2019年07月18日

実写化も東京オリンピックも中止だ中止

 ハリウッドで実写映画化が予定されていた『AKIRA』の製作が中止に。


『AKIRA』実写映画が無期限休止 急転直下の展開にファン衝撃

https://kai-you.net/article/66025

 レオナルド・ディカプリオがプロデュースし、ニュージーランド出身の映画監督、役者でもあるタイカ・ワイティティが監督する予定のハリウッド版『AKIRA』は2021年に公開するという時期まで発表して(それが今年5月のこと)、制作がスタートしていたはずだが、ワイティティ監督が『マイティ・ソー』シリーズの新作の監督に決まったため、撮影時期がかぶる『AKIRA』は無期限の休止ということに。

 企画自体が消滅したわけではないのが救いだが、『AKIRA』実写は噂に上っては消え、ハリウッド版に関しても何度となく企画が上がっては実現しない、の繰り返しだったので、公開時期まで発表されていた今回の企画には一部で期待が寄せられていたのだけど・・・

 そもそも「アメリカの支配なんかいらねぇ、ここは俺たちの国だ!」と戦後アメリカの支配にNo!を突き付ける原作漫画(アニメ版はともかく)をハリウッドで映像化するのは難しいのでは?どうせアメリカ人が主演するんだし。

 いっそのこと作品内の東京オリンピック(2020年に開催する!)のように中止だ中止!粉砕!




  


Posted by 縛りやトーマス at 00:07Comments(0)アニメ漫画ハリウッド・スキャンダル

2019年07月11日

あいまいみー全力通常運転回

 生まれてくるのが早過ぎた4コマ漫画こと『あいまいみー』は毎回どうかしてる内容で読者の心をざわつかせてくれるのですが、今回のテーマは安楽死



 麻衣ちゃんから年金支給が無くなった代わりに消費税が35%にアップ、安楽死制度がスタートすると聞かされたミイがショックで赤ん坊に。ひどすぎるじゃねーかと憤慨するミイ。しかし「でも合理的」と相変わらず少々のことでは動じない麻衣。

「私たち学生は親に高いお金出してもらって塾行ったり習い事したり、約10年かけて社会に出る。でもその10数年の努力に応えられる企業がこの社会にあると思う?」
「終身雇用が無くなり企業の儲けは還元されずあるのは悲しい未来・・・それならいっそ」


 と迷いのない目で語りかけてくる麻衣にすっかり乗せられ、そんな『ソイレント・グリーン』みたいなディストピアが待つぐらいなら、とミイは安楽死を選択

 コンビニで安楽死の受付を済ませると、どうやら日本で最初の安楽死ということで大勢の観客の前で花火まで打ち上げることに。さああとは華々しく散るだけやで!となるが、死ぬ前に始めたケバブ屋にやってきた愛ちゃんに「来週公園に鴨のスケッチをしに行こう」と誘われる。しかしその日は安楽死当日!涙ながらに愛との約束を都合が悪いからとナシにする。

 そんなミイの苦悩を知ってか知らずか(多分興味がない)、麻衣ちゃんは電気椅子で安楽死したミイの指を乾電池代わりにテレビのリモコンが動くか試してみたいと無邪気に笑うのだった(ヤバすぎだろ・・・いつものことだけど)


 そして安楽死当日。観客の「押せ!」「死ね!」コールを前に安楽死スイッチを押すのに躊躇するミイ。麻衣は止めもせず

「人の期待に応えないとか、もしかしてアドラー心理学信者なのかなあ!?」

 と煽りまくる!ちなみにアドラー心理学とは、「トラウマがあって〇〇が苦手なんだよなぁ~」という人はトラウマがあるのではなく、苦手で、否定したい、という言い訳をするためにトラウマを利用しているに過ぎない、という考えのこと(それだけではない)です。『バーナード嬢曰く。』で言ってたから間違いない。

 寸前に止めにやってくる愛ちゃん、さっさとボタンを押させて眼鏡花火を打ち上げさせようとする麻衣の果てしない死闘(嘘)の果てに待つ衝撃のクライマックスは!?

 まあ、いつもの頭のイカれた展開で、通常運転回です。しかし「年金制度」「消費税アップ」「安楽死」といった文言に反応したアベノミクス信者みたいな人たちが安倍政権を批判されてるとでも思ったのか、作者のちょぼらうにょぽみ先生に脅迫じみたクソリプを送ってさらされてました。




 自分は頭のイカれた狂人とでも思ってるのでしょうか。残念ですが、にょぽみ先生の『あいまいみー』は『ポプテピピック』が出てくるまでは竹書房で唯一のイカれた漫画で、作者が一番の狂った創作者なので、この程度では勝てません。あなたは凡人に過ぎません。凡人は異能の人間のやることを遠くから眺めていればよいのです。生きよう!


