンズ・コーが自らの青春時代を振り返った作品は90年代の台湾を舞台にしていたが、こちらは2000年代の日本を舞台にした。

 進学校に通う高校3年生の水島浩介(山田裕貴)は悪友らとつるんで不真面目な学校生活を送り、他愛もない日々を過ごしていた(高校3年生なのに…)。あまりの不真面目さに教師からクラス一の優等生、早瀬真愛(齋藤飛鳥)の前の席へ移動させられる。幼馴染の小松原詩子(松本穂香)の友人という以外は接点のない真愛とは話も合わず、「幼稚」とバカにされる浩介。ある日、教科書を忘れてしまった真愛に自分の教科書を手渡したことから二人は会話をするようになる。受験生だというのに勉強もしない浩介に真愛は手製のテストを渡す。面倒くさがりながらも彼女のテストを通じて浩介は成績を伸ばす。調子に乗った浩介は「本気出せば学内トップになれる」と豪語。真愛と髪型を賭けた対決をすることに。

「君の坊主頭が見られるわけだ」
「俺が勝ったらポニーテールな!」
「いいよ。ポニーテールでもピックテールでも」

 当然のごとく勝負は浩介が負けてしまうのだが、丸坊主を悪友たちにいじられてる浩介の目の前をポニーテールにした真愛が横切る…

 なんという胸キュン(死語)場面!本作は齋藤飛鳥が悶絶するほど可愛く撮られており、こんなん惚れてまうやろ!

 二人はその後も二人だけの勉強会を続け卒業へ。傍目にはつきあってるようにしか見えないのだが、ここまで一切告白していないので二人は仲のいい友達のまま。自分の夢のために友人たちや真愛は上京していくのだが、何もやりたいことがない浩介は地元の大学へ進むもモラトリアム状態に。やがて真愛とはすれ違うように。

 映画は10年後、大人になった浩介が10年間しくじり続けた過去を振り返るという内容で、何度も何度もチャンスとしか思えない場面があるのに、次々フラグをへし折ってゆく山田裕貴よ!何してんの!そうじゃないだろと!
 どんなに頑張っても、思い続けても叶えられないことがある、という最近の邦画では絶対にありえない話に心を打たれた。これが台湾の青春映画だ!リメイクを若手の恋愛映画が得意そうな連中に任せたら余計な改変を加えるところ、台湾版をほぼ忠実にリメイクした長谷川康夫監督の英断よ。

 『響-HIBIKI-』の平手友梨奈といい、本作の齋藤飛鳥といい、演技が上手い下手以前に役柄がピッタリ合っていて坂道グループのブレーンはホントいい仕事してると思う。

  


Posted by 縛りやトーマス at 04:15Comments(0)映画アイドル映画AKB48

2018年10月16日

欅坂のブレーンは目が肥えてるな『響-HIBIKI-』



 ビッグコミックスペリオールで連載中の漫画の映画化。本作が映画初主演になる欅坂46の平手友梨奈がヒロインの響を演じる。
 文芸雑誌・木蓮の編集部に届いた新人賞応募作。「鮎喰響」とだけ書かれた名前の読み方もわからない封筒の小説は傑作であることだけは間違いなかった。それを見た若手編集者の花井ふみ(北川景子)は「ネットでなければ受け付けない」条件のため、わざわざ本人に代わってネットで応募し直す。なんとかこの作品を世に出すのだ!あとは応募者本人を探し出しさえすれば…
 駆けずり回った結果、鮎喰響(平手友梨奈)はまだ15歳の女子高生であることがわかった。ただ自分の才能を確かめるためだけに書いた、という響を説得して新人賞選考に出した作品はあっという間に認められ、新人賞受賞、さらに芥川賞、直木賞を史上最年少でWノミネートという栄誉を果たす。世間が「15歳の天才少女あらわる」と持て囃すのだが、彼女は「絶対に自分を曲げられない」性格だった。

