2017年01月23日

いつもの「頭が弱い」綾瀬はるか『本能寺ホテル』



 去年末に『鴨川ホルモー』『偉大なるしゅららぼん』などで知られる作家・万城目学のツイッターアカウントで

「映画の製作のためオリジナル脚本を書いてほしいと依頼され、シナリオ学校に通ってまで書いた脚本は監督・プロデューサーと何度も打ち合わせをしたのに全ボツ。しかし全ボツの後も映画の企画は進行し、私が脚本に書いた非常に重要なフレーズが、映画で小ネタとして使われている。即座に抗議したが撮り直しはしない、公開は強行する、しかし謝罪はしたいというがお断りした。結局は泣き寝入り」

 といったツイートが投下。作品や相手の特定はごかんべん、ということだったが、作品タイトルはすぐに判明した。東宝の『本能寺ホテル』だ。なぜかというと作品の設定や物語がどっからどう見ても万城目学の匂いがするから(それにスタッフが万城目学作品の『プリンセストヨトミ』とかぶっている)。というか僕もこれ、万城目作品だと思いこんでました。えっ違うの?


 繭子(綾瀬はるか)は冬の京都を訪れていた。恋人の恭一(平山浩行)と結婚することを決意していた繭子は恭一の両親の金婚式に参加するはずだったが手違いで予約していたホテルに泊まれず、当て所なく京都をさまよううちに路地裏に佇む本能寺ホテルにたどり着く。無事に宿泊できたが、エレベーターに乗り込んで扉が開いた先は戦国時代!
 戦国時代にうとい繭子は出会った森蘭丸(濱田岳)に胃薬を勧めたり、織田信長(堤真一)が鳥井宗室に天下三肩衝のひとつ、楢柴肩衝の献上を申し入れているところに出くわす。献上というものの、結局は権力を嵩に脅し取ろうとするわけだが、それを見た繭子は憤慨。無理やり信長の手から茶器を奪い取って「ダメですよ!脅し取られちゃ!」と能天気にもほどがある行為にでる。もちろん、繭子は彼が信長であることなどまったく知らないのだが、それにしてもこんな頭空っぽの女子大生みたいなことするか?あわや手打ちになるところ、現代にいる本能寺ホテルの支配人(風間杜夫)がロビーのベルを鳴らしたので帰って来られた(ベルを鳴らすと過去にいった人間が現代に戻れるんだけど、なぜそうなのか説明は一切なし)。繭子は自分の身に起きたことを説明するが当然誰も信じてくれない。
 ようやく自分の行った先が1582年の本能寺であることを知った繭子は何度も戦国時代と現代を行き来し、「本能寺の変」から信長を救おうとするのだが…

 綾瀬はるかって一体いつまでこんな白痴の女子大生みたいな役をやってるんだろうね(劇中でもあまりにアーパーな行動を取る彼女を濱田岳が「こやつは頭が弱いのでございます」というセリフもある)あんた、もう31だよ!深田恭子に断れたから、綾瀬はるかに回ってきたのかな?(この二人ってお互い役を押し付けあってるようなイメージがある)
 戦国時代の中でもミステリー要素が高い「本能寺の変」をテーマにしてるから、その謎でも解き明かされるのか?と思ってたらそんなことはまったくなく、光秀もみんなのイメージ通りの悪役を演じて「敵は本能寺にあり!」って叫ぶだけ。演じたのは高嶋政宏だが、これが政伸だったら裏切り者を演じたけれど、あんた、嫁に裏切られたやん!って突っ込めるのに。繭子に自分の死を告げられても信長は死期を悟ったように振る舞うだけで天下統一という自分の夢を部下の秀吉に託して炎の中に消える。繭子は自分のやりたいことや夢というのが何もなくて、就職した会社が倒産、あとは流されるままに婚約、式の日取りや会場も全部婚約者に決めてもらって意見も言えない(自分の意見がない)。けれど自分の夢に向かってまっすぐ生きている信長を見て「私も頑張らなくっちゃ!」と決意するっていうのがこの映画の結末。なんだそれは。戦国時代のミステリーを解き明かすのではなく現代に生きる女性の夢を後押しする「お前も頑張れよ映画」だったなんて…
 
 この作品は前述したように万城目学の全ボツ食らった脚本のアイデアを無許可で使用している、とのことだけどこんな中身空っぽ映画をパクってまで作りたかった土屋健プロデューサーに鈴木雅之監督のセンスを疑う。あんたら切腹な!パクるんなら、せめて面白そうなやつをパクろうよ…ジャック・ブラックの『スクール・オブ・ロック』がドキュメント映画の『ロック・スクール』をモデルにしたように…





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Posted by 縛りやトーマス at 22:39│Comments(0)トンデモ映画
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