2018年10月22日

ポニーテールに惚れてまうやろ『あの頃、君を追いかけた』



 2011年に台湾で公開され大ヒットを記録した同名映画の日本版リメイク。台湾の作家、ギデンズ・コーが自らの青春時代を振り返った作品は90年代の台湾を舞台にしていたが、こちらは2000年代の日本を舞台にした。

 進学校に通う高校3年生の水島浩介(山田裕貴)は悪友らとつるんで不真面目な学校生活を送り、他愛もない日々を過ごしていた(高校3年生なのに…)。あまりの不真面目さに教師からクラス一の優等生、早瀬真愛(齋藤飛鳥)の前の席へ移動させられる。幼馴染の小松原詩子(松本穂香)の友人という以外は接点のない真愛とは話も合わず、「幼稚」とバカにされる浩介。ある日、教科書を忘れてしまった真愛に自分の教科書を手渡したことから二人は会話をするようになる。受験生だというのに勉強もしない浩介に真愛は手製のテストを渡す。面倒くさがりながらも彼女のテストを通じて浩介は成績を伸ばす。調子に乗った浩介は「本気出せば学内トップになれる」と豪語。真愛と髪型を賭けた対決をすることに。

「君の坊主頭が見られるわけだ」
「俺が勝ったらポニーテールな!」
「いいよ。ポニーテールでもピックテールでも」

 当然のごとく勝負は浩介が負けてしまうのだが、丸坊主を悪友たちにいじられてる浩介の目の前をポニーテールにした真愛が横切る…

 なんという胸キュン(死語)場面!本作は齋藤飛鳥が悶絶するほど可愛く撮られており、こんなん惚れてまうやろ!

 二人はその後も二人だけの勉強会を続け卒業へ。傍目にはつきあってるようにしか見えないのだが、ここまで一切告白していないので二人は仲のいい友達のまま。自分の夢のために友人たちや真愛は上京していくのだが、何もやりたいことがない浩介は地元の大学へ進むもモラトリアム状態に。やがて真愛とはすれ違うように。

 映画は10年後、大人になった浩介が10年間しくじり続けた過去を振り返るという内容で、何度も何度もチャンスとしか思えない場面があるのに、次々フラグをへし折ってゆく山田裕貴よ!何してんの!そうじゃないだろと!
 どんなに頑張っても、思い続けても叶えられないことがある、という最近の邦画では絶対にありえない話に心を打たれた。これが台湾の青春映画だ!リメイクを若手の恋愛映画が得意そうな連中に任せたら余計な改変を加えるところ、台湾版をほぼ忠実にリメイクした長谷川康夫監督の英断よ。

 『響-HIBIKI-』の平手友梨奈といい、本作の齋藤飛鳥といい、演技が上手い下手以前に役柄がピッタリ合っていて坂道グループのブレーンはホントいい仕事してると思う。

  


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2018年10月16日

欅坂のブレーンは目が肥えてるな『響-HIBIKI-』



 ビッグコミックスペリオールで連載中の漫画の映画化。本作が映画初主演になる欅坂46の平手友梨奈がヒロインの響を演じる。
 文芸雑誌・木蓮の編集部に届いた新人賞応募作。「鮎喰響」とだけ書かれた名前の読み方もわからない封筒の小説は傑作であることだけは間違いなかった。それを見た若手編集者の花井ふみ(北川景子)は「ネットでなければ受け付けない」条件のため、わざわざ本人に代わってネットで応募し直す。なんとかこの作品を世に出すのだ!あとは応募者本人を探し出しさえすれば…
 駆けずり回った結果、鮎喰響(平手友梨奈)はまだ15歳の女子高生であることがわかった。ただ自分の才能を確かめるためだけに書いた、という響を説得して新人賞選考に出した作品はあっという間に認められ、新人賞受賞、さらに芥川賞、直木賞を史上最年少でWノミネートという栄誉を果たす。世間が「15歳の天才少女あらわる」と持て囃すのだが、彼女は「絶対に自分を曲げられない」性格だった。