  


Posted by 縛りやトーマス at 22:33Comments(0)漫画ネット

2019年07月06日

また月曜から仕事です『X-MEN ダーク・フェニックス』



 サイモン・キンバーグプロデュースによるX-MEN実写新シリーズの第4弾にしてシリーズにいったん区切りをつける最終作。X-MENは実写映画で大ヒットを飛ばしている『アイアンマン』『キャプテン・アメリカ』、『アベンジャーズ』などと同じマーベルコミックの作品だが、実写映画は『アベンジャーズ』のマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)がディズニー、X-MENは20世紀FOXが制作している。なのでX-MENのキャラクターは『アベンジャーズ』などに出演できないわけだが、数年前にディズニーが20世紀FOXを買収して傘下に収めたため、今後MCUにX-MENメンバーが出演する可能性があるわけだ。そのためか、今回の『~ダーク・フェニックス』で新シリーズは一旦終了、打ち止め。そして最終エピソードとして選ばれたのは原作屈指の衝撃度大のダーク・フェニックス・サーガ。X-MENのジーン・グレイ(ソフィー・ターナー)が闇落ちして、仲間のミスティーク(ジェニファー・ローレンス)を殺してしまう。
 力を制御できなくなったジーンは最強最悪のダーク・フェニックスとして地球上の全生命を抹殺に追いやろうとする。この事態にプロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)らX-MENたちと、敵対していたマグニートー(マイケル・ファスベンダー)らは協力してジーンの暴走を止めようとする。

 ってこれ、前にやった『X-MEN ファイナル・ディシジョン』(06)と同じやんけ。『~ファイナル・ディシジョン』はMCU以前に作られ、マーベル実写映画人気の先駆けとなったシリーズで、これがなければアベンジャーズ人気もなかったぐらいの作品だ。このシリーズは3本目の『~ファイナル・ディシジョン』で一旦打ち止めとなったが、その時もダーク・フェニックス・サーガが原作だった。それぐらい区切り、終わりを告げるに相応しいネタということ。
 が、『~ファイナル・ディシジョン』はさんざんな出来だった。しかも『ダーク・フェニックス』のプロデューサーのキンバーグが脚本に参加してたの!ファンからすれば同じネタで二度目の失敗はありえないだろうと、期待してたのに、今回もさんざんな出来でした!

 この『ダーク・フェニックス・サーガ』って、『アベンジャーズ/エンドゲーム』と同じで、「世界を救うために大きな犠牲を払うが、その犠牲が大きすぎて喪失感が埋められない」ってことなんだけど、『~ファイナル・ディシジョン』も『~ダーク・フェニックス』も犠牲が軽い。こんなことになったけど、また明日から仕事なんで、早く帰って月曜から出社してください、みたいなの!仕事なんかしたくない!
 こんな犠牲では納得できない。二度同じ失敗は許せない。

  


Posted by 縛りやトーマス at 22:53Comments(0)漫画特撮・ヒーロー

2019年07月02日

まんがタイムきららキャラット2019年8月号雑感



 まんがタイムきららキャラット2019年8月号雑感。

 表紙・巻頭は7月から待望のアニメ放送開始となる『まちカドまぞく』。「窓辺系まぞく」としてドラマの登場人物のように悩むシャミ子。いろいろな疑問(読み続けるごとに謎が増えていく漫画ですので・・・)について桃色魔法少女の桃に話を聞きたいのだが、できない!というシャミ子に友人の杏里ちゃんが「焼肉に誘え」とアドバイス。無料招待券を杏里ちゃんからもらったシャミ子は桃を誘う。予約までしてやってきたお店が妙に高級ぶった個室焼肉店で、シャンパン(ノンアルコール)、トリュフのテールスープ、肉の握り寿司といったこれ・・・普通の焼肉屋とちゃうやつやん・・・
 杏里ちゃんの(およびシャミ子の)勘違いで無料招待券ではなく優待券で、25000円のコースが15000円に割引されるだけ(それも結構な割引感ある)!同様しまくってフライングナレーションになったシャミ子の明日はどっちだ!?

