2015年07月18日

お前は俺を信じなさい ホレ信じなさい『レフト・ビハインド』



 深刻そうな顔をすればするほど笑えてしまう、ニコラス・ケイジの主演最新作。これが久しぶりの超トンデモ映画なのでご紹介!


 ジャンボジェット機の機長、レイフォード(ケイジ)はキリスト信仰に傾倒し、事あるごとに神の名前を口にする妻アイリーンとは不仲で、彼女から逃げるように同僚のCA、ハッティと関係していた。レイフォードの誕生日パーティのために帰宅してきた娘のクロエだがアイリーンから父親は仕事でパーティには参加しないと聞かされる。レイフォードは「U2のロンドン公演チケットを手に入れたぜ!」とハッティに見せびらかす。仕事のフリしてハッティとロンドンでイチャイチャするつもりだったのだ!
 そんな父親の態度にあきれ果てたクロエは弟を連れてショッピングモールにいくのだが、突然弟の姿が消えてしまった!消えたのはクロエの弟だけではなく、モール内の人間の何人かも消えていることに気づく。店内は大騒ぎになり、客による略奪が始まる(なぜ?)のだった。
 その頃レイフォードが操縦する飛行機内でも消失事件が起き、副操縦士にハッティ以外のCAも消えてしまうのだった。ようやくつながった地上との交信で世界規模の消失が起きていることを知るレイフォード。パイロットが消失した飛行機と接触した機体はダメージを受け、燃料が流出。ニューヨークへ引き返す決断をする。


 人が消えるというから、オカルトめいた内容を想像したのだが、これなんと聖書にある携挙のエピソードのことなの。最後の審判の前に敬虔な信者と純粋無垢な子供だけが神に選ばれてこの世から「消える」。
 映画は消失が携挙のことだと悟ったニコラス・ケイジが飛行機を着陸させ娘と再会。神の存在を知ったケイジは「この事実を世界中に知らせなくちゃ!」と神の使徒に生まれ変わるのであった…
 要するにキリスト教のプロパガンダとして作られた原作の映画化(原作は全12巻からなるベストセラー…なのだが当然買っている人というのは…)だが、10分もあれば説明の済んでしまう内容を無理やり110分に引き伸ばしているので地上でも、空の上でも大した騒ぎは起きずタラタラ終末ごっこに興じる人々を眺めるだけという退屈極まりない出来。キリスト教徒に並の知性があったらこんなバカな映画は見ないだろう、と思ってたら本国でもキリスト教系の批評家から「バカにするんじゃねー!」と批判が上がっており、ゴールデンラズベリー賞に3部門ノミネートした。

 とボロクソな評価をくだされている映画だが、なぜか原作者は気にいっており、すでに続編二本の製作が決定(!)、クロエ役のキャシー・トムソン、ジャーナリストキャメロン役のチャド・マイケル・マーレイ 、ハッティ役のニッキー・ウィーランが契約書にサイン…って全員脇役だろ!ニコラス・ケイジは!?所詮ケイジは客を呼ぶためにスター役者がいるってことで、やってきたパンダってことなのね…そりゃ、まともな人間はこんな仕事受けんわな。

 何しろ主人公らは携挙や神の存在を信じこむのだが、神の存在を説明できているわけではないので「神は存在するのだ!」と言われても「?」でしかない。『ウルトラマンA』に出てくる異次元超人ヤプールにダマされる北斗隊員よりチョロいニコラス・ケイジ。「お前は俺を信じなさい ホレ信じなさい」もはや最後には「信じなさい!信じれば救われる!」しかないんだから。



「人間消失」は同じ原作で以前に作られたTV映画  


Posted by 縛りやトーマス at 04:36Comments(0)映画