2019年11月17日

地獄だぞ!『地獄少女』



 強い恨みを持つ者が深夜0時ちょうどにアクセスすることで開かれるサイト「地獄通信」。アクセス可能になったサイトで恨みを晴らしたい者の名前を書き込むことで閻魔あい=地獄少女と接触でき、彼女から渡された藁人形の赤い紐を解くことで対象者を地獄に送る契約が成立する。しかし契約が成立した場合は依頼者もその命が尽きた時に地獄に送られることとなる・・・

 と「人を呪わば穴二つ」的な因果応報の物語であるアニメ『地獄少女』の実写映画化。アニメ版では閻魔あいの声を演じた能登麻美子の怖可愛い演技が高く評価されすぎたため、実写版の閻魔あい役は大丈夫?と不安の声が聞かれたが、実写映画版の閻魔あいを演じる玉城ティナもまた怖可愛い存在感を披露してくれたので大満足。


 白石晃士監督による(脚本も担当)実写版はアニメ版以上に人間の悪意をありのままに描いたものとなった。ごく普通の女子高生、市川美保(東宝映画売り出し中の若手スター、森七菜)は毎日をつまらなく過ごし、カリスマ的なビジュアル系ミュージシャンの魔鬼(藤田富)のライブだけが楽しみだった。あるライブ会場で痴漢行為に遭って声も出せずおびえていると、そばにいた見知らぬ女性客が男を引っ張り出して蹴り倒す!必要以上に!!
「お前みたいなやつが魔鬼を汚すんだ!」
 美保はその女性、南條遥(仁村紗和)と仲良くなる。二人がライブ後にカフェにいるとそこに魔鬼がやってきて、バックコーラスのオーディションに二人を誘う。「今度コーラスに参加してくれる地下アイドルの子のライブに来ないか?」魔鬼に誘われ、そのアイドル御厨早苗(大場美奈)のライブ会場にやってきた二人は目の前で早苗がストーカーに顔を切られる惨劇を見てしまう。
 早苗は「地獄通信」にアクセスし、閻魔あいから藁人形を渡されるが、「紐を解いたものもまた地獄に送られる」と告げられ、ストーカーを呪い殺す勇気が出せなかった。だがストーカーから謝罪の手紙が届き、そこには早苗を一生呪う言葉がつづられており、決心がついた早苗は藁人形の紐を解く。地獄少女によって「この怨み、地獄へ流します」となったが、地獄少女の言葉通り、早苗も地獄へ送られる。

 この流れは原作アニメどおりだが、白石監督はさらに観客に地獄を見せる。早苗は地獄送りになったことで行方不明になった(地獄送りにされると表向きは姿を消していなくなる。送られたことを知っているのは依頼者だけ)ストーカーの母親(なんと片岡礼子!)は早苗の元に謝罪にやってくるのだが、早苗はその母親の耳元で「地獄に送ってやった」とささやくのだ。
 その早苗もまた地獄送りで姿を消したことでストーカーの母親は真相に気づき、早苗の両親の前で刃物を渡して自分を殺せと迫るが、早苗の両親は「人を恨んでもいいことないですよ」とか薄っぺら~いヒューマニズムをひけらかしすのだった。すると母親は「早苗さんの方が正直でしたよ」と刃物で自分の首を突いて死ぬ!
 何してんの!!(本作で一番驚いた場面)地獄だぞ!!


 魔鬼のオーディションは遥だけが合格し、美保は彼女を応援するのだが、遥は以降人が変わったようになり、魔鬼の勧めで美保と縁を切る。魔鬼に違法薬物使用の疑いや、洗脳で人を操っていると聞かされた美保は遥を変えてしまった魔鬼を憎み、「地獄通信」にアクセスする。


 原作アニメ以上にえげつなく人の悪意を暴いたのもすさまじいが、白石監督はさらに「地獄通信」の謎を追うキャラクターとしてフリージャーナリストの工藤仁が登場!『コワすぎ!』の工藤じゃねえか!演じているのは浪岡一喜だが、あふれんばかりの工藤っぷりで(女のことばっかり考えてるところとか!情報提供の見返りに女子高生(また、名前が美保っていうのも・・・)に「やらせてくれないのかよ!」と毒づいたり・・・まさに工藤!)白石ファンをざわつかせる。

 アニメの実写化というと原作に気を遣い過ぎるか、ファンに媚びすぎて小さく収まったり単なるコピーになるところを、遠慮せずに拡大解釈、圧倒的なビジュアルの力で原作に負けない世界観を構築、さらに美保と遥の青春映画のように仕立て、自作キャラの出演など、白石ファンへのアピールもしっかり忘れない、なんともサービス精神満載な映画でした。この作品・・・地獄だぞ!

