2010年02月28日

『2012』 ☆☆☆

「パニック映画の描写は『ポセイドン・アドベンチャー』以来一歩も進歩してない。見せ方がド派手になるだけ」

と誰がいったが知らないが、パニック映画の古典『ポセイドン・アドベンチャー』はあまりに素晴らしく、さらにヒットしたせいで以降のパニック映画(最近ではディザスター映画などと呼び方まで変えている)はなんとかして『ポセイドン~』と差異をつけようとするか、『ポセイドン~』を上手く引用するかのどちらかであった。災害は船から飛行機、高層ビルへと移り、被害規模は町から大陸、地球へと拡大した。
『2012』はマヤ暦の暦が2012年で区切られている、ということから地球滅亡を示唆するが、肝心の「なぜ2012年で区切られているのか」「区切られていることがなぜ滅亡の証になるのか」という疑問には答えてくれない。製作者はそんなことどうでもいいと思ってるからだろう。

ローランド・エメリッヒは『インデペンデンス・デイ』で宇宙からの侵略者をアメリカ大統領の下、アメリカ人たちが団結して撃破する様を描いたが今時「アメリカ万歳!」みたいなストーリーにはリアリティがないと思ったのか、アメリカ大統領は獅子奮迅の活躍をして民衆を救ったりしない。祈りを捧げるだけで国家のリーダーシップに欠けることこの上ない。ジョージ・ブッシュみたいな国家の危機に際し屁の役にも立たない大統領を見た後ではリアルに見えるかも知れないけど。

滅亡の危機に立ち向かうのは名もなき市井であったり、インド人の科学者だったり、チベット僧だったりする。国家の坩堝を描こうとしているのだろうが彼らは方舟に押し寄せる人々を迎え入れるかどうかを議論する時、「フランスは彼らを受け入れたい」「中国は賛成する」「日本も賛成する」というだけで「フランス人はこれこれこういう考えなので助けたいと思う」という意味では描かれていない。『フランス人A』『中国人B』『日本人C』という記号だけの存在なのでそれで国家間、異なる人種が手を取り合う様を描いているって言われてもねえ・・・それなら始めからアメリカ人だけが出てくる物語でいいよ。

技術を駆使して製作された方舟はベアにゴムホースが絡んだとかいうアクシデントでトラブルを起こすのだった。
「そこまでの通路は水で塞がれてるぞ」「よし、お父さんが潜って外してこよう」「あなた、気をつけて」「愛しているよ!」
ああ、やっぱり『ポセイドン・アドベンチャー』から一歩も進歩してなかった!!  

Posted by 縛りやトーマス at 22:02Comments(0)映画

2010年02月28日

『サヨナライツカ』 ☆☆

MUTEKIレーベルの新作『ジェンヌ 水瀬ちあき』が意外にも頑張っていたので(あくまで及第点)驚いた昨今みなさま如何お過ごしでしょうか。

さて先日地雷とわかっていながらポイントカードでタダという理由で映画『サヨナライツカ』を鑑賞。辻仁成の映画といえば以前『フィラメント』(主演TKO)を観に行って週刊現代による『井川遥、壮絶レイプシーン!』という記事を読んで期待に股間をパンパンにして映画館に行った。途中までの退屈なシーンに耐え(TKOが大人になりきれず、日がなボンクラ仲間とテレビゲームに興じている、という描写だけは身につまされたけど)ついにレイプシーン!その描写は・・・

井川遥がDV癖のある元旦那に呼び出され、やり直そうぜと言われるが拒否する井川。元旦那は「そんなこといっても、お前は俺のことが忘れられないんだぜ!」とばかりに迫る。すると外で井川の帰りを待つ父親のカットに変わり、すぐに井川が(事が済んだ後か)ソファの上で裸の上にコートを羽織っている状態で寝ている、というカットに変わる・・・

どこが壮絶レイプシーンやねん!!
週刊現代の捏造ぶりには恐れ入った。

そんな過去を思い出したので覚悟の上、限りなくやる気ゼロの姿勢で映画鑑賞。


西島秀俊は名家のお嬢、石田ゆり子と結婚式を目前に控えいちゃついていた。しかしエリートサラリーマンの西島は務めている航空会社が東南アジア航路を開拓するためにタイへ出張するのだった。
「わたしがいなくても我慢できます?」「たった数カ月だよ」
バンコク支社では同僚が西島の歓迎会を開いてくれることになった。男だらけの歓迎会に同僚(マギー)は美女を呼んでいるという。マギー曰く
「あんな女は見たことが無い」「あの女を見ると男は誰もが言葉を失う」とあらゆる絶賛の言葉を浴びせられ現れた女が中山美穂演じる真中沓子!この世界ではミポリンが最高の美女、というか妖女の類で扱われてます。一目見ただけでミポリンに言葉を失う西島。

タイ最大の航空会社パンナムと草野球の試合に挑む西島。9回裏1アウトランナー一塁の場面。支社長である監督の指示は送りバント。
「なんで送りバントなんですか?俺は今日一発ホームラン打ってるし、やらせてください!」「それ以外は凡フライだろ?自分を犠牲にして後に任せろ」
この後予想通り、監督の指示を無視して西島がフルスイング!逆転サヨナラホームラン打って大勝利。試合後西島が部屋でシャワー浴びているとそこにホームランボールを持ってやってくるミポリン。人の部屋に勝手に上がり込んだミポリン、無言でパンツを脱ぐ!そのまま襲いかかる西島と激しいセックス!

「場外じゃなくって中にホームラン打って!」

というセリフが(私には)聞こえた。ここまで二人はロクな会話を交わしてません。
この一発は気の迷いなんだと都合のいいこと考える西島だが、体は正直なので仕事をサボってミポリンとくんずほぐれつしまくりの日々。それでも『パンナムの隣に窓口を開設する』という偉業を達成した西島はそれを盾にして(いるようにしか見えない)お咎めなし。

ミポリンは高級ホテルでイギリスの作家の名前がついてるスイートルームを自宅のようにしている金持ちの美女という設定でそこに入り浸る西島は従業員から「ミスター・マナカ」呼ばわりされる。
この中山美穂がまったく何者かわからない。なんでこんなスイートルームに住んでいられるんだっていうとまあ、金持ちのパトロンをとっかえひっかえしてるんだ、みたいな適当な説明があるんだが製作者の頭の中では「素性のわからない女=ミステリアスな美女」っていうことなんでしょうか。でも映画を見る限りミポリンはいつでもどこでもパンツを脱ぐ痴女、ヤリマンにしか見えません。

この後石田ゆり子がお嬢特有の性根の悪さを見せつけて二人を別れさせ、西島とゆり子は元の鞘に収まって数十年後、仕事で再びタイに向かう。そこで出会ったのは昔とほとんど変わらぬ姿のミポリンだった!!!
ここで数十年ぶりに野獣のようにまぐわって、そんな時代もあったねと~終わるのかと思ったらこの後が長い長い!くクライマックスではやりすぎの超展開が待ってます。最後には「マイペンライ(大丈夫)」というセリフがあるが辻の頭はちっとも大丈夫じゃないと思う。

僕らのアイドルミポリンを痴女扱いした辻仁成の感性には恐れ入った。つくづく中山忍のファンでああ良かった!  


Posted by 縛りやトーマス at 01:53Comments(0)映画