 学校でケンカを吹っかけてきた不良の指をへし折り(!)、同級生にセクハラをするかつての芥川賞受賞作家のオッサンの顔面にハイキック、新人賞を同時受賞した、世の中を斜に構えて見る田中(柳楽優弥)から「話題作りで女子校生に賞取らせてんのかよ」と絡まれ、響の小説なんか読んでいないと言われたことに腹を立て、授賞式の席上で田中をパイプ椅子で殴打!そのあと駅のホームまで追い回す…というエキセントリックなどという言葉では言い表せない奇行の数々でマスコミは大騒ぎ。いくら才能があってもこれじゃあ…と響の本を出すのに尻ごみする出版社、響に振り回される花井。しかし彼女のいうことはいつだって筋が一本通っている。響の言動に周囲は振り回されつつも影響を受け始める。


 ヒロインを演じた平手友梨奈の存在感にまず圧倒される。演技が上手いとか下手とかいう以前に役柄がバッチリハマっているのだ。彼女より上手い役者はいるだろうが、響役は平手しかいないと断言できる。ほとんど笑いもせずに相手を射殺すような目、突き刺すような声…すべて最高!
 欅坂というグループで高い人気を誇っているアイドルの初主演映画にこの作品を持ってきたブレーンは相当目が肥えているね。チャラチャラした恋愛映画に起用しなかったのは慧眼といえる。作品が尖りすぎているので大ヒットとまでいかないのが残念だ。とにかくアイドルといえば恋愛映画、という風潮にパイプ椅子殴打をかますこの一本、お前もお前もお前も平手友梨奈に圧倒されるのだ!

  


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2018年03月10日

信者にひどい目に遭わされる北原里英『サニー/32』



 『日本で一番悪い奴ら』『彼女がその名を知らない鳥たち』で邦画界一、ノリにノッている白石和彌監督が出世作『凶悪』で組んだ脚本家、高橋泉と再び組んだ実録映画路線が『サニー/32』だ!

 NGT48の北原里英演じる主人公の藤井赤理は東北で中学校教師で情熱をもって生徒の指導にあたるが、なにもかも空回り、いじめられてるかも知れない生徒の純子(蒼波純)の相談に乗ろうとしても相手にされない。そんな彼女は24歳の誕生日に誘拐される(突然!)。犯人はピエール瀧とリリー・フランキー。『凶悪』の二人組!ただ『凶悪』と違ってピエール瀧の方がリリーよりも立場が上ですぐに暴力を振るって相手を支配する男だ。一方リリーはちょっと頭のおかしい男でいつも股間をいじっているだが焼きそばの腕前は絶品だ(そんなやつのつくる焼きそば、食いたくねえ)
 二人は赤理を「サニー」と呼んでかわいがる。サニーとは14年前に起きた小学生女児による同級生殺害事件の犯人で、ネット上で出回った犯人特定画像に加害者が左右の指を3本、2本で独特なピースサインを作るポーズから「サニー」というあだ名をつけられネット上で神のように崇められている少女だ。ピエールとリリーは赤理こそが大人になったサニーだと決めつける。

 長崎で起きたNEVADAちゃん事件をモチーフにするという凶悪さに身震いするが、『凶悪』コンビなのでただ実際にあった事件をなぞりはしない、もっとどぎつく事件をえぐる。
 監禁場所はネットで中継され、ピエールが集めたサニー信者たちが集まってくる。「サニーによって人生を救われた」という杉崎(奥村佳恵)のような狂信的信者もいれば単に卒論のテーマにしたいという田子(大津尋葵)のような男もいる。中にサニー事件の被害者遺族がおり、勘違いして復讐の刃を赤理に向ける。混乱の中、医師の男(山崎銀之丞)は刺されて死に、死体は打ち捨てられ仲たがいの末、田子は監禁部屋の外に放り出されて凍死する。この過程はまるで連合赤軍あさま山荘の内ゲバのように描かれる。師匠の若松孝二的スタイルを踏襲したということか。

