2020年01月31日

まさかの新連載でやったねたえちゃん!

 KADOKAWAの無料で漫画が読めるポータルサイト、コミックウォーカー内のコミックフラッパーにて鬼才・カワディMAX先生の漫画『やったねたえちゃん!』がついにアップロードされました。

https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_MF01201421010000_68/


 この『やったねたえちゃん!』というのは同人作家だったカワディMAX先生が2007年に初めて商業誌で発表した鬼畜鬱エロ漫画『コロちゃん』が13年の時を経て連載としてよみがえったもの。
 詳しくは検索してもらえるといいのだが、さわりだけ説明すると実の母親に捨てられ孤児となった小学生児童のたえちゃんは母親から最後にプレゼントされた熊のぬいぐるみ「コロちゃん」を大切に扱い、唯一の友達として接していた(いわゆるイマジナリーフレンド)。のちにたえちゃんは叔父さんにもらわれていくのですが、その時にたえちゃんは
「家族が増えるよ」
 と笑顔になり、コロちゃんは
「やったねたえちゃん!」
 と励ましてくれるのだった。こうして新しい幸せな生活が始まると思いきや、叔父さんはロクデナシのド変態で、たえちゃんの手からコロちゃんを奪って「大人の女はぬいぐるみなんかじゃなく"こいつ"で遊ぶんだよ」といってとてもここでは書けないようなことを迫り、コロちゃんの胴体を真っ二つに裂いてしまうのでした・・・

 読んだ人間に大きなトラウマを残すことになる鬼畜漫画で、叔父さんに負けず劣らずのド変態しか読んでない作品とはいえ、たまーにネットで思い出したように話題になるので、かなりの影響力があったわけだが、なぜかこの漫画が一般誌のコミックフラッパーに連載作品として掲載されたのです。


 鬼畜エロ漫画をどうやって一般誌に載せるんだ?一般人でも読めるように改変するのか?『コロちゃん』を??

 ドキドキワクワクしながら第一回を読んでみると冒頭の展開はほぼ『コロちゃん』と同じで、母親に捨てられたたえちゃんはぬいぐるみのコロちゃんだけが友達。たえちゃんは小学生のころに母の兄である叔父さんにもらわれたのですが、叔父さんは全身を輪切りにされて死亡。部屋には「気が付いたらおじさんがバラバラになってた」と泣きじゃくるたえちゃんと、糸で縫った跡のあるぬいぐるみが残されていた・・・

 中学生のたえちゃんは保護施設で育ち、学校ではぬいぐるみと話す気持ち悪いやつとしてイジメの日々。しかし悲惨な境遇でも笑顔を絶やさないたえちゃんはコロちゃんに励まされ母親の帰りを待ち続けている。
 学校では人のよさそうな先生がたえちゃんのことを気にかけてくれ、ぬいぐるみと話すたえちゃんを「それは個性だよ」なんて言ってくれるのですが、先生の家で飲んだ紅茶には眠り薬が入っていて、目を覚ましたたえちゃんは先生からボッコボコに殴られて襲われそうになる。嫌がるたえちゃんの手からコロちゃんを奪おうとする鬼畜先生。強く引っ張ったのでコロちゃんの縫い目がほどける。同じようにコロちゃんを奪おうとした叔父さんの姿がフラッシュバック・・・

 すると鬼畜先生の指が切れてしまい、人が変わったようになったたえちゃん。真っ二つになったコロちゃんの胴体からは一本の鋼線が伸びている。

「また・・・大きなゴミ」「処分しなきゃ・・・」

 最終ページには

★殺ったね、たえちゃん!


 の惹句・・・ってお前、これが言いたかっただけやろ!


 という、鬼畜ド変態漫画が13年の時を経て、『ブギーポップは笑わない』みたいな作品になって帰ってくるとは、お釈迦様でも予想できなかった。
 もはや出オチのような気もするが、これからどのような展開を経ていくのが、すげえ楽しみ(ホントに?)



  


Posted by 縛りやトーマス at 20:35Comments(0)漫画ネット

2020年01月28日

やつらとんでもないものを盗んでいきました!

