2019年06月19日

冴えないヤツらの心の叫びを聞いてくれミュージカル『アナと世界の終わり』



 イギリスの片田舎の町で、過保護な父親トニー(マーク・ベントン)と暮らす高校生のアナ(エラ・ハント)は卒業したら田舎の町を飛び出して海外旅行にいく計画を立てていた。なにせ地元の町には幼馴染のダサ男ジョン(マルコム・カミング)、オラオラ態度が鼻について別れてしまった元カレのニック(ベン・ウイギンズ)、生徒たちを見下してばかりのサジェージ校長(ポール・ケイ)、つまらなくてイライラする連中だらけだから!
 ところがジョンが口を滑らせたせいで海外旅行の計画が父親に漏れてしまい大ゲンカ。

「パパなんか大嫌い!」

 クリスマスだというのに声もかけずに家を出たアナはやっぱり仲直りしようとするが、町にはゾンビがあらわれ大パニック!

「もう世界は終わりだ!いっそこのまま海外へ逃亡しよう!」

 と上手いこといってアナと恋の逃避行をたくらむジョン。しかしアナは父親と最後に仲直りをしようと、クリスマス学芸会の準備のため、学校にいるであろう父の元へ向かう。退屈でつまらない生徒たちの手を借りてアナは父親と再会できるのか?


 ゾンビものというジャンルにもっとも縁遠いと思われる青春ミュージカルが悪魔合体した結果、出来上がったものは・・・学園生活ではイケてない、冴えないやつらの負け犬の心の叫びを聞いてくれミュージカルだった!楽曲にはマライア・キャリーの『恋人たちのクリスマス』のモロパクリなやつもあるけど、オリジナルのひとつ、『ハリウッド・エンディング』が素晴らしい

♪映画のようなエンディングなんてない
ディズニーじゃないのに僕は勘違いしてた
物事はうまくいかない 僕はスターじゃない
これが映画だったら彼女は僕に夢中 やっとわかったいいヤツでもモテないって
誰も教えてくれない 恋は映画や小説や歌みたいにうまくいかない
ずっとウソの世界を見てきた もうだまされない
映画のようなエンディングなんてない




 ゾンビで青春ミュージカルだって?また恋愛脳に侵された連中が恋愛して、異性に好かれるためにファッションや車やデートにお金を使え!と電通みたいなやつらが消費を促すためにゾンビを利用しようとたくらんでるのか・・・と憤ってましたが、モテない冴えない人々への愛情あふれる視点に涙があふれてとまりません。設定上は悪役っぽく登場する元カレのニックだって実はいいヤツだったというオチもひねりが利いている。
 ちなみに歌って踊ってる間はゾンビも襲ってこないので、ゾンビもいいヤツらだな!ストーリー上悪役が必要なので嫌味な校長だけが唯一の悪なんですが、基本いいヤツしか出てこない。みんないいヤツだらけの珍しいゾンビ映画の誕生です。


  


Posted by 縛りやトーマス at 11:38Comments(0)映画音楽