2018年04月30日

カンフーものに外れなし『映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ~拉麺大乱~』



 劇場用映画26作目。横浜・中華街を模したようなカスカベの中華街・アイヤータウンに入っていくマサオくんを見つけたしんちゃんをはじめとするカスカベ防衛隊は後をつけていくと、マサオくんは謎の拳法、ぷにぷに拳の師匠(CV:関根勤)に弟子入りしているという。一緒にやらないかと誘われるも面倒くさがるしんちゃんだったが、師匠の一番弟子である美少女のランちゃん(CV:潘めぐみ)を見て弟子入りを即決。「ぼく、兄弟子だから」と先輩風を吹かせるマサオくんだが、しんちゃんたちは8つあるぷにぷに拳を次々マスターしていくが、マサオくんはひとつも会得できないのであった。
 そのころ、アイヤータウンでは一度食べたら病みつきになり、禁断症状から暴力的になってしまうほどの中毒性を持つラーメン、ブラックパンダラーメンが大流行り。ブラックパンダラーメンのボス、ドン・パンパンはアイヤータウンを次々地上げしてチェーン店舗を建て続けていた。その魔の手は師匠の家にも伸び、対決の末に秘孔を突かれた師匠は「パンツ丸見え」しか言えなくされてしまう。師匠の仇討ちのため、ランちゃんとしんちゃんは猛特訓の末ぷにぷに拳の奥義8つをマスターし、伝説の最終奥義を会得すべく中国へ旅立つ。

 ドン・パンパンの目的はブラックパンダラーメンで稼いで稼いで稼ぎまくって大儲けするという、金もうけだけが目的の珍しい設定。映画クレしんの悪役の目的は世界征服とか、自分の思い通りの世界にするとかが最終目的で、過去のものすごいトラウマのせいでそうなったりするんだけど、今回の敵はそういうのが一切ない。それに中盤であっさりやられてしまう!
 中国でぷにぷに拳の精(声はサモ・ハン・キンポーの吹き替えでおなじみ、水島裕)から最終奥義を得る資格があるのかどうか問答になるのだが、ランちゃんは「正義のため」とか堅苦しいことばかりいう一方、しんちゃんは「最終奥義を得たら、ななこお姉さんとデートする!」とかふざけたことばかりのたまうものの、ぷにぷに拳は身も心も柔らかくしないとダメ!ということでしんちゃんが最終奥義獲得者に。納得できないランちゃんはしんちゃんが渋っている間に権利を横取りする形で最終奥義を得、帰国してドン・パンパンを片付けるも本当に悪いのはブラックパンダラーメンではなく、この世の色んな悪が問題なのだ!とコンビニで傘を持ち逃げする客を「お前の傘じゃないだろ!」と叩きのめし、満員電車ですかしっ屁をこくサラリーマンを「人に迷惑かけるな」とボコボコにしたりと、些細な悪すら許さぬ正義の人になってしまう。

 この「ヒロインが最後に悪になってしまう」という意外な展開は、僕と同い年の監督の高橋渉が「子供の頃漫画で読んだ、ゲームの『スパルタンX』でヒロインのシルビアが最後に襲い掛かってくるっていうネタが元で…」ってそれ、ファミコンロッキーじゃないか!!同じカンフーが題材とはいえ、こんなところでネタにされるとは…



 さて本作は映画の前半に張られていた伏線を見事に回収してオチがつくのだが、あまりに意外なオチのつけ方でのけぞった。そんなバカバカしい終わり方になるなんて…高橋渉監督作はロボとーちゃんやユメミーワールドなど、泣かせに走りすぎてて好きじゃなかったけど、今回はバカバカしい終わらせ方にして気持ちよかったね。カンフーものに外れナシだ。4人体制になってからの新曲となったももクロの主題歌『笑一笑 ~シャオイーシャオ!~』も作品テーマとあってバッチリだ!出番が1分以下なのはともかくとして…