  


Posted by 縛りやトーマス at 16:41Comments(0)映画

2019年11月15日

何も始まらないうちに終了『フッド・ザ・ビギニング』



 何度となく映画化されてきた中世イングランドの伝説上の人物ロビン・フッドの物語。

 イングランドの領主ロビン(『キングスマン』のタロン・エガートン)は領民たちに慕われ、愛する恋人マリアン(イヴ・ヒューソン)とともに幸せに暮らしていた。しかし十字軍の遠征に徴兵されたロビンは「必ず帰ってくる」とマリアンに言い残し戦場へ。
 4年後、ロビンはアラビア兵の弓の使い手、ジョン(ジェイミー・フォックス)に苦戦するも捕らえるのだが、十字軍の上官は無抵抗の捕虜を虐殺、ジョンの息子も斬首される。それを咎めようとしたロビンは上官に忌み嫌われイングランドへ強制送還されてしまう。愛するマリアンの元へやっと帰ることができると気も晴れ晴れなロビンだが、領地には人っ子一人おらず、荒れ放題になっていた。2年前にロビンは戦死したことにされ、領地は没収、領民らは炭鉱で強制労働させられていた。すべてはノッティンガム州長官(ベン・メンデルソーン)の陰謀だった。さらに炭鉱の町でマリアンが別の男と仲良くしているのを見て絶望するロビン。
 そんなロビンの前に現れたのはジョンで、息子を助けようとしてくれた恩に報いるためにやってきたというジョンは共に州長官の野望を食い止め、貧困と重税に苦しむ民衆のために立ち上がろうとロビンを誘う。ジョンの元で弓の腕前を上げたロビンは頭巾をかぶった義賊ロビン・フッドとして立ち上がるのだった。

 ロビン・フッドものは映画でも大昔から何本を制作されており、最近でもケヴィン・コスナーの『ロビン・フッド』(91)や、リドリー・スコット監督、ラッセル・クロウ主演の『ロビン・フッド』(2010)などが制作されており、定番のネタだ。今回は昨今の映画界で有名な弓を撃つヒーロー、ホークアイっぽいアクションや、『バーフバリ』の弓矢同事三本射ちを上回る4本射ちを披露するなど、現代的アップデートも行われている。

 またケヴィン・コスナーやらラッセル・クロウみたいないけ好かない連中が義賊ぶりたくて作られる題材でもある。そこへいくと今回のタロン・エガートンはコスナーやクロウよりはええ人なのでそれだけで多少は好感がもてるな。

 とはいえ題材の古臭さやジェイミー・フォックスの嘘くさいキャラクター造形が玉に瑕で、ビギニングどころか何も始まらないまま失敗した模様。

  


Posted by 縛りやトーマス at 20:48Comments(0)映画

2019年11月11日

大聖母のバスツアー

 147㎝でJカップのセクシー爆乳グラドルの雨宮瑠奈さんは『未来戦士アマゾネス』や『レイプゾンビ外伝』といった友松直之監督作品にも出演するダイナマイトボディ女優さんでもあるのですが、サービス精神にあふれ過ぎていて、出演DVDやデジタル写真集のパッケージだけで拝みたくなるぐらいですよ。



 さてそんな彼女がデビュー8周年を記念したバスツアーを開催していましたが、内容があまりに素晴らしいので彼女のTwitterから引用したいと思います。


身長143cm♡Jcup♡るなしゅん(大聖母)
@amemiyaluna
8周年バス旅行感謝!

大人の運動会もロケーション撮影も
大勢でワイワイ遅くまで飲めたのも
全部楽しすぎたー!
またブログで改めて

本当はお昼解散のつもりだったけど
名残り惜しくて延長
付き合ってくれたのも嬉しかった!

全部とって有難う!