 その場にドローンを飛ばして現れた少年・百瀬はスタンガンでピエールたちをあっという間に片づけてしまう。そして自分のshowroomでサニーを配信してネット上の神になろうとする。これってドローン少年じゃねえか!演じた加部亜門の演技がハマりすぎで本当のドローン少年がスタイリッシュな革命家に思えてくる(バカな)。
 電気ショックで覚醒した赤理は信者たちを説教し、さんざん暴力を振るわれたピエール瀧を逆に足蹴にする。「オラ!こういうのが嬉しいんだろうが!」「あぁ…サニーさま、もっとやってください!」showroomの画面上に流れる「サニー!神!」の文字。「みんながわたしにサニーを求めるのなら、本当のサニーになってやる」と堂々宣言した赤理=サニーはネット配信の辻説法で神として崇め奉られるのだ。その内容も「パチンコがやめられない」という主婦に「お前が吸われた金は北の国からミサイルになって飛んでくる」というアレなやつ。

 監督による北原里英への責められ方は半端ではない。家の二階の窓から豪雪の上に放り出され、裸足で延々と歩かされる。途中で疲れ切って倒れるシーンはカットのタイミングを計っておらず、北原も倒れるタイミングがわからないから声を掛けられるまで歩いて行って、本当に力尽きて倒れる。追い込みすぎだろ!熱狂的な信者(ファン)にひどい目に遭わされるというのは、AKB時代にも体験してるだろうけど、ここまでの目には遭ってないはず。白石和彌の凶悪ぶり、おそるべし。

 そんな女優イジメを経て物語は第二のサニー(門脇麦)が現れ、「わたしが本物のサニーです」とネット配信で自分の指を自らへし折ったりする過激番組を配信。赤理は自身の番組に純子が書き込みをしてるのを見る。「先生、昔同級生をカラオケボックスで殺したんでしょ。すごいね。わたしも負けないで頑張るよ」といじめっ子の同級生に復讐しようとする純子を赤理は止められるのか?

 門脇麦演じる第二のサニーとの対決を経て赤理はようやく教師としての使命に目覚める。なんだか最後は温かいムードで完結するじゃないか。この実録路線でハートウォーミングなオチをつけようとは白石・高橋が一番の凶悪だろ!

  


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2017年12月12日

勝手に好きになれよ『先生!、、、好きになってもいいですか?』



 邦画の中高生向けスイーツ映画はキャストも監督も大体定番のラインナップが決まっていて、監督なら廣木隆一、月川翔、そして本作の三木孝浩がローテーション。女優なら土屋太鳳、平祐奈、小松菜奈、そして本作の広瀬すずがやはりローテーションで回している。もう何を見ても同じなので区別がつかない。話も男女がウジウジくっつくのくっつかないので2時間(長いよ!)ダラダラ引っ張るだけ。とっととキスして結ばれちまえよ!と言わざるを得ない。
 男側のキャストは生田斗真。彼はあまりスイーツ映画に出ているイメージがない…とはいえ『僕等がいた』『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』(これも三木孝浩!)などに出ている。僕が生田斗真と言われて思い出すスイーツ映画は『ハナミズキ』だ!クライマックス、借金を返すためにマグロ漁船に乗り込む生田斗真は最大の笑いどころで、マグロ漁船すらスイーツ(笑)のモチーフにしてしまうとは、恐るべし…


 そんな二人によるスイーツ(笑)映画は教師・生田斗真と生徒・広瀬すずの恋愛モノ。ごく普通の女子高生の広瀬すず(こんなカワイイ「ごく普通」はいねえよ!)が社会科の教師・生田斗真と恋愛に落ちる。広瀬すずの同級生は女教師の比嘉愛未に片思いしている竜星涼とやはり教師の中村倫也に片思いする森川葵がいて…どいつもこいつも…君ら、恋愛ごっこにうかつぬかしてないで真面目に勉強しなさい。
 生田斗真先生はすごくぼんやりしていて、ベンチで昼寝していて授業をすっぽかしそうになってしまうほどぼんやりしている!それを上の教室から見ていたすずちゃん、先生を起こすために分厚い辞典を窓から先生目掛けて落とす!