  


Posted by 縛りやトーマス at 11:57Comments(0)映画アニメももいろクローバー

2018年04月28日

花は咲くか『ミスミソウ』



 怖い絵柄だけど普段は『でろでろ』とか愉快で陽気なギャグマンガを描いている押切蓮介が初めて本気のホラーを発表したところ多くの読者にカテゴリー5のトラウマを残した傑作の実写化。初期の単行本の帯に「精神破壊(メンチサイド)ホラー」って書いているぐらいのやつだから…『でろでろ』では妖怪やオバケを力づくでぶん殴った押切蓮介が今度は読者の精神をナイフでえぐり取る!
 内容のえげつなさから定番の「実写化不可能」と謳われていたが、えげつない物語づくりには定評のある内藤瑛亮によって完全映画化。クランクインの40日前にオファーが来たそうで、邦画にありがちな話とはいえそんな状況でよくもまあ、こんな傑作を作り上げたものだと唸らされた。


 過疎化が進む東北の街にある中学校に父親の仕事の都合で転校してきた中学3年生の野咲春花(山田杏奈)は「東京からきた」という理由だけで小黒妙子(大谷凜香)をリーダーとするクラスのグループから激しいいじめを受けていた。クラスの担任・南(森田亜紀)に訴え出ても生徒数の減少で廃校が決まっているので、面倒事を起こしてほしくないと相手にされない。卒業するまで春花は不登校を決めるがいじめグループの末席にいる流美(大塚れな)が春花の自宅にやってきて、春花が学校に来なければ自分がまたいじめの対象になると喚くのだった。
 そんな春花にとって唯一の救いはクラスメイトでただ一人味方になってくれる相場晄(清水尋也)で同じく東京からやってきた晄は写真が趣味で、まだつぼみの雪割草(ミスミソウ)の写真を撮って「春になって花が咲いたら一緒に東京に行こう」と誘われる。その帰り、春花の家は不審火で全焼する。両親は死に、妹は全身火傷の重症を負う。それはいじめグループによる放火であった。
 ショックで失語症に陥りながらも春花は登校するようになり、何事もなかったようにふるまう春花をいじめグループは恐れ、内3人が春花を呼び出し、自殺を強要する。放火の真相を知った春花はその場で3人を殺し、命がけの復讐をはじめる。


 一年中のほとんどが深い雪に包まれ、カラオケもレンタルビデオもない閉鎖的な田舎町で少年少女が静かに狂っていき「いじめぐらいしかやることがない」という理由でいじめられるヒロイン像には多くの観客が同情できるだろう。(「この閉鎖的な街に君の存在は毒だ」と言われるほどのヒロインを演じた山田杏奈の美しさも完璧)だから春花が家族の復讐のためにいじめグループを丁寧にいろんな手段で片づけていく展開にはどんなに手口や殺害方法が陰惨でも拍手を送ることはできる。しかしターゲットの残りがリーダーの妙子と末端の流美だけになったところで物語は別の展開を見せる。
 そもそも流美が放火のきっかけをつくり、妙子は知りながらも現場にはいなかった。春花に復讐された仲間の死体を見つけた流美は「私たちも殺される」と妙子に助けを求めるが「自業自得じゃん」と突き放される。妙子は春花が転校したとき、最初にできた友達で、ある出来事がきっかけで彼女を憎むようになったがグループの仲間に彼女を虐めるようにいったことは一度もなく、春花をいじめる仲間たちのそばで静かに立っているだけ。むしろ春花のことが好きだった、ということがわかってくると観客は戸惑うしかない(ただ、そばに立っているだけで風格を漂わせる大谷凜香の存在感は圧倒だ)木漏れ日の差し込む教室でカーテンにくるまれながらキャッキャウフフしているシーン(内藤監督は乃木坂46の『ぐるぐるカーテン』のPVを意識したという)はそれまでの陰惨な血まみれ劇と落差が激しすぎる。
 ついにバス停で妙子と春花が和解するに至り、復讐劇はあっさりと幕を下ろす。流美がノートに妙子の落書きをするほど密かに妙子のことを想っていて、「春花に晄を取られたから、妙子は春花のことを憎んでいじめたのではないか、放火も妙子のためにやったのに」と自分の気持ちをわかってくれない妙子を帰り道で凶刃にかける流美!登場人物の誰もかれもが勝手に他人の気持ちを曲解している(春花も妙子の本当の気持ちがわかっていなかった)。