画像は混浴の一部
はっぴー!

https://twitter.com/amemiyaluna/status/1190905804917882880

身長143cm♡Jcup♡るなしゅん(大聖母)
@amemiyaluna
混浴スタイル卍
https://twitter.com/amemiyaluna/status/1190564933831782400

 混浴タイムがあって、普通はタオルの下に水着とかつけるのでしょうが、画像を見る限りホンマに裸体だとしか思えません。一瞬、アレな感じの撮影だと思いました。この状態で理性を保っていたツアー参加者は聖人かなにかなのでしょうか?ぜひ彼女のTwitterで確認してほしいと思います。


 アイドルのバスツアーなんてツアー前日に結婚発表したり、バーベキューのデザートがバナナの半切れだったり、お茶がキッコーマンだったり、迷路で迷わされたり、まだ永遠に迷っているファンがいるとか、悲惨なものが多いというのに。雨宮瑠奈さんはホンマ大聖母やで・・・




  


Posted by 縛りやトーマス at 21:46Comments(1)アイドル

2019年11月10日

この冬はハイレグで乗り切れ

 今冬のユニクロの新商品、ヒートテックエクストラウォームリブハイボディがエロいと話題です。

https://00m.in/ri6Pu

 ボディスーツタイプのヒートテックですが、そのハイレグっぷりはほとんどキャッツ・アイ状態です。そのエロさゆえに承認欲求高めのレイヤーたちが次々購入してはエロ・アピールをしております。所詮はユニクロなので安価、貧乏が多い地下アイドルでも購入可能なのが魅力。ネット界隈ではハイレグヒートテックの名で大人気。言っておきますが、正式名称はヒートテックエクストラウォームリブハイボディです。

 今年デビューした謎のグラドル、あいみがグラドル業界では一番乗りではないかと思われるエロ・アピールをしています。こういうのは先にやったもん勝ちなのです。

https://twitter.com/aimi_feti/status/1193089135344377856



 天下御免のブラック企業、ユニクロもたまにはいいことをするものです。せっかくヒット商品を生み出しているのですから、従業員に少しは還元してくださいね。

  


Posted by 縛りやトーマス at 19:51Comments(0)アイドル

2019年11月06日

4年4か月ぶりの出場

 おひさしマーシー!元シャネルズの田代まさしがまたまたまたまた覚せい剤所持で逮捕!

田代まさし容疑者逮捕のきっかけは塩釜市の宿泊施設から「客が変な物を忘れていった」と通報
https://00m.in/m6C0D

 これまでマーシーは薬物関連で4回、他覗き一回、バタフライナイフ所持で一回逮捕されており(盗撮では二回書類送検されている)今回薬物関連では5回目の逮捕となるため清水宏次朗に並ぶ7度の逮捕歴となる。あと道交法違反でも一度書類送検されているので警察の厄介になるのはトータル8度の記録。

 最近のマーシーは薬物リハビリ施設のDARCのプログラムを受けており、NHKの『バリバラ』などでも如何に薬物依存から抜け出すことが難しいのかを自ら実証するギャグで人気を博しており、これは「ミニからタコ」よりも遥かに面白いと評判だった。ここまでやって抜けられないんだから、薬物って本当に恐ろしいんですねえ。

 この逮捕を受けて『バリバラ』のHPからマーシー登場回のリンクが消された。

田代まさし容疑者逮捕でNHK・Eテレ「教えて★マーシー先生」放送回を抹消
https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/news/1611888/

 マーシー出演回は薬物依存症患者の社会復帰がどれだけ困難か詳細に語られた、貴重な放送回なので消すのはよくないね。むしろ無料でアーカイヴを公開して薬物依存症の恐ろしさを知らしめた方がいいと思いますよ。どうせ明日からはワイドショーでしたり顔のクソタレントたちが無意味なバッシングを繰り広げて堕ちた芸能人ネタのひとつとして消費されるだけでしょうね。





 僕のライフワーク、ヤク中甲子園の最新データにマーシー7度目の逮捕と、少し前に元AKBの大和里奈を恐喝して逮捕された高橋祐也の分を更新しておきました。


優勝候補:
岡崎聡子(7回+6回の逮捕歴)
清水健太郎(6回+脱法ハーブ1回)
田代まさし(4回+覗き1回)→(5回+覗き1回、銃刀法違反1回)←new!
高橋祐也(4回)→(4回+恐喝1回)←new!

