2018年01月06日

痛い女の前代未聞復讐劇『リベンジgirl』



 いきなり、コロンビア映画のロゴマークから始まるので驚いた。コロンビア映画はこの映画を配給しているソニー・ピクチャーズの子会社なんだけど、今年から邦画ではコロンビア→ソニーの順でロゴが出るようになったよう。だからといってこの映画が北米で公開されるわけでもないので、よくわからない。

 さて、この『リベンジgirl』は成績優秀な上、類まれな美貌を持つヒロイン、宝石美輝(なんちゅう名前や。ちなみにたからいし・みきと読む)が男にふられた腹いせに相手をギャフンと言わせてやるわよと女性初の総理大臣を目指すコメディだ。


 東大を主席で卒業した経歴を持つ宝石美輝(桐谷美玲)はミスキャンパスのグランプリに選ばれる。才色兼備の美女たる美輝だったが、それらをすべて帳消しにするほど性格が悪いのだった。ミスキャンパスの授賞式では「私が優勝したのは…当然の結果です!」とか言っちゃうし。謙虚に「私が優勝できたのは家族のおかげです」みたいなコメントを求めていた関係者は口あんぐり。他の出演者はぶち切れ。「他の人たちは運が悪かったっていうか…家で鏡見てきたら?って感じなんですけど~」とかいっちゃうからしょうがない。

 そんな美輝も男に恋をする。政治家一族の御曹司で、ハーバード大を卒業した斎藤裕雅(清原翔)だ。コロンビア大じゃないところがいいですね!美輝の高すぎるプライドを満足させるには充分すぎる裕雅が指輪をプレゼントするらしいと聞いて自分への婚約指輪だと信じて疑わない美輝は有頂天!呼び出されたパーティ会場で自慢しまくるのだが、裕雅からのLINEに「まだ仕事なんだ。疲れてるから美輝の笑顔を送ってくれないか?」とメッセージが。美輝はさっそくスマホでビシバシに決めた笑顔を撮るのだが、パーティ会場の女性客たちも一斉に自撮りし始める。ナニコレ?するとミスキャンパスの準優勝者で東大の後輩・仲手川万里子(馬場ふみか)も「先輩、私の写真撮ってください」とか言ってくる。彼女のスマホを見たら美輝に届いたのと同じメッセージが(笑)。

 怒り心頭の美輝が裕雅の元に乗り込むと、彼の子供を妊娠した女性(佐津川愛美)が堕胎費用を渡されている!裕雅はとんでもなく女癖の悪い男で、斎藤家の財力と権力によってもみ消されてきたのだった(そんなやつが政治家目指していいのか)。「お前みたいな頭空っぽの女、本気で好きになるわけないだろ!身の程知れよ」とさんざんなこと言われて美輝のプライドはズタズタ。ちなみに指輪は馬場ふみかへのプレゼントでした!

 悔しくて悔しくてたまらない美輝は私も政治家になってあいつを見返してやる、そうよ、総理大臣になってやるのよと決意。
 導入部にはこちらの好奇心も鷲掴み、今後の展開に期待が持てたがこの後はもう何もかもスッカラカン。美輝は政治塾に入ろうとするのだがその塾長は過去様々な政治家を政界へ送り込んできた政治のプロ、斉藤由貴。「あなたの相談に乗ってあげるわ」っていうんだけど、斉藤由貴さん、人の相談に乗ってる場合じゃないよ…あなたの方が相談に乗ってもらわないと。今は斉藤由貴の方がリベンジgirlだよ!さんざんバカにしたマスコミに怒りのヨーヨー攻撃だ!「てめえら、許さねえ!」

 話が逸れたが、斉藤由貴は素人の美輝のために秘書役として門脇(鈴木伸之)をつける。門脇はかつて政治家の秘書をしていたが、嘘ばかりの政治家に嫌気が差したのだった。頭空っぽで男への仕返しを理由にしている美輝に「お前みたいなやつは政治家に向いてない!」とズバリな門脇。しかし美輝にもたったひとついいところがあるのを見つけ出す。それは嘘をつかないということだ。誰にでも本音を言ってもめることを恐れない(だから友達がいないんだけど…)彼女は大雨の下でティッシュ配りのバイトをしている佐津川愛美を見つける。そのおなかは膨らんでいた…
 みじめな私をバカにしているんでしょう、と毒づく佐津川愛美に桐谷美玲、「そうよ、みじめだと思ってるわ。こんな雨の中、大きなお腹でバイトしてるあなたをね!お腹の子供に悪いと思わないの!」と強引にティッシュを奪い取る美玲、彼女のティッシュ配りを手伝うその姿に鈴木伸之も彼女を見直すのだった。ってさぁ…
 シングルマザーの苦闘を描いてるにしても表現が雑すぎ。いくらなんでも妊婦でティッシュ配りのバイトはないだろ。しかもあんな大雨で…びちょびちょのポケットティッシュ、渡される方も嫌だよ。

 こんな風にあらゆる表現が雑。裕雅と同じ選挙区に出馬した美輝だったが、卑劣な中傷作戦に遭ってしまい、やつの事務所に殴り込み。あまりの女性蔑視ぶりに怒りのパンチを食らわせようとしたところ、美輝の代わりに秘書門脇のストレートが炸裂。彼女を守るために辞表は出してきた、ってそれで済むわけないだろ。こんなことやったら選挙どころじゃないよ!ぼけ、死ねっていったことで大騒ぎになってる政治家がいるというのに。


※ここからネタバレです



 クライマックスはさらに無茶苦茶で投票前日、最後の演説で聴衆の前に現れた美輝、自分が振られた男へのリベンジのために出馬しているのに、後援会の人々や支持者たちが真剣に彼女のことを応援しているのを見て嘘はつけない!と腹をくくった美輝は自分が振られた男への仕返しのために出馬したことを告げ、それでも一生懸命に応援してくれる後援会や支持者のためにいい政治をしたい、そしてこんな私を変えてくれたある人(門脇のこと)のため選挙に勝ちたいでーす、なアピールに草の根運動で増やした支持者から声援と拍手が…聴衆の中に事務所を去ったはずの門脇の姿を見つけた美輝は選挙カーを降りて駆け寄り、大勢が見ている中で堂々抱き合ってキス!「前代未聞だな…」と門脇。本当に前代未聞だよ!こんなオチ!!大の大人がこんな雑なものを作って恥ずかしくないのか。

 これ、映画の企画をしたときは小池百合子ブームを当て込んだのではないかと。公開時には小池百合子を宣伝に引っ張り出してあの政界の娼婦面した小池がテレビに出まくっていたのかと思うと。小池ブームが終わって本当によかったですね!今は小池もリベンジgirlですやんか。


  


Posted by 縛りやトーマス at 23:51Comments(0)映画トンデモ映画