2014年04月28日

ひろしを見なおせ!『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』

『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』を観る。

ひろしを見なおせ!『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』

映画20作目の『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス』が7作目の『映画クレヨンしんちゃん 爆発! 温泉わくわく大決戦』(丹波哲郎が本人役でゲスト出演するゴジラのパロディシーンが見所)以来の興行収入10億割れとなり、「そろそろマンネリか?」との声も聞かれ始めた前作『映画クレヨンしんちゃん バカうまっ!B級グルメサバイバル!!』ではシリーズ初参加の浦沢義雄を脚本に起用、クレしんの観客に馴染みのあるB級グルメをテーマにし、興行収入10億越えとなった。
今回の脚本は『グレンラガン』や『仮面ライダーフォーゼ』などで近年アニメ、特撮業界への進出著しい中島かずきが脚本家として初参加。中島かずきはもともとクレしんの漫画を出してる双葉社の元社員で映画10周年記念本の編集もしている「クレしんを分かっている男」が挑んだテーマは野原ひろしという男の復権であった。


ギックリ腰になってしまったひろしは通りがかったメンズエ ステの無 料体験にマッサ ージをかねて飛び込む。エ ステを終えてギックリ腰が治ったひろしは意気揚々と帰宅。しかし帰ってきたひろしを見てみさえやしんちゃんは「誰?」と驚くばかり。鏡を見たひろしは自分がロボットの姿になっていることに気づく。
「とーちゃんがカンタムロボみたいなロボットになった!」
と大喜びのしんちゃんだが、鋼鉄の体になった旦那に拒否反応を示すみさえはロボットになったひろしを邪険に扱う。
変わり果てたひろしを世間に見せたくないみさえは病気だとして会社を休ませ、親が参加する課外学習にも参加させまいとするが、隙を見て抜けだしたひろしは課外学習先の工場で高所から足を踏み外して落下したしんちゃんたちを間一髪救出。見た目は変わり果てた姿でも家族を思う愛情は何も変わっていないひろしを受け入れることにする。
ロボットの体であらゆる家事をこなし、会社でもバリバリ仕事をこなすひろしは家でも会社でも頼れる男となる。
そんなひろしはある日、人が変わったようになり、「一家の大黒柱である父親を敬え!」と暴君のように振る舞い、家庭で居場所のない父親たちを集め「父親の威厳を取り戻せ」と扇動し始める。実はひろしをロボットにしたのは家庭ですっかり弱くなってしまった父親の復権を目論む『父ゆれ同盟』(父よ勇気で立ち上がれ同盟の略)の陰謀だったのだ……


クレしんにおける野原ひろしという男は「ダメで女に甘くだらしない男」という存在で、会社では上司にしかられ同僚のOLからは陰で笑われ、家に帰れば妻のみさえに稼ぎが少ないとぼやかれ、息子のしんちゃんには「とーちゃん足がくさい」とバカにされ、家の中でも外でも居場所がない!(劇中には家にいられないお父さんたちが公園にたむろするシーンがあるがそこでさえモンスターペアレント紛いのおかんたちが現れ「邪魔だ」と追い出されるのだ!)
「お父さんってなんて悲しいんだ……」
こんな扱いを受けるぐらいなら結婚なんてしない方がマシだ!と男性の独身率の高さに影響を与えているわけですな(バカな)。
しかしよく見てみると野原家は業務核都市の埼玉県春日部市に一軒家があり、中古とはいえマイカーを所有しガレージつきの庭がある上にペットの犬まで飼っている。普通に考えたら中流レベルの生活を送っている。バカにされる言われはないはず。
今こそ世間は野原ひろしという男の存在を見直すべき時ではないのか!
この映画を子供を連れて見に来ているお父さんたちもたまの休みだというのに寝ているところを叩き起され「映画に連れていけ」とせがまれた結果、劇場に足を運んでいるのではないか。そんなお父さんたちはこの映画を見て「そうだ!父親を敬え!」と拳を突き上げること間違いなし!その場で一緒に来たお母さんとケンカになるかも知れないけど。

クライマックスは本物のひろしが帰ってきて、「俺の方が本物だ」「いや俺だ」とどっちが本物のひろしかを争うのだが、ロボット自体はひろしの記憶などをコピーした存在なのでどっちも本物なの。なので「どちらがより家族を愛しているか」という勝負になるのだが、父親は威厳だけではなく、家族への愛がどれだけあるかも問われることになる。全父親が号泣した『モーレツ!オトナ帝国の逆襲』を彷彿とさせる展開はあざといかも知れないけどクレしんを知り尽くした男、中島かずきだけに、オトナ帝国的なものをやりたかったんでしょう。その意気やよし!

ゲスト声優として出ている武井咲は意外と上手くて同じ事務所の剛力彩芽よりずっと良かった。



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Posted by 縛りやトーマス at 06:43│Comments(0)映画
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