2016年09月06日

一筋縄ではいかないテレビ局『後妻業の女』



 結婚相談所で資産のある高齢者を狙って結婚もしくは内縁関係となり、死後遺産を横取りするする犯罪“後妻業”。京都・大阪を舞台にした連続青酸死事件や、婚 活連続殺人事件などが思い浮かびますが、グーグルで後妻業について調べようとすると、大抵サジェスト検索で「後妻業 たかじん」って出るんですよね。やっぱり世間はあの人を後妻業って思ってるんだなあ…
 さて後妻業をテーマにしたこの映画『後妻業の女』は関西ローカルのテレビ5局(毎日放送、朝日放送、関西テレビ放送、読売テレビ放送、テレビ大阪)が製作に名を連ねている。関テレや読売、テレビ大阪社内でこの映画のポスターが貼られているはずで、あの番組やこの番組のスタッフの人達はどんな思いでこのポスターを見ているのやら…

 元大学教授の中瀬耕造(津川雅彦)が脳梗塞で倒れてしまう。耕造が運ばれた病院に急いで駆けつける二人の娘、尚子(長谷川京子)朋美(尾野真千子)。そこに後からやってきた後妻の小夜子(大竹しのぶ)は葬式の費用を要求する。耕造はそのまま亡くなってしまい、葬式の最中に小夜子は悲しみにくれる娘たちに耕造の全財産を相続する権利が自分にあると言い出し、法的拘束力のある遺言公正証書を突きつける。普段から小夜子を嫌っていた朋美は知り合いの弁護士に相談。弁護士の守屋(松尾諭)は「こいつは、後妻業や!」と朋美に告げる。小夜子は8人の男と結婚を繰り返し、8人はすべて亡くなるか行方不明になっていた。その度に小夜子は夫の財産を遺言公正証書によって相続していたのだ。
 耕造は9人目のターゲットにされたのだと確信する朋美は守屋に紹介された元警察の私立探偵・本多(永瀬正敏)とともに小夜子の調査を始める。本多は小夜子の背後に結婚相談所の所長・柏木(豊川悦司)がいることを突き止める。柏木がカモを見つけ、小夜子に接触させるという手口で巻き上げた金を山分けしていたのだ。その頃、二人は新たな犠牲者、関西の不動産王・舟山(笑福亭鶴瓶)に近づいていた…


「好きなことは読書と夜空を見上げること、わたし、尽くすタイプだと思います」

 なーんて可愛らしく結婚相談所のパーティで自己アピールする小夜子にコロッとよろめいてしまう高齢者の爺さんたち、そいつは毒婦だぞ!気をつけろよ!でもそれもわかる。なにしろ小夜子を演じているのは大竹しのぶなのだから。テレビディレクターを婚約相手から略奪する形で結婚、その夫ががん告知された後に明石家さんまと関係を持ち、死別後さんまと結婚。最後は離婚することになるが劇作家の野田秀樹と不倫していたと言われ小夜子も真っ青の恋多き女っぷり。しかもさんまに野田ってそれぞれの業界のトップを走ってる男をモノにしてしまうのだから、よっぽど男を惑わせる魅力があるのだろう。
 この小夜子とコンビを組む柏木・豊川悦司もさすがの芸達者で小夜子がきっちり財産を巻き上げてくると「ご褒美や」とカルチェの時計をプレゼント。おっなかなか気の利く男だねと思わせるが、それはバッタ屋の笑福亭鶴光から4万円でもらってきたやつなのだ。トヨエツ、相談所で働かせている受付嬢兼愛人(水川あさみ)におねだりされてクラブの開店資金を出してやるが、ちゃっかり若いホステスの理沙(樋井明日香)をチョイカキ(樋井明日香、『さよなら歌舞伎町』よりも激しい露出で大ハッスル!)。しかし若い女に入れあげてるのをあっさり水川あさみに見ぬかれてしまいしっぺ返しをくらう。
 小夜子と柏木が結託してターゲットを時には直接手を下している事実を掴んだ本多、それを朋美には伝えずに柏木を強請ろうとするのだ。もちろん黙ってやられる柏木ではない。小夜子のボンクラ息子・博司(風間俊介)を使って本多の口を封じようとする。
 一方、不動産王・舟山をカモろうとするも、彼の通天閣、いやスカイツリーばりのイチモツにメロメロにされる小夜子は自分の仕事を忘れかけてしまうが、「僕は今、人のためになる事業を考えとるねん。そのためにはお金がいるんやけど…ちょっとだけ都合してくれんかな?」なんと舟山、竿師だったのだ!小夜子が金を出さないとわかると「誰が好き好んでババア抱くと思うとんねん!」と態度を豹変させる鶴瓶。これぞ…わるべぇ!


 一筋縄ではいかない人物らの激しいせめぎあいをあえてコミカルなタッチで演じさせているのも大竹ら役者たちの達者ぶりのおかげもあるだろうが、やっぱり関西のテレビ5局が製作に関わってるせいかもね。“後妻業”っていうのをシリアスに捉えられるとやっぱりたかじんの…が浮かぶやん?「これはギャグなんですよ」っていうことでいろいろなツッコミから逃げようとしたのかも。とはいえ結局“後妻業の”“女”でまた、稼ごうとしているのだからさすがテレビ局、一筋縄ではいかなかったのはあんたらの方でっか!





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Posted by 縛りやトーマス at 23:12│Comments(0)映画テレビ週刊文春
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