2019年05月10日

妥協するな!オリジナルを貫け!『名探偵ピカチュウ』



 ポケモン、初の実写映画化にして初のハリウッド作品だ。「任天堂のゲームがハリウッドで映画化」というと『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』を思い出す(思い出すな!そんなもん!)。

「ピカチュウがハリウッドを本気にさせちゃった」

 そして俺たちを本気で笑わせてくれた。


 この世界ではポケモンは人間と共存の道を歩んでいるという話。ペットなどではなく、相棒でありパートナーなのだ。青年ティムはポケモン専門の事件を解決する私立探偵で、父親ハリーの死を知らされ、人とポケモンが完全に共存している街、ライムシティにやってくる。元父の相棒であるヨシダ警部(渡辺謙)の話を聞いて改めて父の死を実感するティムは父の事務所を整理しようと扉を開けると、中にいたのは父がパートナーにしていたピカチュウが!しかもティムにはなぜかピカチュウの言葉が理解でき、会話もできるのだった。ライアン・レイノルズ声のピカチュウは記憶を失っているので、肝心の父の死の前の行動をたどることもできない。しかし父が生きていると信じるティムはピカチュウを連れ、コダックをパートナーにする新人記者のルーシーとともに父が追っていた謎の薬品「R」について調査を開始する。そんな彼らの前に史上最強のポケモン、ミュウツーが現れる。

 ゲーム『名探偵ピカチュウ』のストーリーをなぞってはいるが、後半の展開はオリジナル。意外な展開がつるべ打ちのようにやってくるクライマックスは本気で驚いた。

 なにより『名探偵ピカチュウ』で最高なのはピカチュウをはじめとするポケモンたちのデザインだ。


 ゲームのようなツルツル感ではなく、体毛がフサフサと生え、モフモフとしているピカチュウが予告編で公開されたときは、多くのユーザーが違和感を抱いていた。と同時に映画の出来についても不安になった。

 ポケモンは最初、北米に進出するときにアメリカ側から「ポケモンのデザインはキュートすぎるから、このままでは受けない。アメリカ人が好むクールなデザインにリファインしなければいけない」と言われ、ポケモンのゲームをつくっているクリーチャーズに提出されたピカチュウは、まるで劇団四季の『キャッツ』風の立派なトラ猫のようなデザインであったという・・・
 最終的に「こりゃダメだ!日本のデザインのままで行こう」とアメリカ側の反対を押し切って日本のデザインのまま上陸したポケモンたちは大ブームを巻き起こす。
 この話は日本のものを海外にもっていくとき、「海外では受けるためにいろいろ変更した方がいいんだ。郷に入ってはなんとやらだよ」と海外に媚びて妥協し、「海外風に」アレンジしたがために本来の良さが失われてしまってダメになるという失敗を何度も見てきた日本が、慣習に逆らってオリジナルを押し通して成功したってことだよな。

 今回も実写でポケモンをやるということで、デザインに関してかなりの苦労があったと思われる。映画に登場するポケモンたちはゲーム的に登場するキュートさと、現実世界に存在するというリアルさの中間をいった見事なデザインだった。このデザインが出来上がったことでこの映画の成功は約束された。

 これと比較してほしいのは先日予告編が公開された『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』だ。ソニックのデザインは体つきといい、顔の目玉の描写あたり、ほとんどディズニーのミッキーマウスと同じで、全然ダメ。『名探偵ピカチュウ』が苦労の末にあのデザインになったことを何もわかっちゃいない!映画版の監督は、音速でキャラクターデザインの変更を発表した。

 オリジナルを貫け!
 

  


Posted by 縛りやトーマス at 23:36Comments(0)映画ゲーム

2019年04月07日

ガチャで欲しいアイテムが出ないのは当たり前!

 ゲーム『ドラゴンクエスト』のCGアニメ『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』が「豪華声優陣を起用」と言い張って、吹き替えしたのは俳優だらけ、という宣伝に非難が集中。「豪華俳優陣と言い直せ」というのだ。邦画界では話題性だけを狙ってアニメ映画の吹き替えに職業声優をないがしろにして、俳優陣をキャスティングするというハリウッド映画の猿真似が横行していますが、そうやって集められた俳優のことごとくがヘッタクソな吹き替えを披露して、観客の怒りを買っているのです。『Mr,イングレディブル』の綾瀬はるかなど、気が狂いそうになりました。最近では原恵一監督の新作『バースデー・ワンダーランド』の松岡茉優など、ゲボが出そうです。

 こんな企画をユア・ストーリーなんて言われること自体が苦痛。こんなのは俺のドラクエじゃない!世界の半分をやるからやり直せ!

