2013年02月21日

21世紀の脳男

連続爆弾魔と感情のない殺人マシーンの対決という、今時の邦画ではあまりないタイプの『脳男』を見る。



暗躍する連続爆弾魔に手を焼く警察は、路線バス爆破現場から発見された遺留品を手がかりにアジトを割り出す。刑事・茶屋(江口洋介)は部下とともにアジトへ突入するが、踏み込んだ途端、アジトが爆発する。
スキール音を耳にした茶屋は爆破されたアジトへ侵入するが、そこにいたのは全身を煤だらけにした青年一人。
警察はついに容疑者を確保したと湧き立つが青年(生田斗真)は自身を「鈴木一郎」と名乗っただけで犯行について黙秘を続ける。これまでの犯行が異常すぎたこともあり、警察は精神科医・鷲谷(松雪泰子)に精神鑑定を依頼。鑑定の結果は「異常なし」だがあまりにも「平凡すぎる」結果に鷲谷は疑問を抱く。
やがて鷲谷は青年の正体が入陶大威という大富豪・入陶倫行の孫だということを突き止める。いまだ未解決のひき逃げ事件で両親を失った大威は祖父の倫行に引き取られるが、息子夫婦を理不尽な事件で失ったことで狂い始めた倫行は大威の非凡な才能を見抜き、「この世に蔓延る悪を殲滅する人間になれ」と孫に歪んだ英才教育を施す。結果大威は正義の名のもとに裁きを下す感情のない殺人マシーン、“脳男”として目覚める。
爆破現場にいたのも犯人だからではなく、犯人を抹殺するために居たのではーそんな仮説にたどり着く茶屋は本庁へ移送される一郎の護衛を任されるが、そこに本物の連続爆弾魔が現れ、混乱に乗じて一郎は逃走する。
ここに狂気の連続爆弾魔と感情のない殺人マシーンの闘争が幕を開ける!


景気のいい爆破シーンで開幕するこの『脳男』それだけで「こいつは一味違うな」と唸らせられる。
何しろ最近の邦画はテロ映画なんかでもリアリティを出そうとして爆弾ではなく細菌兵器なんかを扱ったりするんだが、細菌兵器なんて地味すぎて盛り上がらんねえ。そんなリアリティ、いらねえから!やっぱりドカーンと爆発してナンボでしょう!アクション映画ってもんは!
この『脳男』はバスやら護送車やら病院までもがボンボン吹っ飛んでくれて『リーサル・ウェポン』シリーズか『ブローン・アウェイ』ばりに爆発するので気持ちイイね!対決するのが爆弾魔と殺人鬼というどうかしている組み合わせも邦画らしくなくてよい。
感情のない殺人マシーン、脳男を演じた生田斗真といえば俺にとっちゃ『ハナミズキ』で借金返済のためにマグロ漁船に乗ってたおしゃれ野郎だったが、そんなよろしくないイメージをぶっ飛ばす名演!『太陽を盗んだ男』の沢田研二、『蘇る金狼』の松田優作にも引けを取らぬ色気のある表情といったら!
対する連続爆弾魔役の二階堂ふみも相棒の太田莉菜がキスを求めて迫ってきたら唇を貪った後で「馴れ馴れしくすんじゃねーよ!!」ってボコボコに蹴り飛ばした後で泣きじゃくる彼女を抱きしめるという狂人演技で「連続爆弾魔が女の子二人とかアホかw」というしょうもないツッコミする隙すら与えぬ!

あちこちにトンデモな描写があり、やりすぎ感のある映画ではあるが、大人しく収まってばかりの邦画の中でたまにはコレぐらいやってもらわんとな!ここは脚本の成島出の勝利といったところか。監督すると『ミッドナイト・イーグル』『ラブファイト』といったトンデモ映画を連発してるんだけど。あの救いのないオチといい、最高だね。これがジャニーズのジェイ・ストーム制作で送り出されたという事実も含め!
エンディングはキング・クリムゾンの『21世紀の精神異常者』おっと『21世紀のスキッツォイド・マン』!観客がみんな混乱してた。

  


Posted by 縛りやトーマス at 17:32Comments(2)映画