2017年10月26日

マイナス面をプラス面が補った過激アクション『亜人』



 good!アフタヌーン誌にて連載中の人気漫画の実写化。死んでもすぐに蘇り、「死ぬことができない」“亜人”が世界の各地で確認され、日本でも研修医の永井圭(佐藤健)が国内3人目の亜人として認定される。亜人は政府の保護を受けているとされていたが、研究所に運び込まれた永井を待っていたのは終わることのない人体実験の日々であった。本院の意思を無視して体中を切断され、反応が薄まると殺されて「リセット」されてまた人体実験が再開する…
 地獄のような日々に終わりを告げたのは研究所に突入したテロリスト、佐藤(綾野剛)であった。佐藤は国内最初の亜人であり、政府による人体実験を告発するため永井を救いにやって来た。決して死なない佐藤の前に研究所書院たちはなすすべなく殺されていく。躊躇もせず殺人を繰り広げる佐藤を恐れた永井は「一緒に戦おう」という佐藤の誘いを断って研究所を脱出、病気で入院中の妹、慧理子(浜辺美波)の元へ。その頃、佐藤は亜人二号の田中(城田優)とともに政府が隠匿してきた亜人への人体実験を告発し、亜人の保護を求めて記者会見を行うが、真の目的は亜人が普通の人間の上に君臨する支配権の確立であった。


 『進撃の巨人』『東京喰種』のような異常な生物と人間が戦う、漫画界で(特に講談社)最近流行りのテーマの実写映像化であるが、この手の実写企画がことごとく失敗しているのは原作ファンに気を使い過ぎて原作を再現するだけで精一杯だったり、原作から逸脱しすぎてわけのわからないことになっているか、どっちかなんですが、この『亜人』はこの手の漫画実写でありがちな原作の世界観を説明する時間をぶった切っている。序盤も永井という主人公の日常が亜人になってしまうことで崩れ去っていく、というシーンから始まるであろうはずが、すでに研究所で実験されているシーンから始まっている。
 佐藤ら反政府の亜人たちや、亜人の研究を指示する戸崎(玉山鉄二)や彼の部下でありながら実は亜人という下村泉(川栄李奈)という人物のバックボーンなどはまったく描かれない。説明を極端に省いているので少々理解に苦しむ展開が出てくるのだが、その分をアクションに費やしており、実にスピード感のある物語になっている。
 『るろうに剣心』『HiGH&LOW THE MOVIE』などを担当したA-TRIBEによる地面を高速で滑りゆくワイヤーアクションなどは目を見張る出来で、邦画のアクション描写は確実にレベルアップしている。特に川栄李奈が城田優に蹴り飛ばされたり、階段を生身で転がってゆく場面は相当体を張っていてそこらへんのヘナチョコ邦画では歯が立たない。

 佐藤健、綾野剛、玉山鉄二、千葉雄大、山田裕貴といったニチアサ系の俳優たちが邦画アクションの大作を背負っているというのも、特撮クラスタにしては嬉しい限り。

 説明不足の物語というマイナス部分を激しいアクションがプラスにして補っている実写『亜人』。アクションだけで金が取れる邦画の誕生です。




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Posted by 縛りやトーマス at 21:32│Comments(0)映画特撮・ヒーロー
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