 そんなダメ企画でお茶を濁してるスクウェア・エニックスが別の怒りを買っているのです。

アイテム入手できず…男「職員よ、首洗っとけ」
http://news.livedoor.com/article/detail/16254063/

 てっきり「俳優吹き替えは許さない」という怒りに満ちた会心の一撃をかましたのかと思ったらそうじゃなかった。

>男は2月5日、ロールプレイングゲームの問い合わせ先に「職員よ 明日殺してやる 首洗っとけよ」と脅迫するメールを送り、同社に警備を強化させるなど業務を妨害した疑い。

>調べに対して容疑を認め、「ゲームに20万円以上使ったが、欲しかったアイテムが入手できず、腹いせにメールを送った」と供述している。同社には昨年9月以降、「殺す」などと書かれた脅迫メールが約30件送られており、新宿署が関連を調べている。


 ゲームのタイトルが記事内に書かれていませんが、おそらく『星のドラゴンクエスト』だと思われます。ガチャで欲しいアイテムが出なかったんですね。
 しかしガチャで欲しいものが出ないといって切れるのは、パチンコで当たりが出ないといって切れるのと同じで、ただのアホです。
 ソシャゲがアホらしいところは、テクニックもなんもいらないとこですね。昔のテレビゲームはテクニックさえ身に着けるか、果てしなくリプレイをすればクリアまではたどり着いたもの。努力した分、クリアというゴールにたどり着いていて、努力が必ず報われたのです。勉強やスポーツでは努力すれば必ずNo.1になれるのかというとそんなことはありません。努力しても同じ結果にならない。テレビゲームでは頑張ればクリアという結果には必ずたどり着くので、現実世界の無意味な競争に疲れ果てた少年たちがみなテレビゲームにハマったのです。
 ところが最近のソシャゲはまずクリアというゴールがないので延々とリプレイするしかなく、ガチャも絶対欲しいものは出ないようになっているので、やるだけ無駄です。

 今回の犯人も、逮捕という大当たりが出るまでメール30件も出してるし。ガチャも脅迫メールも一発で大当たりは出ないんですよ!



  


Posted by 縛りやトーマス at 23:48Comments(0)ゲーム

2018年12月14日

ハリウッドデビューの被害者たち

 日本の女優がハリウッドデビュー…この言葉に我々(誰だよ)は何度となく騙されてきた。騙されても騙されても犠牲者は次々と現れた。振り込め詐欺の被害者のように。

 松田聖子が『アルマゲドン』で「私はショッピングに行きたいの!」と叫び、北川景子が『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』にどこに映ってるのかもわからないぐらいの出演だったり、森川美穂が飛行機で渡米するところまで激写されたのに、「カジノの客」という扱いだった『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』とか…

 そんな被害者たちの姿を見ても懲りずにハリウッドデビューを果たす女優たちがまた現れるのだ。そしてあらたな被害者が誕生したぞ!

山崎紘菜、実写映画「モンスターハンター」でハリウッドデビュー!
https://eiga.com/news/20181213/3/

 ポール・W・S・アンダーソンの『モンスターハンター』で山崎紘菜がハリウッドデビュー!山崎といえばTOHOシネマズに映画観に行ったら必ず出てくるあの子で、それ以外に何をしているのか思い出せない女優ですがな。おめでとう。ついに代表作ができたぞ。
 ちなみに山崎が演じるのは受付嬢ことハンドラー。モンハンシリーズにはギルドガールズとか受付嬢というキャラがいるけど、ハンドラーってのは今年発売されたPS4の『モンスターハンター:ワールド』に登場する受付嬢らしい。らしいっていうのは、僕はモンハンやったことないのでよく知らない。僕はラブプラスで忙しかったんだよ
 なのでネットで検索したら、悪口いっぱい書かれててすげえ不人気キャラなんだけど…そんな不人気キャラを押し付けるなよ!アンダーソン!!バイオシリーズで中島美嘉やローラを出したりしていて、アンダーソンは日本が大好きなんだな、と思ってたらこの扱い。


