2018年03月02日

カルピスでいうと水『グレイテスト・ショーマン』



 19世紀に活躍した興行師、フィニアス・テイラー・バーナムの半生に『ラ・ラ・ランド』の歌曲を担当したベンジ・パセック&ジャスティン・ポールのコンビが楽曲をつけたミュージカル映画。

 バーナムは幼少のころから貧しいが夢想家で、上流階級の令嬢チャリティはそこに惹かれてバーナムと駆け落ち同然に結ばれる。「娘はすぐに嫌になって飛び出すさ」という父親に「かならずお嬢さんを幸せにします」と誓ったが娘が二人生まれても、生活は貧しいままだった。「こんなはずじゃなかった」と嘆くバーナムにチャリティは「それでも満足よ」とチャリティはいうが、バーナムは自分の夢を実現して家族を幸せにするため、詐欺同然の手段で銀行から大金を借り、世界中の怪しい品物を集めた『バーナムの博物館』を開くが、客足はまったく伸びない。
 世間が興味を惹くようなものを集めなきゃだめだ、とバーナムは世間から隠れるように暮らしている人たちを集める。小人の親指トム将軍、ラスプーチンのごとくヒゲが生えているが歌の得意なレディ・ルッツ、全身入れ墨男に巨人、シャム双生児…そんな彼らを集めたサーカスをバーナムはハッタリで「地上最大のショウ」と銘打つ。興行はたちまち大当たり。

 バーナムは高齢の女性を「世界でもっとも長寿の女性」と謡って見世物にしたりと、いわゆるフリーク・ショーで名を成した人なので、その半生を描くというからてっきり『フリークス』(1932)みたいな映画だと思って見たらそんなことはなかった(当たり前)。なにしろバーナム役を演じるのがヒュー・ジャックマンなので彼の人当りのいい笑顔を見ているとハッタリかました興行師も真実の愛を知っている人間のように見えてくる。
 この映画はバーナムという人間の真実を描く、という点では薄すぎて、カルピスでいうとほとんど水なんだけど、彼のサーカス団を「世間から隠れるようにして生きていた人々にたとえ見世物興行であったとしても『これが私』(This is me)だと生きる誇りを与えた」だと好意的に解釈すれば、成功している映画でしょう。
 なにしろベンジ・パセック&ジャスティン・ポールの楽曲群は素晴らしく、ジャックマンがザック・エフロン演じる上流階級の舞台演出家、カーライルをグレイテスト・ショウに引き入れようと、西部劇のガンマンのごとく口説き文句のセリフを打ち合う場面とともに楽曲の『The Other Side』は必聴。映画としては薄すぎるんだけど、サウンドトラックに上手く騙されてしまうあたりはペテン師のバーナムの興行師人生を上手く表してるといえなくもない。


圧倒的なオープニングタイトル


バーナムがカーライルを口説き落とそうとするバーのシーンのやつ




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Posted by 縛りやトーマス at 18:30│Comments(0)映画
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