 加害者側の人間性が明らかになるともう、観客は無邪気に春花のことを応援することなどできない。生き残ったものたちが勝手な思い込みを暴走させる愛憎劇になり、そしてラストシーンに至るわけですが、たったひとりの人間が罪を背負って生きていくことになる、という結末は原作から改変されているものの、原作者の押切蓮介が「こっちにすればよかった」と惜しんだほど秀逸で、ミスミソウの花が咲くクライマックスと見事につながっている。花は咲いた!




クライマックスに大音量で流れるタテタカコの『道程』主題歌としてつくられたようにハマっているが、実際は既発表曲


  


Posted by 縛りやトーマス at 11:27Comments(0)映画漫画

2018年04月26日

2018年5月予定

5月予定

5月7日(月)
『旧シネマパラダイス』
会場:なんば紅鶴
開場:19:30
開演:20:00
料金:1,000円(1drink&1food込)
映画面白コメンテーター:縛りやトーマス

作品は近日発表


5月12日(土)
『アイドル十戒 新たなる挑戦其の9』
場所:アワーズルーム
開場:18:30
開演:19:00
料金:1,500円(1drink別)
出演:竹内義和 縛りやトーマス

前回の続きとなる有安杏果最後のソロコンDVDレポと東京ドーム10周年ライブ直前対策、久しぶりとなるアイドルスキャンダル集


5月13日(日)
『深大阪地獄絵図~おおさかオモシロマップ』
場所:なんば紅鶴
開演:20:00 料金:1000円(1drink別)
出演 :射導送水 B・カシワギ 縛りやトーマス


5/21(月)
『メッケルさん』
open 19:30 start 20:00
¥1000- (1drink別)

5月26日(土)
『僕の宗教へようこそ第一〇五教義~土曜ロードショー第十九幕』
場所:なんば白鶴
開場:18:30
開演:19:00
料金:1,500円(1drink込)
出演:縛りやトーマス アシスタント・トモ
ゲスト:花鳥風月・緒形


粒ぞろいのGW公開映画と「これホモじゃないの!?」映画について緒形さんに聞いてみる特集


5月27日(日)
アニつる vol.21
会場:なんば紅鶴

5月29日(火)
『スーパーヒーロートーク@紅鶴 』
場所:なんば紅鶴
開場19:45
開演20:00
料金:1,500円(1drink込)
出演 :にしね・ザ・タイガー ソエジマ隊員 花鳥風月 緒形 縛りやトーマス 茅野みずほ

SNSでアップロード禁止になったひらパーの詳細レポとアマゾンズ


  


Posted by 縛りやトーマス at 10:27Comments(0)告知

2018年04月23日

デブオタクのピチT問題

 僕は常々「なぜアイドルグッズのTシャツを着ているオタクはいつもピチピチなのか」を考え続けている。

 アイドルライブにいくオタクには一定数デブが混じっているのですが、その多くはピチピチのシャツを着ています。通常XXLサイズを着用してようやくピッタリぐらいのオタクでも、Lサイズを着ていたりするのです。なぜかというとアイドルのライブグッズの定番、Tシャツはほとんどの場合S~XLまでしかなくて、デブオタクは渋々小さめのシャツを買うハメになり、どう見てもサイズがあってないのにアイドルライブにグッズを着ているアピールがしたくて、醜いピチT状態になっているファンいますよね。お前のことだよ!