>山崎が演じることになったのは、ゲームではステージ、モンスターについてプレイヤーに説明をしてくれるハンドラー(受付嬢)だ。「ハンドラーという役はゲームで実在するキャラクターでファンがたくさんいるので期待を裏切らないように演じられたらと思います」と胸中を吐露


 ファンがたくさんいる受付嬢の中でも不人気キャラを押し付けられちゃったのに健気なコメントをして、かわいそうになってきた。このまま新たな被害者になってしまうのか、「実写になったら意外と可愛かった」と土壇場の逆転ホームランを放つのか、山崎紘菜の明日はどっちだ!?



  


Posted by 縛りやトーマス at 20:47Comments(0)映画ゲームネット

2018年09月09日

EVERYDAY延期

 かつて恋愛ゲームの常識を変えたといわれた『ラブプラス』シリーズ。恋愛ゲームはどんなにハマっても電源を落とせばそれだけだが、ラブプラスは電源を落としてもまだ続く。人生の貴重な時間をゲームに費やすのではなく、ゲームが人生を侵食するのである。僕も仕事をすることすら惜しんで隙を見て寧々さんとイチャラブの日々を5年に渡って続けたことがある。最近ではすっかりご無沙汰で顔を観ることすら忘れてしまいました。今度会った時には雷が落ちること間違いなし。それもまたよし。
 そんな人生ことラブプラスですが、最近になってニンテンドーDSを飛び出してスマホゲームとして新世紀を迎えようとすることが発表されてから一年近く。


ラブプラス公式
‏@loveplusproject

8月配信予定としておりました「ラブプラス EVERY」は、より高い品質・魅力のある作品としてお客様にお届けするため、配信を延期させていただくことになりました。
度重なる延期により、さらにお待たせする事となり誠に申し訳ございません。
配信時期は、決定次第改めてご案内いたします。

https://twitter.com/loveplusproject/status/1034327168430399488


 いつになったら配信されるんじゃい!
 噂ではまともに起動すらしないので配信どころではないという話。そういえばどういうゲームなのか、内容すらまるで伝わってないし。さすがコナミですね。
 俺の寧々さんと早くイチャラブさせてくれ!

  


Posted by 縛りやトーマス at 03:17Comments(0)ゲームラブプラス

2018年06月21日

イメージを著しく損なう表現って…

 アニメ第一期(いつから一期になった?)も無事完走した競走馬擬人化アニメ『ウマ娘プリティーダービー』。今季アニメのトップをひた走り、同人界隈も沸き立っており夏コミの人気を独占する、と言われてましたが…


応援してくださっているファンの皆さまにご注意いただきたいこと
2018.06.20

これからも応援してくださっている皆さまとウマ娘を大切に育てていくために、ウマ娘プロジェクトから一点お願いがございます。

キャラクターならびにモチーフとなる競走馬のイメージを著しく損なう表現は行わないようご配慮いただけますと幸いです。
本作品には実在する競走馬をモチーフとしたキャラクターが登場しており、許諾をいただいて馬名をお借りしている馬主のみなさまを含め、たくさんの方の協力により実現している作品です。
モチーフとなる競走馬のファンの皆さまや、馬主さまおよび関係者の方々が不快に思われる表現、ならびに競走馬またはキャラクターのイメージを著しく損なう表現は行わないようご配慮くださいますようお願いいたします。

ウマ娘プロジェクトは、名馬たちの尊厳を損なわないために、今後も皆さまとともに競走馬やその活躍を応援してまいります。

https://umamusume.jp/news/detail.php?id=news-0106


 公式から突然の「二次創作には気をつけろ」とのお達しに夏コミにグラスワンダーちゃんがスぺちゃん(スペシャルウィーク)を拘束したり、スぺちゃんが仲良くしてるサイレンススズカに嫉妬して攫ってきたり、ちっともかまってくれないスぺちゃんをムリヤリ✖✖✖✖✖するような口にするのもおぞましい新刊を出そうとしていた作家のみなさんが一斉に「ウマ娘本は中止」「もう無理~!」と悲鳴をあげています。ねえ、どうして君たちの描くグラスワンダーちゃんはいつもヤンデレなの?

