2016年02月05日

内面なの?外見なの?どっちが好きなの?『ビューティー・インサイド』



 眠って目が覚めると姿形、時には性別、国籍すらも変わってしまう奇病に罹った男が恋をする。彼女は毎日姿形の変わる男を愛することができるのか!?という一風どころか九風ぐらい変わったラブロマンス。

 目覚めると姿形が変わってしまうウジンは人に会う仕事ができないためにネット販売専門の家具デザイナーをしている。ウジンの病気を知っているのは母親(ムン・スク)と幼なじみのサンベク(イ・ドンフィ)だけ。サンベクにはおばさんになってしまったのを母親と勘違いされて病気のことを知られるのだが、そんなバカなと相手にされない。

 「だったらウジンにしか話していない俺の秘密を言ってくれよ。俺が一番好きな日本の女優は誰だ?」
 「あ…蒼井…そら」
 「ブハッ!お前は確かにウジンだ!」

 日本海を越えて親友同士の秘密のネタにされる蒼井そらの人気の広さを知った。


韓国でも大人気な蒼井そらさん

 ある日ウジンは立ち寄ったアンティーク家具店の店員、イス(ハン・ヒョジュ)に一目惚れ。毎日のように店を訪れ、イスに「初めまして。何かお探しでしょうか?」と声をかけられる(そりゃあ向こうは毎日違う客が来ると思ってるわけだから)。毎日渡されるイスの名刺のごとく、思いは募るばかり。ウジンは思い切って告白することに。そのために「彼女に気に入られそうな」イケメンになるのを待つのだ。
 見事イスをデートに誘うことに成功するが、一度だけでは我慢できずに明日の約束もしてしまう。でも寝たら姿が変わってしまう。そうだ、寝なけりゃいいんだ!!三日三晩寝ずにデートを繰り返すが四日目に電車で眠ってしまう。イスは絶えてしまったウジンからの連絡を待ち続けるのだが…


 前代未聞、123人が一役を演じるというアイデアはCM出身のペク監督によるもので、子供の姿になったウジンとイスがデートしてタメ口で話しているのを店員に「大人にタメ口聞いちゃだめでしょ!」と怒られたり、ウジンの病気を初めて聞かされ、真剣に今後のことを彼と話し合うため訪れた時のウジンが上野樹里(!)になっていて日本語と韓国語でまったく通じない会話をしたり(上野樹里が『言葉は話せないが聴くだけならできる』と、ご都合主義もいいところだが)、「それでも心は通じあっている」という二人は付き合い始める。
 この映画の面白いところは、交際を初めてからも話が続く、というか本筋はここから始まるところ。ウジンにとって初めて自分をありのままに受け入れてくれるイスの存在にはしゃぐのだが、一方イスの心は少しずつ蝕まれていく。何しろウジンは毎日違う姿になってしまうので、朝目覚める度に「この人はウジンだ」と一生懸命思い込まないといけない。イケメンのウジン、女性のウジン、アメリカ人のウジン、老人のウジン、ハゲ散らかした中年のウジン…おかげでイスは同僚たちから「毎日違う男と付き合うあばずれ」と呼ばれているのだ!
 病院に運ばれたイスが精神安定剤を常用していることを知ったウジンは自分の存在がイスを追い詰めていると感じ、彼女の前から姿を消す。


 毎日姿が変わる人を愛せるか?人は外見(アウトサイド)より内面(インサイド)ではないのか?という外見に自信の人々を勇気づける作品のようだがその実、イスが二人の今後について重大な決断を下したりする場面では大抵ウジンがイケメンの時(もしくは上野樹里)なんだよな~それって結局ビューティー・インサイドじゃなくてビューティー・アウトサイドっていう風に見えるんだけど!
 せめて、一度でもいいから外見が華井二等兵ぐらいの時に「やっぱりあなたと付き合うわ!人は外見より内面よね!」って言ってくれたらこの映画の理想を信じられたのに…残念!


華井二等兵がフィーチャーされたエジモン『ブッコイマン』のMV

  


Posted by 縛りやトーマス at 21:24Comments(0)トンデモ映画