 ああいうのを見て、このアイドル運営は自分たちのファンをどう思ってるのかわたし、気になります!夢みるアドレセンスなんて一時期MAXのサイズがLの時があって、お前らいくら自分たちがモデル出身グループだからってファンまでモデル体型に合わせるつもりかと、憤りました。

 最近ではXLサイズまで出すグループが増えましたが、やはりデブにもう少し優しくXXLサイズまで幅を広げてほしいのです。ももクロを卒業した有安杏果さんは最後のソロコンツアーでXXLサイズを登場させていて、あんなに小さいのにデブの気持ちを忖度してくれていて本人の人柄の良さが伺えました。
 そのももクロですが、来月行われる結成10周年の東京ドームライブ「10th Anniversary The Diamond Four -in 桃響導夢-」オフィシャルグッズの第二回先行予約が開始、その中に10周年記念Tシャツがあったのですが、なんとMAXサイズにXXXLが登場!


http://harue-shouten.jp/category/SENKOU/MOM180510TS.html


 ようやくももクロもデブに対して優しい扱いをしてくれるようになったのですね。そもそものマネージャーがデブのkwkmなのにどういうことなんだと思ってたけど、デブに配慮したグッズを出してくれるのならば問題なし。大手のももクロがデブ対応Tシャツを出してくれたのだから、他のグループも続いて欲しい。デブに愛を!




  


Posted by 縛りやトーマス at 23:00Comments(0)ももいろクローバー

2018年04月21日

巨匠のマジコン疑惑

 80年代オタクが大歓喜の映画『レディ・プレーヤー1』、日本でもつい公開され大ヒットを記録。巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督がまるで30~40代ぐらいの時に撮ったかのような瑞々しいアクション・アドベンチャーで、まさに年代そのものが80年代に回帰したかのような傑作の誕生です。これを71歳のスピルバーグが撮っているというのは物凄いことです。
 そんなスピルバーグ監督が来日、映画について語ってくれました。

【インタビュー】『レディ・プレイヤー1』スティーブン・スピルバーグ監督「皆さんを、空想と希望のある世界にいざないたかった」
https://ovo.kyodo.co.jp/interview/a-1149929

>-監督は、実際にVRゲームをプレーしたことはあるのでしょうか。

>プレイステーションで「マリオ」などをやりました。最初にやったときはゴーグルを外したくありませんでした(笑)。


 「プレイステーションでマリオをやった」ってどういうこと?映画の中にガンダムが出てきたり、『シャイニング』を追体験していることよりもこっちの方が気になってしょうがない!
 まさか巨匠がマジコン的なアイテムを使っていたということなのでしょうか?いやそんなことはあるまい。なにしろスピルバーグは巨匠ですから、巨匠に相応しいPSでもマリオが遊べる巨匠専用ハードを所有しているに違いない。さすが巨匠は一味違うぜ。




  


Posted by 縛りやトーマス at 23:18Comments(0)映画オタクハリウッド・スキャンダル

2018年04月16日

モリトモ・ペーパーズとは規模が違い過ぎるな『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』



 1971年、泥沼化する一方のベトナム戦争を分析した国防総省の機密文書、“ペンタゴン・ペーパーズ”をスクープしたニューヨーク・タイムズ、そして追随したワシントン・ポストの記者たちの奮闘を描く。

 ベトナム戦線に同行したアナリストのダニエル・エルズバーグ(マシュー・リス)は「戦線は悪化している」と報告するが、それを聞いた国防長官のロバート・マクナマラ(ブルース・グリーンウッド)はマスコミに「戦線は好転している」と正反対のことをいう。政府の方針を疑問に思ったエルズバーグは7000ページからなるベトナム戦線の分析・報告書“ペンタゴン・ペーパーズ”のすべてをコピーし、密かに持ち出す。
 コピーは大手新聞社のニューヨーク・タイムズに持ち込まれ半年に渡って分析される。タイムズは「世紀のスクープ」としてペンタゴン・ペーパーズを取り上げる。終わりの見えないベトナム戦争に疲れ果て反戦運動が高まり続けるアメリカ国内には衝撃が走る(当然)。しかしニクソン大統領(当時)は「機密漏洩だ!タイムズに圧力をかけろ!」と部下に電話で命令を飛ばす。映画の中で使われている音声はなんと本物のニクソン大統領の肉声(!)。

