2018年08月30日

『カメラを止めるな!』の本当の元ネタ?忘れ去られたアニメ『超変身コス∞プレイヤー』


 興行成績15億を突破し、20億円が見えている映画『カメラを止めるな!』FLASHが煽ったパクリ騒動もなんのその、夏映画の話題を掻っ攫っています。
 さてそのパクリ騒動の最中、月一で一緒にトーク・イベントをやっている友人Aことアシスタント・トモにこの作品を勧めたところ、「これって『超変身コス∞プレイヤー』に似てますよね?」と言い出すので何のことかさっぱりわからなかった。トモによると2004年にサンテレビで放送していた15分アニメ枠の『A15』で放送していたシリーズだという。14年前!元大学で自主制作映画を撮っていたトモは「撮影本編と劇中劇の舞台裏を描く二重構成の物語がカメ止めと酷似している」と指摘。「むしろ舞台GHOST IN THE BOX!よりもこちらがパクリかも知れない」とまでいうので見てました。以下解説。

 『A15』はポニーキャニオンのアニメレーベルm.o.eの15分アニメ枠の総称で、その中の『変身3部作』と呼ばれているうちの第一部にあたるのが『超変身コス∞プレイヤー』だ。


 コスプレ好きの女子高生である星野古都は、偶然邪神を復活させてしまい、その結果世界は魔物の徘徊する危機的状況に陥ってしまう。この状況を打破するため、彼女はコス∞プレイヤー(コスモポリタン・プレイヤー)と呼ばれる祈祷師の一人であるミコレイヤーとなり、仲間のコス∞プレイヤー達とともに敵と戦うことになる。
 古都はミコレイヤーとして仲間たちと戦い続けるが、強敵・黒祈士の正体が自分が邪神を蘇らせたために異世界に取り込まれ犠牲となったクルスであったことが発覚。クルスの帰還を他のコス∞プレイヤーが喜ぶ中、「本当は彼が黒幕ではないのか?」と疑いはじめ、仲間たちと袂を分かつことに。クルスはコス∞プレイヤーたちを目覚めさせるために彼女たちを無理やりトラウマに向き合わせたり、クルスに愛情を抱くスカーレット/シスタレイヤーをSM責めにしたりする。真相は古都を見守り導いていたタキツヒメこそが黒幕だったのだが最終的にコス∞プレイヤーたちの奮戦によって世界は救われる…という話が全8話に渡って展開されるが、前後のつながりが支離滅裂で破綻しているのだ。あとはコス∞プレイヤーたちが戦闘中に不必要としか思えないパンチラ、エロ描写を山ほど見せられるという出来の悪い(ただし作画レベルは高い)映像を見せられ何が何だかわからないまま完結。
 すると翌週からは『ヒットをねらえ!』という第二部にあたる作品が何の説明もなくスタート!


 生田美月は映像制作会社・宝竹の新人で、子供の頃に見た刑事ドラマに憧れて入社、ついにプロデューサーとしての仕事を任されることになるが、それは刑事ドラマではなく子供向け特撮番組の『超変身コス∞プレイヤー』であった…実は8話かけて放送されたものは同名のテレビ番組だった!ということが明かされる。生田はプロデューサーとして度重なる脚本制作のトラブル、上層部のワガママ、芸能事務所の方針に振り回されながらもなんとか番組を完成させようと奮闘。その様子をコメディタッチで描くという、おお、まるで『カメラを止めるな!』ではないか!
 劇中劇のアイデア自体はこれがオリジナルではないですが、似たようなことを14年も前にやっている人たちがいた!しかも深夜アニメの世界で!この二部では一部の『超変身コス∞プレイヤー』の展開が支離滅裂なのはダイジェスト版だったからということも明かされるし伏線の回収も行われる。『ヒットをねらえ!』はトラブルにもめげず作品を完成させようとする生田の姿に思わずほろりとしてしまい、特撮番組制作の舞台裏を知っている人には思わず頷ける場面も多い。登場人物の名前がいのくままさお(仮面ライダーシリーズで有名なベテランカメラマン)のパロディのかのうたつおとか、大物脚本家の名前が高原進三というどう見ても上原正三のパロディで特撮ファンはニヤリ。『ヒットをねらえ!』はカメ止めのように産みの辛さがきちんと描かれ泣き笑いもあり大変面白く、本作だけソフトを買ったという意見も聞く。しかし、このシリーズは『変身3部作』である。さらに第3部にあたる『LOVE♥LOVE?』がスタートするが、これが大変な問題作なのだ。


