2016年10月23日

泣きたいのはこっちだよ『CUTIEHONEY-TEARS-』

泣きたいのはこっちだよ『CUTIEHONEY-TEARS-』

 未来の日本は高い塔の高層階に住む一握りのエリートと低層階に暮らすことを余儀なくされる貧民層に二分されており、さらに高層階の住人が撒き散らす汚染されたスモッグによって低層階に酸性雨が降ってくるという『ブレードランナー』な世界観(もちろん屋台でなんか食ってるシーンもある)。新聞記者の早見(三浦貴大)は低層階を見張るロボット兵にレジスタンスの男が捕まっているところに出くわす。突然現れた謎の美女・如月瞳(西内まりや)はバトルスーツに変身してロボット兵を一瞬で蹴散らす。彼女こそ早見が追い続けた救世主だったのだ。

 瞳がバトルスーツに変身する場面はピンクの粒子がぶわっと湧き出て、一瞬で変身する。なんとこの映画、変身ポーズや変身シーンそのものがない。キューティーハニーの映画なんだから「ハニーフラッシュ!」の掛け声とともに服がビリビリっと破けて体のシルエットが見えるセクシーシーンを期待して観に行くのに、そりゃねえよ!変身シーンのないキューティーハニーって…別の意味で斬新すぎる
 あの庵野秀明の『キューティーハニー』(04)でもメイキングで庵野監督が主演の佐藤江梨子につきっきりで変身ポーズをきっちり教え込む場面があったではないか。

庵野「変身はこうだ。ハニーフラッシュ!」
佐藤「(こうですか)ハニーフラッシュ!」
庵野「違う!そうじゃない!ハニーフラッシュ!さあもう一度!」
佐藤「ハニーフラッシュ!」
庵野「ちがーう!」


 といった熱いやり取りが交わされた結果変身シーンだけはばっちり再現されていたわけだが、一体どうしてこんなことになったのか。一説には西内まりやの事務所が過剰なセクシー表現を嫌ったためにそうなったというが、じゃあ始めからキューティーハニーに出すなよ!バトルスーツも腰のあたりがフィットしておらずシワシワという有様。全然西内まりやのボディサイズに合わせてつくられてないみたい。そんなに体のラインを出すのが嫌だったのか…
 キューティーハニーを求めてやってくる観客は別に西内まりやを見たいわけでもなく、セクシーな場面であってそれさえあれば西内まりやじゃなくていいんだから、その辺きちんとしてくれないと。

 レジスタンスのリーダー浦木(高岡蒼甫)は高層階の住民が住む建物を破壊して有毒スモッグの排出を止めようとする。それじゃあ低層階の住民も巻き添えじゃねえか!さすが高岡蒼甫、他人の迷惑を考えてないといったところ。早見が建物を管理するAIをサーバールームからコントロールして有毒スモッグの排出を止めさせようとするが結局スモッグが街中にばら撒かれるのでお前ら何も考えてないだろ!
 監督はインテルの長友佑都をモデルにしたアニメ映画『劇場版 ゆうとくんがいく』のヒグチリョウと『攻殻機動隊S.A.C』のオープニングを製作したA.T. (Asai Takeshi)のなぜか二人表記。役割分担がまったくわからないんですが、勝手に想像するとどちらが「こんなの絶対ムリ!」と途中で逃げ出して、スタッフに入っていたもう一方がなんとか完成させたんじゃないかと。こんな仕事を押し付けられて可哀想に(決めつけ)。

 そんなことをしたらどうなるのか、何も考えてないスタッフと西内まりやの事務所と東映と負の方面にぶっちぎり爆走した結果、「変わるわよ♪」いや何も変わることなく何も生み出さない空中元素固定装置と化した『CUTIEHONEY-TEARS-』。観客が涙したことは間違いない。泣きたいのはこっちだよ!「サヨナラ。わたしのキューティーハニー」ってキャッチコピー、確かに邦画界からはサヨナラしてる。





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Posted by 縛りやトーマス at 02:20│Comments(2)トンデモ映画アニメ
この記事へのコメント
こちらでは初めまして。
予告だけでもう誰のための映画だよ…と頭抱えてしまったので
今後も絶対に観ることは無いと断言してしまいますがこの映画の
公開に合わせて豪ちゃんが『漫画ゴラク』で頭おかしい(褒め言葉)
「激マン!キューティーハニー編!」を連載してくれてるんで
その点だけは価値があったと思います。

豪ちゃん自身が隠れて河崎実監督にこそっと「キミの作った作品が
一番ボクの世界に近いと思ったよ」と本人に向かって褒めたという
『まぼろしパンティvsへんちんポコイダー』を観て脳みそリフレッシュ
させて下さい。コレは思わず円盤買ってしまったくらい面白かった
です。いやホント。
Posted by いかなごうまい at 2016年10月23日 04:50
せっかく公開に合わせて連載スタートしたのに無残な結果に…
Posted by 縛りやトーマス縛りやトーマス at 2016年10月26日 02:09
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