 結果、タイムズは「最高裁の判断にゆだねる」として途中で記事を差し止める。タイムズのスクープに臍を噛む思いだったワシントン・ポストの編集主幹ベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)は自分たちがこのスクープを後追いし、ベトナム戦争の真実を伝えるのだ、とペンタゴン・ペーパーズのコピーをなんとか手に入れようとする。そんな折、ポスト編集部にヒッピー風の恰好をした女性が靴箱を持って現れ、箱を手渡して去っていく。その中にはペンタゴン・ペーパーズのコピーの一部が…この人が何者なのか、映画の中の登場人物でなくても気になるが、その正体は映画の後半で明かされる(まさかこんな人が…というオチで驚く)。
 コピーを入手したブラッドリーと記者たちは数日で後追いのスクープをしようとするが、折しも株式上場を果たしたばかりのポスト上層部らはタイムズが圧力に屈しかけているのを見た上に、ニュースソースが同じとなればタイムズ同様、自分たちも国家機密漏洩罪になるのでは?と記事を掲載することにストップをかけようとする。ブラッドリーらと上層部、顧問弁護士らの意見はぶつかりあい、掲載するか否かはワシントン・ポスト社主であるキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)の判断にゆだねられる。
 グラハムは前社主である夫のフィリップの自殺を経て社主になるのだが、それまでは単なる新聞社のお嬢様で、新聞のことなど何もわからないし、新聞社の人間として政府の高官らや大統領ともプライベートの付き合いがある身分。マクナマラ長官とは普段からランチの時に同席するような仲だったりする。ポストがペンタゴン・ペーパーズをスクープすることは友人・知人を敵に回すことになるのだ。プライベートの付き合いを取るか、それとも合衆国憲法修正第一条に則って国民の知るべき権利のためにこのスクープを掲載するのか?


 スピルバーグ監督は新作『レディ・プレーヤー1』の撮影後にこの企画に取り掛かり、わずか9か月ほどで企画・撮影・完成となり、アメリカでは2017年12月に限定公開、翌年1月に拡大公開。こんな突貫作業になったのはトランプ大統領下のアメリカでマスメディアを「フェイクニュース」呼ばわりし、萎縮する報道に「ビビらずに真実を報道しよう、ペンタゴン・ペーパーズを報道したタイムズとポストを見習おうよ!」と喝を入れるためだったという。
 今、この映画を一番楽しめるのは日本人であることは間違いない。日本でも今、モリトモ・ペーパーズ問題が大きく報道されているが(なんというベストタイミング!)、多くのメディアがビビッてしまい、まともに報道できないではないか。本家に比べてあまりにも規模が小さすぎるけれど、日本のマスメディアもぜひ戦って欲しい。
 政府に媚びを売るのが報道ではない、報道は国民の知るべき権利のためにあるのだというメッセージ、そして男性優位社会の中でまともに声をあげられなかったキャサリン・グラハムら女性たちが勇気を振り絞って戦う姿こそが正義というテーマははベトナム戦争の時代であろうが、2018年であろうが、不変のものだ。


  