 生まれるのが早すぎた漫画こと、ちょぼらうにょぽみ先生の『あいまいみー』最新回が意味不明な事態に。

あいまいみー 125-2


 一体・・・何があったんだ?サボりか?で、翌日更新された最新回では・・・



 年末の声優結婚ラッシュに打ちのめされたにょぽみ先生の心だったのだ・・・やつはとんでもないものを盗んでいきました・・・(以下略)
 横だ・・・僕らはもう横になるしかないんだ・・・


  


Posted by 縛りやトーマス at 21:38Comments(0)日記声優漫画オタク

2020年01月27日

狼が帰ってきた!『野獣処刑人 ザ・ブロンソン』



 2016年に公開された『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』で驚いたのは『スター・ウォーズEPⅣ』でモフ・ターキン提督を演じたピーター・カッシングが当時の姿で登場したこと。これは別の役者が演じ、CGI処理でカッシングの顔を合成していたのだ。最近はCGでなんでもできますなあ、と思った。が、40年ぶりにつくられた『シャイニング』の続編、『ドクター・スリープ』ではジャック・ニコルソンが当時そのままの姿で出てきた!これもCGか!?と思ったらヘンリー・トーマス(『E.T.』のエリオット少年役)というジャック・ニコルソン似の俳優だった。制作予算からすれば、いくらでもCGで作れただろうに・・・『シャイニング』というアナログ時代の映画のリメイクにはふさわしい演出だったのかも。そんなことを薄らぼんやりと思ったのが『野獣処刑人 ザ・ブロンソン』だ。

 この映画の主演、ロバート・ブロンジーは、どっからどうみてもチャールズ・ブロンソンにしか見えない。CGか!?いや生身の人間だ!
 スペインの西部劇テーマパークでショーの仕事をしていたブロンジーの写真を見た本作の監督、レネ・ペレスは

「こいつはブロンソンの若い時の写真を使っているんだな・・・え、こういう顔の役者がいるのか?」

 ペレス監督はブロンジーに映画のオファーをする。こうして出来上がったのが、正体不明の男がヴィジランテとして町の悪党を処刑する、往年のブロンソン映画『デス・ウィッシュ』シリーズのオマージュだ。


 大都会の夜、人身売買にかかわるギャングの取引現場が一人の男に襲撃される。男はさらに空港での麻薬取引を襲い、腹に麻薬を隠し持った男に重いボディブローをぶちかます。泡を吹いて男は絶命した。

 地元ラジオDJのダン・フォーサイト(ダニエル・ボールドウィン。ボールドウィン兄弟の次男)は薄汚れた都会の腐敗を嘆き、悪の一掃を願う番組「正義を求めて」内で「警察には頼れない。誰かがこの世の悪を処刑するしかない」とアジるのだった。

 郊外の一軒家に住むアナ(エヴァ・ハミルトン)は一人娘のイサベル(レイア・ペレス)を独りで育てるシングルマザーだ。イサベルは2年前にギャングの麻薬現場で起きた銃撃戦に巻き込まれ、流れ弾を受けてしまい車いす生活を強いられている。今も犯人は捕まっていない。事件直後、差出人不明の封筒が毎月自宅に送られるようになり、その中には大金が入っていた。アナは不審がるもそれを生活の糧に、治安のよい郊外に移り住んだが、引っ越し先にもその封筒は送られ続けるのだった。ある日近所の浮浪者が郵便受けからその封筒をくすねようとすると、突然現れた男が浮浪者を襲って封筒を元通りに。その男こそ空港で男にボディブローをぶち込んだ通称K(ロバート・ブロンジー)、アナとイサベルに大金を送り続ける男の正体だった。Kはなぜ二人に大金を送り続けるのか?
 麻薬組織のボス、タイレル(リチャード・タイソン)が依頼した仕事を遂行しなかった殺し屋に非道な手段で復讐を遂げると、その場にKが現れる。Kはタイレルの部下を処刑するがタイレル本人には逃げられてしまう。
 だがタイレルを追い詰めんと雪が降り積もる山中にまでやってくるK。狙われる理由がわからないというタイレルにKは二人の間のある因果について語り始める。


 ブロンジーはブロンソンのそっくりさんとしてブロンソン風のアクション(もたつく追撃戦やのろのろとした、まったくスタイリッシュでない泥臭いガン・アクション)を披露する。Kは『デス・ウィッシュ』シリーズでブロンソンが演じたポール・カージーと違って人物の背後関係はまったくわからない、正体不明の男として描かれている。ヴィジランテ(自警団)の精神は受け継がれており、デス・ウィッシュ最終作以降に、ブロンソンが生きていたら演じたかもしれない役なのだ。
 この世の悪党を容赦なく処刑する狼が帰ってきた!ちなみに本当に狼が出てきます。悪党が大手を振って歩き回っている現代にこそ、ブロンソン=ブロンジーが必要だ!魂は、決してCGでは描けない

  