 タレントを目指す高校生の大泉直人はオーディションに落ち続けるが、ひょんなことから特撮番組『超変身コス∞プレイヤー』の脚本とメイキングビデオのカメラマンを任されることに。プロデューサー生田により大泉は『超変身コス∞プレイヤー』の原作者であり脚本家であることを隠してカメラを回す。メインヒロインである星野古都/ミコレイヤーを演じる八神菜摘は大泉のクラスメイトで彼女に好意を寄せる大泉はつい彼女を中心に撮影してしまう。ところがある日をきっかけに他の出演者の女性たちから大泉は熱烈なアプローチを受けることになる。八神一筋と決めている大泉は懸命に抗うのだが、童貞野郎・大泉を襲うラッキースケベの罠は如何ともしがたい!その裏では度重なる脚本の変更を生田に要求され、「あのチビッコがぁー!」と部屋でひとり悪態をつく日々を送る大泉の精神は崩壊寸前に。そんな中、演技の悩みを抱える八神の相談を受けた大泉は気が付けばラブホテルに二人きりに!

 当時の深夜アニメ王道のエロ・ラブコメ描写も極まれりといったところで物語は驚愕の展開に!なんと大泉が原作者であり脚本家であることは八神たち女性出演者全員が知っていて、彼女たちは自分たちの出番を少しでも増やしてもらおうと打算で大泉に迫っていただけだったことが発覚!
 真相を知った大泉は自分を馬鹿にしていた彼女たちに脚本上で復讐しようとする(!)ストーリー上不必要なSM責めに遭わせて
「純粋な俺の気持ちを踏みにじりやがって…!謝罪しろぉ!」
 と妄想を募らせる。そんな脚本、プロデューサーチェックの段階で引っかからない?と思うが、『ヒットをねらえ!』ではこの時期仕事がうまくいきすぎている生田がそんなことが起きてるとはつゆ知らず、大泉を信じて脚本をノーチェックで通していたことが描かれていたのだ!(まさかこんなところに伏線が)なのであとからこのシーンって必要なの?とぼやく生田に「脚本通したのは生田さんですよね!?」と強気に出る大泉!この後まあ色々あって(とても書けない)番組は打ち切りになってしまうのだった。


「二重構成で本編&劇中劇の舞台裏を描く」という『カメラを止めるな!』のスタイルを14年前に完成されているのがスゴイ。こちらは二重どころか三重だもの。
 しかしこの『変身3部作』が『カメラを止めるな!』同様の熱い支持を受けて今も語り継がれる作品なのかというと疑問。僕も全然知らなかったし(この枠でやってた『鋼鉄天使くるみ』は見てたのに)、このカメ止め騒動で類似点を指摘しているような意見もほとんど聞かない。
 でもその理由もわかる気がする。3部作のうち面白いのは二部の『ヒットをねらえ!』だけで『超変身コス∞プレイヤー』はイマイチな出来の萌えアニメで、『LOVE♥LOVE?』は人間のドロドロした部分を描きすぎで、視聴者が応援できる部分がほとんどない。『カメラを止めるな!』はその辺が本当に上手くできていて、あの出演者たちを観客全員が応援したくなるようになっているが、『変身3部作』にそれが感じられるのは『ヒットをねらえ!』だけで『LOVE♥LOVE?』であんなスキャンダルを起こしている連中を安易に許すような展開に納得できない。はっきりいって『ヒットをねらえ!』までで終わっておけば傑作として語り継がれたかもしれない。
 深夜の萌えアニメにこんなこというのは野暮だけどパンチラもエロも必要以上に多すぎ物語のテンポを削ぐ勢いで入り込むので(ただでさえ15分アニメなのに!)まったく萌えられない。
 本シリーズの脚本を書いた荒川稔久さんはスーパー戦隊シリーズでおなじみの人でアイドル好き、萌えアニメでも定評のある人なのになぜこんなことに。『LOVE♥LOVE?』ではヒロインの八神が大泉に「この人の脚本を読んで、ヒーローものが好きなんだなあってことがすごく伝わってきたんだ」っていうけど『超変身コス∞プレイヤー』を観る限り、そういうの全然伝わってこないよ…

 しかし、影響された人たちはいたようで二年後の2006年に同じサンテレビで放送されたアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』は本編の劇中劇『朝比奈ミクルの冒険 Episode00』から第一話がスタートして後にその舞台裏が明かされるのだ!まったくの偶然だろうが、類似性や影響力を考えずにいられない。

 こういうのを見てみると『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督が同じようなテーマでも観客が応援したくなるような物語にして、カタルシスを与えるのが上手かったのかがわかるね。
 上田監督、次回作は『超変身コス∞プレイヤー』と『ヒットをねらえ!』の実写リメイクやってくれないかな?絶対アニメより面白くなるよ。『LOVE♥LOVE?』はやらなくていい。

※変身3部作は別に封印作品でもなんでもないので、DVDやBDもしくはバンダイチャンネル、U-NEXTなどの配信サービスでも観られます

  


Posted by 縛りやトーマス at 02:45Comments(6)アニメ特撮・ヒーロー

2018年08月21日

ジオウ回撮影?