 どう見てもこの公式からのお達しは「18禁本、出すべからず」と言ってるのと同じだよね!こんなことになったのは馬主側に忖度した結果と言われています。なにしろ馬主ときたら一国一城の主、気に入らない商売には協力したくないという姿勢。社台グループのブエナビスタ、オルフェーブルなんかは出てこないので企画を嫌って許可が下りなかったという話。
 これ以上余計なことで馬主側を挑発したくない、というのが公式の意見なのでしょう。下手をすれば神社本庁を激怒させた『社にほへと』のようになるかも知れないのです。せっかく盛り上がったコンテンツなのだから、『けものフレンズ』みたいになるのだけは避けたい…!
 そもそも馬主にオタク用語とか通用しないのだから、いきなりヤンデレとか言ってもそりゃあわかりませんよ!!だからグラスワンダーちゃんをヤンデレ化するのは(以下略)




  


Posted by 縛りやトーマス at 22:49Comments(0)ゲームアニメ

2018年05月16日

80年代オタク万歳『レディ・プレイヤー1』



 2045年の世界は貧富の差が拡大し、多くの人間はスラムと化した街での暮らしを余儀なくされたため、世界中の人々は仮想現実OASISに入り浸るようになった。OASISを開発したクリエイター、ジェームズ・ハリデーは自分が亡くなった後にビデオメッセージを残し、OASIS内にイースター・エッグを隠し、エッグにたどり着くために必要な3つの鍵を手に入れ、一番最初にエッグを手に入れたものに自分の遺産56兆円とOASISの管理権を渡すという遺言を公開した。
 ハリデーの意思を継ごうとするハリデー信者たちをはじめとするガンターと呼ばれるエッグハンター、そしてOASISを手に入れ金もうけのために利用することを企む大企業IOIの送り込んだシクサーズが激しい争奪戦を繰り広げる。しかし最初の鍵を見つけることすらかなわぬまま数年が過ぎていった。鍵を見つけるためにはハリデーが青春時代を過ごした80年代のポップカルチャーに詳しくなくてはならないからだ!


 72年生まれの作家、アーネスト・クラインはアメリカのゲーム会社、アタリが崩壊するきっかけとなったアタリショックの原因のひとつと言われるゲームソフト『E.T.』があまりの売り上げ不振のため、売れ残ったソフトを穴を掘って埋めた、とされる「ゲームの墓場」を探り当てるドキュメント『アタリ:ゲームオーバー』を制作し、穴を掘り起こす作業には愛車のデロリアンで駆け付け、『ディグダグ』のシャツ姿で颯爽とデロリアンを降りる様子を見せつけていた、筋金入りのオタクである。

 そんな彼は小説『ゲーム・ウォーズ』(原題『レディ・プレイヤー1』)に自分の好きな映画、音楽、ゲーム、アニメ、特撮といった要素をぶち込んだ。OASISで鍵を見つけるためにはゲームや映画、音楽、特撮に詳しくなくてはいけないという…要するにオタクじゃないとハリデーの遺産を受け継ぐ資格がない!原作小説で主人公たちは『フェリスはある朝突然に』を全部再現させられたり、『ジャウスト』(ファミコン『バルーンファイト』の元ネタとなったゲーム)をクリアさせられたりする。
 クラインのオタクっぷりは日本のアニメや特撮にまで発揮される。特にクライマックスはハンター同士の巨大ロボット戦になるのだが、勇者ライディーンマジンガーZ、エヴァンゲリオンボルトロン(日本のロボットアニメ百獣王ゴライオン)超電磁ロボ コン・バトラーVが敵のメカゴジラ(!)と激突する。主人公もひとつロボットを選んで参戦するのだが、なんと主人公が選んだのはレオパルドン!あの東映版スパイダーマンに登場する巨大ロボットだ。日本人でも忘れてる人がほとんどなのに、なぜアメリカ人のクラインが知ってるんだよレオパルドン!(最近になってアメコミのスパイダーバースシリーズに登場してるけどさ…)
 残念ながらレオパルドンは「アメリカでは誰も知らない」という制作側の偉いさんのひとことで登場できなかったが、映画では代わりにガンダムが登場する。日本人ガンターのダイトウ(PrizmaXの森崎ウィンが熱演!)が仲間の危機にガンダムに乗って駆け付ける。
「俺は、ガンダムで行く!」
 のセリフとともに…


 原作ではウルトラマンが登場してメカゴジラと決戦を繰り広げるドリームマッチなのだが、ウルトラマンは例の権利関係の問題で出すことができなかったため、ガンダムが3分しか活動できないという要素が付け足されることになった。しかし日本での映画公開後に円谷プロが勝訴。もう少し制作が遅れたらウルトラマンが出られたのに…!残念!


