2016年01月28日

爆弾より恐ろしい小百合さまの恥じらい『母と暮らせば』



 広島を舞台にした反戦映画『父と暮らせば』と対になる企画として山田洋次が構想した映画。『父と暮らせば』は戦後の広島で暮らしている美津江の元に原爆の投下で亡くなったはずの父・竹造が幽霊となって現れる。美津江は木下という若者から好意を寄せられているが原爆の投下から生き残ったことに罪悪感を覚え彼の気持ちに答えられない。竹造は美津江が木下と新しい人生を踏み出せるよう、助言をする。

 『母と暮らせば』は原爆投下後の長崎で一人暮らしをしている伸子(吉永小百合)の元に原爆で死んだはずの息子・浩二(二宮和也)が現れる。浩二は母の伸子と婚約していた町子(黒木華)がその後どうなったかが気になって仕方がない。しかし浩二は『父と暮らせば』の竹造のように町子に好意を寄せる黒田との仲を取り持ったりはしない。「町子には僕しかおらん!町子を幸せに出来るのは僕だけや!」と機嫌を悪くする(ちなみに黒田役は映画版『父と暮らせば』で同じ木下役を演じた浅野忠信。山田洋次監督、そっちの映画と自分の映画の区別がついてません)。ましてや伸子に闇物資を譲ってくれる上海のおじさん(加藤健一)がちょっかいを出そうとすると「あんな男を家に上げないでよ」とむくれるのだ。
 今、恐ろしいことを書いてしまったが劇中の伸子、年齢は明記されないがおそらく50代前半、若くても40代だろう。吉永小百合が40~50代を熱演!50代ぐらいの設定な加藤健一に言い寄られて「いやですよぉ、もぉ」などと恥じらいで見せる吉永小百合!『ヴィジット』のネグリジェ婆さんより恐ろしい…!

 オープニングでインク瓶が一瞬にして溶け落ちる様をCGで描いて原爆の威力、恐ろしさを圧倒的迫力で見せつけた山田洋次だが、オッサンに言い寄られて恥じらう吉永小百合の方が原爆より恐ろしいんじゃないかと。巨匠の仕事!いつも言っているけど誰か小百合さまに言わないと。「歳相応の役をしてください」と…

 山田洋次が巨匠の立場、反戦映画、吉永小百合という人がツッコミにくい色んなものをテーマにやりたい放題していたクライマックスは誰も想像できなかった衝撃のオチから、文字通りやり過ぎの大霊界で幕を閉じるのであった。見たんだからしょうがない!




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Posted by 縛りやトーマス at 21:52│Comments(0)トンデモ映画
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