2017年12月09日

これぞプログラムピクチャー時代の進化系『GODZILLA 怪獣惑星』



 庵野秀明監督の『シン・ゴジラ』は何十年も停滞仕切って改革すら望めそうにないゴジラシリーズに風穴を開けた一本だった。ならこのアニメシリーズ『GODZILLA 怪獣惑星』はどのようなアプローチをしてくるのか?はゴジラファンあらずとも気になるところ。『シン・ゴジラ』の延長上にあるゴジラと天災を絡めるのか、それとも…瀬下監督と虚淵玄がとったのは昭和のプログラムピクチャーへの回帰だった!

 地球上に登場した怪獣たち、それらの怪獣を凌駕する存在として登場したゴジラによって地球上の都市は破壊し尽される。やがて地球に飛来した宇宙人“エクシフ”、“ビルサルド”の科学技術を利用した対ゴジラ作戦(メカゴジラが登場する)も失敗に終わり、わずかに残された地球人類はこの星を捨て、居住可能な惑星を求めて宇宙船で旅立つ。

 エクシフとかビルサルドって何!?謎の宇宙人なんか登場させちゃって…X星人とかブラックホール第三惑星人、M宇宙ハンター星雲人じゃないんだから。「謎の宇宙人が現れる」というのは、昭和のプログラムピクチャー時代のゴジラシリーズに前述した宇宙人が出ているのをイメージしたという。彼らは大体敵なのだが、本作では絶滅寸前の地球人を救おうとする存在になっている。

 移住先の惑星を求めて11.9光年を旅したもののそれは人類が住めるような星ではなかった。長期間の移住計画の果てに食料も尽き欠け、老人たちを口減らしのため事故を装って処分する(!)事態に陥ってしまう。移民船の乗組員で子供の頃に地球から逃げてきたハルオ・サカキ(CV:宮野真守)はゴジラを撃退する方法を考案、地球にもう一度戻って戦うことを主張する。
 移民船アラトラム号は長距離亜空間航行によって地球へ帰還。その影響で地球では2万年の時が過ぎており、未知の怪獣たちが跳梁跋扈する怪獣惑星と化していた。


 ある種荒唐無稽な設定だが、昭和のプログラムピクチャー時代のゴジラに慣れ親しんでいる人々は怪しげな宇宙人が出てくると顔がにやけてしまうところ。ニトロプラスによる本作のノベライズも出版されており、そちらでは人類が地球を捨てるまでに何があったのか?という前日譚になっている。米軍がバンカーバスターでカマキラスを、日本の自衛隊がビルサルドの技術を得て完成させた潜水艦「豪天」がマンダを撃退するなどといった物語が描かれ、これが血沸き肉躍る展開なのだ。エメリッヒ版ゴジラまで登場してあっさりとやっつけちゃうんだけど、こいつは「あの」ゴジラじゃない、ぬか喜びさせるんじゃねえと世界中から怒られたりするのは笑える。これ、26話ぐらいのTVシリーズでやってくれよ!

 『シン・ゴジラ』の熱気に未だ中てられている人達には本作に物足りなさを覚えたり、「せっかくシン・ゴジラがゴジラの新しい可能性を切り開いたのに、またプログラムピクチャー時代に戻る気か?」というかも知れないが、歴代怪獣と人類軍が英知を賭けたサバイバルを展開する、というのはあの『ゴジラファイナルウォーズ』ぐらいしかなく、しかもファイナルウォーズより遥かに納得できる設定と物語は、未だかつてなかったもの(レジェンダリー版『キングコング 髑髏島の巨神』では人類は踏みつぶされるだけだからね)。これぞ昭和のゴジラ映画の進化系といったところか。しかもこれは3部作の第一弾で、あと二本まだ登場していない怪獣とのバトルが見られる、しかも公開は来年5月!毎年ゴジラの新作を見てああだこうだと言えるのだから学生時代の思い出が蘇った。あれは…いい時代だった…

  


Posted by 縛りやトーマス at 02:31Comments(0)映画特撮・ヒーロー