2020年08月09日

アクタージュは8マン方式で生き延びろ

 週ジャンの人気連載『アクタージュ』の原作者が強制わいせつ容疑で逮捕された。

ジャンプ編集部、漫画『アクタージュ』原作者の逮捕報道に謝罪「重く受け止めております」
https://www.oricon.co.jp/news/2169081/full/

 路上を歩いている女子中学生の胸を自転車で追い抜きざまに触る、という間抜けな行為で(被害者はたまったもんじゃないけど)・・・
 警察の追求を受け「おおむね間違いありません」というしょうもないギャグをかましてる場合じゃあない。

『アクタージュ』は役者を目指す孤独な女子高生が若手映画監督に見いだされ、彼女の女優・人間としての成長を描くという現代版『ガラスの仮面』で、演劇関係からの評価も高くホリプロによる舞台版の制作が始まっているが、今回の原作者逮捕を受け舞台版の制作中止、漫画連載自体の中断、打ち切りも検討されているかもしれない。

 今回のように原作・作画が分かれている場合、どちらかがトラブルを起こしたとき連載はどうなるのだろうか。

 先日亡くなった漫画家の桑田次郎先生が平井和正の原作を題材にし作画をした『8マン』は連載中に桑田先生が銃刀法違反で逮捕されてしまった。その影響で連載は打ち切りになるが最終となった回はアシスタントが代筆している。このやり方で原作者だけ変える、クレジットを外して作画と編集で話をつくって連載を続けてもよいのではないかと思う。でもやはりイメージが悪すぎるので打ち切りになるのかなあ・・・(ちなみに『8マン』はアニメ版の主題歌を歌った克美しげるが殺人事件を起こしてレコードが絶版になっていた。関係者が大変な騒ぎを起こしている作品だ)

 今のジャンプは『タイムパラドクスゴーストライター』がドベを走って打ち切り寸前なんだけど、この騒動の余波を受けて寿命がのびるのかも?それとも『タイパク』の主人公みたいに作画が原作も描くことになるのか?こうご期待!

 あと島袋光年や和月伸宏といい、なぜジャンプ連載陣には未成年わいせつ系の犯罪が多いのか。




  


Posted by 縛りやトーマス at 06:22Comments(0)漫画日本のとんでも事件

2020年05月08日

寄付である!

 一時期、「伊達直人」名義で施設などにランドセルを強制的に送り付けるもとい、寄付するのが流行っていたが(現在も細々と続いているそう)、この運動の上手いところは漫画『タイガーマスク』の伊達直人本人が児童施設に寄付したりする人物として設定されていたので、漫画のキャラを名乗っても違和感ないところだね。これに触発されて色んな人が「伊達直人」を名乗って寄付をはじめ、2012年には「スピードワゴン財団」を名乗る人や2011年には「ルパン三世」を名乗って東日本大震災への寄付を渡す人など、自分が影響を受けた漫画のキャラクターを名乗って寄付をする人が後を絶たないのであった。
 そしてコロナ渦の中、2020年にも寄付行為に目覚める人が表れた。その名は・・・江田島平八!

「江田島平八」名乗り消毒液寄付 漫画「魁!!男塾」キャラ、愛知
https://this.kiji.is/631422741632812129

>7日午後3時ごろ、30~40代にみえる男性が段ボール箱を持って市役所を訪れ、警備員に「消毒液を寄付する」と告げて去った。市職員が確認すると、手指用のアルコール消毒液(600ミリリットル)18本に「男塾塾長 江田島平八より」と書かれた紙が添えられていた。


 あの『魁!!男塾』の江田島平八塾長を名乗って寄付とは・・・塾長には寄付をする人のイメージはないが、寄付をしていても、違和感が・・・ない!!「30~40代にみえる男性」ということは、間違いなく連載当時のどストライク世代だろう。当人からすれば伊達直人は過去すぎるし、『ジョジョ』よりは『男塾』派だったのだろう。「消毒液を寄付する」と一言だけなのも塾長らしい!残念なのは

「わしが男塾塾長江田島平八である!!以上!」

 と告げて去ってくれればもう、完璧だったというのに・・・塾長を名乗るならそこまでやってほしかった・・・そこんとこ、よろしく!




  


Posted by 縛りやトーマス at 21:01Comments(1)漫画

2020年04月13日

チェコでもけっこう!

