2018年05月30日

ダイナマイトでぶっ飛ばせ『ピーターラビット』



 ヘレン・ビアトリクス・ポターは若いうちから菌類とキノコの研究をしていて、アマチュアでありながら論文を書き上げたが、当時のイギリス社会は日本をはじめとするアジア各国ものけぞるほどの男尊女卑社会であり、学会はポターの論文をまともに取り扱わなかった。やがてポターは研究から離れ、うさぎを主人公にした絵本作家として花開いていく。その作品『ピーターラビットのおはなし』には瑞々しい自然と動物、キノコが描かれていた…

 という漫画『もやしもん』で読みかじった知識を書いてみましたが、そういった予備知識は一切必要としない映画である。ピーターラビットシリーズ初の実写映画である本作は見た目のイメージからは想像もできないバイオレンス映画だからだ!


 湖水地方に住むピーターラビット(吹き替えの声は千葉雄大)と家族たちは近所の頑固おやじジョー・マグレガー(サム・ニール)の屋敷の畑からいつものように野菜を盗む。マグレガーはかつて畑に忍び込んだピーターの父親を捕まえてミートパイの具にして食ってしまったのだ。以来ピーターはマグレガーをからかっている。
 ある日マグレガーは心臓発作で死んでしまい、ピーターたち動物は「マグレガーが死んだ!この家も畑も僕たちのものだ!」と屋敷で大騒ぎを始める。
 しかし主のいなくなった屋敷にマグレガーの甥、トーマス(ドーナル・グリーソン)がやってくる。トーマスはハロッズのおもちゃ売り場で働いていたが、社長の甥が副支配人になって自分より出世したことを聞いて大暴れ、首になってしまう。
 大叔父であるマグレガーの屋敷と土地を相続することになったトーマスはそれを売り飛ばした元手で新しいおもちゃ店をつくってハロッズを見返してやろうとたくらむ。
 せっかく手に入れた屋敷と畑が奪われてしまう!ピーターたちはあの手この手でトーマスの追い出しを図るが、ピーターたちの味方である隣家の画家の女性、ビア(ローズ・バーン)はトーマスと仲良くなってしまうのだった。畑だけでなく、仲良しのビアさえ奪われてしまう!ピーターたちの追い出し作戦はエスカレート。柵とドアノブに電流を流し、何も知らないトーマスは高圧電流を食らって吹っ飛ぶ!アレルギーのブラックベリーを食わされ、アナフィラキシーショックで命の危険にまで晒され、我慢の限界を超えたトーマスはダイナマイトでウサギの巣を吹っ飛ばそうとする。ピーターは野菜を武器に、トーマスはダイナマイトを投げつける!敷地のあちこちがダイナマイトで吹っ飛び穴だらけに…

 おい、こんなバイオレンス描写があると思わなかったよ!ちなみにダイナマイトを投げるシーンは『プライベート・ライアン』を参考にしており、CG全盛の映画なのに本当の火薬を使っている!何考えてんの!!

 このバイオレンス描写の上、「この世の終わりと思い込んで自棄になって卵を生みまくる鶏」といった狂気を孕んだキャラクターが登場し、見ているこっちの頭がどうかしそうだ!(ちなみに吹き替えの声が千葉繁なのでより狂気のキャラに!)

 安易な子供映画と思い込んでいた観客の脳みそをものの見事に吹き飛ばしてくれた本作は愉快痛快!


  


Posted by 縛りやトーマス at 03:03Comments(2)映画