 本日8月20日に半田健人、村上幸平、ISSAの三人が立て続けにある仕事についてツイート。


半田健人【公式】
‏@handakento

本日、撮影最終日。

暑かったですがいいモノが撮れた実感!

近くご報告できるかと思います。
10:49 - 2018年8月20日

https://twitter.com/handakento/status/1031357545749786624


ISSA from DP
‏@ISSA_from_DP

先日とあるレコーディングしました
平成最後の夏にこんな嬉しい事はない
8月30日午前7時のWEB解禁までしばらくお待ち下さい
13:19 - 2018年8月20日

https://twitter.com/ISSA_from_DP/status/1031395357467402240


村上幸平
‏@kohei__murakami

映像作品、本日クランクアップいたしました!
いや~、暑い熱い夏だった!!
お疲れ様でした!!
情報解禁をお待ちください!!
15:43 - 2018年8月20日

https://twitter.com/kohei__murakami/status/1031431495481577472


 これは9月から放送が始まる平成仮面ライダー20周年記念作品『仮面ライダージオウ』の撮影だったのではないか?と言われている模様。『仮面ライダージオウ』は平成ライダー全部の力を使える主人公が登場し、過去作の登場人物も本人が登場すると言われているので『仮面ライダーファイズ』登場回の撮影!?ISSAも主題歌の新録か!?
 これが本当だったらジオウはディケイドみたいなことにならずに役者本人がなるべく出演するということかな。本放送に期待が高まる。



  


Posted by 縛りやトーマス at 00:05Comments(0)特撮・ヒーローテレビ

2018年08月02日

アミィ引退

 獣電戦隊キョウリュウジャーのキョウリュウピンクとして活躍した今野鮎莉さんが芸能界引退を発表。

2018-08-01 13:45:33
ありがとうございました。

https://ameblo.jp/ayuri-konno/entry-12394835594.html
今野鮎莉に関しまして
http://www.toyotaoffice.jp/180731-2/

 自分のやりたいことが見つかったとのことで、非常に前向きな芸能界引退なのでほっとしますね。この業界ろくでもない理由で去る人が多いものなあ。
 残念ながら2023年の『獣電戦隊キョウリュウジャー10 YEARS AFTER』に6人そろうことはなくなってしまいましたが…先に100 YEARS AFTERやってるからいいかな…
 今野さんの第二の人生を応援したいと思います。


惜しまれるこのアクション

  


Posted by 縛りやトーマス at 20:38Comments(0)特撮・ヒーロー

2018年07月06日

倒錯趣味があってもいいじゃないか『ワンダー・ウーマンとマーストン教授の秘密』



 アメコミ『ワンダーウーマン』の起源に迫る『ワンダー・ウーマンとマーストン教授の秘密』を観た。日本では劇場公開されずDVDスルーになった作品だ。2017年公開の実写映画は全世界で異例のヒットを飛ばしたがその作品は如何にして誕生したか?

 舞台は1928年。ハーバード大で心理学の教授をしていたウィリアム・モールトン・マーストン(ルーク・エヴァンス)と妻のエリザベス(レベッカ・ホール)は嘘発見器の原型の開発にも着手していたがウィリアムよりも優秀なエリザベスは「自分には女性器がついているから博士号が取れない」と不満の日々。
 ウィリアムは新入生のオリーブ・バーン(『高慢と偏見とゾンビ』のジェーン役で知られるベラ・ヒースコート)の美しさ故に周囲から浮いている様子に惹かれ、助手に雇う。オリーブの母エセル・バーンは産児制限のハンストを起こして倒れるぐらいのフェミニスト活動家で、幼い頃は修道院に預けられていた。
 3人は研究者と助手という関係を続け、嘘発見器の完成にまで至るが、ウィリアムとオリーブの関係に嫉妬したエリザベスによって引き離される。が、オリーブが本当に想っていたのはエリザベスの方だった。彼女は同性愛者だということに苦しむけれど、ウィリアムは「だったら3人で暮らせばいいじゃないか!3Pしよう!」と堂々言い放つ(笑)。画してオリーブは他の男との婚約を解消し、マーストン夫妻とポリアモリー(三人婚)の関係に至る。ポリアモリーは男性側からの一方的な関係を迫られがちな一夫多妻制とは違い、複数人が完全な同意の元に行われる関係だが、3人の関係は当然ながら周囲の理解をまったく得られず、大学に関係が発覚するやウィリアムは解雇されてしまう。
 オリーブの妊娠もあり、3人は引っ越した上同居するが周囲にはその関係がバレないようにしていた。ウィリアムとオリーブは作家として、エリザベスはウィリアムの秘書として家計を支えることに。