 新型コロナウィルスの影響は世界各国に様々な被害を及ぼしているのです。

ヌーディストにマスク着用を指示、裸はOK チェコ警察
https://www.cnn.co.jp/travel/35152228.html?ref=rss

>東欧チェコで先月末、裸で日光浴を楽しんでいたヌーディストに対し、警察がマスク着用を指示する出来事があった。指定の場所で裸になるのは問題ないとはいえ、そこは新型コロナウイルスの流行のさなか、やはり口は覆う必要があった。

>警察は声明で「残念なことに、日光浴中の市民の多くは大人数で集まり、一部はマスク着用を怠っていた」と説明。「警察が到着すると、全員すぐに(屋外での顔面保護具の着用を義務づける)政府の規則を尊重してくれた」と明らかにした。



 裸はいいが、顔面保護具(要するにマスク)を着用を義務付ける、って瞬時に『けっこう仮面』を思い出したわ。






 チェコで「わ~っ!けっこう!!」やっていたのか(やってません)!

  


Posted by 縛りやトーマス at 02:07Comments(0)漫画世界のとんでもニュース

2020年04月08日

実写版映像研は最強の世界か?

 NHKで放送されたアニメが好評のうちに終了した『映像研には手を出すな!』のドラマ版が放送スタート。5月には映画版も公開予定だ(きっと延期されるだろうけど・・・)。





 アニメの実写版、さらにアイドルが主演ということで、はじめから色眼鏡で見る人が多く、すでに映画.comではまだ公開もしていない(誰も本編を見ていない)映画版に2.7という低評価が下されている。未見の状態で点がつけられるのおかしいんだけど!

 僕はアニメも実写も大好き野郎なので、よほどのことがない限り色眼鏡では見ない。そんな僕から言わせてもらえれば、漫画の実写映像を面白く見るポイントは、原作にどれだけ近づけているか、そうでない場合は独自の視点、その方向性が面白いかどうかだ。

 ドラマ版で描かれている、アニメ版と違う点は原作の舞台である芝浜高校の各部活動だ。冒頭で応援部という部が正式に部活動として承認してもらおうと大・生徒会にかけあうがソワンデ書記にあえなく轟沈されてしまう。
 中盤では野球部の中で反乱が起き、外野手3人が内野手らと比べやることがすくなく、疎外されているようだと抗議、言い争いになるがマネージャーが口出しをしようとした際に内野手が

「外野は黙ってろよ!」

 と叫んだことで完全に決裂。野球部は外野部と内野部に分かれることに(なんか、小演劇の舞台でありそうな小ネタだなあ)。

 おそらくこのような様々なよくわからない部活動の存在、小さな物語が実写版映像研のピースを構成する一部分なのだろう。原作にも警備部とか炭水化物革命研とかわけのわからない部活動(?)がたくさんあり、ドラマ版公式サイトでも発表されていない登場人物の枠が大量にある。

https://eizouken-saikyo.com/cast/

 このことから、実写版映像研はわけのわからぬ部活動が群雄割拠できるリベラルな校風が映画かれており・・・これってそう、あの文化部系漫画の傑作でありレジェンドの『究極超人あ~る』の現代版に見えてこないか?(文化部系漫画ではあまり描かれない運動部系の中で文化部的な争いが起きている、というのも笑える)

 それを乃木坂46という売れてる美少女アイドルに演じさせているのも最高ですね(引っ込み思案の人見知りキャラを挙動不審のコミュ障にまで高めた浅草氏・齋藤飛鳥、美少女キャラにしたら設定が崩壊しない?と思ったら存在感がありまくりになった金森氏・梅澤美波、原作のキャラとまったく同じ表情を見せてくれる水崎氏・山下美月・・・全員完璧でしょう!)。

 実写版は予想以上に「文科系サブカル」の世界観を再現してくれていて、アニメ版とは別の世界観を構築することに成功している第一回目は想像以上の好印象なので、次回以降も期待できる。これもまた、最強の世界だったのだ!

https://eizouken-saikyo.com/

  


Posted by 縛りやトーマス at 22:24Comments(0)映画漫画テレビ

2020年04月05日

3日後に閉店するカフェ

 100日後に死ぬという斬新かつ潔い設定がいまだかつてない物語を生み出した『100日後に死ぬワニ』。先日、無事死んでくれてありがとう!というオチだったが、実に感動的だった。その余韻に浸る間もなく「書籍化」「映画化」「グッズ化」「コラボカフェ化」が次々と発表され、現代ビジネスの強欲さをまざまざと見せつけられた。

