2017年06月28日

藤原竜也が演技派呼ばわりされてる理由を告白してくれ『22年目の告白 -私が殺人犯です-』

藤原竜也が演技派呼ばわりされてる理由を告白してくれ『22年目の告白 -私が殺人犯です-』

 2012年公開の韓国映画『殺人の告白』を原作に日本でリメイク。時効を迎えた殺人犯が自ら名乗り出て、事件の告白本を出版、世間が大騒ぎになるという話。韓国では絵空事に見えるかもしれないが、日本では(人前にこそ出ないが)実際に告白本を書いたやつが居たわけで、そういう意味では日本の方が同じ題材でもよりドラマティックに、リアリティをもって描けるはずなんだが、所詮は日本だからそういう風にはならなかったわけで…

 1995年(言わずもがな、阪神大震災、オウム真理教事件の年)に起きた連続殺人事件。それは犠牲者の大切な人(家族とか恋人)の目の前で双方を縛り上げた上で絞殺、その様子をビデオに撮って喜ぶという変態犯罪(ここだけはオリジナルの韓国映画よりえげつない)で、警察は罠をはって犯人を追い詰めるも、つかみ合いになった刑事の牧村(伊藤英明)は拳銃で犯人を肩を打ち抜きながらも取り逃がしてしまう。このせいで犯人の標的は牧村になり、警察に「お前の家に死体を置いた」と電話が。同棲している妹・里香(石橋杏奈)の身を案じた牧村は自宅へ向かうが、それこそが犯人の罠で、牧村を押しのけて部屋に入った上司の滝(平田満)が首吊り、直後にブービートラップを踏んで大爆発。滝は死亡。その後、犯人は二度と現れず、里香も行方不明のまま事件は時効を迎える。そのショックで里香の婚約者の小野寺(野村周平)は飛び降り自殺…
 と、関係者の誰もが不幸のどん底に陥り、事件発生から22年後の2017年。「私があの事件の殺人犯です」と名乗る男、曾根崎(藤原竜也)が現れる。曾根崎は記者会見を設定してパワーポイントでつくった(多分)動画をバックに登場したり、マスコミを引き連れて被害者遺族の元を謝罪行脚したり、サイン会を開いたりとアピール能力に長けているのであった。
 世間は「こんなやつを野放しにしていいのか」という至極当然な意見のアンチと、曾根崎のイケメンっぷりに転がされたソネ様ギャルたちが全面擁護に回って真っ二つに分かれる。曾根崎を演じる藤原竜也はいつもの藤原竜也演技で、上向きながらなにかを喚いたり、ヘラヘラしてるだけで『カイジ』と何が違うのか。なぜお前はいつもヘラヘラしているだけで演技派呼ばわりされているのか、それを告白してくれ!

 そんな曾根崎を批判的に見る深夜番組の司会者・仙道(仲村トオル)は自分の番組に曾根崎をゲストに呼ぶ。その番組に「曾根崎はニセモノだ。俺が本当の犯人だ」と名乗る匿名の投書が。世論は曾根崎か、それとも匿名の男が真犯人かで再び真っ二つに。そこで「犯人にもっとも近づいた男」牧村がテレビ番組に呼ばれることに。曾根崎、牧村、覆面をかぶった匿名の男。3人の対決が始まる。果たして真犯人は誰なのか?


 ここまではオリジナルとほぼ同じ展開で、ここからの展開が日本版では大きく分かれる。日本版は「誰が犯人なのか?」というミステリーになるのだが、そのオチがどうしようもない。なんであんなつまらないことになっているのか?そもそもオリジナルはミステリーでもなんでもない。ミステリーにしたってツッコミどころ満載になるだけだと判断して、荒唐無稽なコメディ要素が散りばめられてる。
 例えば犯人を名乗る男を処刑してやろうと被害者遺族のグループが犯人を拉致監禁するために毎朝ホテルのプールで泳ぐという情報をキャッチしてそのプールに毒蛇を流す。噛まれた犯人を拉致すべく偽の救急車を用意、さらおうとするが、すぐに本物の救急車がやってきて慌てて逃亡、大カーチェイスに発展。
 拉致が失敗したグループは暗殺しようとビルの屋上から弓矢を撃つ!ライフルじゃなくて弓矢!韓国映画らしい破天荒なノリだが、ミステリーにしたところでつまらなくなるのがわかってるからなんだよ。別の部分に主題を置いたオリジナルはまさに慧眼。
 日本版がつまらないミステリーになったのかはオリジナルの何たるかがわかっていないのと、あのすさまじいカーチェイスや銃撃戦が日本では再現できないからだろう。撮る場所もスタッフもほとんどいないから、というのはわかるんだけどだからといってあんな常識で考えてありえない犯人像や動機はないよな。ミステリーとしても底抜けてるから。あざとく出してきた阪神大震災がどうのこうのっていうのも全然無意味だし。妹が22年も行方不明になっているのを警察が誰も知らないってどうかしてるよ!





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Posted by 縛りやトーマス at 22:41│Comments(0)映画
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