 ・・・これのどこが『ワンダーウーマン』誕生につながるの?とモヤモヤするが、直後に話は急展開する。ウィリアムは偶然立ち寄ったボンデージ趣味の衣装屋でフェティッシュアートの数々を見せられる。これは自分が長年研究してきたDISC理論(DOMINANCE=支配、INDUCEMENT=誘因、SUBMISSON=服従、COMPLIANCE=承諾 四つの交互作用で人間関係は築かれるとする理論)そのものだ!

「最大の幸福は愛するものに服従すること」
「大事なのは喜んで従うことだ。自らの意思で」
「人に強いられて望まぬことをするとただの承諾になってしまう。人は承諾すると、不満と抑圧を感じるものだ」
「恨みも生まれる。極端になると犯罪や戦争、ファシズムを生む」
「承諾を避ける方法は誘因だ。考え方を変えさせる」
「完全に支配するんだ。相手は望み通りに動く。自ら喜んで。誘因こそが愛や平和をもたらす」

 衣装屋で公開SMショー(にしか見えない)を見せられたエリザベスは嫌悪感を露わにするが、ワンダーウーマンそのまんまのコスチュームを着たオリーブに見とれて”真実の縄”をオリーブに這わせる。ウィリアムはギリシア神話に登場する女性だけの部族、アマゾーンを元にした漫画原作『スプリ―マ・ザ・ワンダーウーマン』を考案し、出版社に持ち込んでコミック化に成功する。
 真実の縄は3人が完成させた嘘発見器に基づくアイデアだし、インビジブル・ジェットはウィリアムが子供たちと遊ぶためにもっていた透明飛行機からのインスパイアだ。
 ワンダーウーマンは毎回敵から拘束されたり、縛られて鞭打たれるが“承諾”の楔を断ち切って女性の自由のために立ち上がる!そしてワンダーウーマンの誘因によって世界は愛と平和で満たされるという…
 コミックだけでは伝わらない背景があるとわかって目から鱗が落ちる思いだ。しかも倒錯的な趣味嗜好があるとわかったのも衝撃だ。そんな趣味の人でも最も有名な女性ヒーローの漫画を作れるのだから、まったく趣味嗜好だけで人を変態扱いするのは止めてほしいものだ。僕だってあんなに強くてカッコイイ女性がいるなら服従させてもらう。こちらからお願いしたい。完全に支配するんだ。相手は望み通りに動く。自ら喜んで!



  


Posted by 縛りやトーマス at 12:55Comments(0)特撮・ヒーローレンタル映画館

2018年07月04日

メレ様が実質主役『宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッド』



 メタルヒーローシリーズとスーパー戦隊シリーズのクロスオーバー作品第3弾。今回は『宇宙戦隊キュウレンジャー』とのコラボ。テレビシリーズから数年後。新たに開発されたネオキュータマが12の犯罪組織を配下に収める幻魔空界によって奪われる。襲撃者がカメレオングリーン・ハミィ(大久保桜子)だったことから現在宇宙連邦大統領(物凄い立場だ)の鳳ツルギ(南圭介)は全宇宙にハミィの指名手配を宣言。「仲間を信じないのか」とツルギの態度に激昂した獅子レッド・ラッキー(岐洲匠)と彼に同意するオウシブラック・チャンプ(CV:大塚明夫)らと袂を分かつ。かつての仲間を信じたいが、信じきれないワシピンク・ラプター283(CV:M・A・O)らと心ならずも対立することになるキュウレンジャー。一方、幻魔空界の手先、宇宙忍デモスト(CV:日野聡)は手に入れたネオキュータマで腑破十臓(唐橋充)、エスケイプ(水崎綾女)といったスーパーヴィランたちを蘇らせ下僕としていたが、メレ(平田裕香)だけは「なぜ生き返らせた」とデモストに反目し、ハミィの裏切りにも理由があるのではと考える。


 当初はかつてのキャラクターの再利用を目的とした安易な公式による二次創作と思っていたこのシリーズも回を重ねるごとにこなれていき、独自性が出てきて新たな魅力が生まれてきた。石垣佑磨演じる宇宙刑事ギャバンtype-Gをシリーズを通した主役にし、その時々に応じて共演する戦隊やキャラクターを絡めていくわけだが、今回はギャバンが本拠で同時に展開する事件の指示を出しながら、烏丸舟・宇宙刑事シャイダー(岩永洋昭)の方をギャバンの代わりに現地に赴かせ、軽いノリのシャイダーが事件の裏に隠された真相を起用に探り当てる、という展開だ。ギャバンが安楽椅子探偵的なポジションになっているわけ。