Posted by 縛りやトーマス at 23:35Comments(0)映画世界のとんでもニュース

2018年04月15日

応援絶叫ヒロイン『トゥームレイダー ファースト・ミッション』



 2000年代に公開された映画『トゥームレイダー』のリブート版作品。3Dアクションゲームの金字塔である『トゥームレイダー』はプレイヤーキャラであるララ・クラフトが女性であることもあって単なる記号を越えたアイコンとして支持されている(もっとも成功したゲームのヒロインとしてギネスにも載った)。実写映画にされる時、ララをアンジェリーナ・ジョリーが演じると聞いてみんな拍手喝采したものだ。秘宝を巡って世界を駆け巡り、男勝りの活躍を繰り広げる大富豪の令嬢―などというキャラはジョリーしか演じられない!―だが出来上がった映画はあまりに中途半端でヌルかった。ド派手なアクションで開幕するも実は自宅での冒険シミュレーションだった!という腰砕けな冒頭の展開がそのまま終盤まで続いてしまうヘナチョコで、ジョリーはラジー賞にノミネートした。続編もヘナチョコなナンパ野郎とのかったるい恋愛ごっこを見せられ、ゲームシリーズが拡大を続け、大ヒットする中、映画版は忘却の彼方へ消えた。

 だが、2018年になって2013年のリブート版ゲームを元に復活。リブート版ゲームでのララ・クロフトはまだ冒険家としてスタートも切っていない時代の設定だ。ララは何年も前に失踪した大富豪の父親リチャードの帰還を信じて遺産の受け取りを拒み、自転車メッセンジャーのバイトをして暮らす貧乏学生。ある日、邸宅の隠し部屋を発見するとそこには古代のお宝や資料がザックザク。残されたビデオメッセージには自分が世界中の秘宝を求めて旅していた冒険家であったこと、秘宝を集めて世界の支配をもくろむ“トリニティ”という組織がいること、日本の無人島ヤマタイにあるヒミコの墓の封印が解かれれば世界は破滅すること―を観たララはヤマタイへ向かう。

 新生ララ・クロフトを演じるアリシア・ヴィキャンデルは映画前半のキックボクシング場面でバッキバキに鍛え上げた腹筋を見せつけ、自転車でイギリスの街道を縦横無尽に突っ走る場面などで身体能力の高さを証明してくれるが、冒険家としては素人レベル。そんな彼女がおっかなびっくりで罠をかいくぐり、ヘトヘトになりながら冒険を続けていく様子は、アンジェリーナ・ジョリー版ララ・クロフトと比べて弱弱しく映る。ジョリーはどんな危機的状況でも薄笑いで切り抜けるキャラクターだった。なにしろ『トゥームレイダー2』において海中でサメに襲われた時、サメの横っ面をぶん殴って撃退していたぐらいだから(ジョリーならそれぐらいはする)。
 ヴィキャンデルのララはまだ『ファースト・ミッション』の段階なので、大ジャンプひとつクリアするだけで大騒ぎ。見ているこっちも「がんばれ!」と声をかけたくなる。応援絶叫したくなるヒロインとは、2018年の日本向きではないか。舞台が日本の海に浮かぶ無人島なのは、そういうことだったのか。

  


Posted by 縛りやトーマス at 13:03Comments(0)映画ゲーム

2018年04月11日

こういうのが見たかった『映画プリキュアスーパースターズ!』



 プリキュア15周年、そして歴代プリキュアが参戦するクロスオーバー作品も10周年という記念尽くし作品。はぐたんを連れてキャンプ(ゆるキャン!?)に出かけたHUGプリの3人+ハムスターは世界を嘘だらけにしようとする怪物・ウソバーッカ(CV:北村一輝)に襲われ、さあや(CV:本泉莉奈)とほまれ(CV:小倉唯)を攫われてしまう。ウソバーッカはさらにキラプリ、まほプリも攫ってしまってめちょっく!(めちゃショック、の意)残されたメンバーは、はな/キュアエール(CV:引坂理絵)、宇佐美いちか/キュアホイップ(CV:美山加恋)、朝比奈みらい/キュアミラクル(CV:高橋李依)というオールピンクな面子のみ。はなは過去に不思議な世界で出会った少年クローバー(CV:小野賢章、『北京原人』の子供原人役でおなじみ)と交わした約束を守ることができなかったことを思い出して…


