2018年08月06日

シリーズ最高の傑作にして最大のトンデモ『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』



 『スパイ大作戦』の映画化『ミッション:インポッシブル』シリーズ最新の第6作。本作はシリーズ最高傑作にして最大のトンデモ作品だった!


 IMFのイーサン・ハント(トム・クルーズ)率いるチームは核弾頭に使われるプルトニウム3個を回収すべく、売人から買い取ろうとするも取引現場が何者かに乱入され、仲間のルーサー(ヴィング・レイムス)が人質に取られる。イーサンはルーサーを見捨てることができず、プルトニウムは何者かに奪われてしまう。彼らの正体はアポストル(神の使徒)と名乗る前作『ローグ・ネイション』に登場した無政府組織シンジケートの残党だ。
 アポストルが世界中の3都市を核汚染させようとする陰謀を止めるため、IMFはプルトニウムを手に入れようとしている正体不明の男、ジョン・ラークを捕らえるミッションを発動。だが彼らの前にCIAの新長官エリカ・スローン(アンジェラ・バセット)が現れ勝手な行動ばかり取り、世界を危険に晒しているIMFは信用できないとCIAエージェントのウォーカー(ヘンリー・カヴィル)を同行させる。パリに潜入したイーサンとウォーカーは正体不明の謎の女、ホワイト・ウィドウ(ヴァネッサ・カービー)に接触しようとするラーク(リャン・ヤン)を発見、眠らせてラークのマスクを作ろうとするが思わぬ反撃に遭ってしまう。しかも突如現れたMI6のエージェント、イルサ(レベッカ・ファーガソン)が二人を助けようとしてラークを射殺してしまう。顔を破損させたためにマスクは取れない。イーサンは「ラークの顔は誰も知らないはずだ」と変装もせずに素顔でホワイト・ウィドウに近づく。
 ウィドウとの接触に成功したイーサンだがウィドウ自身は仲介役に過ぎず、アポストルの要求はシンジケートのボスであり、前作でIMFが生け捕りにしたソロモン・レーン(ショーン・ハリス)を護送先のパリで脱獄させること。


 今回は複数の登場人物が複雑に絡み合い、しかも誰が本当の悪役なのか?がわからないようになっている。それは脚本上でわからないようにさせているのではなく、脚本家がわかっていない(笑)。
 なぜなら本作は撮影前に脚本が完成せず(33ページしかできていなかった)、監督のクリストファー・マッカリーは撮影しながら続きを考えた。まずトム・クルーズがアクションのアイデアを出し、それとストーリーがつながるように構成しようとした。なのでアクションとストーリーにまったくつながりがなくなってしまった。最初に出てくるヘイロージャンプ(7620メートルの高度から落下して低高度でパラシュートを開く)の目的は「パリに潜入する」というものだが、パリにいくだけなんだから普通に空港で飛行機に乗っていけばいいだろ!?
 クライマックスでもヘリで逃亡するジョン・ラークを追ってイーサンが荷物をぶら下げたロープに飛びついてそのまま追跡するんだけど、何をぶら下げてるのかまったくわからない。ぶらさがりのアクションを撮るためにそうしたとしか思えない!劇中ピンチになる度に「どうするんだ?」「今考える!」といったやり取りが繰り返される。それ、この映画の撮影のことだろ!

 脚本完成前に撮影に入るというのは駄作が出来上がる条件のひとつで、『クレオパトラ』『地獄の黙示録』(こちらは俳優側のトラブルで脚本を書きなおしたんだけど)なんかも同じで、その法則に従うなら『~フォールアウト』も駄作になるところだが、シリーズNo.1といってもいい面白さなのだ。
 その理由は次から次へと息もつかせぬアクションの連続なのでドキドキハラハラが最後まで持続するのと、ほとんどのシーンで主演のトム・クルーズが生身のアクションをやっているのでその迫力に魅せられてしまう。
 ヘイロージャンプのために100回練習ダイブをし、パリの街をBMWで爆走し、ヘリコプターの免許を取って疑似墜落させるスパイラル飛行を実演する。さらにはビルからビルへ飛び移るスタントで失敗して足を骨折までする!骨折が治るのに半年以上かかるといわれたものの、6週間で撮影に復帰したというトム・クルーズ。『プロジェクトA』のジャッキー・チェンじゃないんだから。
 今年で56歳のトム・クルーズ、もはやジャッキーでもやらないスタントに挑んでます。今回のサブタイトル「フォールアウト」は核爆弾が爆発した後に降る死の灰のことだけど、「余波」の意味もあるからトム・クルーズに影響されて色んな役者が「俺も負けないぞ!」と生身のアクションに挑むようにならないものか。56歳に負けるなよ!


 そしてBL界隈でも大人気のイーサン・ハント×ベンジー・ダンのカップルでおなじみ、サイモン・ペッグは今回もお姫さまポジション。ある人物にベンジーが成りすまして危険なミッションに挑む場面では

ベンジー「バレたらどうするんだよ?」
イーサン「安心しろ!その時は助けるから」
ベンジー「どうやって?」
イーサン「今から考える」

 このやり取り(笑)
 死にかけたベンジーを助けるかどうかが今回もクライマックスになっていて、またも安定のヒロイン感でした。





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Posted by 縛りやトーマス at 00:45│Comments(0)映画トンデモ映画
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