 かつての仲間たちがすれ違いから敵となり争う、というのはアクション監督を担当した坂本浩一の定番だが、さらに悪役側のヴィランたちも一枚岩ではなく、誰も彼も人のいいなりになるより己の生き様を真っ当したいタイプのキャラクターなので単に悪役のひとりとして蘇らされたわけではない、というのが旧作ファンの心をガッチリ掴んでます。中でもメレ様は実質主役の扱いで、理央様の愛のために生き、理央様の愛のために戦うラブウォリアーとしての生き様を真っ当したまま死んでゆく!他のヴィランもキュウレンジャーやギャバンたちに敗北するのではなく、役目を終えて消えてゆく、という心憎い演出。旧作のファンからすると単にやられ役として出てきて、あっさり新作のキャラにやられるのではいつも納得がいかなかったので、満足。悪役側の話がよすぎるのでキュウレンジャー側がどうでもよくなるレベルだ。

 ラストには今後の展開を予想させるキャラクターも登場し、僕の青春時代ど真ん中のシリーズがついにやってくるのかと感慨深い。本部長も復活してくれ!

  


Posted by 縛りやトーマス at 22:44Comments(0)特撮・ヒーロー

2018年06月26日

俺ちゃんに差別はない!『デッドプール2』



 奴が帰ってきた!R指定のスーパーヒーロー映画として爆発的なヒットを飛ばした前作より2年、不死身の男がスクリーンに帰ってくる!『デッドプール2』は人体実験で不死身の力を得た元傭兵の殺し屋、ウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)が前作から引き続き世界を股にかけてマフィアどもを皆殺しにしていたが、ある日報復として自宅を襲われ、最愛の恋人ヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)を失ってしまうという衝撃のオープニングで幕を開ける。ちなみにタイトルロールにも「どういうこと?」「彼女死んじゃったの?」と出てくる(笑)。


 ヴァネッサを失ったショックで酒浸り、コカイン漬けの日々を送るデッドプール。彼女の後を追って死のうとするも不死身だからできない!五体バラバラになった彼をコロッサス(ステファン・カピチッチ)がX-MENに迎えにやってくる。彼女のためにも正義のヒーローになってやり直せというコロッサスの勧 誘に「もっと有名なX-MENを出せ」(この映画は低予算なのでコロッサスとかネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッドとか地味目なメンバーしかでてこない、という内輪ネタ)と愚痴りながらも加入。「絶対に人殺しはするな」と固く言いつけられたデッドプール。だが14歳のミュータント少年、ラッセル(ジュリアン・デニソン)が暴れている現場で彼が施設で虐待を受けていることを知ると施設職員らを銃殺。殺すなっていったのに!あわれデッドプールとラッセルは拘束されてしまう。ミュータント専用施設に入れられた二人の前に未来から来たサイボーグ戦士、ケーブル(ジョシュ・ブローリン)が現れ、ラッセルを殺そうとする。ラッセルは人間を恨み、殺戮する凶悪なミュータントとなりやがてケーブルの家族を殺すというのだ。ケーブルはラッセルの犯行を止めるためタイムマシンでやってきたのだ。ラッセルを救うためにデッドプールは新チーム『Xフォース』を結成する。


 本作はR指定なので人がバラバラになったり、首がすっ飛んだりするシーンが平気で出てくる。前作でも「明るく正しいヒーロー映画だと思った?早く映画館を出た方がいいぞ!」と観客に向けて話しかけてきたり、ドラッグ、セッ クスに関するきわどい描写が遠慮せずに出てくる。デッドプールは不死身で身体を真っ二つにされてもそこからまた生えてくる。ある場面では下半身がゆっくり生えてくる、フリチン状態の時にケーブルと会話してるデッドプールが足を組み替える。すると股間がモロ見えになるんだけど「なんで足を組み替えた?」「『氷の微笑』のパロディだよ」(『氷の微笑』でシャロン・ストーンが足を組み替えてノーパンの股間が一瞬見える、という有名なシーンの再現)…

