2012年07月24日

(おっぱい以外は)がっかり映画

観てきましたよ。『ヘルタースケルター』を。



始まるとすぐに勿体ぶった見せ方でエリカ様がズバーっとおっぱい披露!
メイク室に彼氏(窪塚洋介)としけ込んで「もう我慢できない!」とばかりにセックス三昧!この場面の息のピッタリあったカラミはさすが大麻愛好家同士!といったツーカーぶりで仁科克基と多岐川華子に見せてやりたい!

・・・と冒頭三十分でコレ!この後一体どんな豪華絢爛淫乱大百科なムービー対戦EROMAXが行われるのかと思いきや・・・エロイシーンは今説明したところぐらいで後は大した見せ場がないのであった・・・

主人公りりこ(エリカ様)はもともとブサイクだったが全身整形で美人に変身する。文字通り生まれ変わったエリカ様はトップモデルとしてあらゆるファッション誌の表紙を飾り、ドラマに出演し、女子高生のカリスマとなって芸能界に君臨する。見た目は最高だが中身は最悪なのでスタッフには当たり散らしマネージャーを奴隷のように扱って女王のごとく振舞う。しかし全身整形の代償として定期的な再手術と痛み止めの注射を打ち続けるエリカ様は肉体、精神ともども崩壊していく。

ブサイク女が美人に変身、というストーリーからはかつての自分をバカにした連中への復讐とか、そういうのを想像するんだけど、この映画では主人公はそんなことはなく、別人に生まれ変わったのだから過去なんて知らないよ!てなもん。
女王として君臨するエリカ様はやることといえばセックスとスタッフいじめと再手術しかないので全然楽しそうにみえない。何をやりたいのかがまったくわからない。
セックスにすら飽きているので、最高のパートナー窪塚(笑)と以外は哀川翔とつまんないベッドシーン(ずっとシーツかぶってるのでおっぱいどころか肌も見えない)やマネージャーの寺島しのぶにクンニ強要するぐらい。

“何をやりたいのかわからない”
というのはこの映画のテーマそのもので、冒頭三十分の後はひたすら意味不明でロクに見せ場もない時間が延々とつづく。監督の蜷川実花は旬のスター、沢尻エリカに生ける伝説と化した岡崎京子の原作漫画という二つの宝を手にして、何をどうしていいのかわからなかったような映画を撮る。
蜷川実花自身が名演出家蜷川幸雄の娘として生まれてどうしていいのかわからないのでとりあえず写真とかアートの世界に入ってみました、みたいな人間だからしょうがないんだろうけど。
エリカ様も何をどうしていいのかわからない生活してるもんね。大麻なんて刹那的な快楽に溺れている辺りにそれが現れてると思う。

どうしていいのかわからないりりこは物語の中でひたすら無意味で何が目的なのかわからない行動を繰り返し、ぽっと出の新人に仕事を全部奪われて、後遺症に苛まれ、痛み止めの注射による幻覚に苦しめられ、すべてを失う。

クライマックスは全身整形がバレたりりこの記者会見なんだけど、大勢のマスコミから一斉にフラッシュ炊かれるっていうシーン。後半最大の見せ場なんだけど、これが合成っていうね・・・

そこでエリカ様を追い込めよ!!

こんなぬるいクライマックスを経て、オチはりりこファンの女子高生らが
「りりこぐらい変身できるんだったら私もやろうかなー」
と整形外科医の門を叩く、というそれでも整形せずにはいられない女たちが悪い、世の中が悪い!という何が何だかな教訓を垂れた挙句、蛇足に次ぐ蛇足をつけてオチを迎えるという・・・どうなってるんだこの映画は・・・

そう、この映画には男も女も頭悪いのしか出てこない。最高にバカなのが検事役の大森南朋で、りりこのことを「タイガーリリー」(笑)と呼んで、もってまわったようなセリフ回しをする。何物だよお前は。整形外科医の手術の後遺症で自殺者が二人出るんだけど「まだ駄目だ!これぐらいでは動けない!」とかいって医者に乗り込まないの。人が死んでたら動けよ(笑)
証拠がない!と言っているくせにりりこの過去のデータとか完璧に揃えてるし。

エリカ様の脱ぎっぷりとセンセーショナルなテーマだけで観客の興味はそそられてるので、ヒットはしているけれども蜷川じゃなかったらもっとスゴイ映画になってたはずなのにねえ。
「見たいものを、見せてあげる」
という惹句なのに、イマイチ見たいものじゃなかったような・・・
せっかく頑張ったのに、エリカ様、大いに脱ぎ損。  


Posted by 縛りやトーマス at 23:27Comments(0)映画