2014年10月26日

少女の王国『映画 ハピネスチャージプリキュア! 人形の国のバレリーナ』

少女の王国『映画 ハピネスチャージプリキュア! 人形の国のバレリーナ』

 10周年を迎えたプリキュアシリーズ11作目である『ハピネスチャージプリキュア!』(以下ハピプリ)はイマイチ人気が伸び悩んでおり、本映画の興行収入は2週目で2.5億。去年のドキプリが2週目で5億を突破していたり、スマプリも2週目に4.2億という数字を出していたことに比べても不人気、凋落ぶりが明らか。
 なんでこんなことになっているのかというとやはり「恋愛」面を前面に打ち出してしまったせいだろう。ハピプリはどこぞのアイドルグループのように「プリキュアは恋愛禁止」という鉄の掟があるのだが、主人公である愛乃めぐみ=キュアラブリー(CV:中島愛)が地球の精霊・ブルー(CV:山本匠馬)に恋心を抱くという展開で主人公から真っ先に掟を破っているのであった。
 しかもめぐみの幼なじみ、誠司(CV:金本涼輔)はめぐみに片思いしているという三文小説のごとき三角関係!さらに白雪ひめ=キュアプリンセス(CV:藩めぐみ)が(一時期だけとはいえ)誠司に恋をしてしまったり、ついでに氷川いおな=キュアフォーチュン(CV:戸松遥)が同級生とイチャイチャデートしたり、現実のアイドルグループのように次々と禁を破りまくるのであった!
 この情け容赦のない展開に日曜朝から砂糖菓子のように甘い空想に身を委ねたい大きなお友達の一部は如何ともし難い感情を抱いているのであった。そもそもハピプリが戦っている幻影帝国のボス、クイーンミラージュ(CV:國府田マリ子)の正体はブルーとともに悪と戦っていたキュアミラージュで、ブルーに告白するものの、悪と戦う使命を優先したブルーにフラれたショックでダークサイドに堕ちてブルー、プリキュアたちと戦うようになるのであってすべての元凶はブルーと恋愛なのよ!
 こんなイヤな三角関係だの、チャラチャラした恋愛ごとなんか見たくない!といった大きなお友達の反発が不人気の原因じゃないかと思います!!
 ところが『映画 ハピネスチャージプリキュア! 人形の国のバレリーナ』はそんな設定はとりあえず棚の上に置かれているので安心してください。

 人形たちが住むドール王国に迷い込んだめぐみたちはバレリーナの人形・つむぎ(CV:堀江由衣)と王子ジーク(CV:小野大輔)の歓待を受ける。この時ひめがジークを「理想の王子様かも!」と勘違いして恋愛ごっこにうつつを抜かすようになりますが、所詮ごっこ程度で終わるので安心してください。
 舞踏会の最中、謎の男ブラックファング(CV:森川智之)につむぎが連れ去られてしまい、めぐみたちはプリキュアに変身して戦うが、つむぎの目的はサイアークや人形たちを使ってプリキュアを倒すことであった。
 つむぎは元は人間でバレリーナを目指す少女だったが、足が動かなくなる原因不明の病気で引きこもり生活をおくっていたところ、人形たちと自由に暮らせるドール王国をブラックファングに与えられる。長い引きこもり生活で友達もなくしてしまったつむぎにとって自由に歩けて、人形という友達に囲まれたドール王国は理想郷であったが、「ブラックファングに騙されている」とめぐみは忠告するのであった。
 「それなら私の足を治して。みんなをハピネスにするのがプリキュアなんでしょう」
 と無理難題を押し付けられて何も言えないめぐみ。ハピプリは幻影帝国と戦うことはできても、女の子の足を治すことはできないのであった…これは昨今のヒーローものが抱える問題、「ヒーローは敵と戦って倒すことはできてもそれ以外のことはできない」を的確に捉えており、マーベル・コミックも真っ青の展開。プリキュアにもできないことがあるんだ!!めぐみのビッグな愛を拒絶したつむぎはよりダークサイドに堕ちていく!
 無力感に苛まれためぐみがそれを見事に克服してつむぎとの友情を回復する鮮やかなクライマックス~ラストシーンへの流れは本シリーズにもない盛り上がりでgdgd恋愛描写なんかやっぱりいらんかったんや!

 本作を鑑賞するにあたって毎度のように起こるミラクルライト問題…劇中、ピンチに陥ったプリキュアを救うために観客がスイッチを押すと光るミラクルライトをスクリーンに向けてかざし、プリキュアを応援できるという双方向時代ならではのガジェットなのだが、中学生以下の子供にしかもらえないのさ…をなんとか大きなお友達にももらえるように運動を実施すべく、今年も何気なく手を差し出しましたが、やっぱりもらえませんでした!俺たちはどんなに頑張ってもだめなのか?
 しかし劇中に繰り広げられた光景…クライマックス、ブルーが世界中の人々にミラクルライトをばらまき、「プリキュアを応援してくれ!」と叫ぶとスーツ姿のサラリーマンやエプロンを着たお母様までもがライトを振ってプリキュアを応援している!目を丸くしましたよ。中学生以下の小さなお友達しかもらえないミラクルライトを大人が振っているという描写は矛盾するのではないだろうか。それを許すのならば大きなお友達にもミラクルライト配ってもいいじゃない!
 もしミラクルライトを渡さないのであれば僕らはダークサイドに堕ちてつむぎのよりもっとひどいドール王国をつくってしまうぞ!お前も人形にしてやろうか!!






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Posted by 縛りやトーマス at 19:38│Comments(0)映画アニメオタク
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