 Xフォースにリクルートされたメンバーはたいしてロクな活躍をしないまま一人を残して全滅(笑)。そのうちのひとり、バニッシャーという「透明になる男」が出てくる。透明でセリフもないけど誰もいないところに「いる」。パラシュートで飛び降りた時(パラシュートだけが落下してくる)、高圧電流に触れて即死。感電の瞬間2秒だけ姿が見えて演じてるのがブラッド・ピットだとわかるというどうでもいいギャグに大物を起用。ちなみにブラピはコーヒー一杯でこの仕事を受けたそうです(これも、ブラピはいつもコカイン入りのコーヒーを飲んでいるという話にちなんだ強烈なジョークだと思う)。

 デブ少年のミュータントが出てきたり(デブのヒーローって見たことある?)、ネガソニックちゃんは女性だけど日本人女性のユキオ(忽那汐里がキュートに演じている)が恋人だし、デッドプールは盲目の婆さんと暮らし、インド人のタクシー運転手ドーピンダーを雇って彼が運転中にカーステレオでかけるインド音楽を「そんなわけのわかんねえ音楽かけるな」というケーブルを「差別すんじゃねえ!」と怒り爆発。ブラックトムという名のミュータントをケーブルが殺すと「お前は黒人差別か!」と言い放つ。アフロヘアの黒人女性ドミノ(ザジー・ビーツ)に「ブラック・ブラックウィドウだな」とアベンジャーズシリーズのブラック・ウィドウをその名前なのに白人女性じゃねえか!というネタをかましたり、X-MENというチーム名は「女性差別だ」といって新チーム名をXフォースにしたり…とにかく全方面に関して忌憚のない表現がこれでもかと繰り出される。こういうのはパンセクシュアリティ、全性愛といって性別を乗り越えてあらゆる人を愛する、というものでバイセクシュアル(両性愛)も越えている!デッドプールに差別はない!
 性差別も恩讐も血縁も乗り越えて、みんなで家族になろうという、『万引き家族』と同じテーマ。それをさらに越えている!スゴイ映画だ。
 なにしろ忽那汐里が日本人女性の役としてハリウッド映画に出演してるというのもすごい。今までのハリウッド映画じゃこういう役は日系アメリカ人や韓国人女優がやってたのだから。デッドプールは世界を変える…のか!?ラストの凄まじい自虐ネタもお楽しみに!


  


Posted by 縛りやトーマス at 02:10Comments(0)漫画特撮・ヒーロー

2018年06月03日

せめてレイティング上げようよ『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』



 アマゾンプライムビデオで配信されていた『仮面ライダーアマゾンズ』の完結編となる劇場版。野座間製薬会社によって研究されていた人工生命体アマゾンは事故により4000の実験体が脱走、人間社会に潜伏した。食人本能を持つ彼らは駆除班によって狩られていたが、野座間製薬幹部・水澤令華(加藤貴子)の遺伝子をアマゾン細胞に移植することで作られた青年、悠(藤田富)=アマゾンオメガとアマゾン細胞の開発に関わっていた科学者、鷹山仁(谷口賢志)=アマゾンアルファの出会いによって物語は動き出す。身勝手な実験によって生み出されたアマゾンたちを駆除することに反発する悠は自らの実験で生み出されたアマゾンたちを狩ることで責任を果たそうとする仁らと対立。

 アマゾンズというタイトルから昭和ライダーの『仮面ライダーアマゾン』との関連を想像するが、旧作との関連性はまるでない。旧作の持つ怪奇ドラマと野性味あるアクションしか共通点はない。このシリーズを通して描かれるのは「食人」である。密かに暮らすアマゾンたちは食人本能を抑えるアマゾンレジスター(旧作のギギの腕輪を模したデザイン)を装着しているが、期限が2年しかないため以降は生きるためにやむなく人間を襲って食っている。「非人道な実験によって作られた者たちが生きるための食人は許されるのか?」ということだ。このあたりのグロテスクな描写が地上波の深夜放送ですら躊躇して配信限定になった理由だろう。


 season1とseason2の戦いを経て、生き残ったアマゾンは悠と仁の二人だけとなり、政府の駆除部隊4Cの黒崎隊は「この二人を狩ればすべては終わる」と作戦を展開。黒崎隊に所属されていた悠の義妹、美月(武田玲奈)は追い詰められた悠を救おうとし、二人ともども池に落ちる。二人は子供だけが暮らしている養護施設・切子学園に助けられる。学園長である御堂(姜暢雄)の元、自給自足の生活をして野菜しか食べない子供たちと暮らすことにする二人だが、里親にもらわれて学園を去る子供が里親によって食われているのを悠は見てしまう。この学園の子供たちは一握りの金持ちたちの食用として作られる「アマゾン畜産計画」によって生み出された新種のアマゾンであった!

