2014年07月01日

怒りのハリケーンを食らえ!『女子ーズ』




 郊外の採石場に謎の怪人が出現!地球の平和を守るために集められた5人の戦隊ヒロイン、その名も女子ーズが怪人を迎え撃つ!
 女子・レッド(桐谷美玲)!
 女子・イエロー(高畑充希)!
 女子・グリーン(有村架純)!
 女子・ネイビー(山本美月)!
 ……って5人いないんですけど……
 怪人に「ちょっと待って」と一旦断ってやってこない女子・ブルー(藤井美菜)に携帯で電話するレッド(律儀に待ってくれるんだ、怪人!)
 「ちょっと、なんで来ないのよ!」
 「いや、今、マツエクしてるところだから……」
 「マツエクなんかどうでもいいでしょ!」
 「いや、でも人前でるんだからちゃんとした格好したいし……怪人さんもそう思ってるはずだし」
 「そうなの?」
 「どっちでもいいよ!」
 「どっちでもいいって言ってるんだけど!あんた怪人とマツエクとどっちが大事なのよ!」
 「ん~……ごめん、マツエク」

 という緩すぎるやりとりでスタートする『女子ーズ』は東映のスーパー戦隊シリーズのメンバーを女子だけで構成したら……というパロディ。
 特撮ファンというのは基本的に優しい連中の集まりなので、長年本当にどうしようもない仮面ライダーやスーパー戦隊シリーズの劇場版とか、キカイダーREBOOTやら、果てはCASSHERNとかガッチャマンですら満足しちゃう人種で、「俺たちが観に行って金落とさないと、次の作品が出来ないし……」とか言っちゃうの!
 世の中はそんな特撮ファンの善意につけこんで愚にもつかない駄作を平気で放り出し続けてきたわけだが、この『女子ーズ』も見事にその系譜に連なる作品であった。
 マジで特撮ファンはこの作品に怒り狂った方がいいと思うよ!この手の特撮、ヒーローもののパロディで本当に腹がたつのは、特撮ヒーローものなんて、好きでもないし理解してもいないくせに「いやー、こういうの好きだったんですよねえ」とこっちに擦り寄るふりして理解も愛情もないゴミを創りだしてくる連中!脚本・監督の福田雄一(『薔薇色のブー子』の!)はまさにそれで、怪人と女子ーズの戦いは毎回採石場で行われるのだがそこが80~90年代のスーパー戦隊シリーズやウルトラシリーズの撮影に使われた寄居町の採石場。福田曰く「あそこは特撮の聖地ですから」っていうんだけど、今では寄居町の採石場なんて、ほとんど使われてないしそんなところを撮影に使われて古きよき特撮ヒーローものを表現しました!って言われても相当ズレてる。そんなところに触れられても、「だから、何?」「へーっ、昔の採石場使ってるんですねえ、それって懐かしいねえって言ってもらいたいの?」でおしまいだよ!
 
 出てくる怪人のデザインが昔の仮面ライダー怪人風だったり、女子ーズのコスチュームデザインが島本和彦だったりと、いかにも「俺、特撮のことわかってますから!特撮ファンが喜びそうなところ、抑えてますから!」と擦り寄る姿勢を見せているところが、本当に腹立たしい
 特撮ファンの中でも悪口の大好きな連中(私のことです)はこういう、特撮ファンに媚びてるの、本当に嫌いだからね。なにしろパロディが緩いってのがもうダメ。女子が集まって色んな理由(バイトだとか、劇団の稽古忙しいとか)をつけてなかなか5人が揃わないってところでどうやって笑えっていうの?
 普通カワイイどころの5人(このクソ同様の映画の中で5人のキャスティングだけは最高)集めたら、その5人が激しく華麗なアクションを見せるってところが見せ場でしょ?ところが女子ーズの5人はロクにアクションしないし、何かあったら5人で使える必殺技・女子ーズハリケーンで敵を倒すだけ(だから5人そろうかどうかがハラハラドキドキになるって、そこからして間違ってるから!)。
 本気でパロディにするならDAICONの『愛國戰隊大日本』とかヒーローものを現代的解釈で復活させるなら井口昇監督の『電人ザボーガー』という傑作があるのにそのどちらにも劣ってるんだから。

 福田雄一が本作をつくろうと思ったきっかけは


 「原点はウチの奥さんなんですよ。劇中に女子・ブルーが「私、走るのNGなんで」っていうセリフがあるんですけど実際に奥さんが言ってたことですし、かなりの割合でウチの奥さんの名言が含まれているんです。要は単純に僕から見た女性の納得いかない感じをまとめた感じですね」


 そんな理由で映画つくるな!!!
 採石場や島本和彦使ったりしながら実際は特撮ヒーローものへの理解も愛情もないということがお分かりいただけただろうか。
 あと、島本和彦もこんなのに協力すんなよ!島本和彦は冗談で作品に関わったと信じたい。だって、島本デザインの女子ーズコスチュームは暗黒流れ星で落下させたいぐらいにダサくて、本当は炎プロのアシスタントにやらせたと言っても俺は怒らない!
 女子ーズって名前が胸のところにデザインされてるの、嘔吐するほどカッコ悪い。これよりももクロの『Z伝説~終わりなき革命~』のコスチュームの方がカッコイイぞ。



 「色分け」「各メンバーの個性を際立たせる」というゴレンジャー風の手法で大人気のももクロに比べ、興行ランキングにも入らず消え去った『女子ーズ』。どちらが正しかったのか、言うまでもあるまい。
 映画の最後にダンボールの女子ーズ・ロボが出てきて巨大化した怪人と対決するが、スーパー戦隊シリーズの巨大ロボット戦といえば最後は武器を使って「太陽剣・オーロラプラズマ返し」でフィニッシュとなるのが定番なのに、わちゃわちゃ手を出しあって、決着がついたかどうかわからないままエンドって……
 言わせてもらうと女子ーズ・ロボよりあーりんロボの方がカワイイからな!

 

 世の特撮ファンを舐めきった『女子ーズ』と福田雄一を俺は許さない。特撮ファンハリケーンを食らうがいい!!

  


Posted by 縛りやトーマス at 23:40Comments(0)映画