 その背後に見え隠れする電通の存在にはさすがに苦笑した。あの「入社100日後に死ぬ」と言われている電通が100日後に死ぬワニのビジネス化とは、面の皮が厚いというかなんというか。

 その強欲ビジネスのひとつ、コラボカフェ(https://100wani-cafe.jp/)の東京開場が4/1よりオープン。事前予約が必要で、80分の入れ替え制になっているうえに追加オーダー、グッズ購入の時間も決められているのは多数の来場者を見越しており、混雑を避けるための措置と思われる。ワニファンの人々がコラボカフェに殺到、我さきにとワニグッズを買い求め、転売市場が大盛り上がりする・・・そんな光景は杞憂に終わった。だって客が来なかったんだもん!

【天国グルメ】100日後に死ぬワニカフェついにオープン / もしもの時の備蓄カレー1749円を食べてみた
https://main-dish.com/2020/04/01/100nichigo-ni-shinuwani-cafe/

本日4月1日オープン! ワニくんの思い出がいっぱいの「100日後に死ぬワニカフェ」に行ってきた
https://news.nicovideo.jp/watch/nw6945391


 「東京メインディッシュ」と「ガジェット通信」によるリポートには共通する点があった。

>事前予約の入れ替え制だが、飛び込みでも席に余裕があれば入れることもあるようである。今回、客は私一人だけだった。
(東京メインディッシュ)

>筆者の一つ前の回に来店したと思われる「東京メインディッシュ」のクドウ記者によれば、今回、客は私一人だけだった。とのこと。筆者の回も私一人だけだった。


 4月1日は平日で、記事を見る限り昼間と思われる。最初の週末になればもう少し集客あるんじゃないですか?と思ったが、それもなかった。なぜならコラボカフェはオープン3日で営業休止となったからだ。


2020.04.03
100日後に死ぬワニカフェ 臨時休業及び開催延期のお知らせ

https://100wani-cafe.jp/news/809/

>新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑みて、お客様ならびに従業員の感染予防及び拡散予防のため、「100日後に死ぬワニカフェ」を4月4日(土)以降、臨時休業及び開催を延期させていただくことにいたしました。

つきましては4月4日(土)以降の会期中の全ての事前予約をキャンセルとし、返金対応をとらせていただきます。ご来店を心待ちにされていたお客様には誠に申し訳ございませんが、何卒ご理解賜りますようお願いいたします。


 100日どころか、3日で死んでしまうとは・・・絶対コロナウィルスが休止の理由じゃないだろって。最初の週末すら待てず3日でギブアップとは、よほど収益が望めないので撤退は早いうちにしようということなのか、もしくはコロナのせいにしておけば、国から補償金でも出るのかな?何かというとすぐステマする電通も、ワニカフェだけは手も足も出なかったんだな・・・

 そもそもが100日間という限定期間の「お祭り」だったのにそのあとも商売しようというやり方にセンスがなさすぎるんですよ。
 漫画の方は面白いので、来週発売のコミックスはみんな買おうね。





  


Posted by 縛りやトーマス at 02:44Comments(2)漫画ネット食べ物

2020年02月29日

東京オリンピックまであと147日 中止だ中止

 本日は2020年2月29日。大友克洋の『AKIRA』で「東京オリンピックまであと147日」と設定された日であるが、現実の東京オリンピックもあと147日なのである。



 偶然とはいえ、大友克洋の先見性には首を垂れるしかない。そして京大ではこのメモリアルデイに合わせて「中止だ中止」ボードが掲示された。



「中止だ中止」「反対!」「粉砕」でおなじみの看板が京大百万遍石垣に現れたのだ。京大名物の立て看板は京都市が法令違反として立て看板を撤去せよという要請を大学側に告げ、大学側は立て看板を規制する規定を発表。これに学生らが反発、撤去を巡る騒動が起きた。現在は新しい設置場所に限り看板の掲示が認められている。
「中止だ中止」「反対!」「粉砕」は別の相手に向けられているようにも見えるのだった。漫画『AKIRA』のラストは爆心地となり(再び)崩壊したネオ東京に入ろうとした国連を金田たちが阻止して「俺たちの国から出てけェ!」と叫ぶ。

 中止だ中止!反対!粉砕!

  


Posted by 縛りやトーマス at 22:59Comments(0)映画アニメ漫画

2020年01月31日

まさかの新連載でやったねたえちゃん!