 里親たちが子供をステーキにして食ってしまう描写はイーライ・ロスの『ホステル』ばりに演出されていて、本気度大の食人場面はseason1どころじゃなかった!さらにえげつないのは悠が学園に戻って事実を明かすと、子供たちは「知ってます!」「私たちは食べられることが喜びなんです」とおびえもせずに言い放つ。まるで藤子・F・不二雄の『ミノタウロスの皿』(家畜と人間の立場が逆転している星の話)ではないか。
 クライマックスに悠が選ぶ選択はもはや子供番組とか、仮面ライダーとかの枠を飛び越えてしまっている。この内容でレイティングG(全年齢対象)ってのはどうかしてるぞ!劇場で仮面ライダーのタイトルだけ見て子供連れて来てしまった親子による阿鼻叫喚の地獄絵図が展開されてなきゃいいけど!日曜の朝からイスラム系テロリストを模したような集団、難波チルドレンを暗躍させてる『仮面ライダービルド』といい、最近の仮面ライダーはどうかしてる。

 本当はseason1で死ぬはずだった最強のヒモ、鷹山仁と悠が交わす最初の会話、いかにも仁さんらしくて最高ですね。


「仁さん!目が見えるようになったのか!」
「・・・もう見たいもんなんかねぇけどな・・・」


  


Posted by 縛りやトーマス at 14:43Comments(0)特撮・ヒーロー食べ物

2018年05月26日

東映あかりん

 東映の11月公開作品、『走れ!T高バスケット部』のスタッフ、キャストが発表された。


https://www.toei.co.jp/release/movie/1212760_979.html

 弱小バスケット部の青春を描いた同名小説の映画化で、監督は『オトシモノ』『トワイライトシンドローム デッドクルーズ』『アナザーAnother』『ルームメイト』といったホラー、サスペンスでヒットを飛ばし、最近では『今日、恋をはじめます』『クローバー』『ReLIFE』などの青春恋愛映画で話題の古澤健。
 出演は志尊淳、戸塚純貴、鈴木勝大、西銘駿、竹内涼真…という東映おなじみのライダー、戦隊出身俳優で固められてます。そしてマネージャー役に早見あかり!タイトルに『走れ!が入っているのは偶然なのか…公式Twitterでは撮影中にあかりんが行くぜっ!怪盗少女の振り付けをしている動画が…

https://twitter.com/tkoubaske/status/999206410444455938

 俺たちのハートも狙い撃ちする本作は11月3日公開です。

http://tkoubaske.jp/sp/comment.html


  


Posted by 縛りやトーマス at 00:26Comments(0)特撮・ヒーロー

2018年05月16日

80年代オタク万歳『レディ・プレイヤー1』



 2045年の世界は貧富の差が拡大し、多くの人間はスラムと化した街での暮らしを余儀なくされたため、世界中の人々は仮想現実OASISに入り浸るようになった。OASISを開発したクリエイター、ジェームズ・ハリデーは自分が亡くなった後にビデオメッセージを残し、OASIS内にイースター・エッグを隠し、エッグにたどり着くために必要な3つの鍵を手に入れ、一番最初にエッグを手に入れたものに自分の遺産56兆円とOASISの管理権を渡すという遺言を公開した。
 ハリデーの意思を継ごうとするハリデー信者たちをはじめとするガンターと呼ばれるエッグハンター、そしてOASISを手に入れ金もうけのために利用することを企む大企業IOIの送り込んだシクサーズが激しい争奪戦を繰り広げる。しかし最初の鍵を見つけることすらかなわぬまま数年が過ぎていった。鍵を見つけるためにはハリデーが青春時代を過ごした80年代のポップカルチャーに詳しくなくてはならないからだ!


 72年生まれの作家、アーネスト・クラインはアメリカのゲーム会社、アタリが崩壊するきっかけとなったアタリショックの原因のひとつと言われるゲームソフト『E.T.』があまりの売り上げ不振のため、売れ残ったソフトを穴を掘って埋めた、とされる「ゲームの墓場」を探り当てるドキュメント『アタリ:ゲームオーバー』を制作し、穴を掘り起こす作業には愛車のデロリアンで駆け付け、『ディグダグ』のシャツ姿で颯爽とデロリアンを降りる様子を見せつけていた、筋金入りのオタクである。