Posted by 縛りやトーマス at 23:14Comments(0)映画

2020年01月26日

2020年2月告知

 2020年2月告知

2月8日(土)
『アイドル十戒放浪記 其の十』
場所:アワーズルーム
開場:18:30
料金:1500円(ドリンク別)
出演:竹内義和 しばりやトーマス

放浪し続けた男たちの旅、完結編。




2月18日(火)
『旧シネマパラダイス』
場所:アワーズルーム
開演:20:00
料金:500円(1Drink別)
司会:しばりやトーマス

昔、テレビの深夜番組でやってたような映画の会。今月はアワーズルームで開催する特別編。
テーマは土着宗教スリラーの古典『ウィッカーマン』(1973)いけにえを捧げよ!



2月21日(金)
『キネマサロン肥後橋』
場所:アワーズルーム
開場:19:00
開演:19:30
料金:500円(1drink別)
司会:しばりやトーマス

カルトを研究する若人の会。今月は東映ポルノ特集第二弾、『エロ将軍と二十一人の愛妾』。またまた鈴木則文監督!



2月22日(土)
『僕の宗教へようこそ一二六教義~土曜ロードショー第二十七幕』
場所:アワーズルーム
開場:18:30
料金:1,000円(1drink別)
出演:しばりやトーマス アシスタント・トモ

月一でお送りする『僕の宗教へようこそ』、今月もアワーズルームでお送りする特別編。
アカデミー賞とさよなら映画秘宝特集。


2月25日(火)
『スーパーヒーロートーク』
場所:なんば紅鶴
開場19:45
開演20:00
料金:1,500円(1drink込)
出演 :にしね・ザ・タイガー ソエジマ隊員 花鳥風月 緒形 しばりやトーマス

キラメイジャー!超英雄祭!  


Posted by 縛りやトーマス at 23:46Comments(0)告知

2020年01月26日

僕らを不安にさせるドラマ『女子高生の無駄づかい』

 テレビ朝日の金曜ナイトドラマ枠で『女子高生の無駄づかい』がスタートした。



https://www.tv-asahi.co.jp/jyoshimuda/

 テレ東の『ゆるキャン△』に対抗したわけではないだろうが、女子無駄はいくらなんでも無理があるんじゃないのか・・・『ゆるキャン△』は最近流行りの深夜アニメ系萌え漫画とは一線を画す作風だし、キャンプものにしても、女子大生が背伸びしても実際にできそうなレベルのキャンプを描いているから、リアルな実写でも無理がない。が、女子無駄は・・・違うやろ?

 と不安まみれで第一話を見たのですが、想像を軽く覆す意味不明さで頭が真っ白になった。一話は登場人物の紹介を兼ねたエピソードの寄せ集めで原作漫画、アニメとそんなに変わらないですね。

 だが漫画やアニメだと違和感のないキャラクターやセリフ、物語は実写ドラマになった途端に「この話、どうかしている」ことがはっきりとわかりましたね。バカとか、ヤマイとか、ありえないでしょう・・・
 バカを演じている岡田結実は閉店ガラガラの人の顔がちらつきすぎて話に全然集中できない!だがヘンテコな動きと顔芸でどこからどう見てもバカだ!恒松祐里はさすがの上手さでヲタの勢いあるツッコミ話芸を再現、ロボは・・・ロボだ・・・マジメ役の浅川梨奈はヘアメイクに無理があるような気がするんだが・・・

 唯一のオリジナルキャラ、教頭役の大倉孝二(!)はまともなのか異常なのか理解に苦しむ役どころで見ているこちらをひたすら不安にさせる。そう、このドラマ版『女子無駄』はひたすら不安になるのだ。突然わけのわからないドラマ内ドラマが始まったり、まったく違う展開になっている顔ハメ看板、『ルパパト』のパトレン2号、横山涼の警官(また警官か)役も不安になるし、いったい僕らは何を見せられているのか理解に苦しむ一時間。こんな視聴者を不安にさせるドラマがあっていいのか・・・来週も不安になりながら見るしかない・・・
 ドラマ『ゆるキャン△』とは違う意味ですごいよ・・・

 今からすごいこと言っていい? このドラマ・・・今がピークなんじゃない?

