2020年06月29日

一緒や!なんぼやっても!『ランボー ラスト・ブラッド』



 80年代を代表する筋肉スター、シルベスター・スタローンの『ロッキー』に並ぶ代表作『ランボー』のシリーズ第5弾にして最終作(多分)。

 息子をシゴキあげたり、ライバルの息子をシゴキあげたりしてファミリー感を出していくロッキーシリーズと違ってランボーは第一作目から戦場で友人を助けられなかったトラウマに苛まれたり、国へ帰ってきたら長髪を咎められて保安官にいびられたりとその後も孤独な流れ者としてロッキーとは正反対のイメージを確立してきた。

 ベトナムやアフガンで戦いを繰り広げ、どんなに戦っても戦争・虐殺・軍事政権による弾圧が無くならず、「一緒や!なんぼやっても!」の空しさにとりつかれたランボーはシリーズ第4弾『ランボー 最後の戦場』にてタイで隠遁生活をするようになるが、民衆を虐殺するミャンマーの軍事政権と戦いこれを蹴散らす。映画の後でミャンマーは文民大統領による民主政治が行われるようになったが軍による少数民族への虐殺は続いておりランボーはまたも「一緒や!なんぼやっても!」のトラウマを再発させる。そして11年ぶりにつくられた新作である。


 今回なんとランボーに家族ができる!といっても知人の女性マリアとその孫ガブリエラ(イベット・モンレアル)なんだが。ランボーは実夫に虐待されるガブリエラとその母親を助けたことから養女として面倒を見るようになる。成人した彼女は家を出て行った父親がメキシコで暮らしていると聞き、祖母やランボーの反対を押し切って父に会いに行く。再会した父に冷たくあしらわれたガブリエラはメキシコでかつての知人によって麻薬ギャングに売り飛ばされる。血のつながった家族のいないランボーはたったひとりの家族といってもいいガブリエラを救出するためメキシコに渡り地元を根城にするマルティネス兄弟ら麻薬ギャングと対立する。

 ベトナムやアフガン、ミャンマーで軍事政権と戦ってきたランボーが最後の最後でメキシコのチンピラたちと戦うって・・・規模小さくなっとるやんけ!!しかもランボー何の備えも考えもなく売春宿に突撃して返り討ちに遭うし。それを助けてくれたのが妹をマルティネス兄弟によってボロボロにされた女性ジャーナリストなんだけど、この人何のためにメキシコに潜入しているのかまったくわからない。ギャングが人身売買をしている証拠を掴もうとしているように見えて、最後に怒り狂ったランボーが突撃しようとすると「巻き込まれるのは嫌」って協力を拒否するんだけど、じゃあなんで最初にランボー助けたんだよ!

 シリーズ最大の怒りMAX状態になったランボーはマルティネス兄弟の弟を首チョンパ。挑発しておいた上でアリゾナの牧場(『最後の戦場』でラストに帰ってきたあの牧場)に巨大な地下坑道をつくって麻薬ギャングを迎え撃つ。この展開はかなり強引で、もし兄貴が復讐に来なかったらどうする気だったんだ!!クライマックスの大爆破なんて、もう・・・無理がありすぎるよ・・・

 と単独の映画として観ると穴だらけなんですが、これがランボーの最後の作品だと思うと感慨深い。一作目を強く意識した地下坑道にトラップを仕掛けてギャングを虐殺する場面、どこまでいっても孤独な男ランボーにはやはり血がつながっていなくても温かい家族に囲まれて一生を終えるなど似合わない。全身に染み付いた血の匂いは消えることがないのだ。「今でも夢を観るんです・・・戦場で友人が爆死したときの夢を・・・」


 戦いを終えたランボーは安楽椅子で眠りにつく。それはいつもと同じ戦場で友人が死ぬ夢なのか、それとも・・・

 最後にきっとランボーは救われた。シリーズ屈指の幕引きではないですか。

  


Posted by 縛りやトーマス at 12:46Comments(0)映画アニメ