強豪:
横浜銀蝿・翔(3回)
岡村靖幸(3回)
小向美奈子(3回)
赤坂晃(2回)
西川隆宏(2回)
倖田梨紗(2回)
麻生希(2回)

新鋭:
ピエール瀧(1回)←new!
押尾学(1回)
酒井法子(1回)
いしだ壱成(1回)
ASKA(1回)
長渕剛(1回)
槇原敬之(1回))
高知東生(1回)
浜田文子(1回)
江夏豊(1回)
清原和博(1回)
野村貴仁(1回)
高部あい(1回)
中山史奈(トルエン)


  


Posted by 縛りやトーマス at 23:37Comments(1)ヤク中甲子園

2019年11月04日

伝説の戦車映画再び『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』



 ロシアの伝説的戦車映画、『鬼戦車T-34』(1965)のリメイク作品。『鬼戦車T-34』は第二次世界大戦中にナチス・ドイツが戦車隊の練度を高めるために連合軍の捕虜を弾の入っていない戦車に乗せ砲撃の的にしていた、という設定の物語でソ連の捕虜3名+フランス兵を乗せたソ連戦車T-34が射撃訓練に駆り出される。だが車長のイワンは一瞬の隙を突いて包囲網を切り抜け、東へと逃亡する。4名の逃亡兵は途中で戦車を乗り捨て逃げ出すが、忘れがたい縁のようなものを感じて戦車に戻り、ドイツの町を進撃する。戦時中だけど平和な街中に突然戦車が現れるシーンが面白く、途中で呆気にとられた市民からビールをいただいてしまう、つかの間の自由を謳歌する場面が切ない。名画座なんかの「ソ連映画特集」などでいつもラインナップに入っていたので、シネフィルの人たちはよく見ていたかも。現在はDVDで安価に手に入れられるが、カルト映画として語られているその映画を最新のVFX技術にてアップデートしたのが『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』だ。


 舞台は同じく第二次大戦中の独ソ戦場。ネフェドヴォの雪原でナチス・ドイツの戦車隊に襲われる一両のフィールドキッチン(炊事自動車)。風前の灯となる車両だが、ドイツ戦車の砲撃の瞬間を突いて見事脱出に成功する。運転していたニコライ・イヴシュキン少尉(アレクサンドル・ペトロフ)は腕を買われて一両しかない戦車の指揮を任される。撤退する部隊を掩護しドイツ戦車中隊と戦う任務のためにだ。
「たった一両で?無茶だ」「銃をくれ。自殺する」
 という操縦手ヴァシリョノク(ヴィクトル・ドブロヌラボフ)ら兵士たちを一喝し、整備を整え戦場に立ったイヴシュキンは待ち伏せ、奇襲でドイツ戦車中隊を翻弄する。しかし中隊を指揮するイェーガー大佐(ヴィンツェンツ・キーファー)のⅢ号戦車の反撃を受け、乗員のコブザレンコ(アルトゥール・ソペルニク)らは死んでしまう。砲弾が直撃したわけではない。かすった際の衝撃とわずかな破片を食らってしまったのだ。衝撃の反響音だけで乗員が気絶する。恐るべきⅢ号戦車の砲弾!

 数年後、イェーガーはヒムラー長官からSS装甲師団ヒトラーユーゲントを任されるほど出世していた。最初の任務は師団の戦車隊育成。ソ連兵捕虜の中に傷を負いながらも生き延びたイヴシュキンの名を見つけたイェーガーは師団戦車隊の演習の的になるため戦車に乗れと命令する。砲弾を積むことすら許されず、ただ逃げることしかできない的だ。命令を拒もうとするイヴシュキンだが、従わないのなら通訳につけられた民間人の捕虜、アーニャ(イリーナ・ストラシェンバウム)を殺すと脅され命令を受け入れる。捕虜の中から使えそうなものを3人選ぶイヴシュキン。うち一人はかつてネフェドヴォの雪原で共に戦ったヴァシリョノクだ。
 ドイツ軍が鹵獲したソ連戦車T-34を渡されたイヴシュキンらは車内から同志の死体の下に隠された6発の砲弾をこっそりと回収する。反撃の手段を手に入れたイヴシュキンはただの的になるつもりはなかった。同志の死体を埋葬する際に演習場の光景を記憶し整備場にジオラマをつくると脱出の計画を練り上げる。