 学校でケンカを吹っかけてきた不良の指をへし折り(!)、同級生にセクハラをするかつての芥川賞受賞作家のオッサンの顔面にハイキック、新人賞を同時受賞した、世の中を斜に構えて見る田中(柳楽優弥)から「話題作りで女子校生に賞取らせてんのかよ」と絡まれ、響の小説なんか読んでいないと言われたことに腹を立て、授賞式の席上で田中をパイプ椅子で殴打!そのあと駅のホームまで追い回す…というエキセントリックなどという言葉では言い表せない奇行の数々でマスコミは大騒ぎ。いくら才能があってもこれじゃあ…と響の本を出すのに尻ごみする出版社、響に振り回される花井。しかし彼女のいうことはいつだって筋が一本通っている。響の言動に周囲は振り回されつつも影響を受け始める。


 ヒロインを演じた平手友梨奈の存在感にまず圧倒される。演技が上手いとか下手とかいう以前に役柄がバッチリハマっているのだ。彼女より上手い役者はいるだろうが、響役は平手しかいないと断言できる。ほとんど笑いもせずに相手を射殺すような目、突き刺すような声…すべて最高!
 欅坂というグループで高い人気を誇っているアイドルの初主演映画にこの作品を持ってきたブレーンは相当目が肥えているね。チャラチャラした恋愛映画に起用しなかったのは慧眼といえる。作品が尖りすぎているので大ヒットとまでいかないのが残念だ。とにかくアイドルといえば恋愛映画、という風潮にパイプ椅子殴打をかますこの一本、お前もお前もお前も平手友梨奈に圧倒されるのだ!

  


Posted by 縛りやトーマス at 03:25Comments(0)映画アイドル映画AKB48

2018年10月10日

カメ止め原案、ついにDVD化でパクリかどうか確認できるぞ!

 いまだに勢いが止まらない(興行25億突破!)映画『カメラを止めるな!』の原案となった舞台『GHOST IN THE BOX!! ゴースト・イン・ザ・ボックス!!』がこの度ついにDVD化される。

「カメラを止めるな!」の原案となった舞台「GHOST IN THE BOX!!」ソフト化
https://natalie.mu/eiga/news/303032

Amazonでは舞台台本にブロマイドがセットされた特別版も発売される


 今までパクリだなんだと言われても観客は確認の手段がなかったのだが今回のソフト化で比較できるのでよかった。僕はキャメロンの『ターミネーター』でさえアイデアを借用されたハーラン・エリスンは「原作者」という扱いではなかったのだから、舞台演出家の和田さんが原作者というのは無理があると思ってます…が、すべては舞台版DVDの発売を待とう!


  


Posted by 縛りやトーマス at 11:44Comments(0)映画

2018年10月05日

周平は考え直さない『純平、考え直せ』



 今年のワールドカップ、日本代表のポーランド戦における消極的かつショッパイ試合を見てしたり顔のサッカーマニアな芸能人が代表のショッパさに理解を示す一方、こんな試合はないわーと否定的な見方をしていたのが足立梨花と野村周平。同調圧力によって謝罪させられましたが野村周平、いい奴だなと思った。そんな彼の主演作。


 歌舞伎町で組の下っ端としてこきつかわれる坂本純平(野村)は「本物の男」になるべく弱気を助け強気をくじく、今どきありえない男だ。組長(大谷亮介)から鉄砲玉になれと命じられ一丁の拳銃と支度金、決行日まで三日間の猶予が与えられる。その間に思い残すことがないよう過ごせということだ。純平はなじみのバーから依頼を受けて悪徳不動産屋から金を回収、その様子を見ていた従業員の加奈(柳ゆり菜)は時代錯誤ながら一途な純平に惚れて三日間を共に過ごす。純平とずっと一緒にいたい加奈は鉄砲玉などやめるよう説得するが純平は止まらない。加奈はSNSに「ヤクザの彼氏が鉄砲玉になるのでやめさせたいのだがどうすればいい?」書き込んで相談。SNS上は無責任なコメントであふれるが次第に純平の生き様に惚れた人たちは彼のことを本気で心配しはじめる…


 野村演じる純平の行動がSNS上で炎上するという偶然にしてはタイムリーすぎる話!ポーランド戦後の野村は本当に純平になった!と興奮していたに違いない。現実では同調圧力の前に折り合いをつけた野村だが映画ではスマホも持たない男なので騒ぎそのものを知らない。いつもコインランドリーにいる売り専のゲイボーイ(佐野岳)から「あんた話題になってるよ」と言われても気にしない。純平は組や出世だけが目的の兄貴分に利用されているだけで、事実を同期の下っ端(戸塚純貴)から教えられても彼は止まらない。純平は考え直さない!
 野村以外の人間がやっても嘘くさいの一言で済まされるが、実際に炎上した野村だからこそ今時な男が演じられたとしか思えない!そんな彼に心を寄せたために髪を切られて強姦されるヒロインを堂々演じた柳ゆり菜の熱演も素晴らしく、軽い気持ちでSNSに書き込む程度の決意では火傷する映画である。