 KADOKAWAの無料で漫画が読めるポータルサイト、コミックウォーカー内のコミックフラッパーにて鬼才・カワディMAX先生の漫画『やったねたえちゃん!』がついにアップロードされました。

https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_MF01201421010000_68/


 この『やったねたえちゃん!』というのは同人作家だったカワディMAX先生が2007年に初めて商業誌で発表した鬼畜鬱エロ漫画『コロちゃん』が13年の時を経て連載としてよみがえったもの。
 詳しくは検索してもらえるといいのだが、さわりだけ説明すると実の母親に捨てられ孤児となった小学生児童のたえちゃんは母親から最後にプレゼントされた熊のぬいぐるみ「コロちゃん」を大切に扱い、唯一の友達として接していた(いわゆるイマジナリーフレンド)。のちにたえちゃんは叔父さんにもらわれていくのですが、その時にたえちゃんは
「家族が増えるよ」
 と笑顔になり、コロちゃんは
「やったねたえちゃん!」
 と励ましてくれるのだった。こうして新しい幸せな生活が始まると思いきや、叔父さんはロクデナシのド変態で、たえちゃんの手からコロちゃんを奪って「大人の女はぬいぐるみなんかじゃなく"こいつ"で遊ぶんだよ」といってとてもここでは書けないようなことを迫り、コロちゃんの胴体を真っ二つに裂いてしまうのでした・・・

 読んだ人間に大きなトラウマを残すことになる鬼畜漫画で、叔父さんに負けず劣らずのド変態しか読んでない作品とはいえ、たまーにネットで思い出したように話題になるので、かなりの影響力があったわけだが、なぜかこの漫画が一般誌のコミックフラッパーに連載作品として掲載されたのです。


 鬼畜エロ漫画をどうやって一般誌に載せるんだ?一般人でも読めるように改変するのか?『コロちゃん』を??

 ドキドキワクワクしながら第一回を読んでみると冒頭の展開はほぼ『コロちゃん』と同じで、母親に捨てられたたえちゃんはぬいぐるみのコロちゃんだけが友達。たえちゃんは小学生のころに母の兄である叔父さんにもらわれたのですが、叔父さんは全身を輪切りにされて死亡。部屋には「気が付いたらおじさんがバラバラになってた」と泣きじゃくるたえちゃんと、糸で縫った跡のあるぬいぐるみが残されていた・・・

 中学生のたえちゃんは保護施設で育ち、学校ではぬいぐるみと話す気持ち悪いやつとしてイジメの日々。しかし悲惨な境遇でも笑顔を絶やさないたえちゃんはコロちゃんに励まされ母親の帰りを待ち続けている。
 学校では人のよさそうな先生がたえちゃんのことを気にかけてくれ、ぬいぐるみと話すたえちゃんを「それは個性だよ」なんて言ってくれるのですが、先生の家で飲んだ紅茶には眠り薬が入っていて、目を覚ましたたえちゃんは先生からボッコボコに殴られて襲われそうになる。嫌がるたえちゃんの手からコロちゃんを奪おうとする鬼畜先生。強く引っ張ったのでコロちゃんの縫い目がほどける。同じようにコロちゃんを奪おうとした叔父さんの姿がフラッシュバック・・・

 すると鬼畜先生の指が切れてしまい、人が変わったようになったたえちゃん。真っ二つになったコロちゃんの胴体からは一本の鋼線が伸びている。

「また・・・大きなゴミ」「処分しなきゃ・・・」

 最終ページには

★殺ったね、たえちゃん!


 の惹句・・・ってお前、これが言いたかっただけやろ!


 という、鬼畜ド変態漫画が13年の時を経て、『ブギーポップは笑わない』みたいな作品になって帰ってくるとは、お釈迦様でも予想できなかった。
 もはや出オチのような気もするが、これからどのような展開を経ていくのが、すげえ楽しみ(ホントに?)



  


Posted by 縛りやトーマス at 20:35Comments(0)漫画ネット

2020年01月28日

やつらとんでもないものを盗んでいきました!