『Aチャンネル』はトオルとるんの出会ったころ編。不愛想でお話してくれないトオルとなんとかしてお話したいるんちゃんは一計を案じて手錠をかける(?)。当然のごとく鍵を家に忘れてくるボケをかまするんちゃん、幼少のころから変わってない。そしてトオルの心臓に悪い突っ込みをしまくるるんちゃん、おそるべし。

 フランスから一時帰国のコウがりんと一緒に暮らしてる(もうお前らくっついちゃえよ)『NEW GAME』(二話掲載の一話)。引っ越し先の部屋を探すが、なかなか二人暮らしの条件にあう部屋がなくて・・・なぜ二人で暮らさなくてはならないのか、それは聞いてはいけない。もうお前らくっついちゃえよ。

『ブレンドS』(アニメ二期まだかな)は苺香ちゃん家で夏帆ちゃんのお泊り会。「まいかほ」か・・・!夏帆がもってきたホラーゲームで本気で怖くなる前にお風呂入りましょう!という実にスムーズな流れで読者サービス(なつかしい表現だ・・・)へ。まいかほ・・・たまらない・・・

 最終回の『はるみねーしょん』は突然出てきたラーマさん一家がきちんとネタ回収、オチに使われていて思わず膝を打った。今まで当たり前のように連載されていたので突然無くなるといわれても理解できないな!大沖先生、連載お疲れ様です!

『ひだまりスケッチ』、文化祭!桃太郎!メイド喫茶!次回は本番です。

 毎度おなじみ(?)偽刺客登場回の『キルミーベイベー』。以前はあぎりさんの偽物だったけど、今回はソーニャちゃんの偽物刺客が?しかし殺し屋はソーニャちゃんの命を狙っているので、本人の偽物は意味がないのでは?

 もう一人の刺客キリングキックパンチャーはデザインが強すぎて爆笑した。カヅホ先生の他の作品『カガクチョップ』でも毎度奇抜なデザインの発明品が出てくるので、そこで培った奇デザイン力が発揮されてますな。そして今回も刺客がバカだったのでソーニャちゃんの圧勝です。

 先月号からの連続ゲスト組、いなたそ先生の『メイド喫茶・エーデルワイスへようこそ!』は女装メイドさんが同僚メイドさんに恋をして・・・というドキドキ☆ビジュアルコミック(笑)。相手が女子好き女子なので、傍目にはカップル成立のはずが、一方が女装だから真実を明かして破綻か、このまま嘘をつき続けるのか、というドキドキ☆サスペンスコミックだったのか・・・
『はるみねーしょん』終了にともない枠がひとつ空いてるので、連載してくれないかな~?連続ゲストの中では絵もきらら向きのカワイイやつなので推していきたい!

 連続ゲストでもうひとつの推しがウミロク先生の『古くて新しい思い出』。女子高生・えまがタイムスリップして過去、まだ女子高生だったころの母親に会いに来る・・・という話なんだけど、二回目でえまが高校生の時点で母親はすでに亡くなっているという展開でそんなんずるいやん、絶対泣くやつやん・・・
 タイムスリップが容易に何度もできる、というオチがよかった。これも連載で読みたいなあ。

『NEW GAME!』二話目はイーグルジャンプで出したゲームがなぜかBL同人即売会で受けてしまう・・・BLだけに・・・
 ひふみん、モロばれワロタ。


 来月は『キルミーベイベー』センターカラーです。


  


Posted by 縛りやトーマス at 10:17Comments(0)アニメ漫画

2019年06月09日

単行本が売れずに終了

 まんがタイムきららキャラットで12年連載していた『はるみねーしょん』がついに完結。作者の大沖先生から発表されました。



大沖 @daioki
5月25日

はるみねーしょん、できれば無限にやりたかったけどやはり巻が進むたびに売り上げ部数は下がるので、8巻で終わりということになりました。最後まで楽しんで頂けたら幸いです


https://twitter.com/daioki/status/1132187801410080768

 単行本が売れなくなったので打ち切りという、正直すぎる告白に涙が出てきました。キャラットでは10巻を超えた漫画『キルミーベイベー』が今も人気連載であることを考えると、相当単行本が売れてるんだろうなあ。
 今まで『けいおん!』のかきふらい先生の知り合いというポジションでしか知らなかった人もこの機会に読んでみては?もう終わりですけども。


\やべぇ/


  


Posted by 縛りやトーマス at 23:55Comments(0)漫画

2019年06月02日

まんがタイムきららキャラット2019年7月号雑感



 まんがタイムきららキャラット2019年7月号雑感。

『NEWGAME!』は新作ゲーム完成の打ち上げ会、コウがフランスから帰ってきて久々の再会。打ち上げの席でキャラデザ担当の紅葉が次の新作でもコンペでキャラデザを勝ち取る宣言するも、すでにキャラデザは青葉ちゃんに決まってて微妙な空気が・・・会場の隅でコウと紅葉のやりとりを聞いて、コウの期待を裏切らないようにと決意を新たにする青葉ちゃん。こういう目的を高く設定したライバル同士が互いを認め合って前へ進んでいくのが『NEW GAME!』の良いところ。日々ダラダラ生きてる自分にはまぶしくて何も見えない。ひふみ先輩はいつも通りです。

 7月からアニメ放送の『まちカドまぞく』は店長が無事復帰。紅ちゃんが魔法少女引退を決意したので天使のジキエルは去ろうとするが、たまたま見つけたシャミ子の妹、良をスカウトしようとするが、変質者と間違われて防犯ブザープッシュ、小倉さんに拉致されてしまうのだった。可哀そうに事件動物として扱われるのか?

