2016年05月14日

オスカーをよこさないと復讐するぞ『レヴェナント 蘇りし者』



 西部開拓時代に実在した伝説的な猟師ヒュー・グラスがたった一人で数百キロの大雪原を歩いて仲間の元に帰還したサバイバルの映像化。

 1823年のアメリカ北西部でネイティブ・アメリカンの土地で狩猟をし毛皮を採取するハンターの一団がいた。彼等はネイティブ・アメリカンの土地に不法に侵入して狩猟を行っているため彼等との諍いが耐えなかった。おりしもネイティブ・アメリカンの部族に襲撃を受け生き残ったわずかなハンターは船で川を下り逃亡する。一連の戦闘はエマニュエル・ルベツキによる得意の長回しで再現、観客を地獄の戦場に引きずり込む。また自然光のみで撮られた(ようにはまったく見えない)映像の美しいこと。
 ハンターらはこのまま川を下って仲間の待つ砦に帰ろうとするが、ガイド役のヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は地の利を持つネイティブ・アメリカンにはこのルートを知られているから不利と判断するグラスは山を越えるルートを提案。グラスを忌み嫌うジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)が反発するも隊長のヘンリー(ドーナル・グリーソン)はグラスの意見を聞き入れ山越えを始める。
 翌朝見回りに出たグラスは灰色熊に襲われ瀕死の重傷を負う。CGの凶暴な熊に襲われるディカプリオ!担架で運ばなければいけないほどの深手であり山越えは不可能と判断したヘンリーはグラスの死を見届け、埋葬する志願者を募り、グラスの息子ホーク(フォレスト・グッドラック)、フィッツジェラルド、グラスを慕う若者ジム・ブリジャー(ウィル・ポールター)が残ることに。
 瀕死のグラスはなかなか死なず、しびれを切らしたフィッツジェラルドはグラスを殺して仲間の後を追おうとするが、ホークに見つかってしまい、口封じに殺してしまう。ジムに「追っ手がやってくる」と嘘をつき、浅い穴にグラスを放り込んで軽く土をかけただけでその場を離れてしまう。
 ホークの死をただ見ることしかできなかったグラスだが、一命をとりとめ奇跡的に歩けるまでに回復。水も食料もない中、極寒の大雪原を復讐のために歩き続ける。



 主演のディカプリオは本作でアカデミー主演男優賞を5回目のノミネートにして初受賞。彼は19歳で出演した『ギルバート・グレイプ』でいきなりアカデミー助演男優賞にノミネート、受賞は逃すが周囲は「リバー・フェニックスの再来!」(世の中に何人リバー・フェニックスの再来と呼ばれた役者がいただろうか…笑)ともてはやし、調子に乗ったディカプリオ、4年後の『タイタニック』で世界的スターに!この時はノミネートすらされなかったが劇中の台詞「アイム・キング・オブ・ザ・ワールド!」のごとき振る舞うレオ様(その時つくられた呼び名)。『ザ・ビーチ』(00)で撮影のためタイのビーチを造成などして改造したので政府に怒られたりもしたが、04年の『アビエイター』で飛行機王ハワード・ヒューズを演じてノミネート。「アカデミーを取るためには実在の人物を演じるかマイノリティをやると評価される」定番に挑むディカプリオ!しかしノミネート止まり。シエラレオネを舞台にした希少ダイヤモンドをめぐるサスペンス『ブラッド・ダイヤモンド』(06)もノミネート止まり。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(13)で実在の人物(やっぱり)ジョーダン・ベルフォート(投資詐欺とマネロンで荒稼ぎした株式ブローカー)をラリパッパな演技で熱演するもやっぱりノミネートまで!ここまで来るとアカデミー会員に「レオにはオスカーをやらないぞ!絶対にだ」という鉄の意志でも存在するのではないかと疑うところ。

 そうしてディカプリオが選んだのは実在の人物(またかよ)であり、復讐のために数百キロを旅した男の物語である。巨大すぎる熊に襲われるのだが、熊は俺にオスカーをよこさない会員の意思であり、やっつけた後に擦り寄る子熊は周囲のコバンザメどものことだ。熊によってボロボロにされたディカプリオは倒すべき本当の敵を追って復讐の旅に。
 そうこれは「俺にアカデミーをよこさないのなら復讐するぞ」というディカプリオ決意のメッセージでありこれを見た会員らがビビってオスカーを渡したのもわかる!アカデミー授賞式で大人のコメントに徹したディカプリオだが、本音は『バスケットボール・ダイアリーズ』(95)ばりにトレンチコートで協会員撃ちまくるつもりだったのかも知れない…





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