 違うの。ここからがすごいの。



  


Posted by 縛りやトーマス at 03:23Comments(0)テレビ

2020年01月20日

♪どこの世界からやってきたのか不思議~あれは全裸マ~ン

 去年引っ越しをしたのだが、大変治安の悪い町で、それを証明するのが、近場のコインランドリーにいった初日に、全裸の男が居た。コインランドリーで洗濯し、乾燥機にかけた服をその場で着替えていたのだ。
 パンイチならまだわかるが(わからない)そいつはパンツも脱いで全裸だった。一応気を遣っているのか、乾燥機の扉の陰に隠れるようにしていたが、店舗はガラス張りだし、道路から見えまくりだよ。その時は僕が着替えてる途中で店に来たことで気が動転したのか、着替えた衣服は紙袋に入れたまま、出て行った。なんなんだよ・・・
 日常で全裸男に出会っても驚く以外のリアクションってまずできないね。警察に電話しようとか思わないし。

早朝の空港バスに全裸男が乗り込む 神戸・三宮

https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/202001/0013046233.shtml

 コインランドリーに比べてバスの車内に全裸男が来たら、そりゃあ警察には通報するだろう。しかも一月の全裸はやっている方も相当の気合を入れないとできないだろう。「酔っていて覚えてない」という全裸男。気になるのはバスに全裸で乗り込んだというから、どこかで全裸になったのだ。繁華街で全裸になったのか、バス停で全裸なのか、家から全裸なのか、いったいどこからやってきたのか、気になってしょうがない!あとコインランドリーの全裸男もどこからやってきているんだ!

https://twitter.com/yume_HiGE/status/1218667265773555712
目撃者による報告

 麻美ゆまちゃんが全裸でバスに乗ってきて誘惑する『ヌーディストの女』ってAVあったけど、男の全裸はうれしくない。


全裸男の画像の代わりに麻美ゆまちゃんの2020カレンダーの表紙貼っておきますね

  


Posted by 縛りやトーマス at 23:46Comments(0)日記日本のとんでも事件

2020年01月18日

これが日本の格差社会映画だ『カイジ ファイナルゲーム』



 実写映画『カイジ』シリーズの第三弾にして完結編。前作から9年ぶりの新作だ。9年も経ってるのだから、カイジ実写シリーズのコンテンツとしての魅力はすでに失われていると思っていたので、新作は意外だった。その間原作はいまだに続いていて、現在では命がけギャンブルで手に入れた24億をもって逃亡しようとするヘイスト(強盗)映画の脱出劇のような展開になっていて、原作漫画の売りである登場人物たちの緻密で高度な心理戦を今までにない形で描き出しており、相変わらずの面白さだ。
 が、実写映画の方は原作漫画の、漫画ならではの緻密な心理戦は実写で描くことは不可能なので、全部登場人物たちは絵で表現されていた心情や互いのやりとりを全部セリフで説明し、しかも絶叫口調でやる。ひたすらに大声で芝居がかったセリフを絶叫するの単純にして単調だが、舞台役者として巨匠・蜷川幸雄に揉まれた藤原竜也、歌舞伎役者の血を引く香川照之の異常なほどに高められた絶叫芝居の勢いに見させられてしまうのもまた事実。

 さてそんな単純にして単調な人生の破滅を賭けたギャンブル映画の3作目は、初めてのオリジナルストーリーだ。これまでの帝愛グループとカイジらロクデナシのギャンブラーとの戦いではない。相手は、日本だ。
 東京オリンピック以後、日本の経済は完全に破綻し、不況のどん底に落ち込んでいた。何の冗談かと思ったが本気でそういう設定なのである。日本全体が一握りの富裕層が暮す優雅な高層ビル群と、貧民が暮すスラム街に分断されてしまっている。スラムでは缶ビール一本が1000円という金額になり

「ふざけんじゃねえよぉ~!これじゃビールも飲めねぇよ~ぉ!」

 とカイジ・竜也がいつもの絶叫演技。派遣で働くカイジは給料の7割をピンハネされてまたたま絶叫。「なんだよこれぇ!これじゃ生きていけねぇよぉ!」そこに現れた会社社長で「派遣の帝王」と呼ばれている黒崎(吉田鋼太郎)が「いやならやめろぉ~!いくらでも代わりはいるんだぁ~!」と竜也に負けず劣らずの絶叫演技。吉田鋼太郎といえば藤原竜也と同じ蜷川幸雄の舞台で鎬を削った役者同士ではないか。シェイクスピア劇も真っ青の対決がスクリーンで展開される。

