2016年04月09日

藤岡弘、 のジャスティスの誕生『仮面ライダー1号』



 2016年はスーパーヒーローイヤー!と東映が勝手に決めつけたメモリアルイヤー。その企画第一弾が仮面ライダー1号、本郷猛こと藤岡弘、が本郷として復活、単独主演となる映画『仮面ライダー1号』である。仮面ライダー生誕45周年という微妙な数えなのは藤岡弘、が今年70歳なのでキリの良い50週年にするともう75になってしまい出演どころじゃなくなってしまうということを危惧したのだろう…
 そんな諸事情を感じさせるメモリアルイヤーの劇場版仮面ライダー、なんと藤岡弘、が企画にまで絡んだ。そのためとんでもない話になってしまった。

 仮面ライダー1号、本郷猛は過去から現在に至るまで戦い続けており、現在はタイ、バンコクで悪と戦っていた。タイから始まる仮面ライダー!『ハヌマーンと5人の仮面ライダー』(74)かよ!!



 タイの食堂でメシを食っている本郷の元に地元のヤクザがやってくる。
「おい!お前のせいでうちの若いもんが怪我をしたんだ!落とし前をつけてもらおうか!」
「…今は食事中だ」
 とタイ語を話す本郷、メシを食い終わって「ごちそうさま」と大和武士の心を忘れない。だがここだけ日本語だ!食い終わるやいなや、ヤクザたちをあっという間に叩きのめす。『空手バカ一代』みたいな展開だ。疾風のようにさっていく男を見て現地人たちは
「誰なんだあの日本人は?」
「あいつが本郷猛だ!」
 と説明調のオープニングの後、本郷はとある事情から緊急帰国するのだった。日本ではショッカーの残党と彼らから袂を分かった新興勢力、ノバショッカーが街を破壊していた。ショッカーが一人の女子高生を狙っていることに気づいた仮面ライダーゴースト・天空寺タケル(西銘駿)らは事情を探るため彼女に接触する。ショッカーの目的は大幹部・地獄大使(大杉漣)を復活させるため、その鍵を持つ立花藤兵衛の孫娘、立花真由(岡本夏美)を拐うことにあった。その場に駆けつけた本郷猛が貫禄ある変身ポーズとチャージアップしたボディと熟練の技でショッカーどもをあっさり粉砕。3年ぶりに再会した本郷と真由。しかし真由は「孫が一人前になるまで傍で見守る」というおやっさんとの約束を守らず悪と戦うために海外に渡った本郷を許さず、平手打ちをかます!

「この嘘つき!猛なんか大嫌い!」

 70のじいさんを呼び捨てにするって…しかも平手打ちって老人虐待だよ!!

 なんとか真由に許してもらいたい本郷は彼女が通う高校に教師として潜入!

「どうも臨時教師の本郷猛です!」

 やおら黒板に達筆で「生命」と書き出す本郷!

「生命は…つながっているっ!人と人は生命でつながっているのだっ!」
「今、世界中で環境破壊、飢餓、貧困の問題が起きているっ!それらはすべて人間のエゴが原因だっ!」
「若い人たちが問題の解消のために…今こそ立ち上がらなくてはいけないんだっ!」


 それ、藤岡さんが常々主張してることじゃないか!そんなハードな『課外授業ようこそ先輩』をいきなりやられてきょとんとする高校生たち。
(なにこの人、ちょっと怖いんですけど)
 な空気の中立ち上がる真由ちゃん。
「ちょっと静かにしようよ!猛が今大事な話をしてるんだよ!」
 クラスでただ一人本郷の熱弁に心打たれた真由ちゃん、猛を「3年間ほったらかしにしてきた分、一緒に暮らすこと」という条件で赦すことに。二人が遊園地で遊んだりするの。メリーゴーラウンドで戯れる本郷!「ハッハッハッハッ」物凄い光景だ…

 そんな頃ノバショッカーは(こいつらの存在をすっかり忘れていた)「ショッカーのやり方はもう古い!これからは経済を掌握するものが世界を支配するのだ!」と考えの元、国内の電力をこっそり独り占めすると「我々と契約したら新エネルギーを提供しよう」と総理大臣に迫る。うっかりサインすると新エネルギーが暴走を始めてしまう。「新エネルギーは不安定ですから。そこで我々の開発した“新エネルギーを安定にするテクノロジー”を提供するのでここにサインを」まるで石油を独占する中東がタンカーを沈めて石油の値段を釣り上げるレベルのイカサマ商売を繰り広げるノバショッカー。ただの詐欺ですよそれ。

 謎の眼魔の力により不完全な状態で蘇った地獄大使率いるショッカーによる街の破壊が再び始まる。自分たちだけでは手に負えないと判断したタケル、マコト・仮面ライダースペクターらは本郷に応援を頼むも「もう猛は戦わない。ずっと私と一緒にいるの!」と厄介娘に変貌した真由ちゃんのせいで本郷はもはやただの隠居ジジイに落ちぶれていた。そんな本郷に愛想を尽かすマコト。
 そこに真由の体内に隠されたアレクサンダー眼魂を狙った地獄大使一行が襲いかかる。善戦するも数十年に渡る戦いの日々で本郷の身体は限界に近づいていた。弱っていた本郷は敗れてしまい真由も拐われてしまう。
 これ以上戦えば生命を落とすことになりかねない。それでも本郷は戦うのだ!人類の平和のために!立花モータースの倉庫にしまいこんだネオサイクロン号とともに!



 藤岡弘、さんのせいでこんな面白トンデモ映画になっちゃって…最高ですね!やっぱり藤岡弘、=仮面ライダー1号は特別な存在なのだ。45年仮面ライダー1号やり続けたのは伊達じゃない。ヘンリー・カヴィルやベン・アフレックみたいに昨日今日スーパーマンやバットマンやりだした人間とは格が違うわな。
 傑作とトンデモの境目を疾走する本郷猛。臨時教師のシーンもそうだけど藤岡弘、さん、もはや本郷猛と藤岡弘、の区別がついていない。そう、これは「仮面ライダーの45年後」じゃなくて「藤岡弘、の考える仮面ライダーとは何か」を問う藤岡弘、のジャスティスの誕生」なのだった。生きて、生きて、生きぬけ!!



  


Posted by 縛りやトーマス at 00:41Comments(1)特撮・ヒーロートンデモ映画