「当たり所が悪かったら死んでたぞ…」(ほんまそれ)

 と抗議するも起こしてくれたことには素直に感謝する生田斗真。同級生の報われない片思い(すくなくともすずはそう思っている)を見て教師との恋愛なんてありえない!と思っているすずちゃんですが、遅くまで居残り勉強させられる彼女のために付き合ってくれる先生を見て、次第に惹かれていくのでした。
 そんなこんなで先生に告白するも過去に付き合った女から酷い振られ方をした生田斗真は恋愛に怯え、さらに相手が生徒なので道徳的に無理だ!とすずを拒否。あきらめの悪いすずちゃんは「今度のテストでいい点を取ったら私と付き合え」と子供みたいなことを言い出す。普段の成績が平均点以下のすずちゃん、猛勉強を始めるも先生がまったく相手をしてくれないのでこの恋は実らないのだ!私は結ばれない人のことを好きになってしまったのだ!と自分の中だけで勝手に完結。ヤケになって他校の生徒と合コンに及ぶのでした。
 しかし根が小心者で奥手のすずちゃん、合コンを途中で切り上げて飛び出す。偶然にも大雨が降りだし傘も持たない彼女はずぶ濡れ。繁華街で酔っぱらいのサラリーマンに絡まれたところ、すずちゃんなぜかそのサラリーマン相手に「なぜ私が先生のことを好きになってはいけないのか?」と大演説。する相手が間違ってるよ!森川葵からすずが合コンに行ったと聞き、駆け付けた先生によって無事救出されて事なきを得る。この一件で彼女の本心を知った先生も惹かれるようになり、文化祭で花嫁姿のコスプレをしたすずと屋上で強引にキス。それを他の生徒に撮られてしまってtwitterで拡散!あわれすずは自宅謹慎、先生は責任を取って放校処分。


 ホント心の底から「知らねーよ」と言いたくなる話なのだが、映画を観る限りこの二人の間に恋愛感情が起こる理由がわからない。いくら20年前の漫画の実写化とはいえ、小学生の恋愛ごっこレベルを高校生に当てはめて描くのは無理がある。
 後半はあれだけ「もう恋なんてしない」と槇原敬之ばりに言ってた生田斗真先生がほぼストーカーと化して、「卒業したら迎えにいく」と告げたすずの卒業式の日、校門の前で待ち構えている!先生我慢できなかったの?少し落ち着こうぜ!
 この話のどこに誰が感情移入できるんだろう?すずも生田斗真も常識人とは思えないほど好き勝手やっている。『先生!、、、好きになってもいいですか?』って勝手に好きになれよ!どうせ止めても聞かないだろうし!


  


Posted by 縛りやトーマス at 00:27Comments(2)映画アイドル映画

2017年11月28日

童貞を死に追いやる女優

 『みんな!エスパーだよ!』や『ぼくは麻理のなか』『伊藤くんAtoE』などに出演して自慰シーンやパンツも平気で見せる男前な美女、池田エライザがまたまた童貞野郎のための作品に出演。

池田エライザが童貞たちのマドンナに!林遣都主演「チェリーボーイズ」で過激シーン挑戦
http://eiga.com/news/20171124/2/


 エラちゃんが童貞のマドンナっぽいなと思うのは、露出気味のグラビアより着衣の時の方がエロいんだよな。



 これはエロすぎ。全童貞を死に追いやる病。たべ・こーじの漫画みたいな体形してはる。おかげで出演する作品の傾向が限られてるのが残念。何かの間違いで学園青春モノに出た時の違和感ったらないねー。エラちゃんは実写ハガレンみたいな荒唐無稽な世界観のやつが似合ってる気がするので事務所関係者の方はぜひご一考を!

  