 例年、クロスオーバー作品では先輩プリキュアが大量に登場して何が何だかわからないレベルの大混戦になってしまうのですが今作は直近3作品からの出演に止め、総勢12人の出演に。おかげで各キャラクターの個性を生かしたエピソードが強調されることに。例えば捕まってしまったプリキュアたちがなんとかして脱出しようとするのだが、方針を巡ってちょっとした口論に。そのやりとりの中で剣城あきら/キュアショコラ(CV:森なな子)がいつものノリで必要以上に顔を近づけるので壁ドン扱いされたり、まほプリが襲われた時にリコ/キュアマジカル(CV:堀江由衣)が身を挺してみらいを逃がそうとするんだけど、その時セリフを交わさずにアイコンタクトだけでみらいに意思を伝えて、受け取るみらいもアイコンタクトだけで応じるという目と目で通じ合うみらリコの関係性を表す名場面・・・っ!!
 プリキュア視聴者の大きなお友達が劇場でうんうん、と深く頷いたのであった。こういうところが見たいんだよな!!無理やりに先輩プリキュアいっぱい出さなくていいから!


  


Posted by 縛りやトーマス at 21:46Comments(0)映画アニメ

2018年04月06日

湊くん!全部私のせいだ!

 『仮面ライダー鎧武』の仮面ライダーデューク/戦極凌馬役などで知られる俳優の青木玄徳さんが強制わいせつ致傷で逮捕されてしまいました。

仮面ライダー出演俳優が逮捕 青木玄徳容疑者 強制わいせつ致傷の疑いで
https://www.daily.co.jp/gossip/2018/04/06/0011138509.shtml

青木玄徳容疑者は逃走も 現場にプロモーション用資料を落とし発覚
http://news.livedoor.com/article/detail/14541000/

 産経の記事によると

>同署によると、青木容疑者は現場周辺の飲食店で午前1時ごろまで1人で飲酒。店を出た後、30分ほどの間に4人の女性に次々と抱きつく姿が防犯カメラに映っていた。

 酔った勢いでは済まされないレベルの行為。本人は罪を認めて鎧武の戦極凌馬のように「全部私のせいだ!」と供述したそうです(嘘つけ)。



 彼は今年公開される実写『パタリロ!』のバンコラン役担当なんですが、このまま降板してしまうのか気になるところ。この日青木玄徳のスタッフ公式Twitterアカウント(以前までの事務所を退所して、この4月からフリーランスになった)が開設されたのですが、その一時間後に本人逮捕でアカウント削除。展開が早いなあ。最近の仮面ライダーみたい。
 鎧武では黒幕としてあらゆる人間を苦しめて視聴者と登場人物を絶望のどん底に突き落としてましたが、実際の生活で一般人女性を絶望させてどうするんだ…

  


Posted by 縛りやトーマス at 23:10Comments(0)特撮・ヒーロー

2018年04月04日

これは怪獣映画だ『シェイプ・オブ・ウォーター』



 第90回アカデミー賞、作品賞と監督賞の両方を受賞した瞬間、世界中の怪獣映画オタクが涙したという…メキシコ出身のギレルモ・デル・トロ監督は子供の頃テレビや映画館で見たモンスター映画に夢中になり映画作りの道を目指した。その彼の最新作は半魚人と人間の女性の恋愛についての映画だ。ジャンル分けをするならば恋愛映画、ファンタジーということになるが、この作品は間違いなく怪獣映画なのである。


