2018年11月22日

全編PCの画面で展開する、本当に革新的かつ感動作『search サーチ』



「この映画は100%PCの画面の中で展開する」
 と謳う映画『search/サーチ』を観た。行方不明になった16歳の娘を探す父親の物語だ。PCの画面の中で!

 デヴィット・キム(JJエイブラムス版『スター・トレック』のヒカル役を演じたジョン・チョー)は娘のマーガレットが勉強会に行くからと外泊する。娘とは妻を亡くして以降、疎遠になるばかり。翌朝、目が覚めると携帯に娘からの電話が3件もあった(就寝中で気付かなかった)。普段どおり登校してピアノ教室に行っているものと思ったがピアノ教室からは「半年前に退会した」と。そんなの聞いていない!マーガレットはキャンプの計画を立てていたがそこにも行っていなかった。不安になるデヴィットだが弟のピーターは「年頃の子供なら家 出ぐらいする」と取り合わない。警察に失踪人届けを出したうえでデヴィットはマーガレットのメア ドにログインし、Facebookの友人関係を洗い出すが、彼女に本当に親しい友達はひとりもいなかった…

 父親が自分の子供のことを何も知らない、というのはある意味物凄い恐怖なんだということ。父親は不慣れな操作でPCを駆使して娘の居所を探し出そうとする。SNS、動画サイトを辿り、PCの画面にあるちょっとしたアイコンや広告リンク先にあらゆるヒントが詰まっていて、さらにグーグルマップやグーグルアースを使って物語は立体的に展開する。PCの画面から動かないのに!

 PCの画面上で物語が展開する映画というと以前紹介した『ブラック・ハッカー』http://sthomas.otaden.jp/e444582.html)や全編スカイプの画面だけで展開する『アンフレンデット』(2014)といった先駆者がいるがこの「全編PCの画面上で展開する」という新しいアイデアを完全に使いこなせておらず、反則的な映画になっていたのが惜しかったが、『search/サーチ』はアンフェアな展開には一切ならず、PCの画面でしか展開しない、という物語上の規制を逆に利用し、さらに後半は大アクションになるという革新的な映画として完成している。
 さらに主人公らは韓国系で監督はインド系。従来のハリウッド映画は例えアジア人の物語でも白人を起用していた。「白人じゃなきゃ観客は観に来ないよ!」とかなんとかいって。しかし先だって大ヒットとなった『クレイジー・リッチ!』がオールアジア系で制作されたように、ハリウッドで制作される映画自体に革新的な波が訪れているのだ。さらにプロデューサーのひとりティムール・ベクマンべトフはカザフスタン人。そしてこの人は『アンフレンデット』の制作!前回は使いこなせなかったアイデアを完璧に仕上げているのもわかる。

 
 そして予告編では恐怖映画、サスペンスのイメージなのだが…


 実は感動的なラストが待っていて、予告編に騙されて見に行くとシクシク泣いてしまう。まったく最後の最後まで予測できない、革新的な映画の誕生だ。




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Posted by 縛りやトーマス at 13:43│Comments(0)映画ネット
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