Posted by 縛りやトーマス at 19:38Comments(1)映画アイドル映画

2017年11月21日

広瀬アリスの目力に注目『氷菓』



 省エネ主義をモットーとする高校一年生の折木奉太郎(山崎賢人)は姉の勧めで彼女がOBだった古典部へ入部する。伝統のある古典部は部員がおらず、今年新入部員が入らなければ部は消滅。姉に逆らえない奉太郎は職員室で部室の鍵を借り、施錠された扉を開けて入るが部屋にはひとりの女子生徒が居た。千反田える(広瀬アリス)と名乗る生徒は「古典部に入部した」といい、彼女がいるなら自分が入部する必要はないと帰ろうとするのだが、えるは自分が入室したときには部屋の鍵はかかっていなかったといい、「知らない間に部屋に閉じ込められていた」状況に「わたし、気になります!」と目を輝かせる。成り行きで密室の謎を解き明かした奉太郎はそのまま古典部に入ることに。
 奉太郎の推理力を見たえるは自分が古典部に入部するきっかけ「一身上の都合」について明かす。10年前に元古典部員だった叔父の関谷純にあることを尋ねたのだが、その答えを聞いた5歳のえるは泣き出してしまった。自分が何を聞いてなぜ泣いてしまったのかを解き明かしてほしい、と。引き受けた奉太郎は親友の福部里志(岡山天音)、幼馴染の伊原摩耶花(小島藤子)らとその謎に挑む。奉太郎ら4人は45年前に学校で起きたある事件の真相に近づいてゆく。


 漫画やアニメ原作の実写化は本当に難しく、日本では多くの原作ファンが原作とまったく同じにしないと許さない、という風潮があるので『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』など登場人物の衣装や見た目などに違和感があるというだけでボロクソに貶される始末。片やアニメを完全にコピーしていた『銀魂』などは大絶賛。そう考えると22歳の広瀬アリスが高校一年生のヒロインを演じた『氷菓』は配役の時点でかなりのハンデを背負ってしまったのでは…

 米澤穂信のデビュー作<古典部シリーズ>は京都アニメーションによるテレビアニメもあり、繊細な描写と美しすぎる映像が現在でも評価が高く(『氷菓』だけに…)特にヒロイン、千反田えるのおっとりとして清楚かつ可愛くてたまらない美少女ぶりが人気のひとつなので子供っぽいというよりは年の割には大人びている広瀬アリスは原作ファンのイメージとはかけ離れているのでは?と思ったものの、好奇心旺盛なえるが「わたし、気になります!」という決め台詞とともに目を大きく見開いて輝かせる演出では目が大きく印象的で、目力のある演技に定評があったアリスだけに決め台詞を言って強引に相手を引っ張りまわすキャラクターに説得力がありすぎてはまり役にしか見えない!

 女優陣ではほかに重要なカギを握る登場人物を斉藤由貴が演じている。時期的に変な意味で話題になっている(あの人がどうしてあんなにパンツを深々と被っていたのか、わたし、気になります!)のだが、この登場人物にまつわる謎が原作、アニメとも違いその上で映画序盤から伏線をきちんと張っているあたりが上手いアレンジになっている。
 原作の良さを踏まえつつ、映画ならではの仕掛けも織り込まれており、原作にただ準拠するだけでなく映画単体の面白さも見せてくれ、難しいとされる実写映画化のハードルを上手く乗り越えてくれた作品である。


  


Posted by 縛りやトーマス at 14:05Comments(0)映画アニメアイドル映画

2017年10月05日

今年も完全再現だ

 来年一月公開予定の『咲-Saki-阿知賀編』のキャスティングが発表。

「咲-Saki-」実写第2弾にエビ中中山、しゃちほこ咲良、アプガ新井、夢アド志田ら
http://natalie.mu/music/news/251439

 本作の重要なポイントは原作漫画におけるキャラクターの牌を操る仕草やオカルト麻雀の再現にあるので、登場人物のビジュアルから完全に似せようということ。普通に考えてもハードルの高い仕事なのだが、前作に引き続き今回も阿知賀編のキャラを完全再現
 以下ご覧ください。



大星淡役の夢アド志田友美なんて髪がふわっと浮いてるところまで再現してますし。静止画はいいけど、動いてる時はどうするんだw


二条泉役のアプガ(仮)新井愛瞳はちょっとした髪の横ハネも再現です。


お前はボウリング部員か!でおなじみの鷺森灼役、エビ中・中山莉子もグローブを完全に再現(それは再現できるだろ)


実写上、どうしても再現の難しい髪形が出てくる場合でもこちらの亦野誠子役、岩田華怜のようにできるだけ原作にビジュアルに近づけようとスタッフの努力が垣間見られます。


 ここまで原作を完全に再現してくれたら期待するしかないじゃない!今年12月のドラマ放送と1月の劇場版が楽しみですわ。


  