 その後カイジは地下で対決した大槻班長(松尾スズキ)から一発逆転のギャンブルがあると教えられ、秘策を授けてもらって参加。この映画には4つのギャンブルが登場する。ちなみに4つのギャンブルは原作者の福本伸行自らが考案したものだ。最初のギャンブルは「バベルの塔」。集められた参加者はとあるビルの位置を教えられ、最上階ににそびえる鉄塔の頂点にあるカードに最初に触れたものが最大99億9999万円か、同価値の情報を得るか、選択権が与えられる。カイジは大槻からビルの場所を事前に聞いていて、隣接するビルから鉄骨を伸ばして綱渡りを決行。見事勝利者となり情報をゲット。その情報によってカイジは資産家の老人、東郷滋(伊武雅刀)に出会う。東郷はこの国で栄華を極めている大金持ちだが、まもなく国会で政治家が銀行の預金を封鎖する法案を成立させようとしていることを知り、それを止めるために政治家の買収を画策するが、手持ち資産では足りず、黒崎と全財産を賭けた直接対決のギャンブル「最後の審判」に挑もうとする。その協力者として「金よりも情報を選んだ」カイジと最高についている女、桐野加奈子(関水渚)を仲間に引き入れる。どれだけ多くの賛同者を集め、大金を積むことができるかというギャンブルに挑むが、黒崎の罠に陥り大ピンチに。追加資金を手に入れるためカイジは地下で行われている命がけのギャンブル「ドリームジャンプ」に挑戦。見事大金を手に入れ、事前に仕掛けていた作戦によってカイジは勝利するが最後の最後で邪魔をする、通称・影の総理と呼ばれる若き官僚・高倉浩介(福士蒼汰)と彼が得意とするギャンブル「ゴールドジャンケン」で雌雄を決する勝負に出る。

 一握りの富裕層がすべての富を牛耳って貧困層を支配する格差社会の構造にメスを入れる、とでも言いたげな内容には白けてしまう。この映画の制作は日本テレビなんだけど、現在の格差社会を助長しているのがテレビ局をはじめとするマスメディアではないか。政府に牛耳られて政権のまともではない政策や与党の不祥事を糾弾することすらできない。『銀河英雄伝説』でも言ってたでしょ。「政治家が賄賂を取ることは政治の腐敗ではない。政治家個人の腐敗であるにすぎない。政治家が賄賂を取っても糾弾できない、それを政治の腐敗というんだ」と。
 そんな連中が貧困層の大逆転によって腐敗政治が転覆する、なんてフィクションを堂々と作っている事実には笑いが止まらないね。この人たちはこんな話を本気で信じていないに決まっている。映画の中で10人の参加者のうち9人が死ぬ死のバンジーゲーム「ドリームジャンプ」とかをやらせている側の気分でしょ。こんなバカげた映画をつくって大儲けしている状況に笑いが止まらないだろう。「またバカな貧乏人どもがありもしない絵空事を見に映画観に来ていやがるぜ」ってね。
 また原作者の福本伸行自身も今や大金持ちなんだから、本当の貧困層の気持ちなんてわかっちゃいないだろう。彼はまだ漫画家としてまっとうなやり方で稼いでいるんだから100歩譲って許せるけど、口では安倍政権を批判するようなお話にしながら(この映画の脚本は福本本人)実際は格差社会の利益を享受しているんだから、笑わせるなよ。
 本人が考案したというゲームの数々も原作漫画に出ていたいろんなギャンブルのクオリティに達しているものはひとつもなく、ガッカリです。ひょっとして漫画に使わなかったアイデアを引っ張りだしてきただけなんじゃあ・・・

 カイジ実写の1と2には山本太郎が出演している。山本は今、格差社会の是正のために本気で戦っているじゃないか。この映画のどこにも格差社会と本気で向かい合おうとしている部分は見当たらない。福本さんよぉ、山本太郎の爪の垢でも煎じて飲んでこいや!
 虚無だけが広がる無限の荒野。この映画の出来が悪魔的だった!



  


Posted by 縛りやトーマス at 15:15Comments(0)映画漫画

2020年01月18日

吹替がお好き? けっこう。ではますます好きになりますよ。

 全国を巡回中の映画『コマンドー4Kニューマスター吹き替え版』。何十年の前の映画の、しかも吹き替え版が再上映されているのは異例だが、コマンドー吹き替え版の持つ魅力と、玄田哲章氏他が演じる声の魔力によるものだろう。もはや俺たちは吹き替え版でなければ『コマンドー』を見られない体にされてしまったんだ・・・コマンドーがお好き? けっこう。ではますます好きになりますよ。

石丸博也、ジャッキー・チェン吹き替えギネス記録認定「ジャッキーさんが命懸けで作品つくり続けたおかげ」
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/01/14/kiji/20200114s00041000176000c.html?amp=1

