2016年06月12日

押井守総決算『ガルム・ウォーズ』



 押井守幻の企画として知られる『ガルム戦記』の再企画化。惑星アンヌンでは創造主ダナンによって生み出されたクローン戦士【ガルム】が8つの部族に分かれてダナンに仕えていた。ダナンがアンヌンを去った後はアンヌンの覇権をめぐって争うようになった。【ガルム】は命を失っても個体の記憶をクローンに転写することで何世代も生き延びてきたのだった。
 巨大な飛行機から吐き出される空の部族の戦闘機と陸の部族の戦車群との戦いはフルCGで描かれ押井守映画、いや邦画の中でもトップレベルの出来だ。

 空の部族【コルンバ】のパイロット・カラ(メラニー・サンピエール)は戦闘中に陸の部族【ブリガ】の戦士スケリグ(ケヴィン・デュランド)、情報に精通した部族【クムタク】の老人ウィド(ランス・ヘンリクセン!)と絶滅した部族【ドルイド】の生き残りナシャン(サマー・ハウエル)らと出会い、彼等とともに誰も入ってはならぬ禁断の森ドゥアル・グルンドを目指す旅に同行する。

 記憶を上書きして死ぬこともなく生き続ける世界に希望はあるのか?そもそも我々はどこから来て、どこへ行くのか?レゾンデートルを巡る問答といういつもの押井守節が全開で、この企画に20年近くもこだわったのも理解できる。これがやりたかったんですね!
 世界観の説明に一時間半が費やされその説明が終わった途端に映画終了!という構成は『マトリックス』における「この世界は機械に支配されている!目覚めよ!解放せよ!戦いが始まるぞ!」といって完結した一作目が一番の傑作だったことを思い出す。その後の戦いなどは蛇足にすぎないのである。時代がついに押井守に追いついた感。未来に希望はあるぞ。


  


Posted by 縛りやトーマス at 06:14Comments(2)映画