2016年09月18日

なんですずすぐ死んでしまうん?『四月は君の嘘』



 月刊少年マガジンにて連載され、ノイタミナ枠でアニメ化もされた人気漫画の実写映画化。幼少の頃、正確無比な演奏ゆえに「ヒューマンメトロノーム」と称され、数々のピアノコンクールで優勝する天才ピアニスト有馬公生(山崎賢人)。彼の才能は元ピアニストの母・早紀(檀れい)の厳しい指導によるものだった。少しでもリズムが違うと怒鳴られ打たれるという高嶋ちさ子ばりのバキバキぶりで、末期の病に冒され車椅子に乗りながら過酷な指導を続ける母を少しでも勇気づけようと公生はあるピアノコンクールの優勝をプレゼントするが、喜ぶどころか演奏のリズムが違うと公生を叱咤。

「せっかく母さんのために優勝したのに!母さんなんか大嫌いだ!死んじゃえばいいんだ!」

 といった直後に母親死亡。この一件が大トラウマになった公生は演奏の途中でピアノの音が聞こえなくなってしまい、ピアノから遠ざかる。
 高校3年生になった公生は幼馴染の澤部椿(石井杏奈)の紹介で公生の友人、渡亮太(中川大志)に好意を寄せる同い年のヴァイオリニスト、宮園かをり(広瀬すず)と出会う。かをりの誘いで彼女が出演するコンクールに付き合わされる公生はよくいえば個性的、譜面を無視して好き放題に演奏するかをりに魅せられる。かをりの出演するコンクールで強引に伴奏を命じられたりする中で公生はトラウマを克服してピアニストとして再生を目指し、かをりへの恋心を芽生えさせてゆく。しかし、かをりの肉体は病に冒されていたのだった。


 元天才ピアニストの青年が自由奔放なヴァイオリニストと出会って過去のトラウマを克服する…って『のだめカンタービレ』じゃねえか!違うのはヒロインが死ぬってだけ。ヒロインの死はストーリー上まったく必要に見えず、彼女が生き続けても問題ないのでは?この物語におけるヒロインの死は『のだめ』との差別化と、美少女が難病で死んだら悲しくて読者、観客は泣いちゃうだろうっていう泣かせの要素のためだけでしかない。ヒロインの病名がまったく記されない(原作・アニメ・実写共通)ということからも作者には難病について読者観客に考えさせようというつもりもないのだろう。いきなり広瀬すずがぶっ倒れて立てなくなって、「成功率わずか」の手術に挑む。だからなんなんだよ手術で治る難病って…これはもう最悪であり邦画の悪しき流行りに便乗しているだけではないか。

 そんなどうしようもない欠点を補って余りあるほどに広瀬すずの演技が魅力的。彼女がついた本当の嘘について語られる、不思議なタイトルの意味が判明する(この『四月は君の嘘』って希代のタイトルだと思う)クライマックスで見せる広瀬すずの変貌ぶりは誰もが彼女に恋してしまうのだ。なのになんですずすぐ死んでしまうん?これは広瀬すずのセカチューなのでどんなに話がくだらなくて最悪でも、どうでもいいの。すずさえ可愛ければ。


  


Posted by 縛りやトーマス at 12:27Comments(1)トンデモ映画