 コマンドー玄田哲章以上にこの人以外が考えられない吹替、それがジャッキー・チェンの声を長らく演じている石丸博也氏だ。たまに字幕版でジャッキー映画を見たりしたら声に違和感がありすぎてもう、耐えられないですね。

 石丸さんも高齢で、ジャッキー役もそろそろ交代なのかな・・・ってジャッキー自身も高齢だよ!ひょっとしたら交代せずに済むかもしれない。仮に交代するとしたら誰かな?やっぱり山寺宏一さんですか?(いい加減に山ちゃんを休ませろよ)



  


Posted by 縛りやトーマス at 00:02Comments(0)映画

2020年01月14日

第92回アカデミー賞ノミネート作品(決戦は2月9日)



 2020年2月9日(現地時間)に発表される第92回アカデミー賞の全ノミネートが発表された。


作品賞:
『フォードvsフェラーリ』
『アイリッシュマン』
『ジョジョ・ラビット』
『ジョーカー』
『ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語』
『マリッジ・ストーリー』
『1917 命をかけた伝令』
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
『パラサイト 半地下の家族』

監督賞:
サム・メンデス(『1917 命をかけた伝令』)
マーティン・スコセッシ(『アイリッシュマン』)
トッド・フィリップス(『ジョーカー』)
クエンティン・タランティーノ(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』)
ポン・ジュノ(『パラサイト 半地下の家族』)

主演男優賞:
アントニオ・バンデラス『Pain & Glory(原題)』
レオナルド・ディカプリオ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
アダム・ドライバー『マリッジ・ストーリー』
ホアキン・フェニックス『ジョーカー』
ジョナサン・プライス『2人のローマ教皇』

主演女優賞:
シンシア・エリヴォ(『ハリエット』)
スカーレット・ヨハンソン(『マリッジ・ストーリー』)
シアーシャ・ローナン(『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』)
シャーリーズ・セロン(『スキャンダル』)
レニー・ゼルウィガー(『ジュディ 虹の彼方に』)

助演男優賞:
トム・ハンクス『A Beautiful Day in the Neighborhood(原題)』
アル・パチーノ『アイリッシュマン』
ジョー・ペシ『アイリッシュマン』
ブラッド・ピット『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
アンソニー・ホプキンス『2人のローマ教皇』

助演女優賞:
キャシー・ベイツ(『リチャード・ジュエル』)
ローラ・ダーン(『マリッジ・ストーリー』)
スカーレット・ヨハンソン(『ジョジョ・ラビット』)
フローレンス・ピュー(『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』)
マーゴット・ロビー(『スキャンダル』)

脚本賞:
『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』(ライアン・ジョンソン)
『マリッジ・ストーリー』(ノア・バームバック)
『1917 命をかけた伝令』(サム・メンデス、クリスティ・ウィルソン=ケアンズ)
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(クエンティン・タランティーノ)
『パラサイト 半地下の家族』(ポン・ジュノ、ハン・ジンウォン)

脚色賞:
『アイリッシュマン』
『ジョジョ・ラビット』
『ジョーカー』
『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
『2人のローマ教皇』

撮影賞:
ロジャー・ディーキンス『1917 命をかけた伝令』
ロドリゴ・プリエト『アイリッシュマン』
ロバート・リチャードソン『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
ローレンス・シャー『ジョーカー』
ジャリン・ブラシュケ『The Lighthouse(原題)』

編集賞:
『フォードvsフェラーリ』
『アイリッシュマン』
『ジョジョ・ラビット』
『ジョーカー』
『パラサイト 半地下の家族』

美術賞:
デニス・ガスナー『1917 命をかけた伝令』
ボブ・ショウ『アイリッシュマン』
バーバラ・リン『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
イ・ハジュン『パラサイト 半地下の家族』
ラ・ヴィンセント『ジョジョ・ラビット』

衣装デザイン賞:
マーク・ブリッジス『ジョーカー』
ジャクリーヌ・デュラン『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
アリアンヌ・フィリップス『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
メイズ・C・ルベオ『ジョジョ・ラビット』
サンディ・パウエル&クリストファー・ピーターソン『アイリッシュマン』

メイクアップ&ヘアスタイリング賞:
『ジョーカー』
『スキャンダル』
『ジュディ 虹の彼方に』
『マレフィセント2』
『1917 命をかけた伝令』

視覚効果賞:
『アベンジャーズ エンドゲーム』
『アイリッシュマン』
『ライオン・キング』
『1917 命をかけた伝令』
『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』