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2017年07月31日

オヤジなんかいらない『JKニンジャガールズ』



 『スパイダーマン ホームカミング』のプレミア試写に日本版主題歌を担当してる関ジャニ∞がゲストに来ていて、彼ら目当てのジャニーズファンが挨拶だけ見て映画を見ずに帰るという行為に非難が殺到したそうですが、アイドルファンって男女問わずそういうもんでしょ。僕はそういう光景を何度も、何十年も見てきた…アイドルファンはアイドルを見たいのであって映画を見たいわけじゃないというのをアイドル映画製作者は理解しておかないといけない。

 というわけでこの『JKニンジャガールズ』である。ハロプロ研修生から誕生した8人組ユニット、こぶしファクトリー主演映画。ハロプログループ主演の映画化というと、なんとあの『ピンチランナー』『カントリー・ガール 北海道牧場物語』(00)以来、三作品目。メンバー単独での出演はあってもグループだと℃-uteやBerryz工房、スマイレージですらグループ主演映画はないというのに…この事からもハロプロの期待の高さが伺え、ももクロの『幕が上がる』(15)みたいな感動作を期待したんだけど…

 関東と関西が人知れず、日本の覇権を巡って争っているという話で、その影で蠢いているのが女子高生忍者たち。首都東京を守るべく東京の女子校に送り込まれたJKニンジャガールズの4人・霧隠ノエル(浜浦彩乃)、石川ラブリ(広瀬彩海)、服部ココア(野村みな美)、百地イブ(和田桜子)。彼女らは関西忍者が企む「東京タワー消滅作戦」を阻止せんとする。
 …というあらすじだけ見たら、残り4人のこぶしファクトリーメンバーが関西ニンジャガールズとして戦うと思うのが普通だろうけど、なぜか関西のニンジャは温水洋一をリーダーとする忍者オヤジーズだった!なんで!?忍者オヤジーズはそのままでは関東JKニンジャガールズの居る女子校には潜入できないので、忍術を使って女子高生に憑依する。オヤジたちが輪になって「女子高生になっちゃ~え」と歌い踊る、悪夢のような光景を見せられ、温水洋一らは残り4人のこぶしファクトリーメンバーの中に入って無事女子校への潜入を果たす。こんな話にした脚本家の頭をかち割って覗いてみたいわ(脚本家は吉川ひなの主演の『デボラがライバル』を手掛けた伴一彦)。

 潜入したものの忍者オヤジーズは振る舞いそのものがオヤジなので(おしぼりで顔拭いたり、思いっきり足を開いて下敷きで仰いだりする)、JKニンジャガールズたちに怪しまれるのだが、主役の立場であるノエルはすげえアホ(アホガールか!?)という設定なので「あの子たちはオヤジーズじゃないよ!絶対に違う!」と何の根拠もないのに決めつける。ノエルのアホさにつけ込んで忍者オヤジーズのリーダー、大野ノゾミ(井上玲音)は彼女に接近して関東忍者の秘密を探ろうとするのだが、ノゾミに憑依する猿飛茂助(温水洋一)はノエルがあまりにカワイイので一目惚れ(笑)してしまい、しまいには車に轢かれそうになったノエルを救うために忍者の奥義、「消滅の術」を使ってしまう!
 その後ノエルとノゾミが百合的関係になってしまうんだけど、それなら温水洋一が憑依するって設定、別にいらないと思うんだけど!はっきりいって温水洋一らオヤジーズの存在がまったく不要で、こぶしファクトリーだけのゆるゆり話にしても成立するだろうに、なぜこんな話にしてしまったのか…責任者でてこい!

