2013年04月08日

全然老けてへんやろ!『ボクたちの交換日記』

鈴木おさむの『芸人交換日記』を映画化した『ボクたちの交換日記』を見る。



売れない漫才コンビの二人(小出恵介と伊藤淳史)が交換日記を通じて今まで言えなかった互いの思いを吐き出し、今後をかけてお笑い賞レースの優勝を目指す、という話。
芸人が原作だけあって、売れない芸人の苦悩や葛藤が鮮やかに描かれる芸人あるあるなんだが、中盤からクライマックスへと向け、過剰なほど泣きの場面がこれでもかというぐらいに続き、いいかげんにしろやと言いたくなる。
劇団ひとりの『陰日向に咲く』とかもそうだけど、どうしてお笑い芸人が小説だの映画だのをやると必ず過剰な泣きが描かれるのか。芸人なんだからきちんと笑い書いてよ!海外のコメディアンが作る映画(ジム・キャリーとかベン・スティラーとか)が作る映画って多少泣きの描写があっても笑いの比重が多いのに。笑いより泣きの方が上等だとでも思ってるのかしら。

なぜにこうなるのかというと笑いより泣きの方が簡単だからだろう。笑いのツボは人それぞれ違うけど、泣きのツボは大抵同じなので、この映画で描かれる夢に挫折するところや末期の重病で人が死にかけたりするところは誰でも泣くからね。泣きの描写が安易すぎる。
それに引き換え笑いの描写は「えっこの程度?」という笑いでも劇中で爆笑が起きており、お寒いことこの上ない!

小出恵介が演じている芸人は独り身でバイトが終わると閉じこもってネタを書いている伊藤淳史に比べて、なんと彼女と同棲しているのだが(一人でこもっている方がネタを書くという辺りは芸人ならではのウォッチだと思う。小出くんみたいな適当なお調子者にネタが書けるはずないからだ)、この彼女が昼は薬剤師の仕事、夜はキャバクラでバイトして彼の生活を支えているという設定で、演じているのがなんと長澤まさみ
もうこの時点で嘘臭さが頂点に達する。まさみタンみたいなイイ女が男を支えたり、彼が売れてくれるのをずっと待つはずがない!イイ女は待たせる側だろう!
それこそ鈴木おさむの嫁の森三中・大島とかを配役すべき。ちょいブスぐらいの女が優しい女で売れない芸人の男を支えるっていうのは割とあるしね。
映画なんだから多少は綺麗どころ使わないとっていうのはわかるんだけどねえ。かつて大槻ケンヂの『リンダリンダラバーソール』に映画化の話がもちあがった時、主人公のバンドマンとつきあってるサブカル女役を加藤あいにしようとした奴相手にオーケンが暴れて映画化はナシになったというのと同じことがここでも繰り返されている!

そして映画はお笑い賞レースを経て17年後の世界が描かれ、小出くんとまさみタンは結婚して娘(川口春奈)が出てきたりするけど、当然17年後のまさみタンも出てくることになる。そりゃあ今あれだけ綺麗なんだから、17年経っても年相応の魅力を身につけた艶っぽい女性になっておるであろう・・・と思いきや、なんの老けメイクもせずに17年前と同じ姿で登場するのであった。老けメイクぐらいさせろよ!!
一体全体監督(内村光良)は何を考えて演出してたのやら。誰か突っ込めよ!お笑いコンビの映画なのに誰も突っ込まないなんて・・・


「おいっ、まさみタン、全然老けてへんやんけ!なんでやねん!」
「もうこの映画やっとれんわ!終わらせてもらうわ!」
「しっつれーしましたー」

『ボクたちの交換日記』
-完-


この映画、長澤まさみと佐々木蔵之介が出演しており、長澤まさみと東宝の長澤班が迷走していた時代の珍作『群青』のコンビが再び共演を果たしたのだが、パンフレットで二人のプロフィールに『群青』が書かれてなくて、触れられたくない空気をビンビンに感じました。これをまさみタン宛ての交換日記に書きたい!  


Posted by 縛りやトーマス at 21:04Comments(2)映画