『Aチャンネル』今月はユー子回!ぎっくり腰で倒れたユー子。動けないのをいいことにトオルたちによって辱めの数々を受けるのだった。そして来月は水着撮影会だ(嘘)

「単行本の部数が巻を重ねるごとに減ったので」という身もふたもない理由で打ち切り決定となった大沖先生の『はるみねーしょん』はクロ高も真っ青の唐突な最終回へのクライマックス回。歴代ゲストキャラが総出演・・・が、多くが一度きりの登場だったので誰も覚えていない(笑)。どういうことだよ・・・

初登場ゲストH@Lの『ゾンデッドキュート』。ゾンビになった姉妹のほのぼの(?)コメディ。絵のタッチが4コマ風じゃないので面食らった。腐っても4コマ漫画!

『ブレンド・S』はロリババア麻冬さんと見切れ彼氏の話。せっかくのデートなのに女児アニメのコラボグッズ収集しか頭にない麻冬さん、見切れの人不憫すぎやで・・・この二人、イマイチフラグ立たないんだよな~このままでは単にカップル店員たちがじゃれあうメイドカフェになってしまうので彼女の存在は重要ですな。

『キルミーベイベー』(二期まだかな)は久しぶりのサイコ・オカルト回で、やすなのイカれっぷりがいかんなく発揮。ヒト時計のネタはやばすぎるんだが。

pixivでゆゆ式の絵を良く描いてるウミロクのゲスト漫画『古くて新しい思い出』。主人公の女子高生に謎の女子高生が「友達になってください」というありがちな唐突すぎる話。持っている私物がことごとく「ちょっとだけ新しいやつ」で実は25年後の未来からやってきた・・・というああ、すでにオチが読めた気がするんだけどすごく良いお話が想像できてこんな気持ちに。

 次回もあるので期待。

読み切りゲスト、いなたその『メイド喫茶・エーデルワイスへようこそ!』メイド喫茶が舞台のラブコメは珍しくないけど、これは主人公が女装させられてしまうというところがポイントか。女装メイドが同じ店のメイド女子に恋をするが彼女は百合大好きで・・・ということは彼女から百合を迫られてもこっちは男!という、詰んでるやないか!!風邪を引いたかもとおでこをくっつけて熱を測られる萌えキュン展開が素晴らしくて読みながら一回死んだ。読み切りなのが惜しまれるので次回掲載を期待する。

ひだまりとmonoは休載。次号は6月28日発売。



  


Posted by 縛りやトーマス at 15:26Comments(0)漫画

2019年03月06日

ふざけたものほど大真面目にやらなきゃ!『翔んで埼玉』



 伝説の漫画の実写化――とはよく言われるが、『翔んで埼玉』は本当の伝説だろう。100巻越えを達成した『パタリロ!』の魔夜峰央が1982~83年に発表、86年の短編集で発売されたっきり、よっぽどのファンでもなけりゃ覚えてないようなタイトルだったが、2015年に突然、単独の単行本として発売され、テレビの深夜番組などで取り上げられた結果、今回の実写映画化に!


 架空の日本、東京では出身地によって激しい差別が行われ、特に埼玉県民は通行手形がなければ外出することすら許されない!通行手形なき者は強制送還。そんな東京のエリート校にやってきたアメリカ帰りの転入生、麻実麗は実は埼玉県出身で都知事となって通行手形の撤廃を目論む。都知事の息子、壇ノ浦百美はそんな麗に恋心を抱き、エリート都民のステータスを捨てて麗とともに埼玉解放戦線に加わる。都知事の執事、阿久津翔は千葉解放戦線のリーダーで、麗とは違い、都知事に媚びることで千葉出身者の通行手形を撤廃してもらおうとしていた。翔が率いる千葉解放戦線と埼玉解放戦線は決戦の時を迎える。


…というあまりにバカバカしい話なので、どう実写化しても浮いてしまうような気がするのだが、実写版では原作漫画の部分を過去の都市伝説として、それを現代の埼玉人が「昔はこんなひどい差別があったんだ」と振り返るという構成にした。これは上手い。どんなに漫画チックな描写であっても現代人が「そんなバカな!」と突っ込みを入れれることで漫画チックな話が無理なく成立するわけだ。