 冷戦時代のアメリカ。航空宇宙研究センターという施設で清掃員として働く聾唖の女性、イライザ(サリー・ホーキンス)はアパートの隣室の住人である画家の老人ジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)、職場の黒人女性ゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)以外に話し相手もいない、職場と自宅の往復を繰り返す退屈な日々を送っていた。
 センターにソ連から亡命してきたホフステトラー博士(マイケル・スタールバーグ)が巨大なタンクを運び込み、「俺はトイレでは用を足す前しか手を洗わない。手を二度洗う男は根性なしだ!」とのたまう傲岸不遜な軍人ストリックランド(マイケル・シャノン)が指を切る大けがをし、イライザとゼルダは急遽部屋を清掃するよう命令される。イライザはその部屋でタンクの中にいる半魚人を見つける。ここは航空宇宙研究センターの名を隠れ蓑にした秘密研究施設だったのだ。

 神秘的な外見に心奪われたイライザはその後も隙を見ては部屋に忍び込み、エサとしてゆで卵を差し出し、手話を通じて半魚人と心を通わせていく。半魚人とは人間の言葉で会話などできないが、イライザだって口が聞けないから何も問題はない。

 やがて半魚人の処遇をめぐり、ロケットに載せて宇宙飛行士の代わりに宇宙へ送り込めと提案するホフステトラー(半魚人は鰓呼吸できるから、この謎を解き明かせばソ連との宇宙開発戦争に勝てる!というわけ)と手っ取り早く生体解剖すればいい、と主張するストリックランドの両者はぶつかりあう。結局ストリックランドの案を採用することになるのだが、それをこっそり聞いたイライザはジャイルズに半魚人を救う手伝いをしてほしいと頼み込む。人間ではない生き物なのに?と二の足を踏むジャイルズ。だがイライザが手話で「彼を助けなければ私たちだって人間じゃないわ」と言われ、救出を決意する。
 救出作戦が決行され、イライザは偶然居合わせたゼルダの助けを借りて半魚人を運び出そうとするが、ホフステトラーと鉢合わせしてしまう。しかしホフステトラーは「半魚人を入れる水槽には塩分を絶やすな」とアドバイスし、逃亡の手助けをする。ホフステトラーはソ連のスパイで、上官からアメリカが半魚人の秘密を解き明かす前に殺せと命令されていたが、殺すことに反対してイライザたちに半魚人を託すことに。

 無事イライザのアパートのバスタブに半魚人を匿うことに成功したのだが、こっそり抜け出した半魚人がジャイルズの部屋で飼っている猫をボリボリ食ったりするんだよな。なにしろ肉食だから(笑)。「この子たちは友達なんだから食べちゃだめだ!」と怒られてシュンとする半魚人が可愛い。
 イライザは風呂場を目張りして部屋中を水で浸して半魚人と―結ばれる。恋人もおらず仕事前の自慰行為を日課にしているような中年女性が初めて異性(?)と結ばれる場面の美しさときたら!半魚人の勃起のメカニズムもきちんと説明されてるんですよね!スゴイ映画だ!

 デル・トロ監督は子供の頃に見た『大アマゾンの半魚人』(1954)がお気に入りで、『大アマゾン~』はアメリカの探検隊がアマゾンの奥地で見つけたギルマン(半魚人)を捕獲して見世物にしようとする。ギルマンは探検隊紅一点の女性に恋し、攫おうとするが探検隊の反撃を受けて死んでしまう。モンスター映画として公開された『大アマゾン~』は異形の怪物の恐怖を描いているが、デル・トロ監督はこれを美しい愛の物語として解釈し、ギルマンと人間の女性が結ばれる話を想像したという。そのうえで『美女と野獣』風の物語にし、「『美女と野獣』はどうして野獣が最後に人間の王子に戻るんだ?純愛だというなら野獣の姿のまま愛せばいいじゃないか」という長年の疑問をぶつけた。この映画の半魚人は半魚人のままなのだ!
 なので、これはどう考えても半魚人の映画だ。恋愛映画だ、ファンタジー映画だのと甘い言葉では済まされない。どこからどう見ても完璧な怪獣、モンスター映画なのだ。そんな映画がアカデミー賞の作品賞を取ったりしたのは本当に奇跡というしかない。


  


Posted by 縛りやトーマス at 23:24Comments(0)映画