2015年06月04日

こじらせ女子の鳥獣戯画『脳内ポイズンベリー』

こじらせ女子の鳥獣戯画『脳内ポイズンベリー』

 石原さとみのクッソエロい唇が注目されたドラマ『失恋ショコラティエ』の水城せとな原作漫画の実写化。
 アラサーで携帯小説を書いている…というと聞こえがいいが、要するに無職の櫻井いちこ(真木よう子)はその関係で参加した出版社の飲み会で出会った将来の夢は芸術家というバイトの大学生、早乙女(古川雄輝)に一目惚れ。後日、駅のホームで早乙女に再会したいちこはパニック状態。思い切って声をかけるか、それとも…

「これはチャンスだ!声をかけよう!」
「何いってんの?飲み会で一度会っただけのアラサー女のことなんか覚えてるわけないでしょ!!『誰?』ってなるだけだから、やめときな!!」

 といちこの脳内ではこの状況に対し、意見の異なる5人が議論を戦わせていた…そう、いちこの脳内では常にこの5人が【脳内会議】を繰り広げ、いちこがどう発言し、行動するかを決定していた。5人の内訳は理性担当で常に風見鶏の吉田(西島秀俊)、ポジティブ担当の石橋(神木隆之介)、ネガティブ担当の池田(最近やたらと見かける吉田羊)、衝動担当でその場の気分次第なハトコ(桜田ひより)、記憶担当で議論には参加しない岸(浅野和之)
 中々まとまらない脳内会議だったが、結果早乙女に声をかけることに決定。二人はご飯を食べに行き(ただしすき家)、「一人暮らしだから部屋が汚い」と早乙女が漏らすと「部屋に掃除に来てってことだよ!行くしか無い!」「ハァ?ただの日常会話でしょ!マジに受け取って部屋に行こうっていったらキモがられるだけだっつーの!」「ここはとりあえず様子を見て…」「この風見鶏が!!」と紛糾する会議の結果、部屋の掃除に行くことになり、掃除も済んでそのまま帰るか?それとも告白か?でまたも紛糾する脳内会議!しかしそこに謎の6人目(真木よう子の二役)が降臨。脳内会議のメンバーを差し置いてリーダーシップを握られた結果、いちこはキレ気味に「掃除までしてやってんだから、女の気持ちぐらい察しろよ!」と早乙女に恫喝まがいの告白をして、結ばれる。
 二人は正式に付き合い始めるが、昨日がいちこの誕生日だということを知った早乙女は「いくつ?」と聞いてくる。一瞬口ごもるもいちこは正直に「…30」と答えると、「30!?マジで…ないわー」と笑う早乙女!絶叫してその場を逃げ出すいちこ!笑われた…30っていったら笑われた…私の恋は終わった!!
 年下男子との恋を諦めたいちこは自分の携帯小説を刊行したいという編集部の担当、越智(成河)と取材旅行に。過去の辛い恋愛経験を話しているうちにキスされてしまう!「結婚を前提に付き合いたい」とアプローチされるのだった。
 早乙女から謝罪の電話を受け、またよりを戻すいちこは自分が早乙女に心惹かれていることを感じるが将来性があるだけで単なるフリーターの早乙女か、優しくてきちんとした収入を持ち社会的な立場もある越智を選ぶか、いちこの心は揺れる。


 夢見るアラサーこじらせ女子が何もしてないのに男に言い寄られて「どっちを選ぶか迷っちゃうー」と苦悩するこじらせ女子あるあるは最近の少女漫画の定番で、最近の女子の「何もしないで男には言い寄られたい」というモノの考え方を象徴している作品ですな。

 「冷たい美人」のイメージがある真木よう子がやたらと挙動不審な女を演じるのは斬新でこのヒロインはとにかくカワイイ。しかしそれは真木よう子が「あえて」演じているからカワイイのであって、いちこというキャラクターはまったく感情移入できないな。
 それはこの映画を観に行くであろう、アラサー、もしくはこじらせ女子にも言えることで、何もしないで男に言い寄られるいちこに「あぁ~あるあるぅ~」「わかるわーこういうの~」と鼻息荒くスクリーンを射抜くような目で見つめている君たち、君たちは違うから!君らは真木よう子の100億分の一も可愛くないですから!!真木よう子が困っちゃう~ってやってるから許されるのであって、君らがやっても不快なだけなんで!!

 このように勘違いしたこじらせ女子たちが大挙押し寄せた映画館が鳥獣戯画さながらの光景となっているそうです。『伊集院光 深夜の馬鹿力』の名コーナー『デブとドブスがコンブリオ』風にいうと「『脳内ポイズンベリー』を観に行って「あるある~真木よう子の気持ちわかるわー」とほざくカエラカットのドブス」な光景ですわ。
 そんなドブスをより勘違いさせる、まったく罪作りな映画だな!ドブスめ、頭湧いてんじゃないの?はっ、『脳内ポイズンベリー』ってそういう意味だったのか…





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