 このように小説ならば文字だけだから問題ないだろうけど、映像作品にするにはハードルが高そうな内容だ。この監督に選ばれたのはスティーヴン・スピルバーグ!80年代に『インディ・ジョーンズ』シリーズや『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ、『E.T.』などを制作して第一線で活躍していた男が「80年代最高だぜ!」な映画をつくるという奇跡の企画なのだ。
 映画版では80年代最高!という描写はやや抑えられ、ハリデーの人生を追うことでイースター・エッグにたどり着くことが可能になるという展開になってはいるが、OASIS内にはありとあらゆる映画のキャラクターが登場する。権利関係を越えて登場させることが可能になったのはスピルバーグの威光があったからに違いない。80年代に青春を過ごした僕なんかはわかるのだが、70年代のカルチャーこそが最高で、80年代には何もないとされていたのだ。そんな中、80年代のエンターテイメント界をほとんど一人で牽引していたのがスピルバーグだった。スピルバーグがいなけりゃ80年代は本当に何もないクズのような年代になってたところだ。
 御年71歳のスピルバーグが80年代、30代半ばの頃にやってたような冒険活劇を撮れるというのが何しろ凄い。宮崎駿に30代の頃にやってた作品がまたやれるかっていうと、絶対無理だと思う。

 物語は「仮想現実ばかりに閉じこもってないで、現実世界を楽しもうぜ!」っていう僕のような人間には耳が痛いオチなんだけど、スピルバーグだから優しく肩を抱いてくれるオチなんだよ。庵野秀明なら「現実に帰れ!」って上から目線になるところだ。ありがとうスピルバーグ。僕も56兆円あったら現実に帰ろうと思います。


映画のエンディングに流れるベストヒットUSAでおなじみのやつ

  


Posted by 縛りやトーマス at 16:30Comments(0)映画ゲーム特撮・ヒーローVR

2018年05月06日

今度はゲームソフトだ!『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』



 あの『ジュマンジ』が帰ってきた!「なぜ帰ってきた!?」と言われたこのリブートである。95年に公開された『ジュマンジ』は当時流行っていた『ジュラシック・パーク』の影響でCGをやたらと使ってみたかった映画のひとつで、街中でサイが暴れまわることとロビン・ウィリアムズが出ていたことや「CGで演出は派手になったけど、物語は今一つ」と水野晴郎先生がクサしていたことしか覚えていない。同じ原作者による精神的続編の『ザスーラ』はスタン・ウィンストンによるブリキのロボットやトカゲ宇宙人、流線形ロケットなどのガジェット面の見どころが多くて楽しめるんだけどねえ。

 そんなすでに忘れ去られた映画のリメイクがなぜアメリカで大ヒット。ソニー・ピクチャーズの歴代興行成績No.1というのだから…一体なぜ?と思ってたけど映画を見るとすぐにわかった。


 前回で捨てられたボードゲーム「ジュマンジ」はある人物に拾われるが、すでに時代はコンピューターゲーム全盛期。「今どき双六なんかダセえよ!」と見向きもされない。ならばこうだ!とジュマンジはゲームソフトに変身!呪いのビデオで感染する貞子が後のシリーズではネットを使って広がったような進化の過程を見るようだ。そのゲームを始めた少年アレックスはゲームの世界に閉じ込められてしまう。
 時は流れて2016年。とある高校生4人は学校で問題を起こした罰として放課後の学校で掃除を命じられる。4人は地下室で偶然見つけたゲーム「ジュマンジ」をプレイ。スタート時に選べる5人のキャラのうち4人(1人はすでに選択されていた)を選んでスタート。すると4人はゲームの世界に吸い込まれる。そのゲーム「ジュマンジ」の中では彼ら自身が選んだ実際の姿とは正反対のアバターになってしまう。やせっぽっちのゲームオタク、スペンサーは筋肉ムキムキのマッチョマン、ドウェイン・ジョンソンに。アメフト選手のアンソニーは頭脳派キャラのケヴィン・ハートに。シャイな小心者のマーサは超セクシー系の美女、カレン・ギランに。セルフィ―好きでインスタ映えしか考えてないべサニーはデブオヤジのジャック・ブラックに!(このキャラが一番強烈)
 彼らは現実の学校生活でも所属するカテゴリーが違う生徒たちなので、お互いのことをほとんど意識していなかったが、ジュマンジ内でまったく違う自分を演じさせられることで互いのことを初めて理解することができる…これって『ブレックファスト・クラブ』じゃないか!