 実はこれ、舞台版がもともとあって、そちらは関東JKニンジャガールズとなにわニンジャガールズの対決になっていて、普通にノエルとノゾミが仲良くなってしまう展開とのこと。じゃあなんで映画でオヤジを出したんだよ…
 JKニンジャガールズの首領である浅野ゆう子が東京都知事で都民ファーストとか言ったり、昔はディスコで暴れまわっていたとか、寒すぎるギャグの数々に凍りつくばかり。オヤジの僕でも笑えません!
 ニンジャガールズがとにかくカワイイってのはいいんですけどね。何かやる度に「ジェケニン!」って決めポーズとるところ、悶絶するほどカワイイんだけど30回ぐらい繰り返すので途中で飽きてくる。1時間半がひたすら苦痛。これは舞台挨拶があったら映画を見ないで帰っても許されると思う。アイドルファンにとって映画は苦行だな。


  


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2017年07月07日

フリースタイルアイドル映画『リリカルスクールの未知との遭遇』



 アイドルヒップホップユニット、lyrical schoolが本人役で主演するハーセルフ映画。変に演技なんてさせようと思わずに本人役をやらせるという思い切りのいい設定。

 売れないアイドルグループを自虐的に演じるlyrical school。売れないというより、売れる感が一切しない。テレビ番組に出演してインタビューされてもまともに答えられない。
「新曲へのこだわりは?」と聞かれても「玉の輿に乗りたい!」「女優業にチャレンジしたい!」そういうこと聞いてんじゃねえから!ライブの場所、日程すらド忘れする彼女たち、マネージャー(バッファロー吾郎A)からは「0点だよ0点!」とドヤされ、「もっと売れ線のビジョンを持てよ!君らの意思なんかどーでもいいから!」と本人たちのやりたいことを無視して「売れ線のビジョン」を押し付けてくるマネージャーのやり方に文句はあるが、さりとて「自分たちのやりたいこと」が見いだせないlyrical school。そんな自分にイライラしてバイト先である「こだわりのレコード店」で大暴れ。すると店に置いてあるキモいぬいぐるみが喋りだした!
 ぬいぐるみは“スペース・バムバータ”と名乗り、乗ってきた宇宙船がエネルギー不足で不時着、レコード店の店長(スチャダラパー・ANI)に助けてもらって店でぬいぐるみのフリをしていたのだった。『マペット放送局』に出てくるようなパペットのバムバータ(声がマペット放送局のゴンゾ役、塩屋浩三)とlyrical schoolの絡みはSF映画と思わせない(そう、これはSF映画なのだった!)不思議な味わいがある。

 バムバータの宇宙船のエネルギーを回復させるには
「周波数45khz~136khz、音量150dbの音を一定時間BPM110で20.9℃の気温、75%の湿度の条件を揃える」
 必要があって…まあ、要するにパーティーやればいいんだよ!ということでバムバータによる地獄の特訓が開始。亜沙美ママのやってる飲み屋でママのおしゃべりを観察、窓拭き、床掃除、うどん粉踏みとヒップホップと何の関係があるんだよ!という特訓をやらされなんでこんなのやらなきゃいけないの?と辟易するリリスクメンバー、一人いい子ちゃんぶるayakaと他メンバーの間で口論が始まるがバムバータが「ラップでケンカしろ!」するとありえないほど饒舌なスキルを発揮するリリスクメンバー、そう、窓拭きも床掃除もうどん粉踏み、亜沙美ママのおしゃべり観察もすべてヒップホップの技術を磨くためだった!という『ベスト・キッド』ばりの展開に。ようやく自分たちのやりたい音楽を見つけたリリスクはマルイ屋上のパーティーを成功させるべく準備を始めるが、バムバータの力を狙う悪い宇宙人が現れバムバータとhimeをさらってしまう。

 未知との遭遇を描いたSF映画と師匠と弟子の熱い関係を描いたスポ根と未熟なアイドルの成長を描いた青春映画と様々な要素をmixさせた上で「アイドル映画は画面に写っているアイドルが可愛くなくてはならない」という鉄の掟もきちんと守られ、クライマックスのパーティーシーンのリリスクは最高に可愛くカッコよく映えている。これぞフリースタイルのアイドル映画だ。
 リリスクによって街の人々の気持ちがひとつになるという、『ロッキー』な展開もあって監督のデモ田中は日本のジョン・G・アヴィルドセンだ!