録音賞:
『1917 命をかけた伝令』
『フォードvsフェラーリ』
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
『ジョーカー』
『アド・アストラ』

作曲賞:
ヒドゥル・グドナドッティル『ジョーカー』
アレクサンドル・デスプラ『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
ランディ・ニューマン『マリッジ・ストーリー』
トーマス・ニューマン『1917 命をかけた伝令』
ジョン・ウィリアムズ『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』

主題歌賞:
“I Can’t Let You Throw Yourself Away”(トイ・ストーリー4)
“I’m Gonna Love Me Again”(ロケットマン)
“I’m Standing With You”(Breakthrough)
“Into the Unknown”(アナと雪の女王2)
“Stand Up”(ハリエット)

長編アニメーション賞:
『トイ・ストーリー4』
『ミッシング・リンク』
『失くした体』
『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』
『クロース』

短編アニメーション賞:
『Dcera (Daughter)(原題)』
『Hair Love(原題)』
『Kitbull(原題)』
『Memorable(原題)』
『Sister(原題)』

国際長編映画賞:(「外国語映画賞」が改称)
『レ・ミゼラブル』(フランス)
『Honeyland(原題)』(北マケドニア)
『Corpus Christi(原題)』(ポーランド)
『パラサイト 半地下の家族』(韓国)
『Pain and Glory(原題)』(スペイン)

長編ドキュメンタリー賞:
『アメリカン・ファクトリー』
『The Cave(原題)』
『ブラジル -消えゆく民主主義-』
『娘は戦場で生まれた』
『Honeyland(原題)』

短編ドキュメンタリー賞:
『In the Absence(原題)』
『Learning to Skateboard in a Warzone (If You’re a Girl)(原題)』
『眠りに生きる子供たち』
『St. Louis Superman(原題)』
『Walk Run Cha-Cha(原題)』

短編実写映画賞:
『Brotherhood(原題)』
『Nefta Football Club(原題)』
『The Neighbors’ Window(原題)』
『Saria(原題)』
『A Sister(原題)』


 作品賞では大本命が『アイリッシュマン』、対抗馬が『ワンハリ』、大穴で韓国映画から初のノミネートとなった『パラサイト 半地下の家族』というのが僕の予想です。ネットフリックス配信映画の『アイリッシュマン』に反発する声が『ワンハリ』『パラサイト』に集まるかどうかでアカデミー会員の票がどう動くかが見もの。

 監督賞もスコセッシとタランティーノの対決でスコセッシの映画人生の総決算が勝つか、タランティーノが初の監督賞(脚本賞の受賞経験アリ)に輝くか目が離せない。『ジョーカー』のトッド・フィリップス監督は下馬評では落選の声があったけどノミネートまで持ってきたので意外な結果があるかも?

 主演男優賞はホアキン・フェニックスか、『マリッジ・ストーリー』のアダム・ドライバーが有力。僕の一押しはアダム・ドライバーです。『マリッジ~』の悲しくもマヌケな旦那役(ナイフを使った冗談遊びで腕を切ってしまって貧血で倒れるシーンは最高です)は傑作で、ちゃんと演技できる人なんだなって思った。カイロ・レン役はなんだったんだ?

 主演女優はセロンとゼルヴィガーが有力らしいですが、二本ともまだ見てないからわからない。助演男優は『アイリッシュマン』のジョー・ペシとアル・パチーノの対決にブラピとアンソニー・ホプキンスがどう絡むか、激アツ部門。助演女優賞は『リチャード・ジュエル』で息子の無実を信じる母親役を好演したキャシー・ベイツか、『マリッジ・ストーリー』でやり手の弁護士を演じたローラ・ダーンの対決。
 他の部門では長編ドキュメンタリーは『ブラジル 消えゆく民主主義』が本命。作曲賞はジョン・ウィリアムスが功労賞的に獲得するかな。国際長編映画は文句なしに『パラサイト 半地下の家族』で決まり。


 今年も司会のいない第92回アカデミー賞、ネットフリックス系作品が一部の頑固者の意見を蹴散らして受賞するか、タランティーノとポン・ジュノが栄冠なるか?決戦は2月9日(現地時間)!!

  


Posted by 縛りやトーマス at 00:11Comments(0)映画ネットフリックス

2020年01月12日

てめえら、揚げてやる!『エクストリーム・ジョブ』



 実績ゼロで解散の危機を迎えた麻薬捜査班の男女5名は最後の大逆転に賭けてドラッグディーラーの取引現場を押さえようとアジトの前にあるフライドチキン屋に張り込む。が、その店が閉店の危機に!

