2018年06月03日

せめてレイティング上げようよ『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』



 アマゾンプライムビデオで配信されていた『仮面ライダーアマゾンズ』の完結編となる劇場版。野座間製薬会社によって研究されていた人工生命体アマゾンは事故により4000の実験体が脱走、人間社会に潜伏した。食人本能を持つ彼らは駆除班によって狩られていたが、野座間製薬幹部・水澤令華(加藤貴子)の遺伝子をアマゾン細胞に移植することで作られた青年、悠(藤田富)=アマゾンオメガとアマゾン細胞の開発に関わっていた科学者、鷹山仁(谷口賢志)=アマゾンアルファの出会いによって物語は動き出す。身勝手な実験によって生み出されたアマゾンたちを駆除することに反発する悠は自らの実験で生み出されたアマゾンたちを狩ることで責任を果たそうとする仁らと対立。

 アマゾンズというタイトルから昭和ライダーの『仮面ライダーアマゾン』との関連を想像するが、旧作との関連性はまるでない。旧作の持つ怪奇ドラマと野性味あるアクションしか共通点はない。このシリーズを通して描かれるのは「食人」である。密かに暮らすアマゾンたちは食人本能を抑えるアマゾンレジスター(旧作のギギの腕輪を模したデザイン)を装着しているが、期限が2年しかないため以降は生きるためにやむなく人間を襲って食っている。「非人道な実験によって作られた者たちが生きるための食人は許されるのか?」ということだ。このあたりのグロテスクな描写が地上波の深夜放送ですら躊躇して配信限定になった理由だろう。


 season1とseason2の戦いを経て、生き残ったアマゾンは悠と仁の二人だけとなり、政府の駆除部隊4Cの黒崎隊は「この二人を狩ればすべては終わる」と作戦を展開。黒崎隊に所属されていた悠の義妹、美月(武田玲奈)は追い詰められた悠を救おうとし、二人ともども池に落ちる。二人は子供だけが暮らしている養護施設・切子学園に助けられる。学園長である御堂(姜暢雄)の元、自給自足の生活をして野菜しか食べない子供たちと暮らすことにする二人だが、里親にもらわれて学園を去る子供が里親によって食われているのを悠は見てしまう。この学園の子供たちは一握りの金持ちたちの食用として作られる「アマゾン畜産計画」によって生み出された新種のアマゾンであった!

 里親たちが子供をステーキにして食ってしまう描写はイーライ・ロスの『ホステル』ばりに演出されていて、本気度大の食人場面はseason1どころじゃなかった!さらにえげつないのは悠が学園に戻って事実を明かすと、子供たちは「知ってます!」「私たちは食べられることが喜びなんです」とおびえもせずに言い放つ。まるで藤子・F・不二雄の『ミノタウロスの皿』(家畜と人間の立場が逆転している星の話)ではないか。
 クライマックスに悠が選ぶ選択はもはや子供番組とか、仮面ライダーとかの枠を飛び越えてしまっている。この内容でレイティングG(全年齢対象)ってのはどうかしてるぞ!劇場で仮面ライダーのタイトルだけ見て子供連れて来てしまった親子による阿鼻叫喚の地獄絵図が展開されてなきゃいいけど!日曜の朝からイスラム系テロリストを模したような集団、難波チルドレンを暗躍させてる『仮面ライダービルド』といい、最近の仮面ライダーはどうかしてる。

 本当はseason1で死ぬはずだった最強のヒモ、鷹山仁と悠が交わす最初の会話、いかにも仁さんらしくて最高ですね。


「仁さん!目が見えるようになったのか!」
「・・・もう見たいもんなんかねぇけどな・・・」





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