 『ブレックファスト・クラブ』はジョン・ヒューズ監督のカルト青春映画でスクールカーストをはじめて描いたアメリカ映画とされている。近年『パワーレンジャー』(2017)でも引用されていた。ゲーム世界における荒唐無稽な冒険映画でありながら学生時代に誰もが経験したカテゴリーの違う生徒たちの衝突、それを経てわかりあう様を描いているのでどの世代の誰が見ても突き刺さる青春映画なのだ。こりゃあヒットするわけだ!まさか『ジュマンジ』で泣くとは思わなかった。改めてジョン・ヒューズの素晴らしさも再確認できる傑作なのだった。


  


Posted by 縛りやトーマス at 00:40Comments(2)映画ゲーム

2018年05月04日

絶望するビリー

 アーケードゲーム『ドンキーコング』の世界初100万点プレイヤーとして君臨していたゲーマーのビリー・ミッチェルのハイスコアが不正であるとして記録が取り消しに。

『ドンキーコング』世界記録が不正で取り消しに。初の100万点達成プレイヤーの栄誉が移動
https://japanese.engadget.com/2018/04/13/donkeykong/
アーケードゲーム界のカリスマが保持する『ドンキーコング』元世界記録が無効に。原因はエミュレーターの使用
http://jp.automaton.am/articles/newsjp/20180205-62261/

 ビリー・ミッチェルは『パックマン』のパーフェクトゲームを達成したり、『ドンキーコング』でもハイスコアランキングのトップに長らく君臨しゲーマー界のカリスマとして知られていましたが、チャンピオンである彼に普通の高校教師のスティーヴさんが挑む映画『The King of Kong: Fistful of Quarters』ではチャンピオンの特権を利用して優位な状況で勝負を挑んだり、子分を使って妨害しようとしたりする傲慢な一面もあり、映画ではスティーヴさんに「お前の基盤、おかしいんじゃねえか?」と難癖つけてたけど、なんと本人がエミュレータでハイスコアを出していたと暴かれてしまったのです。お前がインチキしてたんじゃねえか!

 この騒動の発端は今年1月にアタリ2600のゲーム『Dragster』の世界記録が不正であったとされたことから。

世界最長の「破られることのなかったゲーム内ハイスコア」ギネス記録が無効に。36年を経て不正と判定される
http://jp.automaton.am/articles/newsjp/20180130-61960/

 不正で記録をはく奪されたトッド・ロジャースはビリー・ミッチェルの『ドンキーコング』ハイスコアの記録証人であったことから「ビリーの記録も不正なんじゃないの?」ということで検証が行われたところ、エミュレータによる不正が発覚。初の100万点プレイヤーの称号はスティーヴさんのものになったのである。
 ビリーはいかにも不正しそうな嫌なやつだったので人は見た目が9割って本当だったんだなあ。せっかくだから堕ちたヒーローが正規の基盤で100万点を目指し、名誉を取り戻すキング・オブ・コングの続編でもつくらない?



  


Posted by 縛りやトーマス at 07:58Comments(0)ゲーム世界のとんでもニュース

2018年04月15日

応援絶叫ヒロイン『トゥームレイダー ファースト・ミッション』



 2000年代に公開された映画『トゥームレイダー』のリブート版作品。3Dアクションゲームの金字塔である『トゥームレイダー』はプレイヤーキャラであるララ・クラフトが女性であることもあって単なる記号を越えたアイコンとして支持されている(もっとも成功したゲームのヒロインとしてギネスにも載った)。実写映画にされる時、ララをアンジェリーナ・ジョリーが演じると聞いてみんな拍手喝采したものだ。秘宝を巡って世界を駆け巡り、男勝りの活躍を繰り広げる大富豪の令嬢―などというキャラはジョリーしか演じられない!―だが出来上がった映画はあまりに中途半端でヌルかった。ド派手なアクションで開幕するも実は自宅での冒険シミュレーションだった!という腰砕けな冒頭の展開がそのまま終盤まで続いてしまうヘナチョコで、ジョリーはラジー賞にノミネートした。続編もヘナチョコなナンパ野郎とのかったるい恋愛ごっこを見せられ、ゲームシリーズが拡大を続け、大ヒットする中、映画版は忘却の彼方へ消えた。

