2018年12月17日

SFポリス・ストーリー『ポリス・ストーリー/REBORN』



 ポリス・ストーリーユニバース10周年!
 …と日本の映画会社が勝手につけた煽り文句も勇ましいジャッキー・チェン主演最新作。直接関係しているシリーズは1985年の『ポリス・ストーリー/香港国際警察』からはじまって88年の『ポリス・ストーリー2/九龍の眼』、92年『ポリス・ストーリー3』、96年の『ファイナル・プロジェクト』4作品だ。
 93年の『新ポリス・ストーリー』、2004年の『香港国際警察/NEW POLICE STORY』なんかは直接の続編でもなんでもなく、日本の映画会社がジャッキーが刑事役だから、という理由で勝手にシリーズにしているだけ。そう、この『ポリス・ストーリー/REBORN』も続編ではない!ややこしい!ただし、本作には主題歌としてあの“英雄故事”を新録版で採用している。あの

♪パンチーンゴー ンガァンホンチー ペンチョッ ヤッサンチィ
ラゥホンヒュッ チョンチャクサム チョィチャム ダァイーイ~

♪クヮボゥセェン ワンセェンゴ イゥホゥィセ~ メンチ!



 でおなじみの英雄故事は初代ポリス・ストーリーの主題歌としてジャッキー自らが熱唱して話題に。その英雄故事を本作主題歌にしているのだから、これはもう本編のシリーズと解釈してもいいのではないか。

 しかし本編シリーズとは実質無関係といっても「ジャッキー主演作」の看板を掲げる以上、ド派手なアクション、危険なスタント、超絶カンフーに挑むジャッキーが見られるはず!

 今回ジャッキーが演じるのは国際捜査官リン。白血病で危篤に陥った娘シーシーが気になるが、遺伝学者ジェームズ博士の護衛のために駆り出される。博士は武器商人のために生化学兵器を無理やりつくらされており、その実験体だったアンドレと彼が率いるハイテク武装集団に命を狙われていた。

 このハイテク武装集団が黒いプロテクターに身を包み、ジャッキーたちに襲い掛かる!アンドレは全身真っ青肌で血管が浮き出た、どうみても化け物…彼らは博士を攫おうとするもジャッキーの奮戦により無事博士は守られた。が、ジャッキーは現場で爆死!娘も病院で息を引き取る!
 絶望すぎる冒頭から13年後、舞台はオーストラリア。女子大生ナンシーを付け回す謎のハッカー、彼女の命を狙うアンドレ、そしてナンシーを守ろうとする覆面の男が3つ巴のバトルを繰り広げる。覆面の男は死んだと思われていたジャッキーで、彼はナンシーをひそかに見守っていた。ナンシーは死んだと思われたがジェームズ博士の発明、人工心臓によって命を救われたシーシーで、細菌兵器に冒され死期が迫っているアンドレは彼女の心臓から流れる血液を利用して生き永らえようとしていた!攫われたナンシーを救うべく、アンドレのアジトである空中戦艦にのりこむジャッキー…ってちょっと待て!空中戦艦ってなに!!

 もはやポリス・ストーリーとはかけ離れすぎたSF映画じゃないですか!というのも仕方がない。本作は中国資本で作られており、監督のレオ・チャンは中国出身だし、ハッカー役のショウ・ルオとナンシー役のオーヤン・ナナは台湾出身。ちなみにオーヤンは日本でも有名な歌手、欧陽菲菲の姪!悪役を演じているのはオーストラリアで活躍するカラン・マルヴェイとテス・ハウブリック。これは中国資本で作られ、世界中から様々なニューフェイスを集めてつくられたSF映画というコンセプトだったのだ。
 日本がポリス・ストーリーという名前にこだわりすぎて予告編もそれらしく作られていたが、海外版予告編ではSF映画としてつくられていたので、海外の観客は違和感がなかったろう…



 トンデモSF映画になった上に、65歳のジャッキーはアクションの後に息を切らしたり、ぜえぜえ言いながら駆けずり回ったり、今までは染めていた白髪もそのままにしている。かつてのファンはちょっとショックなんだけど、老いていることをあえて隠さずに、「僕はもう年なんだよ…」と言いながらスタントなしのアクションに挑んでいるわけ。さすがに全盛期のスピードはもう出せないが、65歳のジャッキーができるアクションに限界まで挑むのだ。こんなに動ける65歳、他にいる?シドニーのオペラハウスから滑り落ちてたよ!できねえよ!65歳で!
 ジャッキーは不死身だ!!誇り高い男は全力でぶつかる!




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Posted by 縛りやトーマス at 09:09│Comments(0)映画
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