 そんな彼は小説『ゲーム・ウォーズ』(原題『レディ・プレイヤー1』)に自分の好きな映画、音楽、ゲーム、アニメ、特撮といった要素をぶち込んだ。OASISで鍵を見つけるためにはゲームや映画、音楽、特撮に詳しくなくてはいけないという…要するにオタクじゃないとハリデーの遺産を受け継ぐ資格がない!原作小説で主人公たちは『フェリスはある朝突然に』を全部再現させられたり、『ジャウスト』(ファミコン『バルーンファイト』の元ネタとなったゲーム)をクリアさせられたりする。
 クラインのオタクっぷりは日本のアニメや特撮にまで発揮される。特にクライマックスはハンター同士の巨大ロボット戦になるのだが、勇者ライディーンマジンガーZ、エヴァンゲリオンボルトロン(日本のロボットアニメ百獣王ゴライオン)超電磁ロボ コン・バトラーVが敵のメカゴジラ(!)と激突する。主人公もひとつロボットを選んで参戦するのだが、なんと主人公が選んだのはレオパルドン!あの東映版スパイダーマンに登場する巨大ロボットだ。日本人でも忘れてる人がほとんどなのに、なぜアメリカ人のクラインが知ってるんだよレオパルドン!(最近になってアメコミのスパイダーバースシリーズに登場してるけどさ…)
 残念ながらレオパルドンは「アメリカでは誰も知らない」という制作側の偉いさんのひとことで登場できなかったが、映画では代わりにガンダムが登場する。日本人ガンターのダイトウ(PrizmaXの森崎ウィンが熱演!)が仲間の危機にガンダムに乗って駆け付ける。
「俺は、ガンダムで行く!」
 のセリフとともに…


 原作ではウルトラマンが登場してメカゴジラと決戦を繰り広げるドリームマッチなのだが、ウルトラマンは例の権利関係の問題で出すことができなかったため、ガンダムが3分しか活動できないという要素が付け足されることになった。しかし日本での映画公開後に円谷プロが勝訴。もう少し制作が遅れたらウルトラマンが出られたのに…!残念!


 このように小説ならば文字だけだから問題ないだろうけど、映像作品にするにはハードルが高そうな内容だ。この監督に選ばれたのはスティーヴン・スピルバーグ!80年代に『インディ・ジョーンズ』シリーズや『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ、『E.T.』などを制作して第一線で活躍していた男が「80年代最高だぜ!」な映画をつくるという奇跡の企画なのだ。
 映画版では80年代最高!という描写はやや抑えられ、ハリデーの人生を追うことでイースター・エッグにたどり着くことが可能になるという展開になってはいるが、OASIS内にはありとあらゆる映画のキャラクターが登場する。権利関係を越えて登場させることが可能になったのはスピルバーグの威光があったからに違いない。80年代に青春を過ごした僕なんかはわかるのだが、70年代のカルチャーこそが最高で、80年代には何もないとされていたのだ。そんな中、80年代のエンターテイメント界をほとんど一人で牽引していたのがスピルバーグだった。スピルバーグがいなけりゃ80年代は本当に何もないクズのような年代になってたところだ。
 御年71歳のスピルバーグが80年代、30代半ばの頃にやってたような冒険活劇を撮れるというのが何しろ凄い。宮崎駿に30代の頃にやってた作品がまたやれるかっていうと、絶対無理だと思う。

 物語は「仮想現実ばかりに閉じこもってないで、現実世界を楽しもうぜ!」っていう僕のような人間には耳が痛いオチなんだけど、スピルバーグだから優しく肩を抱いてくれるオチなんだよ。庵野秀明なら「現実に帰れ!」って上から目線になるところだ。ありがとうスピルバーグ。僕も56兆円あったら現実に帰ろうと思います。


映画のエンディングに流れるベストヒットUSAでおなじみのやつ

  


Posted by 縛りやトーマス at 16:30Comments(0)ゲーム特撮・ヒーローVR

2018年05月13日

禁じられたキャンペーン

 夏に行われるウルトラフェスティバル2018の公式サポーターに爆笑問題が決定。記者発表会に出て爆笑を攫ったとのことですが…




爆笑問題が公式サポーターに就任!「ウルトラマンフェスティバル2018」記者発表レポート
http://hobby.dengeki.com/event/569666/


 席上ではウルトラマンと一切関係のないTOKIOや麻生大臣の不適切発言など芸能、政治の時事ネタに終始する爆笑問題。こいつらのこういう「場にそぐわない時事ネタ」そのものが不適切だと思うんだけど。なんでこいつにしたの(公式サポーターを)って発言、そのまま返してやるよ!!

 こんなの呼ばないで、歴代のウルトラ俳優を呼べばいいのに。そっちの方が嬉しいわ。映画のキャンペーンでも全然関係のない芸人がくだらないドタバタ芸をやって会場の温度を下げまくっていることよくあるけど、こういうキャンペーンはいい加減見直してほしい。ふざけるなTBS!!
 まあ地球人同士争ってもしようがないんだけど…

  


Posted by 縛りやトーマス at 08:11Comments(0)特撮・ヒーロー