 生まれるのが早すぎた漫画こと、ちょぼらうにょぽみ先生の『あいまいみー』最新回が意味不明な事態に。

あいまいみー 125-2


 一体・・・何があったんだ?サボりか?で、翌日更新された最新回では・・・



 年末の声優結婚ラッシュに打ちのめされたにょぽみ先生の心だったのだ・・・やつはとんでもないものを盗んでいきました・・・(以下略)
 横だ・・・僕らはもう横になるしかないんだ・・・


  


Posted by 縛りやトーマス at 21:38Comments(0)声優漫画オタク

2020年01月18日

これが日本の格差社会映画だ『カイジ ファイナルゲーム』



 実写映画『カイジ』シリーズの第三弾にして完結編。前作から9年ぶりの新作だ。9年も経ってるのだから、カイジ実写シリーズのコンテンツとしての魅力はすでに失われていると思っていたので、新作は意外だった。その間原作はいまだに続いていて、現在では命がけギャンブルで手に入れた24億をもって逃亡しようとするヘイスト(強盗)映画の脱出劇のような展開になっていて、原作漫画の売りである登場人物たちの緻密で高度な心理戦を今までにない形で描き出しており、相変わらずの面白さだ。
 が、実写映画の方は原作漫画の、漫画ならではの緻密な心理戦は実写で描くことは不可能なので、全部登場人物たちは絵で表現されていた心情や互いのやりとりを全部セリフで説明し、しかも絶叫口調でやる。ひたすらに大声で芝居がかったセリフを絶叫するの単純にして単調だが、舞台役者として巨匠・蜷川幸雄に揉まれた藤原竜也、歌舞伎役者の血を引く香川照之の異常なほどに高められた絶叫芝居の勢いに見させられてしまうのもまた事実。

 さてそんな単純にして単調な人生の破滅を賭けたギャンブル映画の3作目は、初めてのオリジナルストーリーだ。これまでの帝愛グループとカイジらロクデナシのギャンブラーとの戦いではない。相手は、日本だ。
 東京オリンピック以後、日本の経済は完全に破綻し、不況のどん底に落ち込んでいた。何の冗談かと思ったが本気でそういう設定なのである。日本全体が一握りの富裕層が暮す優雅な高層ビル群と、貧民が暮すスラム街に分断されてしまっている。スラムでは缶ビール一本が1000円という金額になり

「ふざけんじゃねえよぉ~!これじゃビールも飲めねぇよ~ぉ!」

 とカイジ・竜也がいつもの絶叫演技。派遣で働くカイジは給料の7割をピンハネされてまたたま絶叫。「なんだよこれぇ!これじゃ生きていけねぇよぉ!」そこに現れた会社社長で「派遣の帝王」と呼ばれている黒崎(吉田鋼太郎)が「いやならやめろぉ~!いくらでも代わりはいるんだぁ~!」と竜也に負けず劣らずの絶叫演技。吉田鋼太郎といえば藤原竜也と同じ蜷川幸雄の舞台で鎬を削った役者同士ではないか。シェイクスピア劇も真っ青の対決がスクリーンで展開される。

 その後カイジは地下で対決した大槻班長(松尾スズキ)から一発逆転のギャンブルがあると教えられ、秘策を授けてもらって参加。この映画には4つのギャンブルが登場する。ちなみに4つのギャンブルは原作者の福本伸行自らが考案したものだ。最初のギャンブルは「バベルの塔」。集められた参加者はとあるビルの位置を教えられ、最上階ににそびえる鉄塔の頂点にあるカードに最初に触れたものが最大99億9999万円か、同価値の情報を得るか、選択権が与えられる。カイジは大槻からビルの場所を事前に聞いていて、隣接するビルから鉄骨を伸ばして綱渡りを決行。見事勝利者となり情報をゲット。その情報によってカイジは資産家の老人、東郷滋(伊武雅刀)に出会う。東郷はこの国で栄華を極めている大金持ちだが、まもなく国会で政治家が銀行の預金を封鎖する法案を成立させようとしていることを知り、それを止めるために政治家の買収を画策するが、手持ち資産では足りず、黒崎と全財産を賭けた直接対決のギャンブル「最後の審判」に挑もうとする。その協力者として「金よりも情報を選んだ」カイジと最高についている女、桐野加奈子(関水渚)を仲間に引き入れる。どれだけ多くの賛同者を集め、大金を積むことができるかというギャンブルに挑むが、黒崎の罠に陥り大ピンチに。追加資金を手に入れるためカイジは地下で行われている命がけのギャンブル「ドリームジャンプ」に挑戦。見事大金を手に入れ、事前に仕掛けていた作戦によってカイジは勝利するが最後の最後で邪魔をする、通称・影の総理と呼ばれる若き官僚・高倉浩介(福士蒼汰)と彼が得意とするギャンブル「ゴールドジャンケン」で雌雄を決する勝負に出る。