 現代の埼玉。熊谷に住む菅原愛美(島崎遥香)は結納のため両親(ブラザートム、麻生久美子)とともに東京へ向かっていた。カーラジオからはさいたまんぞうの『なぜか埼玉』が流れていた。延々と続くあぜ道の中でようやく田舎を脱出して東京に住める、という愛美に父の好海は「埼玉だっていいとこだぞ」というが聞く耳もたない。地元ラジオ局のNACK5からはかつてひどい差別を受けていた埼玉を開放した伝説の人物、麻実麗の物語が紹介されていた。

 東京では出身地によってひどい差別が行われ、埼玉県人は通行手形がなければ通ることも許されなかった。通行手形無き者は強制送還。差別に耐える埼玉人たちは救世主の出現を待ち望んでいた。
 上流階級の生徒が通うエリート養成校の白鵬堂学院では都知事の息子にして生徒会長の壇ノ浦百美(二階堂ふみ)によるヒエラルキーが築かれていた。東京都出身の生徒たちは宝塚のような生活を送っていたが、ピラミッドの最下層に存在する埼玉出身の者たちは木と泥でできた小屋で勉強させられていた。

「あいつらはいまでも通行手形がなければ外を歩けないのよ。生まれも育ちも埼玉なんて。おぞましい。ああいやだ!埼玉なんて言ってるだけで口が埼玉になるわ!」

 ひどい言われようだな!体調が悪くなっても埼玉県人は医務室すら使えない。
「医務室は都民専用だ!埼玉県人はそこらへんの草でも食わせておけ!そうすれば治る!」

 そんな学院に港区出身でアメリカ帰りの転入生、麻実麗(Gackt)がやってくる。アメリカ流の洗練された物腰の美青年で、8か国語に精通する麗に学院の生徒たちはうっとりするのだった。

 高校生の役を二階堂ふみにGacktが演じるのがすさまじいギャグなんだが、二人とも現実感のない異次元のような役者なので過剰にデフォルメされた役がハマっている。ただのコスプレを超えた存在感で漫画の実写化を演じる役者として適任だ。

 なぜか麗は差別されている埼玉県人の生徒に優しく手を差し伸べるのであった。そんな麗を嫌う百美は東京23区の空気をつめたグラスで「東京のどの地区かを判別する東京テイスティングで麗に勝負を挑む。最短記録を持つ百美は自信満々であったが芸能人格付けチェックの王者、Gacktにそんな勝負を挑むとは命知らずだぞ!
「かすかに漂うインドカレーの香り…これは西葛西だっ!」
 と全問的中で最速記録を達成するのであった。くやしさのあまり気を失う百美をお嬢様抱っこで連れ去る麗。麗に仄かな恋心を抱いた百美は生まれてはじめてのデートに麗を誘う。遊園地で二人は隠れ埼玉人を逮捕するSAT(埼玉アタックチーム)による埼玉県人狩りを目撃する。麗の屋敷の家政婦・おかよ(益若つばさ)と子供が捕まりそうになっているのを見て助けに入ったことで出身地を疑われた麗はSATによる踏み絵を強制される。それは埼玉県の県鳥、シラコバトが描かれた埼玉県草加市の名産品、草加せんべいであった。

「貴様が都民ならばこれが踏めるはずだ!」

 ちなみに原作では都知事の踏み絵だったが、実写化ではよりデフォルメされた!麗はそれを拒否してSATの手からおかよたちを救う。実は麗は埼玉の大地主、西園寺家の子息で通行手形の撤廃を目論む埼玉解放戦線のリーダーだった。
 正体がバレた以上、ここにはいられないと逃亡する麗に百美はついていこうとするが、所沢へ行こうといわれると「あの所沢!?」と恐れおののくのだった。所沢はメットライフドームもあるのに、ひどい扱われ方w

 そんな話がNACK5で流れている現代パートでは事件が起きる。運転マナーの悪い車のナンバーが千葉ナンバーだったことにブラザートム(マウイ島出身、埼玉熊谷育ち)が「このチバラギがぁ!」とキレたことで助手席の奥さん役、麻生久美子(千葉県出身)が「ハァ?今なんつった?チバラギって、千葉バカにしてんのか?このダサイタマが!!」と突然のブチギレ。それまでは親子のもめ事をまあまあと諫めてたのに。

「海もねえ埼玉がいばってんじゃねえ!千葉にはディズニーランド、船橋ららぽーと、商業施設がいっぱいある!成田国際空港もあるんだよ!」

 という久美子の千葉自慢に対してブラザートムの

「埼玉にはなあ、東京航空交通管制部があるんだよ!飛行機が問題なく飛べてるのは全部埼玉県のおかげなんだよ!」

 といくらなんでも無理がある埼玉自慢。「どうでもいいから早く東京へいってよ!」と島崎遥香の一言に心の底から同意する。本当に、どうでもいい千葉と埼玉の維持の張り合い。

