2017年09月22日

今だ現役のドラゴン『スキップ・トレース』

今だ現役のドラゴン『スキップ・トレース』

 引退宣言しながら映画に出続けるジャッキー・チェン。プロレスラーとジャッキーに引退などない!グレート小鹿だって75歳でリングに上がるのだ。しかし、全盛期の動きはもう望めない。ここ数年の『ドラゴン・ブレイド』や『ライジング・ドラゴン』でははっきりと衰えが見えていた。そこでジャッキーが見出したのが「まだ動ける相手と共演する」という手法だ。
 こうして今回選ばれたのがジョニー・ノックスヴィルだ!『ジャッカス』の!なるほど、こいつを選んだか、といったところ。『ジャッカス』シリーズでは命がけのバカ騒ぎを生身で演じてジャッキーに負けず劣らずのアクションをやっていたジョニーなら相棒としてはぴったりである。

 そんな相棒を迎えたジャッキー演じる刑事、ベニー・チャンは冒頭で同僚刑事のヤン(香港のベテラン俳優、エリック・ツァン)を失う。二人は香港犯罪界の大物、ヴィクターを追っていたがヤンは体中に巻かれたダイナマイトで吹っ飛ばされる。ヤンの仇を討たんと若手刑事を率いたベニーはヴィクターの部下とされる実業家のハンサム・ウィリー(ヨン・ジョンフン)のアジトを突き止めるが、潜入捜査のミスから川沿いのアジトを一般市民の住居ごと吹っ飛ばしてしまって停職処分。
 ベニーはヤンの一人娘、サマンサ(『新宿インシデント』で共演したファン・ビンビン)からコナー(ジョニー・ノックスヴィル)という男の情報を得る。コナーは詐欺師でマカオのカジノでイカサマをして大金をせしめるのだが、そのカジノでヴィクターとハンサムらがある女を殺すところを目撃してしまう。一目散に逃げ出したコナーはロシアン・マフィアに捕まる。コナーはロシアン・マフィアのボスの娘を妊娠させて逃げ出したので追われていたのだ(のんきにギャンブルやってる場合か!)。そのままロシアに連行されてしまうコナー。
 コナーからヴィクターに近づく情報が得られると考えたベニーはロシアに飛んでボウリング場で拷問を受けているコナーを救出。せまい工場のベルトコンベアにのってグルグル回りながらロシアンマフィアと大格闘を演じるベニー。ここは往年のコメディチックなアクションをスピードは落ちたとはいえ、バッチリ見せてくれるジャッキー。ロシアン・マフィアのひとりを演じるイブ・トーレス(WWEのディーバ)とも激しいやりあいをかます。工場に落ちてたマトリョーシカでトーレスの攻撃を防ぐのだが、次々マトリョーシカが割れて指ぐらいの大きさになっちゃってドヒャー、だ(笑)

 ベニーは香港の法廷でコナーに証言させようとするが戻れば殺されると怯えるコナーはあの手この手で逃げ出そうとする。コナーのせいで飛行機のチケットをダメにしてしまったので、二人は歩いて香港を目指すことに。モンゴル、そして中国大陸。行く先々で二人はモンゴル相撲を取らされたり、筏で急流下り(この時、NGでジャッキーが溺れかける)、崖の間をロープを伝って渡るわ、中国地方の泥祭りに巻き込まれたりの珍道中を繰り広げる。
 
 往年の『五福星』やら『七福星』風のコメディだと思って安心しているとクライマックスで突然シリアスになってしまったり、中々見ていて飽きさせないつくりはさすが40年以上の経験で映画を知り尽くしているジャッキーと、『クリフハンガー』『ダイ・ハード2』『カットスロート・アイランド』で見せ場が次々やってくる作風でおなじみの監督レニー・ハーリンとの名タッグといったところか。ハーリンは中国で自身の映画会社までつくっている(http://getnews.jp/archives/1478899)ので肌にあっているのだろう。

 劇中アクションの多くはいつものようにジャッキーが生身でやっているが、共演のジョニーやファン・ビンビン、そしてレスリー役のシー・シー(TVドラマを中心に活躍する30歳の美女)もかなりの場面を自分で演じている。ジャッキーに言わせると
「なぜだかわからないけど、僕の映画に出演する役者はみんな自分でアクションをしたがる」
 そうだ。実際はジャッキーがやらせてるんだと思うけど…ちなみにジャッキーは美人に生身のアクションさせるのが大好きで『ラッシュアワー2』で共演したマギー・Qにも出会った初日に道場へ連れて行ってアクションできるかどうかを練習させたという。きっとビンビンやシー・シーも同じ目にあってるはず。
 30歳のシー・シーと最終的に結ばれるというオチにはいいかげんにしろ!ジャッキー、64歳だぞ!と思ったがまだまだ枯れてない証拠とも言える。今だ現役のドラゴン!ジャッキーに引退などない!!




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Posted by 縛りやトーマス at 05:56│Comments(0)映画
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