2018年01月01日

なぜリメイクした『オリエント急行殺人事件』




 アガサ・クリスティの4大ミステリーにして世界でもっとも有名なオチであろう。なので今更リメイクしたって上手くいくわけないと思うのだが…なぜやった?

 本作は74年に公開されたシドニー・ルメット監督版を想起させる豪華キャスティングを起用。名探偵ポワロ役に監督も兼任するケネス・ブラナー、犠牲者となる富豪ラチェット役にジョニー・デップ。家庭教師のデブナムにはスター・ウォーズ続3部作のデイジー・リドリー。いけすかないドラゴミロフ夫人役はジュディ・デンチ!他にもウィレム・デフォー、ペネロペ・クルス、ジョシュ・ギャッド、ミシェル・ファイファー…74年版に負けず劣らずの面子。

 エルサレムで難事件をあっさりと解決したポワロは乗り合わせたオリエント急行の一等車内で大富豪のエドワード・ラチェットからポワロの腕を見込んで身辺警護を依頼される。彼は脅迫状を受け取っていた。金はいくらでも払う、というラチェットの態度が気に入らないポワロは依頼を断る。
 列車は折からの降雪で線路がふさがれ立ち往生。除雪作業のため停車した車内でラチェットは体の12か所を刺されて殺害される。列車には13人の容疑者が居たが、全員には確かなアリバイがあった。やがてラチェットの正体はマフィアのボス、カセッティで彼は大富豪アームストロング家の長女、デイジーの誘拐殺人事件の主犯だったことがわかる。


 と、ほとんど74年版と同じ話。『オリエント急行殺人事件』はオチが衝撃的であり作品の象徴なので、ここをいじるわけにはいかないから、同じ話になってしまうのはしょうがない。でもそれじゃあリメイク、リバイバルの意味がまったくないのでは?
 この作品をリメイクする意味があるとすれば、配給の20世紀フォックスがクリスティの原作の映画化権利を数本買ったので(今後、『ナイル殺人事件』『検察側の証人』『そして誰もいなくなった』の映画化がすでに決まっているのだ)、どうせダメだとわかっていても作るしかなかったんでしょうね!
 負け試合とわかって登板するピッチャーみたいなもんで、ブラナーの敗戦処理は見事でしたね。点差が開かないようにするだけで精一杯。次回の『ナイル殺人事件』に期待です。今度は多少オチをいじっても大丈夫だろうし。

 あと本作のおかげでオマージュ(?)作品の『シベリア超特急』が再び日の目を見ることになったのは嬉しかった。





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Posted by 縛りやトーマス at 22:48│Comments(0)映画
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