2014年06月09日

アニキ!『超能力者』

 2014きってのトンデモ映画と話題の『MONSTERZ』の原作映画『超能力者』を観ましたよ。


※以下『MONSTERZ』と『超能力者』のネタバレについて書いてありますので未見の人は注意!





 あの超トンデモ映画の元ネタなんだから、さぞかしトンデモなんでしょうねえ……と覚悟を決めて観たところ、意外とまともで、『MONSTERZ』なんかより遙かに面白いじゃない!なんで『MONSTERZ』はあんなことになってしまったんでしょうか……
 この『超能力者』が『MONSTERZ』と比較して面白いところは、説得力ゼロで必然性もない設定や場面にきちんと説明がついているところ。
 例えば『MONSTERZ』では藤原竜也が超能力でフリーマーケット会場にいる人間全員を止めてそこで何をするわけでもなく親子のかぶってる帽子をいじったりして「俺ってすごくね?」気取りしていると
この前に藤原竜也は超能力で銀行員と客を操って金庫の金をせしめるという、映画の観客に自身の超能力がどういうものかアピールをすでにしているため、お話上まったく意味のないシーン
 離れたところで引越しのバイトをしている山田孝之が普通に動いていて、初めて「人を操る」超能力者・藤原竜也は自分の能力が通用しない相手、山田孝之の存在を知るという場面なんですが、山田孝之は藤原竜也のことをこの時点ではまったく知らず、車に撥ねられたもののケロッとして三日で退院する山田孝之を見た藤原竜也はなぜか「こいつを殺す」と決めて彼が働くギター屋に超能力で操ったマッチョ男(このシーン、ギャグにしか見えない)を送り込む。
 この戦いは必然性があるようでまったくなく、山田孝之のことなんてほうっておけばいいんじゃないの?

 ところが『超能力者』では人を操る超能力を持つチョイン(カン・ドンウォン)が質屋【ユートピア】を襲って金をせしめようとしたところ、たまたまそこに超能力が通用しない男イム(コ・ス)が働いていたためもみ合いになり、最中に質屋の社長チョンシクが殺されてしまう。イムは雇ってくれた恩人の復讐のため、超能力が通用しないという唯一の利点を武器にチョインに立ち向かう……という展開で二人の出会いのシーンから対決に至るまでの流れには必然性が生まれるようになってます。

 最も大きな改変部分は山田孝之が「死なない肉体を持つ能力者」であるというネタばらしに関する部分で、『MONSTERZ』では最初の方ですぐにこの能力が発覚するんだけど、『超能力者』ではクライマックス、イムはビルの屋上からチョインを抱いたまま飛び降りて殺すことに成功したものの、首から下が麻痺してしまい車椅子生活に。しかし線路の下に落ちた子供を目の当たりにしたイムは復活して子供を見事救出!「死なない肉体(超回復力)を持つ能力者」であるということがラストで判明するんだよ!
 この「死なない肉体を持つ能力」についてのネタバレが最後までない分、『超能力者』はハラハラドキドキが最後まで続くようになっているのに、『MONSTERZ』では能力のネタバレが初めにあるため、ひたすら山田孝之が頑丈な部分を必要以上に描いてマヌケになってたり(花壇の下敷きになるところとか)、まったく無意味な石原さとみとのイチャイチャ(邦画の無駄な恋愛描写、本当にやめてほしい)があったり、同僚の落合モトキらとカードゲームやったり、スーパー銭湯みたいなところで遊んだりとオリジナルを面白くない方にばかり改変しているのだった。

 『超能力者』のイムはスクラップ工場の同僚である外国人労働者らと男同士で遊園地に遊びにいく場面があったりして、友達のいない寂しいやつだということが描かれ、能力のせいで父親に虐待されて育ち、家を飛び出して以降誰も頼る者がいないチョインとの孤独な者同士の対決であることを匂わせる。
 イムのことを「アニキ」と呼んで慕って新しい職場の質屋にまで遊びに来る外国人労働者の二人はチョインの超能力を封じるためのサングラスや、目眩ましのための発光するロケット弾(!)なんかを作って援軍になってくれるんだけど、最後は……この二人の活躍、男泣き必死。
 ところが『MONSTERZ』では落合モトキと大賀(という役者)の演じる同僚がまったくの役立たずで、物語を盛り上げることもなくただ、そこにいるだけ!
 とにかくオリジナルを徹底的にダメな方に改変していくのが凄いわ。
 ちなみに『MONSTERZ』の企画は中田秀夫監督の
「藤原竜也のラブストーリーを撮りたい」
 という提案を受けていた佐藤プロデューサーが『超能力者』を見つけてきて、中田監督も
「ラブストーリーではなかったが(笑)相反する力を持った男の戦いに情念とある種の色気を感じた」
 こう語り、藤原竜也もOKを出してスタートしたんだって。


な… 何を言っているのか わからねーと思うが 

おれも 何をされたのか わからなかった…

頭がどうにかなりそうだった… 駄リメイクだとか超能力だとか

そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ

もっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ…



  


Posted by 縛りやトーマス at 14:56Comments(0)映画