 一握りの富裕層がすべての富を牛耳って貧困層を支配する格差社会の構造にメスを入れる、とでも言いたげな内容には白けてしまう。この映画の制作は日本テレビなんだけど、現在の格差社会を助長しているのがテレビ局をはじめとするマスメディアではないか。政府に牛耳られて政権のまともではない政策や与党の不祥事を糾弾することすらできない。『銀河英雄伝説』でも言ってたでしょ。「政治家が賄賂を取ることは政治の腐敗ではない。政治家個人の腐敗であるにすぎない。政治家が賄賂を取っても糾弾できない、それを政治の腐敗というんだ」と。
 そんな連中が貧困層の大逆転によって腐敗政治が転覆する、なんてフィクションを堂々と作っている事実には笑いが止まらないね。この人たちはこんな話を本気で信じていないに決まっている。映画の中で10人の参加者のうち9人が死ぬ死のバンジーゲーム「ドリームジャンプ」とかをやらせている側の気分でしょ。こんなバカげた映画をつくって大儲けしている状況に笑いが止まらないだろう。「またバカな貧乏人どもがありもしない絵空事を見に映画観に来ていやがるぜ」ってね。
 また原作者の福本伸行自身も今や大金持ちなんだから、本当の貧困層の気持ちなんてわかっちゃいないだろう。彼はまだ漫画家としてまっとうなやり方で稼いでいるんだから100歩譲って許せるけど、口では安倍政権を批判するようなお話にしながら(この映画の脚本は福本本人)実際は格差社会の利益を享受しているんだから、笑わせるなよ。
 本人が考案したというゲームの数々も原作漫画に出ていたいろんなギャンブルのクオリティに達しているものはひとつもなく、ガッカリです。ひょっとして漫画に使わなかったアイデアを引っ張りだしてきただけなんじゃあ・・・

 カイジ実写の1と2には山本太郎が出演している。山本は今、格差社会の是正のために本気で戦っているじゃないか。この映画のどこにも格差社会と本気で向かい合おうとしている部分は見当たらない。福本さんよぉ、山本太郎の爪の垢でも煎じて飲んでこいや!
 虚無だけが広がる無限の荒野。この映画の出来が悪魔的だった!



  


Posted by 縛りやトーマス at 15:15Comments(0)映画漫画

2020年01月10日

ドラマ版で刀の錆にしてやるぜ

 噂のドラマ実写版『ゆるキャン△』が放送開始。

【木ドラ25】ゆるキャン△|テレビ東京
https://www.tv-tokyo.co.jp/yurucamp/


 
 実写版と聞けば穏やかではいられない性分なので、ゆるキャン△ならぬ「だるキャン▲」だったりしたらどうしよう・・・と期待値を下げつつ見たのですが、想像よりも良かったですね!

 第一話では原作初回の『ふじさんとカレーめん』をベースにリン(福原遥)となでしこ(大原優乃)がキャンプ場で出会うまで・・・のお話。
 自転車で坂を駆け上がってきて、疲れ果てたなでしこがトイレのそばでずっと寝ていたり、スマホと間違えてトランプを持ってくるなどといった漫画アニメでは気にも留めない痛い娘の描写は実写になるとどうしても目立っちゃいますね!しかしリンからカップヌードルカレー味(日清が協力してるのか、「カレーめん」ではなく本物が登場)をンマそーに食べるところで癒された。

 第一話ではとにかく主人公ふたり、リン役の福原、なでしこ役の大原が死ねるぐらいカワイイ。特に最高なのが福原で原作に沿った役作りの中に枯れ木が勢いよく割れたのにびびって「おどかすんじゃないよ!」とひとりごちたり、
薪を割るときに「刀の錆にしてやるぜ!」とホラー顔になったりするところが・・・可愛すぎて・・・もう死ねる


刀の錆にしてやるぜ

 なでしこ姉役の柳ゆり菜も超絶美人で原作に引けを取らないし、実写特有のモヤモヤ感を圧倒的美少女キャストの可愛らしさで1000%に高めてしまった傑作ではないのでしょうか。来週もキャンプめしだ!

  


Posted by 縛りやトーマス at 21:05Comments(0)漫画テレビ食べ物