2017年11月21日

広瀬アリスの目力に注目『氷菓』



 省エネ主義をモットーとする高校一年生の折木奉太郎(山崎賢人)は姉の勧めで彼女がOBだった古典部へ入部する。伝統のある古典部は部員がおらず、今年新入部員が入らなければ部は消滅。姉に逆らえない奉太郎は職員室で部室の鍵を借り、施錠された扉を開けて入るが部屋にはひとりの女子生徒が居た。千反田える(広瀬アリス)と名乗る生徒は「古典部に入部した」といい、彼女がいるなら自分が入部する必要はないと帰ろうとするのだが、えるは自分が入室したときには部屋の鍵はかかっていなかったといい、「知らない間に部屋に閉じ込められていた」状況に「わたし、気になります!」と目を輝かせる。成り行きで密室の謎を解き明かした奉太郎はそのまま古典部に入ることに。
 奉太郎の推理力を見たえるは自分が古典部に入部するきっかけ「一身上の都合」について明かす。10年前に元古典部員だった叔父の関谷純にあることを尋ねたのだが、その答えを聞いた5歳のえるは泣き出してしまった。自分が何を聞いてなぜ泣いてしまったのかを解き明かしてほしい、と。引き受けた奉太郎は親友の福部里志(岡山天音)、幼馴染の伊原摩耶花(小島藤子)らとその謎に挑む。奉太郎ら4人は45年前に学校で起きたある事件の真相に近づいてゆく。


 漫画やアニメ原作の実写化は本当に難しく、日本では多くの原作ファンが原作とまったく同じにしないと許さない、という風潮があるので『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』など登場人物の衣装や見た目などに違和感があるというだけでボロクソに貶される始末。片やアニメを完全にコピーしていた『銀魂』などは大絶賛。そう考えると22歳の広瀬アリスが高校一年生のヒロインを演じた『氷菓』は配役の時点でかなりのハンデを背負ってしまったのでは…

 米澤穂信のデビュー作<古典部シリーズ>は京都アニメーションによるテレビアニメもあり、繊細な描写と美しすぎる映像が現在でも評価が高く(『氷菓』だけに…)特にヒロイン、千反田えるのおっとりとして清楚かつ可愛くてたまらない美少女ぶりが人気のひとつなので子供っぽいというよりは年の割には大人びている広瀬アリスは原作ファンのイメージとはかけ離れているのでは?と思ったものの、好奇心旺盛なえるが「わたし、気になります!」という決め台詞とともに目を大きく見開いて輝かせる演出では目が大きく印象的で、目力のある演技に定評があったアリスだけに決め台詞を言って強引に相手を引っ張りまわすキャラクターに説得力がありすぎてはまり役にしか見えない!

 女優陣ではほかに重要なカギを握る登場人物を斉藤由貴が演じている。時期的に変な意味で話題になっている(あの人がどうしてあんなにパンツを深々と被っていたのか、わたし、気になります!)のだが、この登場人物にまつわる謎が原作、アニメとも違いその上で映画序盤から伏線をきちんと張っているあたりが上手いアレンジになっている。
 原作の良さを踏まえつつ、映画ならではの仕掛けも織り込まれており、原作にただ準拠するだけでなく映画単体の面白さも見せてくれ、難しいとされる実写映画化のハードルを上手く乗り越えてくれた作品である。





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