2018年12月11日

リアル大人の鬼ごっこ『TAG タグ』



 一年のうち5月の一か月間かけて少年たちは鬼ごっこを楽しんだ。最後に鬼になった者は一年間負け犬呼ばわりされるのだ。彼らは翌年にも同じことをやった。それを…30年間続けた!と、いう事実の実写化『TAG タグ』を観た(AmazonプライムやTSUTAYAで観られます)
 これはウォールストリート・ジャーナルに掲載されたワシントン・スポケーンで鬼ごっこを約30年続けている10人の男たちを取材した記事が元になっている。DVDに収録されたメイキングでは男たちが本気の鬼ごっこを繰り広げる様子が収められている。「タッチ返しは禁止」「鬼か?と尋ねられたら迅速に答えなければならない」と明確なルールがつくられ、一か月にわたって行われるのでいついかなる時も隙は見せられない

 ゴルフを楽しんでいるところにカートに乗って接近、タッチ!「お前が鬼だ!」
 シャワーを浴びている時にやってきてタッチ!「お前が鬼だぞ!」
 野球の観戦をしているところにマスコットキャラの着ぐるみでやってきてタッチ!「今度はお前だ!」

 この光景はまるで命がけでバカな行為に挑む『ジャッカス』みたい。この人たち、すげえバカ。だけどタッチされた方も想像もしていない手段やタイミングでやってくる鬼にタッチされて爆笑。
 この時点ですでに面白いけど、映画版はこの事実をさらに面白くアレンジしている。鬼ごっこをしていた5人のうち、今は大企業の社長として成功しているキャラハン(『ベイビー・ドライバー』のジョン・ハム)が雑誌のインタビューを受けていると、掃除のおじさんがやってきて、「ターッチ!お前が鬼だぞ!」それは鬼ごっこ仲間のホーガン(演じるは『ハングオーバー!』シリーズの歯科医役でおなじみ、エド・ヘルムズ)だった!この後、キャラハンが部屋のガラスを椅子でたたき割ろうとして失敗するシーン、爆笑。
 二人は他の仲間、マリファナ中毒のチリ(『21ジャンプストリート』『LEGOムービー』のジェイク・ジョンソン)、精神科医のカウンセリングを受けている最中のケヴィン(ハンニバル・ブレス)と団結してジェリーを今度こそ鬼にしようと企む。
 ジェリーは29年間、鬼になったことが一度もない最強の男で、ホーガンたちは節目の年である30年目こそヤツを鬼にして鬼ごっこを終えようというのだ。このジェリー役が『アベンジャーズ』シリーズのホークアイ、ジェレミー・レナー!彼はホーガンたちが迫ってもスローモーションでひょいひょいタッチしてくる手を交わし、パルクールを駆使し二階から飛び降りて逃げ切ってしまう。この飛び降りる場面で失敗してレナーは両腕を骨折、以後はギプスを嵌めたまま撮影したので本編ではCG処理したそうだ。『アベンジャーズ』や『ミッション・インポッシブル』ならまだしも、鬼ごっこ映画で骨折するなよ!レナー、どこで本気出してんだ…

 そんな大人のリアルすぎる鬼ごっこは口の悪すぎるホーガンの妻や鬼ごっこ仲間に入れて欲しいバーの店員らを巻き込んでエスカレート。ジェリーの結婚式を狙って計画を実行するホーガンたちをあざ笑うように罠を張って待ち伏せるジェリー。ただひとり諦めきれないホーガンがマナー違反ギリギリのタッチを迫る。クライマックスにはブラックすぎるキツ目のジョークがあるんですが、思わぬ感動的なオチが待ってるんですよ。
 実在の鬼ごっこをやってる人たちも「30年間鬼ごっこをやり続けることで友情がつながってきた。つながりを保つ手段があるのはいいことだよ」「鬼ごっこは逃げるためじゃなく、顔を合わせるためさ」っていってるし。大人になってもバカができるなんてすばらしい。

  


Posted by 縛りやトーマス at 23:55Comments(0)映画レンタル映画館