「この店、買い取ります!」

 昼はチキン屋、夜は張り込み捜査の2重生活を強いられた上にそのチキン屋がまさかの大ヒット!営業が忙しすぎて尾行に失敗するという本末転倒に陥る捜査班。彼らはチキンを揚げる前に犯人を挙げることはできるのか?

 という韓国映画『エクストリーム・ジョブ』は2019年の韓国映画史上No.1の大ヒットのみならず歴代トップの興行収入を記録した。韓国の歴代興行収入、観客動員に並ぶのは『国際市場で逢いましょう』のような歴史ドラマか、『神と共に』のようなアクションなので『エクストリーム・ジョブ』のようなコメディがランク入りするのは珍しい。肩肘張らずに観られる作品というのも大きかったろうが、テーマがいい。韓国ではフライドチキンは60年代半ばの「漢江の奇跡」と呼ばれる日韓基本条約で得た無償提供資金によって為しえた経済復興に誕生したファーストフード商売で、国民食のひとつになるほどの人気商売だ。そこに警察が捜査のための副業として店を開いているというアイデアは笑えてしまう。

 実績ゼロで上司から解散を宣告される麻薬捜査班。そのリーダーであるコ班長(リュ・スンリョン)は傷だらけで現場から帰ってくる通称「ゾンビ班長」と呼ばれるベテランだが後輩の方が先に出世してしまう万年班長どまり。ラストチャンスに賭けて大物ドラッグディーラー、イ・ムベを捕らえようと彼のアジト前で24時間の張り込み態勢に入る。目と鼻の先にあるさびれたフライドチキン店に居座るが、店主から人気がないので店を人に売るといわれ、コ班長は退職金を前借して店を買い取ることに。買った以上営業しないといけないということで捜査班のトラブルメーカー、マ刑事(チン・ソンギュ)を厨房担当に。なんと彼は“絶対味覚”を持つ男だった!「俺にこんな才能があったなんて!」
 捜査班一の切れ者で紅一点のチャン刑事(イ・ハニ)をホールマネージャーに、情熱だけは人一倍の若手刑事ジェフン(コンミョン)を厨房補佐、「俺は尾行専門だから」という寡黙なヨンホ刑事(イ・ドンフィ)は店の外でアジトを監視する役目にしてフライドチキン屋を営業しつつアジトの監視をする24時間体制に突入。

 ところがこのフライドチキン屋がまさかの大繁盛。マ刑事の「カルビ漬けチキン」は「今までにない味だ」と絶賛されて連日行列ができてしまうほどのヒットに。コ班長らは店を切り盛りするのに大忙しで、外でアジトを見張っているヨンホ刑事から「アジトに動きが!尾行するので応援をお願いします」という無線にも出られない。ひとりで飛び出したヨンホ刑事が二手に分かれた車の尾行に失敗してトボトボ帰ってくると「この忙しいのに手伝いもしないで何をしていたんだ」と店長・・・いや班長に怒られる始末。

「分かれた車のどちらを追うか、究極の選択を迫られた俺の気持ちがわかりますか?」

 と愚痴るヨンホだが

「俺はずっと厨房で鶏と格闘していた俺の気持ちがわかるのか!」

 とマ刑事が吐き捨てれば

「私はホールマネージャーとして一日で78組の客をさばいたわ」

 とチャン刑事、

「毎日玉ねぎ80キロ、ニンニク500個の皮を剥く僕の大変さがわかりますか?」

 さらにジェフンからも反論されてしまう。俺たちは犯人を挙げるのが目的で、フライドチキンを揚げるのが仕事じゃない!しかし一日の売り上げ234万ウォンをたたき出すこのサイドビジネスは警察をやっているより儲かる。いっそチキン屋に鞍替えしようか・・・と弱気になるコ班長。だがその時アジトからフライドチキンの出前注文が。ついにこの瞬間が訪れた。捜査班は出前を装って突入する準備を整える。

 これは意外な才能があることを見出した者たちが副業に邁進しつつも、最後には正義の警察官としてあふれんばかりの才能の持ち主であったことに気づかされる(その才能を発揮できる機会がなかっただけなのだ)クライマックスの大アクションも最高で、先が見えない人生であってもその場その場で真面目に取り組む姿勢が胸を打つという感動的な物語だ。コメディというメインディッシュの中にこっそりとスパイスのように忍ばせた、最高に美味い作品。

  


Posted by 縛りやトーマス at 13:50Comments(0)映画食べ物