 佐野岳、戸塚純貴をはじめ森田涼花、佐藤祐基といった特撮系役者が脇を固めているところもニチアサおじさんたちは注目だ。


  


Posted by 縛りやトーマス at 00:14Comments(0)映画特撮・ヒーロー芸能人ヌード

2018年09月29日

また延期?

 映画業界では間もなく11月からの年末公開ラッシュとなりかき入れ時を迎えるわけですが、ある年末公開映画の公開延期ニュースが。



映画.com
@eigacom

【#速報】

「Deadline Hollywood」によると、今年12月21日に全米公開が予定されていたJ・キャメロン製作の「#アリータ バトル・エンジェル」が、来年2月14日に公開延期となり、代わりにタイトル未定の「#デッドプール」が公開される模様です。

https://twitter.com/eigacom/status/1045834473676230657

 キャメロンの『アリータ バトル・エンジェル』は日米同時公開の大作だったのですが、この度の延期(まだ公式の発表ではないですが…)となり、ただでさえ今年の年末は大作映画が少ないと言われているのに…ちなみに2018年末の大作映画は

・ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(11/23)
・シュガー・ラッシュ:オンライン(12/21)
・アリー/ スター誕生(〃)
・仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER(12/22)


 これぐらいしかないですよ…『ジャスティス・リーグ』『探偵はBARにいる3』『オリエント急行殺人事件』『ガールズ&パンツァー最終章 第一話』『DESTINY 鎌倉ものがたり』『仮面ライダー平成ジェネレーションズ』『カンフー・ヨガ』『スターウォーズ/最後のジェダイ』『バーフバリ 王の凱旋』…あと『鋼の錬金術師』(笑)とかやってた去年末の大作ラッシュと比べるべくもないラインナップ…キャメロンだけが唯一の救いだったというのになぜ延期した。

 しかも『アリータ~』って一度延期してるんですよね。

「アリタ:バトル・エンジェル」の日本公開が2018年12月に延期
https://jp.ign.com/alita-battle-angel/22439/news/201812

 その理由は主人公のでかすぎるアニメ目を若干小さくするように修正していたとか…作業が間に合わなかったのかな?それをやると全体的に主人公の絵を修正しなきゃならないので、やってるうちにこうじゃない、もう少し調整しないと…ここも、あそこも、変に見えないようにしなきゃ!とまるで整形する度に満足できずあれもこれもと手術する整形中毒者になったように…
 いつまでやっても満足しないよ!妥協して妥協!もともと大した顔じゃないんだから!

  


Posted by 縛りやトーマス at 11:03Comments(0)映画ハリウッド・スキャンダル

2018年09月26日

お父さんのハイフライフロー『パパはわるものチャンピオン』



 新日本プロレスを変えた男、棚橋弘至が覆面レスラーを演じた初主演作。
 大村孝志(棚橋)はかつて善玉のスターだったが試合中のケガで善玉の試合はできなくなってしまい、今は覆面をかぶってゴキブリマスクなるヒールとして善玉の引き立て役をこなす日々。息子の祥太(寺田心)にはプロレスの仕事をしていることを黙っているが、どうしても父親の仕事が知りたい祥太はこっそりと通勤の車に潜り込む。着いた先はプロレス会場。そこで祥太はお父さんがゴキブリマスクだと知ってしまう。あんなに体がデカくてカッコイイお父さんが観客から罵倒を浴びせられるのを見て「悪役のお父さんなんか嫌いだ」と言ってしまう。
 母の詩織(木村佳乃)やプロレスマニアで大村ファンの雑誌記者ミチコ(仲里依紗)からいくら「お父さんはプロレスが好きだから続けてるの」「悪役もプロレスには必要」と教えられても祥太には通じない。学校でお父さんは団体トップのスター、ドラゴン・ジョージ(オカダ・カズチカ)だと祥太が言っていると知らされた孝志は息子が誇れる父親になろうと団体でNo.1のレスラーを決める大会Z-1CLIMAXに参戦。周囲の予想を裏切って勝ち続ける孝志だが「わるもの、やめられないの?」と祥太には自分の気持ちは伝わらない。準決勝のリングに上がった孝志は覆面を脱いで正体を明かしてしまうのだが試合には負けたうえにケガは悪化。勝手なことをしたせいで団体をクビにされるなど踏んだり蹴ったり。
 プロレスをあきらめて普通の父親になろうとする孝志に最後のチャンスが訪れる。ドラゴンから直接対決を申し込まれたのだ。孝志はケガをおして最後のリングに向かう。