 だが、2018年になって2013年のリブート版ゲームを元に復活。リブート版ゲームでのララ・クロフトはまだ冒険家としてスタートも切っていない時代の設定だ。ララは何年も前に失踪した大富豪の父親リチャードの帰還を信じて遺産の受け取りを拒み、自転車メッセンジャーのバイトをして暮らす貧乏学生。ある日、邸宅の隠し部屋を発見するとそこには古代のお宝や資料がザックザク。残されたビデオメッセージには自分が世界中の秘宝を求めて旅していた冒険家であったこと、秘宝を集めて世界の支配をもくろむ“トリニティ”という組織がいること、日本の無人島ヤマタイにあるヒミコの墓の封印が解かれれば世界は破滅すること―を観たララはヤマタイへ向かう。

 新生ララ・クロフトを演じるアリシア・ヴィキャンデルは映画前半のキックボクシング場面でバッキバキに鍛え上げた腹筋を見せつけ、自転車でイギリスの街道を縦横無尽に突っ走る場面などで身体能力の高さを証明してくれるが、冒険家としては素人レベル。そんな彼女がおっかなびっくりで罠をかいくぐり、ヘトヘトになりながら冒険を続けていく様子は、アンジェリーナ・ジョリー版ララ・クロフトと比べて弱弱しく映る。ジョリーはどんな危機的状況でも薄笑いで切り抜けるキャラクターだった。なにしろ『トゥームレイダー2』において海中でサメに襲われた時、サメの横っ面をぶん殴って撃退していたぐらいだから(ジョリーならそれぐらいはする)。
 ヴィキャンデルのララはまだ『ファースト・ミッション』の段階なので、大ジャンプひとつクリアするだけで大騒ぎ。見ているこっちも「がんばれ!」と声をかけたくなる。応援絶叫したくなるヒロインとは、2018年の日本向きではないか。舞台が日本の海に浮かぶ無人島なのは、そういうことだったのか。

  


Posted by 縛りやトーマス at 13:03Comments(0)映画ゲーム

2018年02月19日

目指せ10億点『ゲーマーVSニブラー:最高得点を狙え』

 小学生の頃、近所のスーパーでやってたファミコンのゲーム大会に出たことがある。ゲームはナムコ(現バンナム)の『スカイキッド』。横スクロールのシューティングゲームで、レシプロ機を操作して宙返りで攻撃を避けることもできるゲームで爆弾で戦艦などを爆破、基地まで帰還するのが目的。アーケード版もあって何度か遊んだことがあったので他の参加者が失敗する中、僕は余裕で戦艦を破壊して決勝まで進んだが、明らかにやりこんでる高校生に優勝をさらわれてしまった。優勝賞品は当時発売されて半年ぐらいのディスクシステムだったので悔しくてしょうがなかった。準優勝の商品は『パックランド』のペンケース他ナムコグッズ。しばらくの間「スカイキッドで準優勝したやつ」ということで騒がれたことはいい思い出だ。ゲーム大会で勝つこと、というのは当時のガキの間でステータスだった。




 ネットフリックスで配信されているドキュメント映画『ゲーマーVSニブラー:最高得点を狙え』(原題『MAN VS SNAKE』)を観た。ゲーム大会で優勝した男のその後を追うドキュメントだ。
 『ニブラー』という蛇を操作して画面上のドットを食べつくすと次の面に進むゲームで、他のゲームと違ってなんと10億点まで表示できるところがポイント。100万点じゃない、10億点!
 アイオワの田舎町オタムアにあるゲームセンターでとある少年が『ニブラー』のハイスコアをたたき出しているのを見た16歳のティム・マクベイは「こんなの、僕だってできるさ」と挑戦、あっという間に前人未到の9億点をたたき出してもはや10億は目前。ゲームセンターの店長は「もう少しで記録達成だ!」と大喜びでテレビ局を呼び出し、10億点達成の瞬間は地元のテレビ局で放送。ティムの偉業は田舎町を駆け巡り、「ティム・マクベイの日」まで制定される騒ぎに。そのゲームセンターは後にゲームのハイスコアを管理・表彰するツイン・ギャラクシーだった。
 映画は40歳ですっかりデブになって地元の工場で退屈な作業の繰り返しに飽き飽きする元天才ゲーマーを映し出す。誇れるものは「かつてニブラーの世界チャンピオン」という過去だけ!PS4やXboxの時代に!