 そのころ都知事(中尾彬)の元では壇ノ浦家の執事、阿久津翔(伊勢谷友介)が百美の連れ戻しを画策する。翔は千葉解放戦線のリーダーで、埼玉県人の誇りを取り戻すべく戦おうとする麗とは違い、都知事にすり寄ることで通行手形の撤廃を企んでいた。翔によって麗と百美は捉えられ、麗は体中の穴という穴にピーナッツ(千葉名産)を入れられる拷問を受けそうになったところを、謎の一団に助けられる。それは埼玉県人でありながら上流階級の都会人のオーラを持った伝説の埼玉県人、埼玉デューク(京本政樹)であった。

 京本政樹もまたGacktに負けず劣らずの異次元オーラを漂わせる役者なので、伝説の人間にピッタリ。この映画、あと及川光博さえ出ていれば完璧だった。

 麗の本当の父親は埼玉デュークであることが判明する。長年の負け犬根性が染みついた埼玉県人たちは「所詮俺たちは田舎者だから」と卑下する彼らにかつての埼玉人は海がないことを羨んで、穴を掘って水を引こうとしたこともある気概があった。埼玉県人の誇りを取り戻そうと彼らを鼓舞し、千葉解放戦線との決戦に挑む。
 人数では劣る千葉側は大漁旗に千葉県出身のミュージシャン、YOSHIKIの肖像が掲げて有名人対決を挑む。

「あ、あれは世界的ロックミュージシャン、XJAPANのYOSHIKI!」
「うろたえるな、埼玉にだってロックミュージシャンはいる!」

 とアルフィー高見沢俊彦の大漁旗を掲げる。

「あれは日本のライブ回数No.1を誇るアルフィー高見沢!」

 このギャグのポイントはアルフィーには秩父市出身の桜井賢もいるのにスルーしてるところだね!無視すんなよ!

 この後、桐谷美玲・真木よう子VS反町隆史・竹野内豊の俳優対決を経て追い詰められた千葉側は「小島よしお・小倉優子」を送り出してくるんだけど、「小物過ぎる!」と一喝されちゃうの、小島と小倉に失礼だろ!


 …とバカげた対決をしている頃、百美は都知事が不正で蓄えた金塊の隠し場所が群馬にあると知り、未開の土地と呼ばれている群馬に足を踏み入れていた。埼玉、千葉、茨城のディスりが激しい本作だが、もっともボロクソに扱われているのが群馬で、プテラノドンが飛び、ビッグフットの足跡がある人外秘境。群馬県をなんだと思ってるんだ!


 本当にバカバカしい物語は想像を絶するクライマックスに突入していくのだが、もう、どうしようもなくバカバカしいというしかない。こんなバカバカしい話を大真面目にやったスタッフ、役者陣は最高の仕事をしましたね。ふざけたことは真面目にやらなきゃ面白くないのだから。真面目でなけりゃGacktと伊勢谷友介の濃厚なキスシーンなんかできるわけないわな。多くの漫画実写映画が漫画ならではのふざけた部分を真面目に再現しようとせずに「漫画だから」と鼻で笑いながらやったがために大失敗していますが、今後すべての漫画実写映画は『翔んで埼玉』を基準に制作すべき。

 埼玉という絶妙な「弄っても笑いになる」立ち位置なのが『翔んで埼玉』の笑いのツボですね。これ、他の地方では絶対にない、埼玉でしか成立しない笑いで、他じゃあ本気の争いになってしまう。それを象徴するように埼玉では異例の大ヒットで、普通映画の興行収入で地方ごとのトップは大体東京都の映画館なのに、『翔んで埼玉』だけは地元MOVIXさいたまがトップを記録してるぐらいだから。さいたまは懐が深い。



  


Posted by 縛りやトーマス at 01:32Comments(2)漫画

2019年02月26日

翔んでスタート!埼玉県の動員がスゴイ

 魔夜峰央の埼玉ディスり漫画の実写映画『翔んで埼玉』が異例の大ヒットを飛ばしているぞ。




『翔んで埼玉』1位スタート!埼玉県で驚異的な数字記録
https://www.cinematoday.jp/news/N0107071

>土日2日間(2月23日~2月24日)の全国映画動員ランキングが興行通信社より発表され、GACKTと二階堂ふみがダブル主演を務めた映画『翔んで埼玉』が1位を獲得した。初日22日からの3日間で興行収入は3億3,094万9,400円、観客動員は24万7,968人に達している。

>都道府県別興収シェアで埼玉県は、東京をおさえて全国1位に。同県内における興収で、2000年以降に公開された東映配給の実写映画でこれまでの記録を保持していた2005年公開の『男たちの大和/YAMATO』(最終興収:50.9億円)の公開3日間対比414.35%という驚異的な数字をたたき出した。