  


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2017年04月04日

見ているこっちが罠にハメられた『潜入捜査官~妖しい罠(トラップ)』



 グラドル兼女優の今野杏南がセクシー捜査官を演じるという、エスワンの『秘密捜査官の女』、アイポケの『秘密捜査官の女』(どう違うんだよ)シリーズみたいなもんですね。

 上司から新型ドラッグの取引を抑えるべく潜入捜査を命じられる警察官、レイナ(今野杏南)、「潜入捜査は違法だが、成功したら希望の部署に行かせてやる。ただし失敗しても当局は一切関知しない」という上司の『大江戸捜査網』ないし『スパイ大作戦』チックなありがたいお言葉をいただいて眼鏡かけたもっさい格好の今野杏南、潜入捜査を決意。マンションの一室を改装した(ようにしか見えない)怪しげなクラブに潜入。あっという間にエロい新人の嬢に早変わりした(変わりすぎやろ)レイナ、初日にターゲットである店の常連に目をつけられる(早すぎだよ!)。
 上司から「お前は女の魅力にかける。いい女になれるブツを送るんで、それで勉強してすぐそいつを落とせ!」と指令が飛ぶ。郵送でエロい服と売れるキャバ嬢になれる教本が送られてくるのだが、イケてない女のレイナは自宅ですでにこんな格好なので説得力に欠けます。普通は郵便屋さんに押し倒される展開ですよね。


 たちまちイケてるキャバ嬢になったレイナはターゲットの男から怪しいアルバイトを紹介される。それはドラッグ取引現場の監視役。ニセ押尾学風のチャラ男が道端でヤク中の男に手渡しするところを、摘発がないか見張るって仕事なんだけど、そんなのキャバ嬢にまかせてどうするんだ。無事仕事を終えたレイナに「もっと稼ぎたいだろ?」とベッド行きを要求。彼女を可愛がるようになった男を見て愛人は嫉妬しまくり。
 ターゲットのオフィスに出入りできるようになったレイナはドラッグ取引のデータを盗み出そうとする。わざわざエナメルスーツに着替えて薄暗いオフィスを抜き足差し足。今野杏南のエロい肉体がたっぷり拝めますけど、展開的には全然必要ありませんね。それをいうとこの作品の必要性がなくなりますけど。

 今夜もドラッグ取引現場の見張りをするんも、たちまちトラブルに。チャラ男の部屋で互いの身の上話をする二人。「病気の妹の治療代を稼がないと」という聞くからに胡散臭い話にホロリとするレイナ。彼女も元警察官の父親に反発して不良になっていたが、病気で死んだ父親が最後に残した手紙に感動して更生、警察官として戦うことを決意するのだった…ってその辺のキャバ嬢でももう少しまともなサクセスストーリー(?)を書くと思います。


不良時代のギャル杏南

 レイナはチャラ男を更生させようと組織への裏切りを誘ってPCにアクセスするパスワードを入手。いつものようにエナメルのスーツに着替えて(だから、意味あるの?)潜入したところ、あっさりバレて捕まってしまう。鞭打ち、スタンガンとあらゆる拷問、責め苦がレイナを襲う!といってもスーツ着せたまんまだから、エロさには欠けますけど。所詮は今野杏南主演だから、トップまでは見せないんだよ。じゃあなぜ作った(なぜお前も見た)



 隙を見て(この話が隙だらけだけど)脱出したレイナは警察病院入り。いけしゃあしゃあとやってきたチャラ男をどうしても憎めないレイナは組織に捕まった彼の妹を助けるべく病院を抜け出す。みなさんの予想通りすべては組織の罠でチャラ男はレイナを嵌めるために近づいてただけなんですけどね。

 この直後、ここまで真面目に見ていた(嘘つけ)自分がアホらしくなるようなどんでん返しが待っています。これを見ているユーザーが怪しい罠(トラップ)にハメられた気分。アイドルDVDを作っているリバプールからリリースされてるのですが、なんでこんなストーリーものにしちゃったの?普通にエナメルスーツの着替えシーンや拘束シーンがあるだけのイメージDVDにした方がよかっただろうに。変に演技できてしまうところが彼女の欠点ですね。それがなけりゃあこんな中途半端なものつくらなくてよかったのに。こんなのアイポケやエスワンの最後にヤク漬けにされるバッドエンドなAVの方がよほど抜ける、いや感動できるというもの。AVからやり直し。


  


Posted by 縛りやトーマス at 09:39Comments(0)アイドル映画AV