 しかもその世界チャンピオンという過去すら虚栄だったかもしれないのだ。なんと25年も経ってから、実はティムが記録達成した約一年後にその記録はあっさり塗り替えられていたことが判明する。イタリアのゲームキッズ、エンリコ・ザネッティが10億100万点のスコアを出していた!
 詳細が確認できないとツイン・ギャラクシーはエンリコのハイスコアを認めていないが、事実を知ったティムはニブラーの筐体を買って25年ぶりのハイスコア更新を目指す。さらにティムのライバルとしてドウェイン・リチャードという男が現れる。ドレッドヘアをなびかせながら自信満々に「俺がナンバーワンだ。ガタガタいうな!」という見るからに問題児な彼だが、張り合うライバルを見つけたティムはゲーム大会で激突する。そのためには特訓だとデブった肉体を絞り上げるべくBMXで街を走り回り、ロッキーのごとく階段(短いけど)を上り下り。BGMはもちろん『アイ・オブ・ザ・タイガー』(笑)

 単なるゲームのハイスコア争いというなかれ。『ニブラー』で10億点出そうと思ったら丸二日は連続プレイしないといけない。寝てる暇なんかない。トイレもメシもプレイ中にしないといけない。たっぷり自機を増やして時間切れでやられてる間にトイレとメシを済ませるのだ。あとはひたすら眠くなって集中力が切れてくる。腕も痛いし目も痛い。何時間やっても平気だった16歳の時とは違う。今はウォーターベッドで寝ないと体の疲れも取れない中年のオッサンなのだ。ついにティムはギブアップ。

 すでにゲームは卒業して、キックボクシングにハマっているというエンリコはシェイプアップされた肉体を誇らしげに見せる。40代にしてはイイ体してる。ハイスコアラーだった過去は「美しい思い出」になっている彼と比べるとティムの現在は失礼な言い方かもしれないが「落伍者」「負け犬」って感じ。ついに公式にティムを上回るスコアを出すプレイヤーが現れて文字通り二番手になってしまう。チャンピオンだった栄光の過去にすら縋れずに屈辱の二番手に甘んじるしかないのか?俺の人生どうしてこうなった?

「僕のニブラー魂に火が付いたよ」

 ライバルがいると燃える男ティムは再び立ち上がる。彼は世界チャンピオンの座を取り戻すことができるのか!?

 映画を見ていると昔のゲームのハイスコア争いは普通のスポーツよりもストイックだ。最近の格闘ゲームみたいに直接争うわけじゃない。ひたすら自分のスコアを高めていくだけで切れていく集中力を途切れさせないようにモンスターエナジーをがぶ飲みしてプレーヤーは画面を凝視する。ハイスコアは己との闘いなのだ。乗り越えるのは相手ではなく自分だ。

 16歳で記録を出した時のティムは「誰の挑戦でも受ける」「すぐに抜き返してやる」と言い放っていた。だが挑戦者に巡り合わないままの25年間、目的を見失ったティムは人生も完全にどん詰まり。しかし目的とライバルを見出した彼は青春を取り戻したように輝き始める。何度挫折しても立ち上がるのだ。勝つためじゃない、自分自身に挑むために。ほとんどロッキーのように。

 負けても恨み言を言わずに相手の記録は素直に褒めたたえるティムたちゲーマーのスポーツマンシップは他のどんなスポーツよりも清々しい。でも、テレビのニュース番組のキャスターからは「馬鹿な奴らの大会だろ?」って言われるんだけどね。ホントにマスコミの連中というのは…

  


Posted by 縛りやトーマス at 03:49Comments(0)映画ゲームネットフリックス