 確かに面白い映画なのだが、この漫画丸出しのデフォルメされた世界観がどれだけ受けるのか?この面白さが観客に伝わるのか?という不安があったのだけど、蓋を開ければ3億越えのスタートだ。この数字は2019年公開の実写映画で国内No.4の成績。


〇マスカレード・ホテル 動員61万人 興収約8億円
〇七つの会議 動員35万1000人 興収4億3400万円
〇十二人の死にたい子供たち 動員26万3398人 興収3億3921万8900円
〇翔んで埼玉 動員24万7968人 興収3億3094万9400円
〇雪の華 動員23万0012人 興収2億8475万2200円
〇フォルトゥナの瞳 動員19万人 興収2億5000万円
※いずれも公開三日間の成績


 6作品のうち『マスカレード~』『七つの~』『フォルトゥナ~』は東宝映画、『雪の華』『十二人の~』はワーナー配給。『翔んで埼玉』だけが東映映画。東映でヒットする実写は仮面ライダーとスーパー戦隊シリーズだけ(あと吉永小百合映画)、といわれている中でのこの大ヒットは例年にない勢い。特に舞台となった埼玉県で動員を稼いでおり、普通興収で各劇場のトップは当然ながら東京都なのだけど、この映画だけは全国トップがMOVIXさいたま!なんでひらがな?漢字が読めないのかな?(はなわの『埼玉県のうた』より)
 東映の公開作品でも2005年の『男たちの大和/YAMATO』以来14年ぶりのヒットという、東映さん、どれだけ当ててないんですか!!

 これから話題作が集中する三月の興行大戦をどれだけ乗り切るのかも楽しみです。あと、映画で埼玉以上にディスられてる栃木県(劇中でプテラノドンが飛んでたり、ビッグフットの足跡がある人外秘境として描かれている)の動員はどれぐらいなのか、気になります。


  


Posted by 縛りやトーマス at 10:36Comments(0)漫画映画興収関連

2019年02月12日

80年代の失われた風景が今『劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>



 シティーハンターが連載していた80年代は僕がジャンプ読者だったど真ん中の時代であり、僕にのってのジャンプは『キャプテン翼』『キン肉マン』『ドラゴンボール』『聖闘士星矢』『シティーハンター』であった(あとは巻来功士と黒岩よしひろ)。90年に公開された二本立て以来となる29年ぶりのシティーハンター映画。テレビスペシャルも99年以来なので新作アニメ自体が20年ぶり。「なぜ今シティーハンター?」などと野暮なことは聞かなくてもよろしい。いいものはいつ観てもいいのだ。

 しかし20ン年ぶりといわれると気になるところはふたつある。シティーハンターといえば新宿駅の掲示板に「XYZ」と書き込むとそれがシティーハンターへの依頼になるわけだが、とっくの昔の掲示板など無くなっている。今回は駅の掲示板のあった場所でスマホを起動させるとAR掲示板が出てくるのだ。
 もう一つは主人公、冴羽獠の「もっこり」である。美女の依頼は必ず遂行するが、美女と見れば見境なくナンパする男。もっこりを見せつけたまま美女を駅のホームで追いかけまわし、電車のドアにもっこりが挟まったまま山手線を一周させられる話は傑作なんだけど、現在の表現ではギリギリアウトといったところかもしれない。厳しい時代になったもんだ。

 しかし復活した今回の映画でも、もっこりネタは健在だった。美女のお尻を触ろうとし、シャワーを覗こうとし、更衣室を覗こうとピンク色に染めたドローン、その名もエローンを飛ばす。もっこり魂は2010年代にバージョンアップされていた。これがなきゃシティーハンターじゃない!!


 さらにシティーハンターのテレビアニメで思いだすのは作品を盛り上げた楽曲群だ。当時テレビアニメを見ていた視聴者の度肝を抜いたのは劇中のラストからフェードインする形でシンセサイザーのイントロが流れ、ドラムが鳴り響いて最高潮のリズムに達したときにEDに突入するTM NETWORKの『Get Wild』!劇中フェードインして流れだすEDテーマなんて前代未聞だった。この曲とともにTMはヒットチャートを駆け抜けた。1~3とシリーズを重ねる中で小比類巻かほる、大沢誉志幸、PSY・S、岡村靖幸、FENCE OF DEFENSEといったEPICソニー(CBSソニー)系アーティストの主題歌、挿入歌も話題になった。80年代はソニー系アーティストの時代だった。
 今回の映画では『Get Wild』が当時のバージョンで使用される、と宣伝されていたが、蓋を開ければアニメ1~3までの主題歌はほぼ全部使われていた。定番挿入歌の『MR.PRIVATE EYE』『FOOTSTEPS』まで使う大盤振る舞い。当時の視聴者は懐かしさが胸にこみ上げてくるだろう。