「無理だ。成功するわけない。俺たちはウサギ、やつらはオオカミだ」

 と弱気になるヴァシリョノクに

「外には自由がある。勝利がある。共に行こう」

 と男泣きの決め言葉で口説き落とすイヴシュキン。
 

 すっかりやる気になったヴァシリョノクはT-34の整備状態を見に来たイェーガーらの前で「華麗なダンスを見せてやるぜ!“白鳥の湖”だ!」と踊るように舞うように戦車を操って見せる。BGMは白鳥の湖だ(当然)!片輪走行、360℃ドリフト旋回という軽やかなライディングを見せつけられたイェーガーは警戒し、演習場の外に地雷を置くよう部下に命じる。それを小耳に挟んだアーニャはイヴシュキンに伝え、外の地図を手に入れるから自分も逃げるときに連れて行ってくれと頼む。

「それはできない」
「囚われの身はもうウンザリ。死んだ方がマシよ」

 アーニャとイヴシュキンの淡いラブロマンスがあるのが、リメイク版の特徴でもある。演習場を脱出後、バス停(!)で待つアーニャの元にT-34で駆けつけるイヴシュキン!このダイナミックな再会の場面、最高です。
 あっさり逃亡を許すわけないイェーガーはT-34の逃亡ルートを想定し、先回りで罠を張り待ち受ける。それを一手早く見抜いたイヴシュキンは市街戦でネフェドヴォの再戦を挑む。今度は我々が勝利するのだ。

 オリジナル版はサイレント映画化と思うぐらいセリフも少ない。その上ドイツ人のセリフには字幕ではなく、ドイツ語をしゃべった後にロシア語の「通訳」が入るのだ。逃亡するソ連兵らの物悲しい友情が情感をもって描かれたオリジナルとリメイク版が大きく違うところは最新のVFXによるド派手な戦車バトルだ。砲弾はスローモーションで交錯し、T-34がすんでのところでⅢ号戦車の砲撃を交わす!砲弾が命中した戦車が爆炎を上げて吹っ飛ぶ!クライマックスはイェーガーのⅢ号とイヴシュキンのT-34の一対一の勝負。戦車同士の一騎打ち!中々見られない光景だ。

 イヴシュキンとイェーガーは単なる敵ではない。二度の対決を超えたことで互いに認め合うライバルになったのだという激熱の解釈がリメイク版最大の魅力である。その魅力は瞬く間にロシア全土に広まり、興行収入40億円を超え、観客動員800万人を達成。ミュンヘンオリンピック男子バスケでアメリカの8連覇を阻んで優勝したソ連代表の活躍を映画化した作品が持っていた記録を抜き去ったという。
 これだけの記録となったのは、リメイク元の『鬼戦車T-34』自体が懐かし映画としてシニア世代がなじんでおり、懐かしさに惹かれて劇場に足を運び、最新VFXによるド迫力戦車バトル映画を若い世代が楽しみに行ったことによる相乗効果ではないだろうか。日本でいうところの『君の名は。』現象が起きたのだと。これは日本の『君の名は。』だ!

  


Posted by 縛りやトーマス at 22:06Comments(0)映画

2019年11月01日

ワケわからんが、スーパーワンな『ロボット2.0』



 チッティが帰ってきた!「ワケわからんが面白い」という身も蓋もないキャッチコピーと共にインドからやってきたSFロボット映画『ロボット』はインド映画破格の37億円を投じてつくられた。
 生みの親であるバシー博士の彼女に恋をしたロボット・チッティは博士の怒りをかって破壊されるが、彼と対立する悪の教授によって悪の回路を組み込まれ、自らレプリカを大量に生産し殺戮兵器となり人間の敵になる。博士はロボットから悪の回路を抜き取り、捕らえる。ロボットは自分自身を分解し、博士は罪を許されることに。
 大量に生み出されたロボット軍団が大暴れする場面はハリウッドも呆気にとられる破天荒さで、インド映画の自由な発想は素晴らしいぞう。その『ロボット』の続編がやってきたのだ。製作費はさらにアップして90億円!これは『バーフバリ』の製作費(2本で約70億円)を遥かに超える、インド映画史上最高額である。監督と主演は前作に引き続きシャンカール(『ジーンズ 世界は二人のために』)、インド映画界が世界に誇る“スーパースター”ラジニカーントだ。今回も、「ワケわからんが」もっと面白い!

