2014年06月06日

2014きっての超トンデモ映画『MONSTERZ』

 『MONSTERZ』を観た。

2014きっての超トンデモ映画『MONSTERZ』

 韓国映画の『超能力者』のリメイク(元の映画は見てないので知らない)。目を見ただけで人を自由自在に操れる能力を持つ男(藤原竜也)と、その能力が唯一通用しない男(山田孝之)の対決が描かれる。
 冒頭のフリーマーケット会場にいる人間を全員、一瞬で静止させる場面などに見られる大量エキストラを動員した撮影は圧巻の一言で、この映画、ただ事ではない!と思わせる。確かにただ事ではなかった。この映画、突っ込みどころ満載だから!
 二人の男が知恵と能力を駆使して対決するという設定は『デスノート』を彷彿とさせ、『デスノート』から発展した『コードギアス』あたりからも着想を得た映画と思われる。『コードギアス』における相手をあやつる能力ギアスの力は

<直接目を合わせなければ使えない>
<同じ相手に二度使えない>
<有効距離は270メートル>
<反射が可能(鏡越しに見た相手にも通用する)>


 といった発動条件に制限があるのだが『MONSTERZ』でも藤原竜也は人をあやつる能力には

<使用中に強い光を当てられると無効化する>
<視界そのものを閉ざされると使えない(相手の目を見ないと使えない)>
<使い続けると使用者の肉体が欠損する>


 といった制限がある。ところが作中後半になるとこの制限にまったく触れなくなる。例えば視界を閉ざされると使えなくなるという条件が判明しているのに藤原竜也を捕まえようとする警察は頭に頭巾を被せようとかせずに集団でまわりを取り囲んで拳銃を突きつけたりする。当然全員藤原竜也に操られて同士撃ち。
 前半部分でシャワーを浴びている藤原竜也の片足が壊疽を起こして膝から下が無くなっているという描写があり、「使えば使うほど本人の肉体が消滅する」という能力の制限を感じさせるのだから観客は「肝心なところで能力を使いたくても使えないようになるのでは?」と想像するがそんなことはまったくなく、というかその設定自体に一切触れないのだ。
 前述した『デスノート』や『コードギアス』ではノートに名前を書くだけで人が殺せたり、他人の思いのままにあやつることが出来る能力自体に制限があり、その制限をどうかいくぐって使用するか、がサスペンスや知的ゲームの要素になっているのだが、制限に関する描き方が中途半端で煮詰められておらず、サスペンスが一向に盛り上がらない……
 かたや山田孝之になぜ藤原竜也の能力が通用しないのかというと、実は山田孝之も受けた傷がすぐに回復するという<絶対に死なない=アンブレイカブル>な超能力者だったから。
 この能力は物凄いんだけど、一切攻撃に使えない能力なのでひたすら藤原竜也の攻撃に対して受身になるしかなく、そのへんも対決が盛り上がらない理由になってくる。そもそもこの二人が戦う必然性がまったく描かれないのだ。藤原竜也は「俺が操れない人間は生きている必要がない!」とかいって殺そうとするんだけどそれが発覚する時点では山田孝之は藤原竜也を敵と思うどころか相手の存在も認知していないので、ほっとけばいいのに……
 必然性もない二人の男の戦いの間にしょうもないコメディ描写があったりしてまったくノレない。山田孝之の同僚が意味もなくオカマだったり(演じてるのは『桐島、部活やめるってよ』の茶髪チャラ男をやってた落合モトキ)、この同僚たちと意味なくヴァンガード(かヴァイスシュバルツ)で遊んでるのでナニコレ?と思ったらスポンサーがブシロードだった。プロダクトプレイスメントかよ!

 しかし大量のエキストラを動員したクライマックスなどは迫力があり、さすがは中田秀夫監督といったところ。しかし映画自体は監督きってのトンデモ映画『L change the WorLd』に匹敵するクオリティだった。しかも配給は同じワーナー・ブラザーズ……




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Posted by 縛りやトーマス at 00:10│Comments(0)映画
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