2017年12月18日

都合のいい運命『DESTINY 鎌倉ものがたり』



 横文字のサブタイトルをメインタイトルの前に入れている(一般客に馴染みやすいようにしているそうだ)ことがTwitterのハッシュタグのネタにすらされてしまう山崎貴監督の最新作。

 鎌倉在住の作家、一色正和(堺雅人)は元担当編集者の亜希子(高畑充希)と結婚、鎌倉の家で暮らし始める。鎌倉には古来、妖怪や魔物が普通に暮らしており、人間にもその姿が普通に見える(!)。普段から妖怪がらみの事件の捜査のため警察にも協力する正和に「鎌倉では当たり前のことだよ?」と言われ亜希子は戸惑うばかり…
 というジブリアニメのような世界観と導入部は面白そうだが、「ジブリっぽい世界観」を描くまでが山崎貴の限界で、宮崎駿が『魔女の宅急便』でキキが空を飛ぶだけで観客をワクワクさせたような爽快感はまったくナシ!

 家に取り憑いた貧乏神(田中泯)をかわいそうだといっていつまでも家に住まわせたりする天然ボケの若妻を演じる高畑充希は確かにかわいいけどこういうの、綾瀬はるかでさんざん見てきたから。東宝は高畑を二代目綾瀬はるかにするつもりか?

 そんなボケ過ぎの亜希子は悪い妖怪の陰謀に嵌められて肉体から魂が抜け出てしまう!魂のまま現世に留まると最愛の人である正和の生命エネルギーを奪うことになるため、亜希子は正和を想いながらも黄泉の国に旅立つことに。
 正和は亜希子を連れ戻すため一度行っては戻ることのできない黄泉の国に旅立つ。切り立った崖の上に和風の建物が立ち並ぶという、中国の世界遺産・武陵源をイメージした街並みに江ノ電が走っているという黄泉の光景に興奮する正和に死神(安藤サクラ)が「黄泉の国はその人のイメージしている光景に見えるんです」と実に都合のいい説明
 亜希子は天頭鬼(古田新太)に連れ去られ、求婚を迫られていた。天頭鬼は平安の時代から(前世の)亜希子に求婚していたが、亜希子の前世は必ず正和の前世と結ばれており、亜希子が転生する度求婚を繰り返すも結局は正和の前世に奪われてしまっていた!正和と亜希子は運命で結ばれることが決まっていたのだ。DESTINYってそういう意味だったの!?
 正和は天頭鬼に追い詰められながらも亜希子が貧乏神からもらったお椀に都合よく助けられ、行ったら帰れないはずの黄泉の国から死神に「ここをまっすぐ行ったら帰れます」と都合よく元の現世に帰ったのであった…ってふざけんな!!

 すべて運命だったのだ…なんて都合のよすぎる話だ。定められた運命を愛の力で乗り越えていくような話の方が盛り上がるだろうに。山崎貴にとって運命は乗り越えるものではなく、従うものなんですね。
 武陵源の世界に江ノ電をくっつけるぐらいが関の山という想像力のなさと意外性のない陳腐なファンタジーは都合よく終幕を迎え、劇場に響く宇多田ヒカルの主題歌。宮崎駿に100回説教されてください。




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Posted by 縛りやトーマス at 20:15│Comments(0)映画
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