 自らつくったロボット・チッティの暴走で大変な被害が起きたことを反省し、人間のためになる良いロボットをつくっているバシー博士(ラジニカーント)。現在の助手はスーパーモデルのごとき美貌の美人ロボット、ニラー(エイミー・ジャクソン。ほんまもんのモデル兼女優)。
 街では人々のスマホが持ち主の手を離れ、どこかで飛んで行ってしまうという怪事件が勃発。スマホたちは携帯業者や通信大臣らを抹殺するのだった。えっスマホでどうやって殺すのって?たとえばこんな感じ。

・大量のスマホに圧し掛かられて圧死
・喉にスマホが詰まって窒息死
・体に入って爆発


 恐ろしい・・・スマホは恐ろしい・・・

 バシー博士は美人ロボットのニラー(エイミー・ジャクソン)とともに事件の調査を開始。このニラーの特殊スーツが『僕の彼女はサイボーグ』の綾瀬はるかっぽいデザインで素敵。
 博士は事態の解決に改良したチッティを復活させようとする。かつて暴走したチッティに殺されたボラ教授の息子は「また暴走して人を殺すぞ」と博士の計画に反対。彼は父親の復讐の機会をうかがっていたのだ。軍隊による解決が選択されるが、大臣がスマホによって殺されてしまい、政府はチッティの復活を承認する。

 街では大量のスマホが空を埋め尽くし、鳥人になったり、怪鳥に変化して人を襲っていた。い、一体どういうことなのかよくわからないと思うけど、映画を見た僕もよくわかりません。ワケわからんが、それがイイ!

 博士らはこの怪事件を生み出したのは鳥類学者のパクシにあることを突き止める。パクシ役は『パッドマン』で一躍名を知られることになったアクシャイ・クマール。
 パクシは携帯、スマホ普及のために短期間で大量に建設された電波塔の影響で鳥が死んでしまうことを嘆き、携帯業者の規制と電波塔の建設反対、スマホの使用禁止を訴えるが、まるで相手にされず失意の果てに首を吊るのだった。
 巨大な怨念となったパクシは霊体となり、スマホを自由にあやつることで人間たちに復讐をはじめる。

「携帯を持つ者には今から閻魔の審判が下る!」

 その前にバシー博士によって正義の戦士となったロボット・チッティ(ラジニカーントの二役)があらわれる!はぁー、なんという『ターミネーター2』感!奇しくもジェームズ・キャメロンが久しぶりに制作することになった『ターミネーター・ニューフェイト』が公開される前に『ターミネーター2』のパロディをやってしまおうとは・・・

 復活したチッティ(ラジニカーントの二役)はパクシと戦い、死闘の果てに勝利する。だがチッティの活躍を良く思わないボラ博士の息子は封印されたパクシの怨念を再び開放。パクシはバシーの体を乗っ取り、博士に手を出せないチッティをも破壊してしまう。
 もはや誰も彼を止めることはできないのか?ただ一人、いや一体だけ残されたニラーはチッティの修理を始める。ニラーはこのままのチッティではパクシに勝てないことを悟りバシーが封印していたファームウェア2.0のチップをメインCPUにセット。バージョン2.0のチッティが誕生!(タイトル回収)
 前回同様のワルなロボットとなったチッティはニラーとイチャつき始めるのだが、「おふざけはこれまで。あなたはパクシにバラバラにされた。ナンバーワンは彼よ」と煽ってくる。しかしチッティは動じない。

「ナンバーワンにこだわるのはガキだけだ。俺様はオンリーワン。スーパーワン。唯一無二だ!」

 唯一無二のスーパースター、ラジニカーントだからこそ説得力のあるセリフだなあ。クライマックスのサッカー場での決戦はとにかくハチャメチャで、全編にわたって常識に囚われない驚天動地な場面の数々にひっくり返る。スーパーワンの活躍はワケがわからん。が、この後本家『ターミネーター』もやってないようなネタが飛び出してきて、単なるオマージュで終わっていないのがインド映画の奥深さであろう。ワケわからんが、本家を超えた!

 インドでは現在VFXスタジオが多く作られており、VFXの本場ハリウッドのスタジオもインドにサテライトスタジオを持っている。『ターミネーター』っぽいとは言ったが、その『ターミネーター』の制作に関わってるスタン・ウィンストン・スタジオの後継スタジオ、レガシー・エフェクツも制作に加わっているので、公開間近の『ターミネーター・ニューフェイト』が「正統な続編」と謳っているようにこの『ロボット2.0』も「正統なスピンオフ」と言えなくもない(バカな)。

  


Posted by 縛りやトーマス at 01:49Comments(1)映画