2016年04月18日

実際には広瀬すずのようなかるたクイーンはいない『ちはやふる 上の句』




 競技かるたにかけた少年少女を描いた少女漫画の実写映画。

 競技かるたに夢中になる千早、太一、新の三人は新の引っ越しによって離れ離れになるが競技かるたの名人を祖父に持つ新の「競技かるたで日本一の名人になる」という夢を知り「かるたを続けていればいつか会える」ことを信じて再会することを誓う。
 高校生になった千早(広瀬すず)は幼い頃の情熱を胸に瑞沢高校かるた部を創設しようとするのだが「部員が5人いなければ部とは認めない」という校則が立ちはだかる。千早は幼なじみの太一(野村周平)、小学生の時にかるた大会で出会っていた肉まんくんこと西田(矢本悠馬)、呉服屋の娘・大江奏(上白石萌音)、ガリ勉で鉄道オタクの机くんこと駒野勉(森永悠希)を引っ張りこんでどうにか部の体裁を繕ったものの、進学のために部活動をしているだけの机くんはまったくやる気がなく、部室に来てもすぐに帰宅してしまう。そんな机くんに千早は「君が必要なんだよ。だから明日も部活に来て」と誘う。千早の真剣な眼差しにころっと引っかかった机くんは翌日から真面目に部活を始めるのであった。

 「上の句」と「下の句」に分かれた本作前半である「上の句」の注目はなんといっても机くんである。かるたの団体戦は5対5で行われ3勝したチームが勝ち上がっていく。経験者が千早、太一、西田と3人いるので瑞沢高校かるた部は3人を勝たせて奏、机くんを捨て駒にして勝ち上がっていくのだが、決勝戦を前に露骨に自分を捨て駒扱いする西田らの態度に机くんが機嫌を悪くし帰ろうとする。

「僕なんて捨て駒なんだろ?だったら居ても居なくても同じじゃないか!「君が必要なんだ」とか言っといて、本当はどうでもよかったんだろ!僕は誰にも必要にされたことなんかなかったんだ。だからついてきたのに、来なきゃ良かったよこんなところ…!」

 そんな彼に何もいえない千早たち。なんとか出場まではさせたものの、やる気のない机くんは競技中も指一本動かさない。もはや彼にやる気を起こさせることは出来ないのか?そんな時、千早が取った札が勢い良く飛んで机くんの頬に命中する。その札に書かれていた歌は

まつもむかしのともならなくに

 「誰をかも知る人にせむ高砂の 松も昔の友ならなくに」とは一人でいるのが寂しいというのは、なってみないと気づかないという歌で友人がそばにいることのありがたさを感じるという意味で、それを手にした机くんは号泣。ついにやる気を出すのであった。
 この展開、見てるこっちが号泣ですわ!机くん、わかるよ…君の気持ち!!やっぱり文化部系青春漫画はさえない奴に光を当ててナンボでしょう!
 クライマックスはあと一勝で勝ちとなる場面、勝負の行方は太一に託される。自敵陣ともに残りの札が一枚ずつになった「運命戦」(競技かるたでは自陣に置いてある札の方が簡単に取れるので自敵陣一枚ずつの状態ではお互い自陣の札が読まれるよう運命に委ねる状態になること)となる。自陣の札が読まれるよう太一は祈るのだが、自分の札が絶対に読まれないという確信があった。それは小学生時代、とあるかるた大会で太一は新と決勝を戦うことに。どうしても新に勝って千早の前で格好を付けたいと思う太一は視力の悪い新が水洗い場で顔を洗っている隙にメガネを奪って隠してしまうのだった!しかもそれをお地蔵さんに見られてしまっていた!その時は新に勝つものの、以降運命戦になれば必ず自陣の札は読まれなくなるように。神様仏様に見放されていることを悟った太一は敵陣の札を奪い取る作戦に賭けるのだった。

 競技かるたに賭けたあまりにも熱すぎる少年少女の青春、そしてダイナミックかつリアルな競技かるた描写もあって今までにない新しいスポ根映画となったわけだが、僕は机くんに夢中なので上の句ではヒロインである千早にはも一つピンと来ないのであった。
 やっぱり、リアルな競技かるたの世界には広瀬すずのような美少女が居ないからだろうか?本当のかるたクイーンって競技かるたにすべてをかけ過ぎた人たちしかいないからなあ。


  


Posted by 縛りやトーマス at 00:47Comments(0)映画漫画