 悪役レスラーの父親を嫌う息子のために無謀な戦いのリングにあがるという展開は中島らも原作の『お父さんのバックドロップ』(04)とほとんど同じ展開。お母さんの仕事が散髪屋っていうのも…違うところはプロレスに対する視点。「プロレスは真剣勝負か否か?」というややこしい問題について、だ。『パパは~』ではプロレスはショーアップではない真剣勝負(その割には棚橋と田口監督の悪役コンビはほとんどショーだけど)という視点の元で作られているのでトーナメント戦も真剣勝負という扱いだ。『お父さんの~』では熊殺しの異名を持つ空手家との異種格闘技戦という設定にしてこの問題にあえて触れるのを避けている(だが団体の社長を演じる生瀬勝久から「ガチンコやぞ!殺されてまうぞ!」と言わせているけど)。
 新日本プロレスは株式上場を控えていると言われ、WWEが上場する時シナリオの存在を明かしたように新日はこの映画でモロにプロレスには台本がある、と明かしてしまうのか!?とか妄想したんですがそんなことはなかった。その辺に思い切って突っ込めばプロレス・ドキュメントの傑作『ビヨンド・ザ・マット』(1999)ぐらいにはなれただろうに…惜しい!

 とはいえこの映画が感動的で前述した作品たちに負けず劣らずなのは主演の棚橋のスター性と人の良さが物語とうまくマッチしてるからだろう。実際に良きお父さんで近所で緑のお父さんもやっているという棚橋と本作の主人公はマッチしすぎ!あえて熱狂的うるさ方のプロレスファンにはなく、プロレス初心者の入り口としてこの映画は開かれた。
 最後のリングに悪役のまま上がって戦うというのも「悪役だってプロレスには必要なんだ」という主張を裏切らない。あれが善玉で戦ってたら最悪ですよ。

 唯一引っかかるのは祥太が好いているクラスメイトの女の子。この子はドラゴンのファンでゴキブリマスクが大嫌いなので嘘をついていた祥太のことを「嘘つき嫌い!」といって突き放すのだが、最後の試合会場では悪役のお父さんを嫌う祥太に「どうして?悪役のお父さんカッコイイよ」とかいっちゃうのだ!いけしゃあしゃあと!お前がドラゴン好きだというからお父さんが悪役だと黙っていたというのに…!お前の、お前のためについた嘘で苦しんでいたというのに…都合のいいことぬかしやがって~!ホント、女の子ってこういうことありますよね

  


Posted by 縛りやトーマス at 02:13Comments(0)映画

2018年09月24日

基本的なことができていない実写版

 来年一月に公開が予定されている実写映画『がっこうぐらし!』の第一弾ビジュアルが発表された。



 めぐねえ・・・違うよ・・・これは『がっこうぐらし!』じゃないよ・・・

『がっこうぐらし!』という漫画はほのぼの日常漫画と思わせてはじまるのだが、実はゾンビ現象で崩壊後の世界で女子校生4人が力を合わせて生き抜いていくというサバイバル漫画だったのだ!というギャップが売りのひとつなので、のっけからホラー!恐怖!ゾンビ!みたいな宣伝してどうするねん…スタッフ、おまえらちゃんと漫画読んだのか!!
 原作読んでてアニメ一期(一期だとは誰も言っていないが二期があることはもはや常識!)も完走した我々(誰よ)はオチを知っていながら「ほのぼの日常学園漫画だと思ったのにビックリしました」と驚いたり、「ポスターに騙されてやってきた家族連れが泣き叫んでいました」と嘘報告をしたり、「この宣伝は詐欺だと思うし青少年に悪影響がある」とBPOに報告したいんじゃあ~!隠せよ!そういう要素は!!