 声優陣もレギュラー陣は全員当時のメンバーが再結集。72歳の神谷明さんをはじめ、60代に達したベテラン勢が欠けずに全員集合したのは凄いこと。教授とかずえさんという映画でちょっとしか出ないキャラクターまで当時の声優だった茶風林さんと山本百合子さんをキャストしていたのでこのこだわりたるや!当時はモブの声が多かった山寺宏一さんが重要なキャラクターの声を当てたりしているのもグッとしますね。


 このように当時のファンが懐かしさに浸るための復活なので、シティーハンターファン、あなたのための映画ですよ!2のED、『STILL LOVE HER (失われた風景)』に合わせて現在の新宿の風景が流れてゆく場面…本作最高のエモーショナルなシーン。失われた風景は今も僕らの胸の中で生きている。



  


Posted by 縛りやトーマス at 00:12Comments(0)アニメ漫画音楽

2019年02月06日

青春学園ゾンビものの新機軸だ!『映画がっこうぐらし!』



 深夜アニメを席捲しているジャンル「日常モノ」の王道をなぞった展開で始まる漫画『がっこうぐらし!』は「学園生活部」という学校の中だけで24時間生活をする(帰宅しないので学校の外に出ない)部に所属する女子高生の話だ。学校には独立した太陽光発電、浄水施設、物資倉庫、屋上の菜園などが存在しており、学校内で生活ができるようになっている。
 女子高生と担任の女教師が学校内で延々とキャッキャウフフする日常生活を心行くまで楽しもうとする読者は、突然冷や水をかけられる。学校の外にはゾンビがうようよしていて、彼女らは校内に自ら築いたバリケードの内側に閉じこもって外界からの助けを待っている。学校から出ないのではなく、出られないのだ。ほのぼの日常モノと思わせておいて、ゾンビアポカリプスモノだった!という出だしにビッグなサプライズが仕掛けられている。

 原作漫画、アニメともにこの出だしのサプライズは徹底して隠されていて、特にアニメではまさかそんな展開になると思わなかった視聴者を混乱に陥れた。なので多くの原作ファンが実写映画版にも同様のサプライズを仕掛けてほしいと願ったのだが、映画では当初からゾンビものというのを明かしたうえで宣伝されていた。深夜のアニメ放送ではともかく、映画館ではこのサプライズが仕掛けにくかったのかな?


予告編

 ただでさえ実写化には厳しいアニメファンにこういう変更点は批判されがちで当初は実写化への期待値が著しく低かったのですが、出来上がった作品は予想を軽く上回る傑作でした。
 原作の第一部、高校編をベースに崩壊した学校から脱出(卒業)するまでの物語を一部原作からの変更点があるものの、上手くまとめ上げた。このパンデミックの背景にある大企業が関わっていること、その企業がつくった「職員用緊急避難マニュアル」などの存在は実写化では削除され、徐々に拡大していく原作世界の壮大なスケール観はミニマム化したが、それが却って成功した原因だろう。世界観は広げれば広げるほどスケール観が出ると思い込んでる人が多いけど、むしろ実写の世界観は縮めた方がよいのだ
 変更部分がかなりあるが、原作世界のスケール観がほとんど失われていないのがすごい。ゾンビたちとの対決、サバイバルなどはアニメ版も顔負けの激しさだ。変に続編を匂わせないでこの一作のみで完結させている作りなのも好感。学校からの脱出を「卒業」、そこからの大学編を「進学」、最終章の会社編も「入社」とする、一連のサバイバル生活を人間が学生生活を経て社会に出ていくまで、誰しもが経験する通過儀礼としている原作の魅力をきちんと描写したことが実写版最大の成功だと思う。

 主人公たちを演じたラストアイドルのメンバーも演技力はともかく、過ぎ去っていく日々を惜しむように精いっぱい生きていく様を全力で演じていて、彼女たちの今しかできない表現だろう。めぐねえ(おのののか)とのラストシーンは号泣必至。

 原作付き作品は原作と同じようにしないと、とかく文句をいわれがちだけど変更したって原作の魅力が奈辺にあるかをわかっていれば大丈夫。変更点で面白かったのは学園が崩壊する理由。映画ではゾンビと化した生徒がカセットコンロから漏れたガスにチャッカマンで火をつけたために爆発が起きる、という少々不可解な理由になっているのですが、劇中「ゾンビは生前の記憶に従って行動する」説明がある。そうだ、冒頭で主人公の由紀が保健室のベッドで漫画『ゆるキャン』を読んでいた。この学校にも『ゆるキャン』に出てくる野外活動サークル(野クル)のような部活があるのだろう。火をつけたのは野クル部員だった!そんなところに伏線を張っていたとは…!

  


Posted by 縛りやトーマス at 01:36Comments(0)漫画アイドル映画