 どーせ軽いノリのスタッフがあえて逆を狙ったとか、ストレートに作品の本質を捉えてみましただの、少しは考えているようなことをぬかすのだろうが、この愚か者!お前はっ、何もわかっていない!ここには夢がどこにもない!


  


Posted by 縛りやトーマス at 22:54Comments(0)映画漫画

2018年09月23日

サメVSステイサム!食うか食われるか?『MEG ザ・モンスター』



 上海の海底に建設された海洋研究所ではマリアナ海溝の調査が行われていた。海底とされていた地点を越えてさらに潜航する探査艇。しかし探査艇は謎の巨大生物に攻撃を受けて浮上できなくなる。研究所の責任者ジャン博士(ウィンストン・チャオ)は元レスキュー隊員のテイラー(ジェイソン・ステイサム)に助けを求める。テイラーは5年前に沈没した原子力潜水艦の乗組員救助に向かったが謎の巨大生物の攻撃を受け、仲間を見捨ててしまった過去があった。ジャンとテイラーは今回の事故が5年前と同じ巨大鮫メガロドンが起こしたものだと想定し、テイラーは最新の潜水艇で救助に向かうのだが。


 今時珍しい巨大生物のモンスター・パニック映画。今は何年だよ?日曜洋画劇場で淀川長治さんが『ジョーズ』と同じ原作者のピーター・ベンチリーのイカ映画『ザ・ビースト』を楽しそうに紹介していた時代じゃないんだぞ!と侮るなかれ。本作は全世界で興行収入4億7300万ドルを突破しており『ジョーズ』(75)が持つサメ映画歴代記録4億7000万ドルを40数年ぶりに更新したのだ!

 今更サメ映画なんてCGを使ってド派手に暴れまわるぐらいしか作りようがないと思ったが、本作はメガロドンに対して段階を踏むアプローチを描いて観客を飽きさせない。まずは最新の潜水艇(これが『ウルトラマン』とか『原子力潜水艦シービュー号』とかに出てきそうなデザインのメカでカッコいいぜ)で救出に向かう。すると探査艇は巨大なイカに襲われる!これは前述したベンチリーの『ザ・ビースト』へのオマージュか!?サメかと思ったらイカ!と思わせてそいつがメガロドンに食われて無事主役登場。それをなんとか追い払うが研究所のスポンサーは犠牲になった遺族らへの訴訟対応としてメガロドンを捕まえようとする。まずはGPSを打ち込み、シャークケージに入れた囮を使ってサメを捕獲するがさらにデカいメガロドンが現れて『ディープ・ブルー』で演説をぶつサミュエル・L・ジャクソンが無惨にサメに食われたみたいに飲み込まれる。海水浴客でごった返すビーチにメガロドンが来襲、大惨事の中生き残ったテイラーたちが最後の戦いを挑むのだ。

 全長23メートルとバカでかすぎるメガロドンと対決するのは世界一カッコイイハゲ、ジェイソン・ステイサム。元水泳の飛び込み選手で逆三角形の肉体はスタローンみたいなステロイド系の筋肉ではなくナチュラル・マッチョなステイサムが体一つで海に飛び込みサメと死闘を繰り広げる様は説得力がある。彼のおかげで単なるB級アクション映画の範疇を軽く飛び越えた。
「サメは俺が片付ける!」と銛一本、いやナイフ状の武器で戦いを挑むクライマックスは『白鯨』のエイハブ船長かと見まがう狂乱のバトルだ。ヒロイン的立場の登場人物がいるものの、ステイサムは彼女の代わりにシャワーシーンまで見せつけて観客へのサービス(?)も忘れない。もはやこの世界で互角にやりあえるのはメガロドンとステイサムしかいないという一騎打ちの前には少々辻褄の合わない脚本(探査艇が海底と思われる海層より深く潜航したことでメガロドンが深海からあがってきた、という説明があるんだけどじゃあ5年前にステイサムらを襲ったのはなんなんだよ?)とか全然気になりませんね


  


Posted by 縛りやトーマス at 11:27Comments(0)映画